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「ロード オブ ヴァーミリオン 紅蓮の王」レビュー

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評価 ☆☆☆☆☆(1点) 全12話

あらすじ 舞台は2030年東京。突如、東京近郊一帯で高周波の共鳴音が観測され、同時に街は紅い霧に包まれる。そして、その音を聞いたものは、動物、人問わず、意識を失ってしまう。引用- Wikipedia

1話3分で駄作と分るアニメ

原作はアーケードゲームな本作品。
監督は菅沼栄治、制作はアスリード、ティアスタジオ

あ、このアニメ駄作だな


引用元:(C) 2018 SQUARE ENIX/KADOKAWA/LORD of VERMILION製作委員会

開始5秒で「あ、このアニメ駄作だ」と感じる作品は極稀にある。
その最たる例がこの作品である(笑)
1話序盤から全くなんの説明もなしに大量のキャラクターを出し、
大量のキャラクター同士が何かしらないが戦っており、死んでいく。

大量のキャラクターを1話で一気に出す作品は駄作作品のお約束であり、
原作ゲームをやってる前提で、未プレイの人にはまったくもって優しくない。
シリーズ構成をやられているのは、あの「みなみけおかわり」の
鈴木雅詞さんであり、最近ではISUCAやRAILWARSなど、
強烈な駄作にはお馴染みの脚本家だ。

1話の3分足らずで多くの視聴者が「つまらなそう」と感じるほどの
脚本を作り上げるのはある意味、賞賛に値する。

設定もりもり。


引用元:(C) 2018 SQUARE ENIX/KADOKAWA/LORD of VERMILION製作委員会

この作品のキャラは一種の閉鎖空間のようなものに囚われている。
赤い煙が発生し、東京をぐるっと一周していて東京から出られない。
しかし「水道」や「電気」は通っており生活は普通にできる状態だ。
出られないけど生活には困らないという
「その設定必要なのか?」という舞台設定の段階でツッコミ所満載だ。

主人公や東京の人物は「謎の音」で気絶してしまい、
主人公は目が覚めたら五ヶ月もたっている。
ただ、他のキャラは一週間やそこらで目が覚めている。
別に主人公も一週間で目が覚めても良かったのではないだろうか(苦笑)

他にも色々な設定があるのだが、序盤はわざと視聴者に明かさない。
「今はまだ早い」だの「思い出せ」だの、意味深なセリフを
主人公たちにぶつけ、謎が謎を呼ぶ。
知ってるキャラクターが目の間に居るのにあえて教えないシーンが多く、
見ていてストレスが溜まる。

ガタガタな作画


引用元:(C) 2018 SQUARE ENIX/KADOKAWA/LORD of VERMILION製作委員会

1話こそ作画の質は普通なのだが2話以降から一気に作画のレベルが落ちる。
遠いカメラアングルの際の手抜き加減、戦闘シーンの迫力の無さと、
戦闘シーンが多いのに戦闘シーンがまるで面白くないのは致命的だ。

直線的に突っ込んで武器振り回してるだけだったり、
飛び道具をゆっくりよけたり、やる気がない戦闘シーンは
見ているだけでストレスがたまる。
しまいには止絵をエフェクトとカメラを動かすだけのシーンも有り、
これは果たして「アニメーションなのか?」と言いたくなるほどだ。

戦闘シーン以外でもキャラの口が動いているはずのシーンを
あえて後ろ姿を映すことで作画の枚数を減らし、
カメラを無意味に動かすことで動いてるふうに見せかけている。
話が進めば進むほど作画はひどくなり、枚数も減っていき、
止絵の多さにうんざりするほどだ。

予算がないのかもしれないが、正直、アニメーションという媒体で
これほど動かないのは厳しい。

浅すぎるストーリー


引用元:(C) 2018 SQUARE ENIX/KADOKAWA/LORD of VERMILION製作委員会

謎の人物が人間を悪魔のような姿に変えてしまうため、
謎の力に目覚めた主人公たちが倒す。序盤はこの繰り返しだ。
さっさと話を進めればいいのにテンポが悪いせいで、
ストーリーをグダグダに見せていく。

女神転生やデビルサバイバーなどのアトラス系のゲームのような
ストーリーをやりたいのは分かるのだが、
中学生が女神転生をやった後にノートに書き綴ったような
内容でしかなく、正直、プロが作ったものとは思えないほど浅い。
参考にした作品がわかってしまうほどの底の浅さだ。

思い…出したっっ!


引用元:(C) 2018 SQUARE ENIX/KADOKAWA/LORD of VERMILION製作委員会

序盤は思い出せの連続だ。
どんどんと力が目覚めていくメインキャラがそばにいる人物の
本当の名前をあっさりと「思い出し」て使い魔にしていく。
それに敵は驚くのだが、きっかけを作ったのは敵だ。

いきなり「40年後に世界は破滅する」という設定も出てくる。
簡単に言えば力に目覚めた人物の中から紅蓮の王が生まれる可能性があり、
40年後までに紅蓮の王が生まれなければ世界は混沌にというか、
悪魔に支配されるみたいな感じだ。
ただ紅蓮の王が生まれても新世界ができるだけで
既存の世界は破壊されるらしい。

しかし、40年後だ。
もう少し緊迫した年数に設定できないのか?と感じてしまう。
40年後なら大学生の主人公は60代である。
半年や1年、三ヶ月後などもう少し緊迫感の生まれる時間設定が
できないのか?と感じるほどガバガバである。

ついていけないストーリー展開


引用元:(C) 2018 SQUARE ENIX/KADOKAWA/LORD of VERMILION製作委員会

主人公は悪魔みたいなのと戦ってたと思ったら東京を破壊しており、
敵や味方がいっぱい出てくるのだが、そもそも誰が敵で味方なのか
判断しにくく、出会ったらいきなり襲いかかってくるやつだったり、
使い魔だったりよくわからない混戦状態が非常に多い。

これで一人ひとりのキャラに魅力がアレばいい。だが、無い。
ドコかで見たことのあるキャラクターデザインで、
いきなり力に目覚めて戦ってるだけで掘り下げが甘い。
そもそも8話くらいにならないと出てこないキャラも居るため、
出てきたところで「誰だっけこいつ?」となってしまう。

主人公の行動原理も流されるままで思慮が浅い。
「東京を破壊すれば良いんだよ!」と言われてすぐに破壊し始めたり、
お前の母親が全部悪いと言われれば東京を破壊するのをやめてと、
行動は大胆なのだがよく考えずに行動している。

3つの組織がそれぞれの思惑で動いているのだが、
その組織内でもバラバラに行動するためまとまりがなく、
ヒロインも最初は敵対していたのだが、
割と簡単に主人公側に寝返り、終盤また裏切る。

作品内のキャラが「目先の色恋に惑わされたあなた」と主人公を称するが、
本当にそのとおりであり、世界の破滅がかかってるはずの
彼らの行動原理があまりにも浅い。
ラブコメみたいに主人公とヒロインがいちゃついてる場合ではない。

はい、終盤なのでとりあえず死んでください


引用元:(C) 2018 SQUARE ENIX/KADOKAWA/LORD of VERMILION製作委員会

終盤になるともうすぐ最終話だから!と言わんばかりに
どんどんとキャラクターが死んでいく。
いきなり出てきたキャラにどんどんと殺されていくのだが、
ほんと数えるくらい出番のなかったキャラが殺されても
何の感情も抱けない。

こんなにあっさり居なくなるなら最初から出す必要がなかったのでは?
というキャラも数人おり、キャラクターの使い方が悪すぎるのに、
「10話」でキャラを追加するのはあっけにとられるしかなかった。

最終話は怒涛の展開であり、
もうなんかヤンデレ彼女とのバトルで終わる(笑)
きれいに終った風のエンディングを見せられるのだが、
結局、「世界の破滅」とやらは根本的には解決していないのか、
めちゃくちゃ意味深なラストで終わってしまう。

せめて1クールですっきりと話を締めてくれれば評価も
違ったかもしれないが、ただでさえひどいストーリーを
すっきりと終わらせない展開には乾いた笑いしか出なかった。

総評:ひどい


引用元:(C) 2018 SQUARE ENIX/KADOKAWA/LORD of VERMILION製作委員会

全体的に本当にひどい作品だ。
世界観と設定とやりたいことは分かるが純粋に面白くないストーリーを
ガタガタな作画で見せられ、止絵ばかりの戦闘シーンでは
なんの盛り上がりも生まれず、キャラクターに一切感情移入できぬままに、
終わってしまう作品だ。

結局、世界の破滅までは40年も余裕があるのに
あせった人物が東京破壊しようとしたり、選ばれし者になろうとしたり、
あたふたして自滅しまくって終わっただけの印象が強く、
少しは落ち着いて考えてから行動しろと言いたくなるキャラばかりだった。

続編を匂わせるラストも最悪でしかなく、
続きはアーケードゲームをプレイしてね!ということなのかもしれないが、
そもそもゲームのストーリーモードだとTVアニメの7話くらいまでしか
まだ進んでいないようだ(苦笑)

個人的な感想:面白かったという感想が見つからない


引用元:(C) 2018 SQUARE ENIX/KADOKAWA/LORD of VERMILION製作委員会

このアニメを見る前にいろいろと調べていたのだが、
そもそも感想を書いてる人が少なかった(苦笑)
そんな少ない中でも「面白かった」という感想が1つもなく、
原作ファンの人でも面白いとはつぶやいていなかった。

豪華声優陣だったため予算がそっちの方に割かれていたのかもしれない。
梶裕貴, 福圓美里, 日野聡, 釘宮理恵, 森川智之etc…と、
10年くらい前の深夜アニメでメインを張っていた中堅声優さんや、
ベテラン声優さんばかりが出ており、
ゲームの宣伝文句でよく使われる「豪華声優陣!」がアニメ化の際に
仇になってしまった感じがある。

この作品を見て実際に「ロードオブヴァーミリオンをやりたい!」と
思う人がどれくらいいたのだろうか。
少なくともキャラに思い入れは産まれず、ゲームの内容は一切、
アニメでは伝わらないため私はプレイする意欲はない。

色々と制作において縛りはあったのかもしれないが、
もう少しなんとかならなかったのかと感じてしまう作品だった。

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