萌え

「りゅうおうのおしごと!」レビュー

萌え
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評価 ★★★☆☆(55点) 全12話

あらすじ 主人公の九頭竜八一は、16歳の若さで棋界の2大タイトルの1つである「竜王」を奪取したものの、その後大スランプに陥り、公式戦において11回連続の敗北を喫していた引用- Wikipedia

ロリ王に俺はなる!

原作はライトノベルな本作品。
メディアミックスを前提とした作品のようでコミカライズ化などもしている
監督は柳伸亮、制作はproject No.9。

見出して感じるのは原作者が「ロウきゅーぶ!」の作者と同じなのでは?
と思ってしまうほどのロリっぷりと世界観だろう(笑)
主人公は中学生でプロ棋士になり、16歳で将棋のタイトルで竜王を獲った。
しかし、その後、連敗に次ぐ連敗を重ねていた。
そんな彼の目の前に「9歳」の女の子が弟子入りを志願する。

分かりやすく大きなお友だち向けの作品である。
昨今、「ロリ」を扱う作品の目は厳しい。
そんな厳しい現状の中でこの作品は堂々と9才の女の子をヒロインにする。
しかもお風呂シーンまで当然の如くあり、湯気も少ない。
はっきりいってシーンだけ切り取ってみてしまうとかなりやばいアニメだ

引用元:© 白鳥士郎・SBクリエイティブ/りゅうおうのおしごと!製作委員会

そんな女の子が「将棋の才能」にあふれており、料理も得意で、
主人公の事を「ししょう」としたい、無防備な姿もはずけしげもなく晒す。
わかりやすく萌えであり、わかりやすくロリであり、わかりやすくエロい。
ここまで直球に見せられてしまうと笑うしか無いほど、
ストレートに「大きなお友達」が好きそうな要素をコレでもかと出してくる

そしてストレートだからこそヒロインの可愛さも突き刺さる、
9歳の女の子だからこその純粋さ、無邪気さなどがきちんと描写されており、
さりげないカメラアングルで下品にならないギリギリのフェチズムめいた
セクシーシーンを描写したりと、「ロリ」という属性の魅力を
真っ直ぐ描いており、キャラクターの可愛さに思わずニヤニヤしてしまう

引用元:© 白鳥士郎・SBクリエイティブ/りゅうおうのおしごと!製作委員会

それと同時に「将棋」の話もきちんとしている。
将棋の世界のことを鮮明かつ詳細に描き、
将棋界の仕組みなどもストーリーの中で自然と描かれる。
その反面で「将棋」のルールの解説や指し手の解説は少ない。

比喩表現やキャラクターの表情や心理描写で強さを見てる側に伝えており、
とあるキャラクターなど自分の指し手を
「ライトウィングホーリーランス」と恥ずかしげもなく言い放っている(笑)
細かい対局の流れではなく、演出と心理描写で対局を魅せている。
変な話だが将棋のルールを知らなくても楽しむことができる。

本格的な将棋の対局の流れを期待してしまうと肩透かしを食らうだろう、
だが、将棋自体の詳しい説明や指し手の詳細な解説をしないからこそ、
テンポよく進み、分かりやすく、「将棋」に挑むキャラクターの
心理が見ている側にしっかりとたわる。
対局の熱さは「ロリ」なキャラクターとは思えないほどだ。

引用元:© 白鳥士郎・SBクリエイティブ/りゅうおうのおしごと!製作委員会

9才の女の子にはつらすぎる勝負の世界で、
キャラクターを追い込むような心理戦を交えながら描き、
思わず見ている側が息を呑む。
だからこそ負けた際の悔しそうな表情、涙が痛いほどに伝わる。

将棋に関しても適当にやってるわけではなく、
きちんと定石や流れは考えられてあり、
将棋を知っていれば楽しめる部分もきちんとある。

ただ、やや演出は過剰とも言える。
序盤こそキャラクターの心理描写と演出がうまくマッチしているのだが、
話が進むとやや演出に力が入りすぎて正直くどいと感じるシーンも有る。
キャラクターの心理描写が大事な作品ではあるものの、
それが終盤の展開の印象を悪くしてしまった

引用元:© 白鳥士郎・SBクリエイティブ/りゅうおうのおしごと!製作委員会

ストーリーの終盤は主人公の八つ当たりがひどい。
散々将棋におけるメンタルの重用さを弟子にも説いておきながら、
負け続けるいらだちから小学生の女の子へ当たる。
1クールのアニメにおける物語を締めるためのよくある
「シリアス展開」ではあるものの、単純に見ていて不愉快だ。

これが同世代のヒロインだったりすれば不愉快さは感じないだろう。
だが、小学生の女に子に対する主人公の言動や態度は、
面白い、面白くない以前にただ「不愉快」であり、
演出に力が入っているだけに余計に不愉快さが増してしまっており、
見ている側の主人公に対する評価がマイナスまで一気に落ちてしまう。

引用元:© 白鳥士郎・SBクリエイティブ/りゅうおうのおしごと!製作委員会

連敗続きの主人公が小学生への八つ当たりや不愉快な行動をしておきながら、
そこからの連勝はカットだ、マイナスまで主人公を落としておきながら、
そこから這い上がる程の展開の魅せ方をしていない。
何のためにあそこまで主人公を落としたのかが
よくわからず、はっきりいってまとめ方が雑だ。

1クールという尺の都合上仕方ない部分もあったのかもしれないが、
もう少し、物語の締めたかとして丁寧な展開と描写をしてほしかったと
感じつつ終わってまった作品だ。

引用元:© 白鳥士郎・SBクリエイティブ/りゅうおうのおしごと!製作委員会

総評

全体的に見て良くも悪くもキャラの心理描写が目立つ作品だ。
序盤から中盤までは非常に良く出来ている。
シンプルで分かりやすい将棋ストーリーと、それを紡ぐキャラクターたち、
演出の濃ゆさやロリなキャラクターたちなど好みの分かれる部分はあるが、
1話を気に入れば中盤までは間違いなく楽しめる。

しかしながら終盤の主人公の行動や言動は不愉快に感じやすく、
演出が濃ゆいからこそ心理描写をしっかりしているからこそ、
余計にその不愉快な行動や言動に胸糞さを感じやすくなってしまっている。

ストーリーの流れ自体は分かる、やりたい事も分かるし、結末も悪くない。
しかし、そこに至るまでの過程の描写が甘くサクサクと進みすぎたせいで、
終盤の展開があっさりと描きすぎており、
もっと「面白く」見せれたのでは?と感じてしまった。

魅力的なキャラクターも非常に多い。
だが1クールと言う尺では使いこなせておらず、
出たはいいが使い捨てになってしまっているキャラクターも多い。
なかなか女流棋士になれない「清滝 桂香」のエピソードなど
1話完結でありながら非常によくまとまっていた。

本来は他にも、主人公やヒロインが敵対する相手やサブキャラを
掘り下げるエピソードも原作にはあるのだろう。
そういったサブエピソードが省かれてしまっているのだろうなと感じるほど
詰め込まれてしまっており、1話1話は濃いのだが、
濃いゆえに「不愉快」な部分も濃ゆくなってしまっていた作品だった

引用元:© 白鳥士郎・SBクリエイティブ/りゅうおうのおしごと!製作委員会

個人的な感想

個人的には嫌いじゃない作品だ。
日高里菜さん演じるロリなヒロインや、小倉唯さん演じるロリなサブキャラ、
金元寿子さん演じる「姉弟子」、茅野愛衣さん演じる年上お姉さんと
こういった作品には珍しく新人らしい新人声優が居ない。

しっかりとキャラクターの魅力を引き出せる女性声優と
可愛らしいキャラクターデザインがヒロインの魅力を後押ししており、
6歳の女の子にプロポーズする主人公のたらしっぷりも好きだった(笑)
ただ終盤のあの不愉快なシーンだけはどうしても消化しきれなかった。
せめて部屋に引きこもるくらいの描写で収めてくれればと感じざる得ない。

売上的には正確な枚数はまだ出ていないが悪くないようだ。
カットされたエピソードも多いらしく、
原作が現在8巻まで出ていることを考えれば2期は割と早いかもしれない。
嫌いな作品ではなかっただけに2期に期待したい所だ。

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  1. ビネガー より:

    この作品の魅力はロリなんかじゃなくて(第二部に至ってはまさに空気だし)棋士のかっこよさを描いた作品なんですよ…ホモの人も確固たるプライドを持つ人ですし。はっきり言って萌えアニメのスタッフにやらせるべきではなかった。