「あさがおと加瀬さん。」レビュー

評価 ★★★★★(85点) 全60分

あらすじ 高校2年生で緑化委員を務める内気な女の子の山田結衣と、陸上部のエースで隣のクラスの美人な加瀬友香。ある日、結衣が植えたあさがおをきっかけに言葉を交わした2人は、次第に距離を縮めていくが・・・。引用- Wikipedia

この百合は尊い、悶えるほどに尊い。

原作は高嶋ひろみによる日本の百合漫画シリーズの1つ。
アニメーションクリップとして短い尺で映像化はされているが、
本作がきちんとした形での初アニメ化ということになる。
OVA扱いだが期間限定で劇場公開もされた。
監督は佐藤卓哉、制作はZEXCS

可愛すぎるキャラクターデザイン


引用元:©2018 高嶋ひろみ・新書館/「あさがおと加瀬さん。」製作委員会

見出して感じるのはあまりにも優秀なキャラクターデザインだろう。
メインの二人のキャラクターもさることながら、
サブキャラに至るまで「可愛い」と素直につぶやいてしまうほど可愛らしく、
二人のヒロインの性格がキャラデザにもしっかりと現れている。

洋服のデザインもかなりこだわっており、
私服などのルームウェアのデザインもキャラクターに合っており、
洋服からそのキャラクターの性格まで感じられるほどだ。

百合。


引用元:©2018 高嶋ひろみ・新書館/「あさがおと加瀬さん。」製作委員会

この作品は百合である。もうこの言葉が好きならば、
こんなレビューを読む前に本編を見てほしいと感じるほどまでに
素晴らしく百合だ(笑)
高校生の二人の女の子が「付き合いだした」ところからストーリーが始まり、
もう二人の甘すぎるまでの交際模様を見せつけられる。

二人の夜の電話だったり、付き合いたての絶妙な距離感、
付き合って二人の「幸福感」や「すれ違い」が見てるこちら側にも伝わり、
キャラクターがニヤニヤすると画面の前に視聴者までニヤニヤしてしまう。

60分間で描かれるシンプルなストーリー


引用元:©2018 高嶋ひろみ・新書館/「あさがおと加瀬さん。」製作委員会

話自体はよくある話でしかない。
人気者の彼女と、普通の彼女が付き合い始める。
その中で些細なすれ違いや学生らしい青春模様や進路問題はありつつも、
決して重くるしいシリアスにはならない。

この作品はキャラクター描写と心理描写が本当に優秀だ。
シンプルなストーリーであるがゆえにきちんとしたキャラ描写をし、
キャラクターの心理をコロコロと変わる表情でしっかりと表している。
だからこそシンプルなストーリーの中でキャラにしっかり感情移入し、
シンプルなストーリーを単純なものではなく、面白いものに仕上げている。

山田可愛いよ!加瀬も可愛いよ!


引用元:©2018 高嶋ひろみ・新書館/「あさがおと加瀬さん。」製作委員会

シンプルなストーリーと素晴らしいキャラ描写のおかげで、
キャラクターの魅力が見てる側に突き刺さる。

陸上部のエースである加瀬友香と地味な緑化委員である山田結衣、
一見ボーイッシュな加瀬のちょっとストーカーじみて変態チックな所や、
地味な山田の女の子女の子した可愛らしさとたまに見せる大胆さ、
それにたまらない加瀬の大胆な行動の数々…

正直言ってみてる側もたまらない(笑)
重いシリアスがないからこそドロドロしたものはなく、
全く違うタイプの二人が互いの好意を抑えきれずにしてしまう行動が
描かれるたびに「あぁぁっ!」とちょっと叫びたくなってしまうほどだ。
二人のヒロインがそれぞれの魅力があり、それぞれ可愛らしい。

その可愛らしさも二人のヒロインが視聴者と同じように感じて
互いが互いで萌え悶えてるからこそ、
何気ないシーンでの何気ない表情や会話がたまらない。

キスの先


引用元:©2018 高嶋ひろみ・新書館/「あさがおと加瀬さん。」製作委員会

百合なアニメ作品は「キス」止まりであることも多い。
だが、この作品の場合はその一歩先に行きたい衝動に駆られている。
キスしながら押し倒し、指を絡め…と見てるこちら側が
「この先まで行くのか!?」という緊張感を感じてしまうほど、
ドキドキしてしまう。

もちろん当たり前だが「直接的」なシーンはないし、
間接的なシーンもない。そういったセクシーな表現はない。
だが、そんな直接的なセクシーな表現よりも正直、
エロいんじゃないかと思うほどに二人のイチャイチャや、
一歩手前の絡み合いがたまらない。

ああ、なんてベタなんだ(笑)


引用元:©2018 高嶋ひろみ・新書館/「あさがおと加瀬さん。」製作委員会

おそらくこの作品のストーリーを「男女」で描かれても、
ベタすぎるストーリーで面白さはあまり感じられなかったかもしれない。
だが「百合」だからこそのベタなストーリーが面白く、
ラストの「電車のホーム」での行動などベッタベタで使い古されたはずなのだが、
その使い古された感じを感じさせないほど素晴らしかった。

エンディングにはI WiSHの「明日への扉」を二人のヒロインが
カバーしたものが流れる。
二人で交互に歌い、サビでハモるところまで含め、
この作品らしい曲であり、最後までいい余韻を感じさせてくれる作品だった。

総評:この百合は凄い


引用元:©2018 高嶋ひろみ・新書館/「あさがおと加瀬さん。」製作委員会

全体的に見て素晴らしい作品だ。
60分という尺の中で二人の同性カップルの青春模様をしっかり描きつつ、
そのシンプルなストーリーの中で二人のヒロインの魅力を最大限に生かす
キャラクター描写と演出の数々、そして声優の演技に至るまで、
「百合」という要素をたっぷりと最初から最後まで味わうことができる。

欠点を言うならばシンプルすぎるストーリーということだろう。
作画のクォリティも高く劇場スクリーンで見ても楽しめたと思うが、
OVA扱いならこのシンプルなストーリーがちょうどいいが、
映画扱いで考えてしまうとやや物足りなさは感じるかもしれない。

しかし、そのシンプルなストーリーだからこそ
二人の心理描写がきっちりと生きており、
見てる側にしっかりと感情移入させる事ができていたのかもしれない。
シンプルだからこそ百合なシチュエーションを存分に楽しむことができた。

「百合」というキーワードに少しでも興味がある、
または琴線に触れる人はこの作品は間違いない。
ぜひ、百合好きには見ていただきたい作品だ。

個人的な感想:あぁぁっ!


引用元:©2018 高嶋ひろみ・新書館/「あさがおと加瀬さん。」製作委員会

正直見てる間ニヤニヤしっぱなしだった(笑)
百合というと萌え萌えなキャラ同士のイチャイチャや、
ドロドロな恋愛事情が描かれる作品が多いが、
この作品はシンプルに青春ものだ。

だからこそ肩の力を抜いてノーストレスで最後まで楽しめてしまった。
これは私だけかもしれないが、最後まで互いを
名字で呼び合うのもなんかよかった(笑)

惜しむべきは知名度の低さだろう。
私もアニメの情報はそれなりにキャッチしている方だと思うのだが、
この作品は本当にたまたま見つけて「こんな作品あったけ?」と
思ってしまったくらいだ。

60分できっちりとまとまっているがゆえに
逆に下手にテレビアニメ化などはしてほしくないが、
この作品がもっと多くの百合好きに知れ渡ることを切に願いたい。