「ツキウタ。 THE ANIMATION2」レビュー

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青春
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評価 ★☆☆☆☆(14点) 全13話

あらすじ グラビ、プロセラのアイドルな日常をお届けします!引用- Wikipedia

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ファンの愛に甘えるな!

原作はキャラクターCDな本作品。1期が2016年に放映されたが、
2期では制作会社が「Children’s Playground Entertainment」に
変更されており、本来は2019年に放映予定が
延期に延期が重なり2020年秋アニメとして放送された
監督は浅見松雄、シリーズ構成は高橋ナツコ

だれ…


画像引用元:ツキウタ。 THE ANIMATION 2 1話より
©TSUKIANI.2

1話冒頭、キャラクターの判断がつかないシーンから始まる。
私は1期を数日前に見ており、全てのキャラの名前と姿を
覚えているとまでは行かないものの、まだ記憶に残っている方だ。
しかし、1話冒頭に出てくるキャラ達が誰かややわからない。

ツキウタはリアルな時間の経過にあわせてキャラクターの
年齢も変化しており、彼らは1期よりも大人になっている。
その設定自体は理解できるものの、その設定を理解していても
キャラクターデザインが違うせいでどうにも
1期と2期でキャラの見た目の印象が結びつかない。

1期は作画の悪さというのはあまり感じなかったが、
2期では露骨に作画の悪さを1話から感じる。
キャラクターの時間経過による微妙な姿の変化と
制作会社変更によるうキャラクターデザインの変更、
更に作画の悪さも相まって1期と2期のキャラクターが結びつかない。

1期の頃のキャラの印象を一旦リセットされるような感覚だ。

語彙力どした


画像引用元:ツキウタ。 THE ANIMATION 2 1話より
©TSUKIANI.2

2期の1話ではキャラクターたちの語彙力の低下が顕著だ。
1話では若い二人がマネージャーに「全メンバーのコメント撮り」を
任される。フルムーンフェスティバルに対する意気込みを、
彼らがディレクターとなり二人が考え撮るという内容だ。

その年の集大成でもあるフルムーンフェスティバル、
ファンも期待しているからこそ「今まで以上の新しい俺たち」を
見せようという意気込みを掲げる。
だが、彼らは悩む「今まで以上の新しい俺たち」とはなんなのかと。

「新しい俺たち…今まで以上…」

何度も何度も、この二言を繰り返す。
若い二人は悩む中で「今まで以上の新しい自分たち」の探し方を
先輩に聞く、すると先輩はこう答える

「そうだなー、俺だったら今までやってこなかったような
 新しいことに挑戦するかな」

ふわふわである(笑)
そんな先輩の台詞に感銘を受ける二人も謎であり、
キャラクターの会話がバカみたいだ。
1期から少なくとも3年以上は経過しているはずなのに、
彼らの時間は逆行しているのか?と思うほどIQが下がっている。

ふわふわな先輩のアドバイスを聞いて、
二人はどんなコメント撮りをするか決める。

「今までの自分と違うワンランク上の輝きを放つ、
 新しい俺達を見せますって感じにしたいなと」

全員が成人したはずなのに、中学生みたいな思考しかしておらず
1期よりも本来は大人に見えなければなりはずなのに、
キャラクターが幼く見えてしまう。

これで2話以降もこういう会話が繰り広げられるなら
さすがは「高橋ナツコ女史」と言いたくなるところだが、
2話以降の会話に違和感はない。
ならなぜ1話だけこんな幼稚な会話になってしまったのか
首をかしげてしまう。

掘り下げ


画像引用元:ツキウタ。 THE ANIMATION 2 2話より
©TSUKIANI.2

そういった幼さを感じる部分はあるものの、
1期に比べてキャラクターをしっかりと掘り下げているエピソードが多い。
1話完結で12人の男性アイドルを描いているのは変わらないものの、
1期ではアイドルの活動がフューチャーされることが多かったが、
2期ではアイドルの活動も描きつつキャラの過去や内面を描いている。

1クールで12人というキャラの多さから、
1期はあくまでキャラクター紹介的な感じが強かったが
2期ではそこからもう一歩踏み込んだエピソードになっている印象だ。

アイドルとしての活動を描きつつ、ライブへ向けて準備をする。
1期と流れ自体は同じではあるものの、
一歩踏み込んだキャラクターのエピソードが
1期ではあまり感じなかったキャラクターの魅力を
感じられるようになっている。

それぞれのキャラクターの過去、キャラクター同士の関係性、
そこから今の自分達が成長していく過程が
きちんと見えるエピソードが描かれている。

作画


画像引用元:ツキウタ。 THE ANIMATION 2 4話より
©TSUKIANI.2

ただ、そんな良いエピソードを作画が台無しにする。
例えば2話で過去に色々あった兄弟でピアノを連弾するという
シーンが有る。そんな2話で最大に盛り上がるシーンが
「止め絵」だ。指一本たりとも動いていない。

これで止め絵のクォリティが良いならまだ許せるが、
作画崩壊ギリギリだ。
もはやドラマCDで十分では?と感じるほど作画が
この作品の良さを邪魔している。

4話など、この作画のレベルなのに「ダンス中心」の話だ。
見ているこちら側が「そんな作画カロリーを使いそうな話で大丈夫!?」と
心配していると予想通り止め絵の連続だ。
1話まるまるかけて作り上げたダンスシーン、
そんな4話の最大の盛り上がりも止め絵まみれで、
彼らを見ている別のキャラの立ち絵が写ったりする。

1期の作画が悪くなかっただけに、2期ではせっかく話の質は上がったのに
その分、作画の質が下がってしまうのは残念でならない。
作画の質も話の質も同じくらいにすることは出来ないのだろうか。
1期ではライブシーンも多かったが、2期ではライブシーンも
かなり削られている。

特に6話は公式サイドが謝罪文を出しているほどの作画が悪い。
キャラクターの顔はほぼ同じでキャラクターの顔や
体の線もガッタガタだ。
作画崩壊こそしていないものの、逆に言えば
ネタにはならないギリギリな作画の悪さほど厄介なものはない。

6話の話としては悪くないエピソードだけに、
そんな悪くないエピソードが作画の悪さのせいで素直に楽しめない。
ただ確かに6話はわかりやすく作画が悪いものの、
これは6話に限った話ではなく、そもそも作品全体として作画が悪いため
公式の謝罪もやや的はずれだ。

11話だけはなぜか異様に作画が良いものの、
この11話くらいのクォリティが作品全体にあればと
惜しまざる得ない。

悩み


画像引用元:ツキウタ。 THE ANIMATION 2 1話より
©TSUKIANI.2

2期ではきちんとキャラクターの葛藤も描けている。
特に10話。仕事がうまくいく中で、自分が本来得意ではないダンス、
そんなダンスを通じて相方と揉めてしまう。
相方は自分の為を思ってダンスのレベルを下げようとするが、
そんな彼の気持ちがわかってしまうがゆえに、
彼にいつまでも追いつけない自分に落ち込んでしまう。

「アイドル」という色々なことを求められる仕事だからこそ、
同じグループの中でもやることで才能の差、実力の差を感じてしまう。
自分にとっては不得意でも、同じグループのメンバーは得意であり、
それゆえに比べてしまう。

比べても同しようもないことなのはわかっていても比べてしまう自分、
そんな悩みを仲間に吐露し、仲間も同じような悩みを抱えている事を知り
モヤモヤを払う。
重苦しいシリアスになることがなく、彼らが大人だからこそ
1期とは違い、みんなが成人した今だからこその悩みの解決方法は
どこか爽快感すら感じさせる。

彼らの関係性の描写も1期以上により強いものを感じ、
本当にエピソードとしては悪くない物が多いだけに、
ふとした瞬間に思い出したかのように作画が悪くなってしまうことで
我に返ってしまう。

最終話


画像引用元:ツキウタ。 THE ANIMATION 2 1話より
©TSUKIANI.2

1期と同じく最終話は丸々ライブだ。
2期ではほぼライブシーンがなかったため、
終盤のライブシーンはやや期待していた部分があったが
ソロソングシーンは動きの少ない絵を
アップ多めで見せることが多く「ライブ感」は薄い。

フルCGで全員で歌うようなシーンは
それなりに動いてはいるものの、のっぺりした感じが強く
「公式の映像」というよりはニコニコ動画で投稿されている
「ファンが作ったMMD動画」に見えてしまう。

結局、最後の最後まで作画の悪さが足を引っ張ってしまう作品だった。

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総評:バランスが悪い


画像引用元:ツキウタ。 THE ANIMATION 2 6話より
©TSUKIANI.2

全体的に見て1期と同じくファン向けであることは否めないものの、
1期よりも一歩踏み込んだキャラクター描写があり、
そのおかげで1期よりもキャラクターの印象がしっかりと付く
1話完結の話を展開しており、ストーリー部分だけ見ると
決して悪くないと感じさせてくれる。

その一方で1期ではあまり気にならなかった作画が大問題になっている。
1期からの時間経過による成長という変化とキャラデザの変更、
作画のクォリティの低下のせいで最初は誰が誰だか把握できず、
ようやく把握した後もガタガタの作画に毎回萎えてしまう。

せっかく良い話をしているのに、キャラの作画が悪いと
良い話も頭に入ってこず、素直にこの作品を楽しめない。
「コロナ渦」という特殊な状況であり、仕方ない部分もあるが、
そもそも、この作品は2度も延期している。

2度も延期してこのクォリティなのか?と嘆いてしまうほどの
作画の悪さは致命的であり、予算の問題かスケジュールの問題か、
それ以外の何かがあったのかもしれないが、
せっかく1期から4年も待ち続けたファンの期待に添えない
作品に仕上がっているのは残念でならない。

個人的な感想:ファンに甘えてる


この作品はファン向けだ。
そういった作品はレビューの評価としては
どうしても高くしづらい傾向にあるものの、
それでも「ファンが楽しめる」という最大限の心意気のようなものを
作品から感じることは多い。

ファン以外が楽しむことを切り捨てたからこそ、
ファンが最大限に楽しめるようにする。
それがファン向け作品の最低限の道理だ。

しかし、この作品は「ファン」の好きという気持ちに甘えている。
延期に次ぐ延期はクォリティを高めるためのものなら
ファンも納得できただろう。
だが、いざ放送されたらとんでもないものを見せられている。

もちろん、どんなに作画が悪くても盲目的に全てを
称賛するファンも居るとは思うものの、
そういったファンの作品に対する「ツキウタ。」への愛に
この作品は甘えているだけだ。
ファンというものを舐めていると言っても良い。

私は作品をだめにするのはアンチではなくファンという持論がある。
アンチの批判も時に重要なものはあるが、
基本的にアンチというものはお金を出さない。
商業作品においてアンチはお客様ではない。

だが、ファンはお客様だ。好きだからこそ、面白いと思うからこそ、
愛があるからこそ、それを「お金」という形で示してくれる。
だが、その愛情に甘えて「どんなものでも」お金を出してくれるだろうと
造り手側がファンを舐めた結果、どんどんとクォリティが下がっていく。

そんなクォリティを指摘しなければならないのは本来はファンだ。
だが、そこを指摘せず、愛ゆえに盲目になれば
結果的に「新規層」が居なくなり、既存のファンもどんどんいなくなり、
作品が死ぬ。

この作品はそういう傾向が見えてしまっている。
1期の時点で女性アイドル12人のキャラクターや設定など
作品自体に迷走感が見える部分があったが、
そんな迷走から、2期はファンを舐めだしていることを感じてしまった。

3期というのがあるかどうかはわからないが、
あるならばファンの愛情に甘えない作品であることを期待したい。

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