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「はるかなレシーブ」レビュー

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評価 ★★★★☆(73点) 全12話

あらすじ 従姉妹の比嘉かなたの家に同居するため、東京から沖縄へと引っ越してきた大空遥は、家の前の海岸でビーチバレーの試合のための練習をしていた遠井成美らと知り合い、ビーチバレーに興味を抱く。引用- Wikipedia

全話水着回、だが、この作品は熱いスポーツアニメである!

原作は「まんがタイムきららフォワード」で連載中の漫画作品。
監督は窪岡俊之、制作はC2C

体格のいい萌えキャラ


引用元:©如意自在・芳文社/はるかなレシーブ製作委員会

見出して感じるのは「ガタイの良さ」だろう。
モブキャラと主人公の身長の差が明らかにあり、
特に肩幅はかなりのものだ。
顔自体はいわゆる「きらら系」の日常アニメで出てきてもおかしくない
キャラクターデザインなのだが、
身長の高さや肩幅の広さは目に見張るものがあり独特だ。

この作品はタイトルから分かるように「ビーチバレー」を描いている作品だ。
「ジャンプ」を頻繁にする競技だからこそ、
ある程度の身長とある程度のガタイの良さでなければ迫力が出ず、
スポーツをやるためのキャラクターデザインとなっている。
顔は日本の日常系萌キャラなのに体はアメリカンサイズというギャップは
独特の魅力がある。

ばいんばいん、ぶるんぶるん


引用元:©如意自在・芳文社/はるかなレシーブ製作委員会

ビーチバレーという種目上、当然、競技の際は水着姿だ。
ガタイの良いキャラの水着姿であらわになるバストやヒップも
「ばいんばいん」なキャラが多い(笑)
ジャンプをするたびに揺れ、トスをするたびに震える描写は
かなり「セクシー」であり、妥協のない作画でぬるぬると動くからこそ
余計に胸やおしりが揺れる描写が非常に目立つ。

その一方で「スレンダー」なキャラも居る。
小さなおしりから背中の肩甲骨にかけるラインや、
水着の膨らみのなさ、ガタイの良いキャラとは違う腰回りから
胸にかけるラインなどフェチズム溢れる描写をひしひしと感じる。
他の作品ではよくある単純な「セクシー」ではなく、こだわりを感じる。

試合の中でキャラの骨や筋肉をきちんと見てる側に意識させるような描写と
細かい書き込みがセクシーさとスポーツと言う要素を
きちんと健康的に融合させており、シンプルな試合運びでも、見ていて面白い。
エロいといわれれば確かにエロい。
だが、健康的なエロスは清々しさや爽やかさすら感じさせてくれる。

女性しか居ない


引用元:©如意自在・芳文社/はるかなレシーブ製作委員会

この作品はきらら系作品らしく徹底した男性キャラの排除をしている。
モブキャラも女性だらけであり、
ビーチバレーを観戦する人から審判はもちろん、
主人公の祖父まで存在はしているはずなのだがいろいろな事情で不在だ。

そうなると当然「百合」な要素も顔を出し始める。
女性同士のパートナーであり、
過去にパートナーを組んでいたキャラと戦うこともある。
「元彼」と比喩した表現もある。
だが、そこを期待して見てしまうとやや拍子抜けになるかもしれない。

女性だらけで彼氏彼女の関係のようなパートナーではあるものの、
「百合」という要素に至る一歩手前の、
女性同士の友情止まりな部分に収まっており、
完全な百合要素ではないからこそのほどよい女の子同士のイチャイチャは
この作品にはちょうどいい塩梅になっている。

丁寧なストーリー運び


引用元:©如意自在・芳文社/はるかなレシーブ製作委員会

ビーチバレーをやったことなかった主人公が、
沖縄でビーチバレーをやることになり、試合で負ける。
2話では再戦のために練習し、なんとか一点を取ることに成功する。
このびっくりするほどシンプルな序盤のストーリーが面白い。

ビーチバレーに関する知識のない主人公を通して、
視聴者もビーチバレーのルールや手法を知ることができ、
その中で主人公の相棒は過去があり、トラウマのようなものがある。
しかし、そんな重くなりそうな要素をセクシーな描写と、
主人公の真っ直ぐかつ明るい性格が重くさせすぎない。

そんな主人公の前向きな行動や言動に影響され、
相棒が過去とトラウマを乗り越えていく。
びっくりするほどひねりみたいなものはない、
この手のスポーツものなら王道であり、
わかりやすさの極みみたいなシンプルさだ、

しかし、そのシンプルなストーリーを丁寧に描き、
キャラクターの表情や心理描写をきちんと行うことで、
シンプルなストーリーが王道な面白さへと変化し、
素直に「面白い」と感じられるストーリーだ。

わかりやすい試合模様


引用元:©如意自在・芳文社/はるかなレシーブ製作委員会

どういう作戦でどういう手法で責めているかという事まで
きちんと解説してくれる。
その作戦に対し相手も当然対策を取り、それにまた新しい作戦で挑みと
試合の流れが見てる側にしっかりと伝わる。

スローも多用して丁寧に動きまで見せており、
試合によってはやや丁寧すぎるぐらいに描いている。
1点1点どちらがどのようにとり、どういう作戦でどういう流れで行われたか。
ダイジェストや回想などが使われやすいスポーツ物において、
ダイジェストにあまり頼らない試合描写に見てる側がのめり込んでしまう。

キャラクター数の少なさ


引用元:©如意自在・芳文社/はるかなレシーブ製作委員会

スポーツ物というのはトーナメントや他校との試合が描かれる都合上、
描かれる試合の数だけキャラクターが増えていくと言っても過言ではない。
しかし、この作品は試合に参加するキャラは全部で10人ほどしか居ない。

主人公のペアが過去にペアを組んでいた相手の戦い、
別の高校のペアとの戦いが2戦描かれると、
最終的には同じ高校のペアとの戦いになる。

この少ない人数だからこそ一人ひとりのキャラクターの印象が
しっかりと残り、キャラクターの印象がしっかり残るからこそ
試合もより面白くなる。

日常描写がやや少ないのは残念ではあるが、
この作品は萌えや日常作品ではなく「スポーツもの」だからこそ
試合を中心に試合通してキャラクターが描かれている。

熱いストーリー


引用元:©如意自在・芳文社/はるかなレシーブ製作委員会

終盤になるとストーリーの熱血さがましてくる。
キャラクターの可愛さや揺れる胸や食い込むお尻なんでどうでもよくなるほどに、
熱い試合を見せてくれる。
1話から終盤までビーチバレーを通してメインキャラは仲良くなっている。
そしてともに「全国大会」に出ようという目標もできている。

だが、全国大会に出られるのは1ペアのみだ。しかも高校最後のチャンスだ。
1年間を通してともに練習し試合をし、友情を深めてきたペア同士が戦う。
ベタといえばベタだ、だがそれをこの作品は丁寧なキャラ描写と
しっかりとしたストーリー展開で「王道」の面白さへと昇華させている。

終盤の試合は彼女たちの試合のみが描かれる。
互いの性格をきちんと理解し、弱点もわかってるからこそのぶつかり合いは
熱く「1点1点」をしっかりと描写し、その1点1点にきちんと見せ場がある。
見る側も1点1点を緊張してみてしまう。
キャラの何気ない「視線」すらも試合に影響している。

1点の損失に本気で悔しがり、キャラが何気ないミスをするたびに
見てる側も「あ…」と声を出してしまうような試合描写、
そして長いラリーの末の決着は本当に「スポーツ」の
素晴らしい試合を見た後のような感覚になれる作品だ。

総評:これは爽快スポーツアニメである!


引用元:©如意自在・芳文社/はるかなレシーブ製作委員会

全体的に胸やおしりの描写が多い上に
「きらら系」特有の可愛らしいキャラクターデザインであるがゆえに、
萌えやセクシー描写が中心のように見えてしまう作品だが、
話が進めば進むほど「スポーツアニメ」としての面白さが出てくる作品だ。

序盤こそキャラの可愛さやセクシーな描写に目が行ってしまうのだが、
主人公がビーチバレーの知識やルールを覚え強くなっていくと同時に、
見ている側も「ビーチバレー」の面白さにハマっていく。
風の影響や砂、ビーチバレー特有の作戦の数々、
丁寧に説明し、丁寧に描写するからこそ試合を純粋に楽しめる。

人によっては丁寧すぎると感じるかもしれない。
「1点1点」をきちんと描くような試合描写は、
本当にスポーツ中継を見ているかのような面白さがあり、
同時に実際のスポーツ中継では描けないアングルで映しているからこそ、
アニメだからこそ、この作品だからこその面白さになっている。

1話から最終話まで妥協なく、
汗の一滴、砂の一粒まで描くような作画は本当に素晴らしい。
フェチズム溢れる「カメラアングル」を熱い試合の合間に楽しみつつ、
爽やかに、清々しく、まっすぐな青春スポーツアニメとして
スポーツに本気で挑むキャラクターの「熱さ」を感じられる作品だ。

個人的な感想:スポーツアニメが嫌いな私なのに。


引用元:©如意自在・芳文社/はるかなレシーブ製作委員会

惜しむべきは1クールで終わってしまったがゆえに、
「私達の戦いはこれからだ」となっている点ではあるものの、
それが欠点に感じないほどすっきりとした終わりだったのも
高評価につながった。

私はこの作品の最終話のとあるセリフが好きだ。
「後悔してる?二人に教えたこと」
最終話で戦ったペアはビーチバレーを初心者だった主人公に教えていた。
主人公ペアが強くなってしまった原因は自分たちにもある。

そんなせリフに対し涙と笑顔を浮かべながら
「だって二人は最高のライバルで友達だから」と言い放つ彼女が
本当に素晴らしく、この作品らしいセリフとキャラクター描写だった。
正直、主人公ペアよりも最終的にはエクレアペアの方を
応援してしまっていた(笑)

2期があるならばぜひ見たい。
だが、残念ながら原作ストックを殆ど使ったようだ。
非常に良くできている作品なだけに2期をいつまでも待っています。

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