コメディ

しろくまカフェ

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評価/★★★★★(83点)

しろくまカフェ cafe.13 [DVD]

制作/studioぴえろ
監督/増原光幸
声優/櫻井孝宏,福山潤,神谷浩史ほか

あらすじ
クールなシロクマくんがマスターをしている“しろくまカフェ”。お店は毎日、動物や人間のお客さんで大繁盛しています。カフェを中心に、シロクマくんと常連さんたちが繰り広げるダジャレ&ほっこりスローライフ。今日もとぼけた会話が弾みます。

こんなモフモフな動物が集まるカフェに行ってみたい。ラマとコーヒーを飲みたい。

原作は月刊フラワーズで連載集中の漫画作品。
ただ原作者と編集者でアニメーション制作でトラブルが有り、
一時期原作者が連載を中止するという問題があった。
さすがは小学館(苦笑)

基本的なストーリーはギャグ日常コメデイ。
この世界では動物たちが自然に人間の言葉を喋り生活している
ペンギンさんが恋をシたり、動物たちと草野球をしたり、
しろくまがマスターのカフェ、「しろくまカフェ」に集まる動物と
人間の日常をシュールに描いている。

序盤から不思議な世界観に笑える。
この世界では動物が普通に人間の世界に溶けこみ、普通に喋って普通に働いている
その動物たちは一切デフォルメされておらず、
しろくまはしろくまのまま、パンダはパンダのまま、ペンギンはペンギンのまま。
割りとリアルな動物の外見をしており、そんな外見の動物たちは普通にしゃべる。
更には「パンダ」が動物園で「パンダ」の仕事をするなどシュールな内容にもなっているw

アニメの最大の特徴としては「声優の豪華さ」だろう。
櫻井孝宏、福山潤、神谷浩史、中村悠一、遠藤綾、小野大輔、矢作紗友里、矢島晶子、
野中藍、檜山修之、竹内順子、下野紘、花澤香菜、井上喜久子、杉田智和etc…
他にも多くの有名声優がメインキャラ、サブキャラに配役されており
エンディングテーマも歌ってたりする。
夕方5時半のアニメとは思えない豪華さだ。

そんなリアルな動物な外見の動物たちを豪華声優陣が演じ、
シュールな日常を描いているのが本作品だ。
ペンギンが恋をシたり、グリズリーがバーを運営していたりとこの世界では自然なのだが、
いい声の動物たちのシュールな日常が面白くて仕方がない(笑)
変にデフォルメされたキャラクターではないため、
自然なキャラクター・・・というより、動物本来の可愛さが出ている。

動物本来のネタや習性を元にしたストーリーを30分で2話ずつ描いているため
テンポよく50話という長い作品ではあるのだが、一切ダレない上に飽きない。
動物だけではなく、「しろくまカフェ」で働く笹子さんや、
パンダくんがアルバイトしている動物園の飼育員である半田さんなど
人間側のキャラクターも変に誇張せず自然に動物たちと絡む。

人間と動物の、この世界と設定だからこそあり得る自然な会話は
シュールな雰囲気を生んでおり、自然な笑いに繋がっている。
本来なら「動物が何で人間の言葉喋ってるんだ」「動物が動物園のバイトってなに?」と
突っ込みたくなるところなのだが、設定に突っ込む展開は一切ない(笑)
あくまで、このシュールな世界観の設定の中で登場キャラは普通に生活している

ギャグアニメでもあるのだが、日常アニメでもある。
動物が人間の世界で暮らしていたらという設定の中でギャグと日常描写をし、
毎話毎話、きっちりとストーリーと動物の可愛さを楽しませる。

ペンギンさんの恋は本当に良かった。彼はパン屋に務める「ペン子サン」が好きなのだが、
彼はデートの誘いのために毎日通いつめる。
その裏でパンダとしろくまが「毎日毎日しつこく誘われたらしつこくないか」という
会話をしていたりする(笑)

これが人間のキャラ同士の会話ならなんてことのないシーンなのだが、
動物がしているからこそ微笑ましくなる上に笑ってしまう。
そして「オチ」、このペンギンの告白の回はぜひ見て貰いたい。
あのオチは本当に秀逸だったw

この作品には不思議な「暖かさ」を感じる
笑いだけじゃない、キャラクターの可愛さだけではない
本当に何話かに1話なのだが、涙腺をくすぐるような温かい話もあり
全50話という長い尺だからこその時系列の変化と積み重ねが
ストーリーをただの日常動物シュールギャグで終わらせていない。
作品のキャラクターがきっちりと生きていることを感じさせる内容だ。

全体的に見て完成度の高い作品だった。
シュールで本当は不自然な世界で暮らす動物たちの日常を淡々と描きつつ、
その中で世界観のシュールさを生かしたギャグや、動物本来の習性を生かしたネタの数々、
話が進めば進むほどキャラクターに感情移入することができ、
ふいに描写される「温かい話」にほろりとさせられる。
大人も子供も揃って楽しめるアニメだ。

原作も恐らく面白いのだろう。
だが、アニメになったことで実力派声優さん達による「声」がつきよりシュールさが増し、
動きの面で動物本来の可愛い動きが描写され、より可愛く登場人物を愛でられる。
もちろん激しい動き!のようなものはないが、
制作会社の愛を感じるアニメ制作がなされていた。

それが最も顕著にあらわれているのはEDだろう。
エンディングテーマは登場人物が何話かごとに、それぞれのキャラソンを歌っており
このキャラソンが無駄に面白い(笑)
演歌風だったり、フォーク風だったりと、もう可愛い上に面白い。
そして次回予告まできっちりと視聴者を楽しませる。
最初から最後まで毎話、毎話、しっかりと「しろくまカフェ」を味わせてくれる

夕方アニメでもあり絵柄やOPの動画だけ見ると子ども向けかなと感じる人も多いだろうが
普段深夜アニメを見ている人は声優の豪華さに引かれて見るのもありだろう。
ラマ役の小野大輔さん、パンダの花澤香菜さんなどを見れるのはこのアニメくらいだw
wikipediaを見て有名声優さんが普通の動物役をやっているシュールさを感じてほしい
少しでも興味が湧いたら1,2話試しに見てみてほしい。

この不思議な世界観、擬人化とは違う動物本来の可愛さ、シュールなギャグ、
作品全体に感じる「ほんわか」な「暖かさ」。
深夜アニメとは違う、子供も大人も安心して笑えて楽しめるアニメ。
ちょっと疲れの溜まった休日にでもゆっくりと見て欲しい作品です。

こういう作品は本当に貴重になってしまった。
子供も大人も安心して楽しめるアニメ、こういうアニメが1年を通して
夕方のアニメとして放映される安心感。
ネタがシュールだったり毒づいていることもあるが、だからこそ大人も楽しめる。

普段深夜アニメばかり見ている貴方、子どもと一緒に楽しめるアニメを探してる貴方、
疲れた時に癒されたいアニメを探してる貴方、何も考えずに見れるアニメを探してる貴方
私はこの作品を「だれでも楽しめる作品」の1つとして心からおすすめいたします。

ぜひ、ぜひ2期が見たい。
サザエさんやクレヨンしんちゃんのようにずっとずっと続いて欲しいと感じる作品だ
それこそアンパンマンのように新キャラは動物の数だけできるはず(笑)
2期、私は本当に期待しています。

「」は面白い?つまらない?

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