「アニメガタリズ」レビュー

2018年2月6日

評価 ★☆☆☆☆(15点) 全12話

あらすじ 阿佐ヶ谷未乃愛は、クラスメイトに子供のころ見たアニメの話をする。それを聞きつけた上井草有栖に声をかけられ、一緒にアニメ研究会を発足させることになった引用- Wikipedia

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語るに落ちる

本作品はTVアニメオリジナル作品。
今まではTOHOシネマズ新宿の幕間に上映されていた短編アニメーションとして
制作されており、初めてTVアニメとして制作された。
監督は森井ケンシロウ、制作はワオワールド

見出して感じるのは古さだ。
アニメ定番のヒロインの寝坊からの始まり、慌てて着替える。
ド定番中のド定番な始まりだ。
アニメガタリズ

キャラクターデザインはやや古い。
特に髪の描写は、最近は1本1本まで描き込まれている作品も多いが、
毛束がまとまって描かれている感じのやや「カクカク」としたデザインだ
いちいち演出も古い。
最近のアニメでは使われなくなった手法や、
キャラクターデザインも相まって「今時こんな演出?」と思う時がある

キャラ設定も古い。
ちょっと懐かしさすら感じる「少し前にはこういうキャラ結構居たな」というような
「アニメあるある的なキャラ設定」も多く、
ベタベタなストーリーの始まり方、古い演出、あるあるキャラ設定など
おそらく敢えて「少し古いアニメ」で見たことのある要素を盛り込んでいる。
アニメガタリズ

キャラクター同士の会話もオタクそのものだ。
基本的にオタクな会話をするときは「早口」でまくしたてるように喋る。
様々な作品を彷彿とさせるパロディセリフが多く、
元ネタを知っていれば笑えるかもしれないが知らなければ笑いにならない。

それだけならまだいいが、いわゆる「2ch」ネタ的なものも多い。
原作厨、売り上げ、3話切りなどのアニメ界隈のスレッドやまとめサイトを
見ていれば目につくであろう用語もキャラクターたちが普通に使う。

ただはっきりいって「オタク用語」を出しているだけのような感じだ。
それらの用語や要素に深く切り込んでいくわけでもなく、
オタク同士の会話や罵り合いの会話がキャラクター同士で繰り広げられるのだが、
それが「面白いか?」と言われるとなんとも微妙だ。
アニメガタリズ

この手のパロディや2chネタを扱う作品は別にこの作品だけではない。
ここまでメインに据えてやる作品はこの作品ぐらいだが、
「げんしけん!」や、「ハッカドール」などもやっており、
新鮮味としては薄く、それらの作品と比べてパロディのレベルは低い

正直いって滑ってる事が多い。
パロディネタに関しては元ネタを「知っている」「知らない」が大きいが、
知っていれば笑える部分もある。
だが、オタク用語や2chネタなどはただ「羅列」しているだけで、
それを面白さへと変えきれていない。

基本的に主人公以外はオタクだ。
アニメの知識がほぼない主人公がとあるきっかけからアニメのセカイにハマッテ行く
というストーリーなのは分かるが、この主人公の反応が純粋すぎる。
他のキャラクターのオタク話をわからないという顔をしたりはするのだが、
その後に出てくるセリフは「皆さんすごいですね~」だ。
アニメガタリズ

他のキャラが散々オタク話をしたり、パロディセリフを言っても、
「わからない」し「ドン引き」もしないので突っ込まない。
ただ「わからない」という顔をしているだけだ。
純粋で素直なキャラと言うのは分かるが、主人公のキャラ付けとしてつまらず、
ツッコミキャラでもない。

大量にパロディセリフがあるのにそれに対して突っ込むキャラが居ない。
ツッコミ不在のボケほど悲しいものはなく、
会話の中での「オチ」もつかず、ボケとツッコミの流れも存在せず、
ただオタクセリフを垂れ流してるだけにすぎない。

ストーリーに関してはちょっとよくわからない。
アニメ研究部を中心にオタク的なメタセリフを入れつつ、
アニメあるあるやオタクあるある日常を描いており、
自主制作のアニメを作る流れなど割りと自然だ。
しかし、変なファンタジー要素がある。

ネコが喋ったり、謎のベレー帽に操られる節があったりと、
序盤から単純な「日常モノ」と呼べない要素が垣間見える。
この部分がはっきり言って邪魔だ。
アニメガタリズ

前半こそ、その要素は垣間見えつつ「アニメ研究部」の日常であり、
「アニメオタク解説アニメ」としてオリジナル性もあり、
ストーリー展開自体を「アニメでよくある展開」パロディにしてる部分など
試みとしては面白い。

しかし、終盤はファンタジーが中心になる。
ややネタバレになるがアニメの世界が「現実の世界」に侵食してくるような感じだ。
陸上部員が奥歯に加速装置を仕込んで加速できるようになったり、
囲碁サッカーならぬ囲碁バレー部ができたり、
巨大ロボットが出てきたりと現実とアニメの境があやふやになってくる。

展開としては面白いのだが、前半の雰囲気とあまりにも違いすぎる上に、
日常青春者からのファンタジーといえばいいのかSFと呼べば良いのか
判断の難しい突飛な展開は「どう受け止めて良いのか」わからないままに
終わってしまった感じだ。
アニメガタリズ

総評

全体的に見てかなり好みの分かれる作品だ。
大量のパロディやメタセリフ、2chのアニメスレネタなど、
この要素があるというだけで嫌悪感も抱く人が多く、
あえて「アニメあるある」的なお約束的ストーリー展開をやったり、
見た事のあるストーリーを描くことで作品自体を「パロディ」的なものにしており、
制作側の意図は分かるのだが、それが面白いといえるかどうかは難しい。

いわゆる目新しさというものがない。
「あるある」なストーリー展開はつまるところ見た事のある展開であり、
それを敢えてパロディにする必要性は分からず、
「パロディ」や「メタセリフ」も他の作品でもよく見かけるので
特に目新しさはない。

終盤の展開だけはオリジナル性を感じるものの、
1話から中盤までの流れからは予測しづらい展開であり、
いわゆる「求めていた展開」ではなかったという人も多いだろう。

制作側の自己満足が終盤で強く出過ぎてしまい、
その自己満足を作品全体で見せてくれれば違ったかもしれないが、
終盤で全開に見せられると序盤から中盤までの雰囲気やストーリーが
台無しになってしまう感じだった。
アニメガタリズ

個人的な感想

個人的にはこの作品のノリについていけなかった。
ネット上の感想を見ると割りと好意的に笑ったや面白かったなどの意見もあり、
「このアニメいつか怒られるぞw」というようなコメントまであったのだが、
この程度のパロディネタで怒られるなら銀魂はとっくに放送中止である。

パロディの使い方やギャグとボケに対するツッコミのなさなど、
もう一歩踏み込んでくれれば笑えるのにと思ってしまう部分が多すぎた。
終盤の展開自体は私はそこまで嫌いじゃないのだが、
ああいう感じがやりたいならもっと序盤からカオスにしてほしかった。・

もともとが幕間の短編アニメだからかもしれないが、
無理やり1クールのアニメにするために色々盛り込んだ感がすごく、
全6話くらいにまとめてくれれば面白く感じられた作品かもしれない。

売上的には180枚、最初からBOX売りしてるのは潔いが爆死だ。
内容的に売れるジャンルではないものの、
もう少しやりようは合ったのではと思ってしまう作品だった。

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