「ゾンビランドサガ リベンジ」レビュー

3.0
青春
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評価 ★★★★☆(59点) 全12話

あらすじ 2019年3月、大規模会場での集客に失敗し、莫大な借金を背負ってしまったフランシュシュ。引用- Wikipedia

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リベンジ失敗!?

本作品はゾンビランドサガの2期。
1期から約3年の月日を経ての2期となった。
制作はMAPPA、監督は境宗久とともに1期から変わらない。

サキイカ

1話冒頭から突飛な展開だ。
この作品はタイトルからも分かる通り、ゾンビとして蘇った少女たちが
アイドルをやるという要素でストーリーを作りキャラを描いていた作品だった。
しかし、そんなゾンビでアイドルな彼女たちがなぜかバイトをしているところから物語が始まる。

水野 愛が高らかに「サキイカ」の歌を歌う中で
それぞれのバイトをしている様子は謎でしかなく意味不明だ(笑)
幸太郎はどこへいった、アイドル活動はどうした!と
思わず叫びたくなる1話の冒頭は、ゾンビランドサガらしい始まりとも言えるかもしれない。

1期の最後のライブでバカ売れしたはずの彼女たち、
しかし、調子乗ってしまった幸太郎の企画が大失敗、
結果的に借金を背負ってしまった。
腐ってもアイドルだった彼女たち、だが、金がなければ何も出来ない。
ゾンビでも人の世に生きるには「銭」が必要だ。なんとも世知辛い。

そんな重要そうなエピソードをさらっとナレーションベースで片付ける。
堕落した幸太郎、失敗したアイドルの烙印を押されたフランシュシュ。
時間は限られている。
それはプロジェクトも、ゾンビとしても、アイドルとしても。
様々な意味で彼女たちは時間がない。

そんな中であの思い出のライブハウスで彼女たちはふたたび立ち上がる。
まさに「リベンジ」だ。
新たな産声を轟かせ、再びゾンビなアイドル道を突き進む。
たとえ観客同士が殴り合いをしていても構わない。
死から蘇った1期の1話、アイドルとしての死から2期の1話。

ただただゾンビとして

2話からは1期と同様に一人ひとりのキャラを掘り下げながら
「フランシュシュ」としての活動を描いていく。
ときにはDJを、ときにはソロとして、ときにはイベントに出たり。

アイドルとして成長していく一方で諦めないといけないこともある。
それは時に「未来」であり「今」であり「過去」だ。
彼女たちはゾンビだ、腐ることはあっても成長することはない。
今の姿のまま永劫のときを生きる彼女たちにとっては
普通の人間と違い「変化」するものと「不変」のものもある。

大人になることも出来ない、
ゾンビとしてバレてもいけない、
恋をすることも出来ない。

それぞれが1期では「過去」と向き合った。
向き合ったからこそ、今を見つめ、肉体的な変化のない彼女たちだからこそ
人とは違う「未来」を考えなければならない。
もう1度与えられた生、だが、それは普通の生とは違う。

しかし、チャンスを与えられたことに変わりはない。
そんな彼女たちが彼女たちが今を踏みしめ、それぞれの、「フランシュシュ」の、
佐賀の未来のために突き進む1話1話のストーリーは
しっかりと腰を据えたものになっている。

そんな真面目なストーリーの中で「ゾンビギャグ」を挟むことで
シリアスとして重くなりすぎずに、あくまでも
「ゾンビランドサガ」らしい雰囲気を保ったままま
それぞれの葛藤とそこからの1歩を描いている。

ヤンキーが憧れていた人からラジオ番組を受け継ぎ、
「アコースティックギター」を弾いていた昭和のアイドルが
エレキーギターをかき鳴らす。
時代が変わったからこそ、自分の生きてる時代と違うからこその
「変化」という名の成長を描いている2期と言っても良い。

1話から4話までの流れで再び「アイドル」としての輝きを、
精神的にも肉体的にも取り戻す(笑)
彼女たちはゾンビだ、肉体は腐り果ててている。
しかし、心までは腐っては居ない。

2期でも変わらぬ「ゾンビアイドル」アニメという
この作品だからこその面白さをきちんと序盤で感じさせてくれる。

ゆうぎり

1期では担当回のなかった伝説の花魁である「ゆうぎり」。
彼女の回は2話かけてたっぷりと描かれており、
他の回とは毛色があまりにも違う。
彼女だけが「明治」の時代に生きた人間故にもはや時代劇だ。

ギャグも少なく、いい意味でも悪い意味でもゾンビランドサガらしくない。
これまでのゾンビランドサガの各キャラの掘り下げと過去回は
基本的に話の流れの中で過去が描かれ掘り下げられる感じだったが、
2期の「ゆうぎり」回は唐突に始まり唐突に終わる。

シリアスなストーリーはどっしりとした雰囲気を生んでおり、
「意外な事実」なども明らかになり、
彼女の「曲」もゾンビランドサガらしいゾンビな彼女だからこその曲だ。

ただ中盤になっても、この作品の「謎」がなかなか明かされない。
メインキャラクターの一人である「山田たえ」。
覚醒した他のキャラと違い、彼女だけは言葉もろくにしゃべれない。
2期になってやや自我がしっかりしてきた印象はあるものの、
彼女の回になっても彼女の過去が明らかになることはない。

中盤では「新人」が加入したかとおもえば脱退したり、
彼女たちが外部の人間に「ゾンビ」だとバレたり、
週刊誌の記者が彼女たちの情報をどんどんと
追い求めていたりするものの、劇的な変化はなかなかおこらない。

キャラのさらなる掘り下げとそれぞれのキャラの成長はいいものの、
1期で描かれたそれぞれの過去や死因の驚き、
そしてライブの衝撃が2期にはない。
「こんな死因で死んじゃったの!?」と思うようなギャグ、
「ゾンビにしか出来ないライブ」が2期には足りない。

1期にあった面白さを引き伸ばしている感じが強く、
同じように謎も引き伸ばしてしまっている。
1期以上に情報を小出しにしている部分が多く、
メインのストーリー部分がやや淡々としてしまってる感じが強い。

巽幸太郎はどうやって火葬が基本な日本で死体を集めているのか
なおかつどうやってゾンビにしているのか。
「佐賀」そのものの力を借りているのはわかるものの、
それにくわえ2期で明らかになる佐賀に掛けられた呪い、
その呪いは誰がなんのためにかけたのか。
タイムリミットとは。巽幸太郎の吐血は何なのか。

明らかになる部分もあるものの、情報の小出しや新たに増えた謎が
2期ではより強くなっている感じは否めない。

災害

終盤では佐賀を災害が襲う。
自然という大いなる存在、それは佐賀にかかった「呪い」が呼び出したものだ。
佐賀は滅ぶべくして滅ぶ。過疎化が進み、災害すらも起きた佐賀。

そんな中でも「フランシュシュ」は佐賀の光になろうとする。
災害で不安な気持ちを抱え、どうしようもない思いを
晴らすように彼女たちは誰かを照らす「アイドル」であろうとする。
避難所で、子供たちの前で、場所は関係ない。
いや、そこが「佐賀」である限り彼女たちはアイドルだ。

「私達をアイドルにしてくれてありがとうございました」

始まりはエゴだった。
巽幸太郎の過去、彼の心残りと彼女の無念が一致しただけだ。
だが、巽幸太郎の中にはそれが自らの「エゴ」であるという自覚があった。
死者を勝手に蘇らせ、アイドルをやらせている。
他者から見ればそう見えてしまう。

しかし、そんなエゴを、彼女たちが、誰よりも「源 さくら」が受け入れ
巽幸太郎へ感謝の言葉を述べるシーンは2期の最大の盛り上がりと言えるかもしれない。

2期ではやや存在感が薄かった本来のゾンビランドサガの主人公である
「源さくら」と狂言回したる「巽幸太郎」がもう1度、立ち上がる11話。
ゾンビなアイドルの物語が11話で極まることで
「リベンジ」というタイトルにもつながる。

1度は失敗した、1度は死んだかもしれない。
だが、彼女たちはゾンビだ、巽幸太郎だ。
だからこそ、もう1度「リベンジ」は成し得る。
それはもう、彼女たちだけのリベンジではない佐賀の、
佐賀に住む人々全てにとってもう1度たちあがるための「リベンジ」だ。

たとえ「UFO」が飛来し、佐賀を破壊されても
彼女たちは佐賀のために輝く…のかもしれない(笑)

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総評:リベンジ失敗!?

全体的に見て1期からの地続きのストーリーを、
「巽幸太郎」の失敗によりリセットされた状況の中で
ゾンビである彼女たちが諦めずに「リベンジ」する過程を
1クールで真っ直ぐに描いている。

1期で過去と向き合った彼女たちが2期では今を見つめ、
ゾンビな自分たちだからこそできる今を踏みしる。
1期に比べて話のインパクト自体は作品全体として薄まっている感じは強いものの、
終盤にかけてきちんと盛り上げる手法はゾンビランドサガらしいストーリー構成だ。

ライブシーンのCGのクォリティは1期からあまりに変わっていないものの、
一人ひとりの細かい動きは洗練されており、
他の子よりも背が低いからこそ大きい動きな「リリィ」や、
自由な「山田たえ」の動きは思わず目がいってしまう。

ただ、それでも「謎の引き伸ばし」はかなり気になるところだ。
2期で明かされた部分はあるものの、1期よりも謎を小出しにしており、
後に発表された「映画化」を想定したストーリー構成になってしまっている。
本来は2期で全部きっちり終わらせられた部分を映画化するので
引き伸ばしましたという感じもある。

2期の終盤では「災害」など私達にも身近なものや、
ゆうぎりの過去などシリアスな要素もかなり増えている。
ゾンビギャグは相変わらずあるものの、シリアスな要素がふえたことで
作品が少し重くなってしまっており、消化不良も残っている。

2期はあくまで映画へのつなぎであると考えれば納得できる部分もあるものの、
このやや残った消化不良感が作品全体に影響している感じは否めない。
映画でこの消化不良が解消されることを期待したい。

個人的な感想:アイドル感の強まり

コレは個人的な感覚かもしれないが、1期がゾンビ5割、アイドル5割だとすれば
2期ではゾンビ3割アイドル7割になったような印象だ。
特に最終話はライブシーンで3曲もフルでやるのはちょっと予想外だった。

映画では一体どんなストーリーが描かれるのか。
果たしてきちんと完結するのか、佐賀は大丈夫なのか(笑)
色々と気になる部分は多いものの、2期も楽しめただけに
映画を心待ちにしたいところだが、制作会社のMAPPAは
かかえている作品も多いだけにいつになるやら…

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