「異世界居酒屋「のぶ」」レビュー

2018年10月18日

評価 ☆☆☆☆☆(0点) 全12話

あらすじ とある帝国の古都にある居酒屋「のぶ」。本来は日本でシャッター通りと言われるほど寂れた商店街の一角にあるはずの店だが引用- Wikipedia

アニメ業界の恥さらし

原作はライトノベルな本作品。
似たようなタイトルと内容で「異世界食堂」という作品があるが、
時期的にはこちらのほうがやや早いようだ。
監督は小野勝巳、制作はサンライズ。

本作は少し特殊な形式となっており、
「アニメ+バラエティ」というコンセプトでアニメになっており、
アニメ本編は約10分で残りは実写パートとなっており、
なぎら健壱による居酒屋紹介やきじまりゅうたさんによる
創作レシピのコーナーになっている。

なお、当サイトはあくまでもアニメレビューサイトのため、
実写パートについては完璧に無視する。
(ドコの誰だか知らない料理研究家の料理シーンや、
孤独のグルメの原作者パートみたいな真似事なんて反吐が出る)

ばかみたいなテロップ


引用元:©蝉川夏哉・宝島社/古都アイテーリア市参事会

見出してそうそう、見る気をなくす。
常に画面左上に「異世界居酒屋」というアニメタイトルが表示され、
右上には「1話おでんのじゃがいも」とテロップが表示され、
キャラクターが出ればキャラ名と年齢と役職のテロップが表示される。

アニメーションという媒体でここまで画面を文字で埋め尽くせるセンスは
脱帽であり、あまりのダサさに一時停止してしまう。
特にキャラ名役職を表示するようのないサブキャラにまで表示し、
キャラのセリフで強調したいときに「給料日!」などのテロップまで出る。

しかも、たまに無意味にセリフの字幕まで出る。
本当に無意味かつ「お前らはテロップが出ないと理解できないだろ」と
言わんばかりの過剰なテロップは見てるだけで嫌悪感と
苛立ちとストレスを感じる。

制作側は何を考えてるんだろうか?
素人YOUTUBERが編集したようなテロップまみれのアニメは、
見てるだけで本当に鳥肌が立つほど気持ちが悪く、
効果音まで文字演出で出してきたときには
本当に「うぇっ…」と声に出してしまったほどだ。

異世界の住人でも人間なら意味が薄れる


引用元:©蝉川夏哉・宝島社/古都アイテーリア市参事会

この作品の居酒屋の入り口はなぜか異世界とつながっており、
異世界の人が定期的に訪れ日本の居酒屋料理を食べて感動する。
基本的にはこの流れだ。

「異世界食堂」も同じではあったが、あの作品と比べると
明らかにこっちは劣化コピーでしか無い。
異世界食堂は「ファンタジーの住人」をきちんと描写できており、
エリフやドワーフ、獣人ときちんと異世界のキャラクターが
日本の料理を味わい感動するさまが面白かった。

しかし、この作品はただの人間ばかりだ。
テロップでいちいち出される職業は兵士だったり貴族だったり、
王族だったりするのだが、人間であることには変わりがない。
唯一きつねが化けた姿で出たくらいだ。異世界の意味はない。

1話では異世界の住人がビールを飲むシーンがあるが、
同じビールを飲むシーンでも異世界食堂では「ドワーフ」が
美味しそうに飲んでいた。
同じビールでも飲む人物と魅せ方でまったくもって面白さが違う。

結局、異世界の住人というより海外の人が日本食を
楽しんでるのとリアクションがあまり変わらない。
よくぞここまで異世界という設定を無意味にできるものだと
逆に驚いてしまう。

え?馬鹿なの?


引用元:©蝉川夏哉・宝島社/古都アイテーリア市参事会

思わず馬鹿なの?と思ってしまうシーンが有る。
1話でビールに感動するシーンが有り、
2話でも同じようなリアクションで感動する。
やってることは同じだ。

同じようなシーンを同じように見せて同じようなセリフを言わせている。
これになんの意味があるのだろうか?
1話10分しかないのに1話と2話で同じようなことをしている、
正直、呆れ果てるしか無いストーリー構成だ。

しかも、このビールの描写は何度も出る。
馬鹿の1つ覚えみたいに何度もビールに感動するさまを見せられても、
なんの面白みもなく、繰り返し描写する意味がまるでない。
「ワカコ酒」のように酒が主体になっており、
ぷしゅ~などの効果音があれば分かるが、この作品にはそういう要素はない。

せっかくの描写を邪魔するテロップ


引用元:©蝉川夏哉・宝島社/古都アイテーリア市参事会

この作品で唯一評価できるとすれば料理の作画くらいだが、
その料理にもテロップを被せてくる。
視聴者が見たいのは文字ではなく料理や、それを食べる表情であり、
決してテロップや字幕ではない。

料理アニメにおいて食べた後のリアクションをどう見せるかは重要だ。
しかし、そのリアクションよりも字幕やテロップのほうが目立っている。
制作側が視聴者に「何を見せたいのか」がわからず、
料理やリアクションよりもテロップを見せたいようにしか見えない。

本末転倒とはまさにこのことだ。

総評:アニメ業界者としてのプライドはないのか?


引用元:©蝉川夏哉・宝島社/古都アイテーリア市参事会

全体的に最悪な作品だ。
アニメと言う媒体でテロップを多用し、まるでお昼の番組の
ひな壇芸人による食レポを永遠と見せられているような描写は
なんの面白みもなく嫌悪感しか抱かない。

本来アニメにおいて「文字演出」というのは嫌われやすい。
アニメーションという動く絵と声優による演技で
伝えるべき内容を字にしてしまってはアニメという媒体そのものの
意味がなくなってしまうからだ。

この作品はその意味のないことしかしていない。
少しでもアニメ業界者としてのプライドがあれば、
こんなテロップだらけのシーン構成は「恥ずかしくて」できないはずだ。
恥も外聞もなくグルメバラエティのマネごとをしているだけに過ぎない。

それを差し置いても何回も出てくるビールの描写は辟易し、
「異世界の住人」が日本の居酒屋にやってくるという設定なのに、
ワンパターンな異世界に住人だらけで職業や年齢が違うくらいしか無い。
同じ異世界グルメな異世界食堂が「エルフ」や「ドワーフ」を出して、
その種族が美味しいと感じそうな食事を出してるのに、
この作品は海外の人に日本食を食べさせてるのとあまり変わらない。

異世界と名が付いてるのに異世界の設定が死にかけている。
原作から色々と改変してるところもあるようだが、
普通にきちんとアニメ化してほしかった作品だ。

個人的な感想:なんでこんなにテロップ入れるのか?


引用元:©蝉川夏哉・宝島社/古都アイテーリア市参事会

過剰なまでのテロップの嵐は本当にストレスだった。
中盤から少し減ったのは酷評の嵐だったからかもしれないが、
減らすぐらいだったら最初からやるなと言いたい。

最低限意味のあるテロップならばいいが、
セリフの「字幕」まで出す意味はあったのだろうか?
視聴者は馬鹿なんだから字幕出さないとわからないだろうと言いたげな
字幕が出てくるたびに舌打ちしてしまうような作品だった。
本作品は「ぐるなび」が関わっている作品であり、
このテロップ嵐はそこらへんも影響してるのかもしれない。

BDは完全受注生産のようだが、
300本以上の予約がなければ販売もしないようだ。
しかも「テロップなし版」があるらしく、
制作側もテロップが邪魔であることをご自覚されているようだ。

ここまでアニメを見ていて怒りを感じたのはJKめし以来だ。
あの作品といい勝負のできる作品がグルメアニメというジャンルから
また生まれるとは思わなかった(苦笑)
1話はYOUTUBEで無料配信されてるので、この嫌悪感を味わいたいかたは
どうぞw

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