オチビサン」

2015年4月17日

評価/★★★★★(81点)

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これがストップモーションアニメ!?なんだ、この滑らかさ・・・

本作品は日本アニメーター見本市という企画の中の一本、
原作者は安野モヨコ=庵野監督の嫁である(苦笑)
監督は川村真司、制作はスタジオカラー

この作品は「ストップモーション・アニメ」だ
皆さんが御存知の通り、アニメというものは1枚の絵を少しずつ動かしながら
連続して撮影することで「動かす」ことをしている
2次元の絵以外でも粘土を使った「クレイアニメ」や、
最近ではCGを使ったアニメなども多くある。

そんな「アニメ」という枠の中でこの作品は異質だ。
人が紙やデジタルで書いたものでもない、粘土で少しずつ形を変えているわけでもない
CGでモデリングをして動かしているわけでもない。

写真だ。
実際の写真の中に「オチビさん」というキャラクターを取り込み、
何枚も何枚も撮ることによって1コマ1コマを作り
ソレをつなげることで「動かす」ことをしている

時にはお弁当の中に、時にはうちわの中に、時には落ち葉に、時には湯のみに、
現実の世界の中に「オチビさん」を描き、それを1コマずつ映すことで
現実の世界の中で「2次元のキャラクター」が遊びまわる
非常に可愛らしいオチビさんが楽しそうに日本の4季を楽しむさまは
見ていてほっこりする雰囲気を出しており、
同時に滑らかに動くオチビさんの動きから制作側の労力を感じさせる

非常に凝っている。
見ていて純粋に楽しくほっこりするアニメーションだ
日本の4季をテーマにしており、シーンが切り替わるごとに
オチビさんが描かれているものが違っており「雰囲気の変化」も素晴らしい。
だが、同時に「手間をかけすぎだろw」と思わず突っ込みたくなってしまう

クレイアニメは「クレヨンしんちゃん」の映画OPで
よく使われていたため見たことがある人も多いだろう。
NHKなどのアニメでも以前はあった。

こういった1コマずつ撮影する方式の
「ストップモーションアニメ」は欠点として動きが固いということがある。
1枚1枚撮ることでアニメーションにしているおかげで
1枚と1枚の間の映されていない動きのせいで
どうしてもアニメーションが飛び飛びになるせいで硬さが生まれている。

だが、この作品の場合は恐ろしいまでに自然だ。
いったい1シーンに何コマ撮影しているんだ?!と製作者に聞きたくなるほど
ストップモーションアニメとは思えないほど滑らかに、自然に動きまわる。
まるで本当に「オチビさん」が現実の世界にいて
普通にビデオで撮影しただけですよ?と言わんばかりの滑らかさだ

公式HPには実際に描かれたうちわの画像や湯のみの画像なども掲載されている
ずらーっと並んだうちわの枚数を見て、
この作品を作った制作さわがの意気込みと根性に賞賛を送りたくなってしまう

全体的に見て素晴らしいコダワリだ。
可愛らしいキャラクターが現実の世界で生き生きと動きまわる。
作品の内容としては物凄く単純なのだが、
かけられている労力の凄まじさを見ている間中、感じることが出来る作品だ。
「ストップモーション・アニメ」というジャンルではあるものの
ストップしている部分を殆ど感じない、
アニメの面白さをひしひしと感じることができる作品だ

この作品をテレビアニメにすることは不可能だろう。
日本アニメーター見本市という企画だからこそ、
7分という尺だからこそ、ここまでこだわることができた
悪い言い方をしたしまえば芸大の卒業制作のような雰囲気もあるのだが、
その共同作業感が画面からヒシヒシと伝わり、
見終わった後に不思議な充実感を感じさせてくれる

個人的には冬の「湯のみ」が是非欲しかった、
クラウドファウンディングにて出資していればもらえたという事実を
見終わった後に知って物凄く後悔している・・・