ローリング☆ガールズ」

2015年4月15日

評価/★★☆☆☆(25点)

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中途半端な自己満足作品はつまらない
どうせなら物凄い自己満足作品を見せてくれ!

本作品はアニメオリジナル作品。
制作会社は進撃の巨人などでお馴染みのWIT STUDIO、
監督は出合小都美。

見出して早々驚く「THE・BLUEHEARTS」である。
80年代から90年代にかけて活躍したロックバンドであり
「TRAINTRAIN」「人にやさしく」「情熱の薔薇」など
CMなどでも、よく使われているため聞いたことがある人が多いだろう

そんなロックバンドの曲を声優さんがカバーをしている。
各話タイトルも「ブルーハーツ」の曲名になっており、
作中で使われている全曲にわたってたってブルーハーツだらけな作品だ。
「人にやさしく」が流れる中、なんかよくわからないヒーローが戦うシーンが
いきなり1話から描かれる

見る前にWikipediaを見てブルーハーツだらけで正直驚き、
私は見だす前に「このブルーハーツ要素は作中でどう生きてくるのだろうか?」
という強い疑問が生まれた
そして、その疑問は見れば見るほど強まり、ワケがわからなくなっくる

まず、作品の舞台設定。
日本の各都道府県が独立国家となっており、
「モサ」と呼ばれるご当地ヒーローのようなものが各地域を守っている。
その内容を「雰囲気」から察することはでき、バトルシーンも激しく描かれるのだが
ふざけたエフェクトのせいでどうにも盛り上がらない
よく動くのだが、その動きに面白さを感じない

争っている理由も「東村山」を渡せという、ちょっとよくわからない理由で、
戦っている理由が「大きい」のか「小さい」のか規模がはかりかねる
物語の基本である5W1h、
「誰が」「いつ」「どこで」「何をしたか」「なぜ」「どうなったか」
これの基本的な要素が「ふわ」っとしているせいで
どうにも序盤の段階からこの作品の感覚や空気をつかめない

はっきりいって「ズレ」ている。
作画の力の入れ方や演出など「え?このシーンで?」と感じる部分で
妙に気合の入った描写をしてしまっており、
画面の中では盛り上がっているのだが、見ているこっちは全く盛り上がらない
制作側のセンスと見ている側の感覚が噛み合っていないのを
見れば見るほど感じてしまう。

もっとストレートに言ってしまえば「制作側の嗜好」が出すぎだ
監督や脚本家、誰の嗜好かはわからないが
見ている最中に「色々な作品」が頭のなかによぎる、
この作品を考えた人がその作品を好きなのは分かる。
だが、その好きな作品をを中途半端に「模倣」した要素を組み合わせただけに過ぎず、
パロディにもオマージュにもオリジナルにもなっておらず中途半端だ

分かりやすいのが「THE・BLUEHEARTS」だ。好きなんだろう。
だが、前述したように「それがアニメの中でどう生きるのか?」を期待したのに
まったくもって生きてこない。
好きだから声優さんがカバーしてアニメで使いました。それだけだ。
OPやED、挿入歌に「ブルーハーツ」を使う意味が全くない

有名なバンドや曲を作中で取り入れた作品では
「ハチミツとクローバー」や「あの花」などがある。
どちらも有名ではあるものの、作中でのオリジナル曲やカバーなど
シーンに合ったタイミングで流れ違和感は感じない

だが、この作品の場合、違和感しか感じない
特に挿入歌は「え・・・このタイミングで流れるの?」と感じるほど
無理矢理に流しているシーンが多すぎる
バックでブルー・ハーツのカバーが流れているのは分かるのだが、
その流れている最中でキャラクターがガンガンしゃべっているため
頑張って声優さん達が歌っているカバー曲も台無しだ

しかも、挿入歌が多すぎる。
毎話、お決まりと言わんばかりに挿入歌を強引に入れてくる
何話かに一回流れるならまだ受け入れられたかもしれないが、
ちょっといい加減にしろと言いたくなるレベルでほぼ毎話だ。
「ブルー・ハーツ」の曲を使う意味が全くない

カバー自体はそこまで悪くはない。
私個人の話だが「THE・BLUEHEARTS」は大好きだ
カバーにするにあたって「真島昌利 さんのギターが無いのは残念だが、
女性が歌う「ガールズバンド」のような明るいアレンジはそこまで悪くはない
曲自体は悪くない、声優さんの歌い方も可愛らしい、
カバー曲としては「アリ」なのに、その使い方があまりにも悪い

更にストーリーもいつまでたっても「5W1H」ができていない
ふわ・・・ふわ・・・ふわ・・・と
基本的に2話ごとに区切りながら、「つかみ所のない」話を進めていく
伝わってくるストーリーの内容が分かるのに
イマイチ自分の中で納得できず、消化できないままに進んでいく感じだ
いつまでたっても「すっきり」しない

メインキャラの4人も「ふわっ」と集まり、ふわっと旅が始まる
メインの4人のキャラの明確な旅の理由や目的、行動理由、
4人で旅をしている意味など、そういったものが決定的に弱い
そのせいでメインの4人のキャラクターの魅力が薄く、
ストーリーが盛り上がらない

基本的に2話ごとに地域を変えながら、
その地域のご当地ヒーローたちの悩みや事件を
特別な「力」をもっていない4人が解決していくという流れだ
その、根本的なストーリーの流れはわかるのだが
ストーリーの「雰囲気」だけで内容がとことん薄い。

さらに言えば2話毎に区切りのように
「感動」にさせるような展開になっているが浅い。
2話ごとにメイン4キャラと新キャラの話になるうえに
メインキャラと各話ごとのキャラのつながりが弱い。
メインキャラ4人が居なくても事件が解決したんじゃ・・・と思う話もある
根本的にメインのキャラの魅力が薄いのも原因だろう

きちんとしたキャラクターの掘り下げがないままに
泣かせに来るような展開にしても見ている側の感情移入が追いつかず、
更に2話構成というストーリー構成が決まっているせいで
1話でやれるような話を2話に引き伸ばしている感じが強く出てしまいグダグダだ
これで1話完結で旅をしていく展開なら
物語の当たり外れを楽しむ感覚も生まれたかもしれない。

結局最後まで見終わっても「あれは結局なんだったんだ?」という要素も多く
雰囲気だけで最後までごまかして強引に進めてしまっている
この作品の「雰囲気」にごまかされてしまえば、
少なくとも「つまらない」とは感じないかもしれないが、
雰囲気にごまかされないとなんともいえない微妙さしか感じないだろう

全体的に見て中途半端な自己満足作品だ。
制作側が好きなことを好きな様にやる、それを貫けば面白い作品が生まれるだろう
だが、この作品は制作側の好きなことを中途半端に色々やってしまっており、
制作側の「好きな要素」の元ネタが手に取るように分かってしまう
その好きな要素をクリエイターが自分のものにしきれておらず、
中途半端に好きなものとしてこの作品の中に取り入れてしまっている
そのせいで結果として「この作品が好きなんだ」という気持ちしか伝わらない

もっと言葉を悪くしてしまえば「好きな要素」に対する狂信度が足りない
はっきいえば「にわか」のように色々な作品の要素を取り込んでしまっており、
「TTHE BLUE HEARTS」の熱狂的過ぎてカルト的なファンの感じ、
あの好きなものに対する引くほどの「熱量」をこの作品からは感じない
好きなものの表面的な部分しか作品の中に取り込めていない

やりたい事、基本的な流れは雰囲気として伝わるが、
雰囲気なだけで決定的になにがやりたいのかか、決定的に何が面白いのか
見れば見るほど訳がわからなくなり、結局見終わった後に何も残らない

自己満足も極めればオリジナルの個性溢れる作品になるだろう
だが、この作品はまるで週刊漫画雑誌に持ち込む漫画家志望の作品のように
「好きな内容」をただ詰め込んでいるだけで
1つの作品としてまとめあげきれていない。
分かりやすく言うならば作品の「芯」がない作品だ

芯がないせいで作品の外郭の「雰囲気」は感じることができるのだが、
芯を感じようとすると「スカッ」っと肩透かしを食らってしまう
あくまでも雰囲気を楽しむものだと割り切れば
人によっては最後まで見ることができるだろう。
不思議と明確に「駄作」「つまらない」と言い切ることはできないのは、
この作品を見ている間に「イラダチ」は感じず、
雰囲気にごまかされてるのはわかりつつも最後まで見れたからだろう

余談だが、演出家の方がアニメオリジナルの監督をやると
どうしてこういう作品になってしまうパターンが多いのだろうか・・・
出合小都美さんの演出は他作品でも見たが、
神のみぞ知るセカイのOPや坂道のアポロンなど好きな演出家さんなだけに
残念な気持ちが強い。

1つ1つの要素ややりたいことは伝わるだけに、
2クールぐらいのガッツリ尺で、もっとサクサクと進めつつ
もっと多くの地域を1話完結で描けば化けた作品だったかもしれない
あくまでも可能性の話ではあるが・・・(苦笑)