究極超人あ〜る

評価/★★★☆☆(59点)

究極超人あ〜る 評価

73分
監督/知吹愛弓
声優/塩沢兼人,神谷明,笠原弘子,川村万梨阿,かないみかほか

あらすじ
夏真っ盛り、春風高校光画部恒例の 大撮影旅行 の季節がやってきた。もともと貧しいはずなのに何故に撮影旅行が???と思いきや、鳥坂先輩が某旅行社主催のスタンプツアーを丸ごと 大撮影旅行 に利用していたのだ!このツアー東京駅発~熱海・伊東~豊橋経由伊那市駅までのスタンプを全て集め成功したら旅費がタダになる。といういかにも光画部がとびつきそうな企画

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やぁ。

原作はサンデーで連載していた漫画作品。
始まって早々、「原作を読む事」を推奨される文が表示される
その文の通り、この作品は原作を読んで居ることが前提で作られた作品だ
私はもちろん既読済み。
ちなみに原作終了後を描いたオリジナルストーリーとなっている。

基本的なストーリーは青春コメディ。
光画部(写真部)に所属するR・田中 一郎、そんな彼と光画部のメンバーは
光画部撮影旅行にいくことに・・というところからストーリーが始まる

見だして感じるのは声優陣の懐かしさだろう。
ケンシロウでお馴染みの神谷明、すでに亡くなられてしまった塩沢兼人など
80年台~90年台で多くの作品に出られていた声優さんたちが名を連ねており
1作限りのOVAでありながら当時から豪華な声優陣といえるだろう。

ある意味でこの作品は10年、いや20年早かった作品かもしれない
この作品は今のアニメで言う「日常もの」であり「シュールギャグ」な作品だ
特に主人公であるR・田中 一郎はアンドロイドであり非常に独特なしゃべり方をする
その独特なしゃべり方と塩沢兼人氏の声が見事にあっており、
R・田中 一郎のキャラの印象を漫画以上に植え付けられた印象だ

ストーリーは青春ギャグ系だ。
光画部が時間制限内にスタンプラリーを完成させれば旅費が無料になるツアーに参加するが、
そのスタンプラリーは実は西園寺が仕掛けた罠で絶対にクリアできないうえに
光画部のメンバーのいつものノリで時間制限があるはずなのに遊びまくる
その道中で原作のようなギャグが展開する感じだ

ストーリー構成に関してはややグダグダな感じはある。
原作を読んでいればキャラクターに感情移入しており、
この若干、グダグダな空気感が「究極超人あ~る」らしいといえばらしいのだが、
1時間15分ほどの尺でやや余計なシーンが有り、
原作を読んでいないとこの余計なシーンでつまらないと感じてしまうかもしれないが
原作を読んでいれば「このグダグダ感は究極超人らしいなー」と感じる部分でもある
ファン向けのOVAということを考えれば飲み込める部分だろう。

ギャグに関しても1991年の作品なだけに流石にふるさを感じざる得ない。
しかしながら、そのふるさを感じるギャグがいい
R・田中 一郎の破天荒な行動は予測不可能でそれを気持ちよく「はりせん」で突っ込む部長、
突拍子もないネタをグダグダなストーリーの中で唐突に出し
こちらがネタを理解し笑う前に「はりせん」や「プロレス技」でツッコミ、ネタが終わる(笑)

塩沢兼人氏の独特なしゃべり方の演技と神谷明氏のつっかいなツッコミの演技、
この両者が光るからこそ、このシュールなネタで思わずクスクスっと笑ってしまう
決して爆笑ではない、クスクスッとした笑いだ。
この笑いのポイントは「究極超人あ~る」を読んだ人にしか伝わらない笑いだろう

電車に乗りながら風景を見ていたR・田中 一郎がなんの前触れもなく唐突に
電車の床に渦巻きをかき「吸い込まれるぞ危ない!」なんていうネタを
この作品を知らない人に面白さを伝えろというのが難しい。
この作品だからこそ許される、この作品だからこそ笑えるネタといえる。
更にこのネタがしばらくした後にまた生かされるというのもこの作品らしい(笑)

全体的に見てファン向けの作品であることは間違いない。
しかしながら、原作を読んでからこの作品を見てほしいと感じるほど「原作の良さ」が出ている作品だ。
この作品を見たファンがいわゆる聖地に訪れ光画部のメンバーと同じように
いわゆる下山ダッシュと呼ばれる行為をしていたなど、
最近のアニメでは当たり前になった聖地巡礼の元祖ともいうべき作品だ。
それほどこの作品はファンから愛される、究極超人あ~るが好きな人が見れば面白い作品だ。

それゆえに原作が好きでなければ微妙な作品という印象がついてしまうだろう。
多くの人にとっての不朽の名作ではなく、あくまでファン向けの焦点を絞った名作だ。
原作み読者お断り、原作が好きでない方もお断り、
あくまで原作が好きな人のための、好きで居てくれる人だけのためのアニメと言えるだろう
変に見ていない人向けの説明などがない分、割り切り貫いた作品としての面白さがある。
だからこそ高い評価はできないものの、原作を読んだ後なら間違いなく面白い作品だ

本当に普通に原作がテレビアニメ化されたあとにこの作品が出れば
原作ファンだけでなく、もっと多くの人がこの作品も原作も好きになったと思う
それだけにOVAだけしか出ていないのが残念でならない。
この作品の印象が強いだけに変にもしリメイクされたりすると
声優変更は確実なだけに複雑な思いを抱きそうだ。

個人的に電車に乗ってるシーンやBGMで流れる曲が妙に印象に残っている作品だ
決して人に進められる作品ではないのが残念だが、
何かの機会に究極超人あ~るを読んだ方、原作を読んだがOVAを見ていない方には
ぜひこの作品を見ていただきたい。
懐かしい面白さをひしひしと感じられる作品だ

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