ブレイドアンドソウル

2016年6月29日

☆☆☆☆☆(5点)

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GONZOはいつまでたってもGONZOだ

原作はオンラインゲームな本作品。
監督は竹内浩志、制作会社はGONZO

見出して感じるのは暗さだろう。
過去の「GONZO]作品を見た方にはこの暗さは言わずもがな伝わると思うが、
「GONZO」という制作会社の癖というか特徴が暗さだ
作品の世界観やストーリー的に暗い雰囲気の作品が多く、
2クールのストーリー構成の中でどんどんと重く暗くなっていくのが
GONZO作品の特徴と言ってもいい(一部の作品を覗く)

この作品は「1クール」という尺だが、
ある種、GONZO作品の特徴が詰まっていると言っても過言ではない。
ファンタジーな世界観で「暗殺者」がヒロインだ、
そんなヒロインは復讐のために旅をしている。
復讐が目的の暗殺者という設定のヒロインのためかヒロインは「無表情&無口」だ

1話から裸で登場したり、ほぼ裸で戦ったりするのだが
そんな生々しい描写があるのにも関わらず「セクシー」さよりも暗さのほうが際立っており
ヒロインの魅力が常に暗い雰囲気で食ってしまっており、
なかなかヒロインに感情移入できない
1話終盤で唐突に自分の長い髪を切った時はどういう感情でそういう行動に出たのかが
一切理解できず、あまりにも唐突過ぎて思わず少し巻き戻してしまうほど困惑してしまう

そしてシンプルすぎるストーリー。
90年台のファンタジーアニメのようなシンプルなストーリーではあるのだが、
ソレ以上に先の展開が予測できるストーリー展開は古臭さしか感じず、
そこに「面白さ」を感じない
ある意味で懐かしさも感じるといえば感じるのだが、
懐かしさではなく「古臭さ」という欠点にしかなっておらず、
淡々と進む中で面白さを見いだせない。

だからこそヒロインの魅力が中々伝わらない。
シンプルでわかりやすい90年代ファンタジーアニメ的ストーリーの中で
無口無表情無感情なヒロインが一切引き立たず、
彼女を引き立てるようなサブキャラクターも居ない

毎話毎話、主人公が旅をする中でキャラクターが現れるのだが
現れるキャラクター数自体は多いが「退場」するキャラクターがあまりにも多く、
キャラクターの存在価値が非常に薄い
旅をする中でキャラクターがどう動きストーリーが進み、
無口で無感情なヒロインにどう影響し変わっていくのか

本来はそういうストーリーにしたかったのはわかるが、
根本的にその「ヒロイン」に一切魅力を感じず、ヒロインに影響を与えるサブキャラも死ぬか
キャラ描写が甘く、感情移入の「か」の字も感じないキャラクターばかりだ
なぜキャラクターがそういう行動をし、どういう感情で動いているのか
そういったものが見ている側に伝わらない

ヒロインが無口無感情なキャラクターであるがゆえに
サブキャラ同士の話を視聴者と同じように「傍観者」で眺めているシーンが多く
中盤以降はヒロインと同じように淡々とサブキャラ同士のなんともいえない
ストーリーを無表情で見てしまう感覚だ
感情移入できないからこそヒロインの変化にもついていけない

更に作画、「剣」や「銃」、拳で戦う戦闘シーンは頻繁にある
だが明らかに「手抜き」が目立つ戦闘シーンで、よく動いてはいるのだが
ハッキリ言って「動いているだけ」でそこにアニメーションとしての面白さを感じない
アニメーションぶおけるキャラクターの動きのセンス、見せ方、間、
そういったものが「ズレ」てしまっており戦闘シーンが盛り上がらない

ついでにいえば規制まである。
特に規制するようなほど「グロ」さを感じる戦闘シーンではないと思うのだが、
かなりがっつりと「黒い影」による規制が入ることで余計に戦闘シーンが盛り下がる
ハッキリ言って無駄に「グロ」なシーンや、無駄にどんどんとあっけなくキャラクターが死ぬため
あまりにも「死」の描写があっさりしすぎており、
描写があっさりしているのに表現規制されると違和感が強く生まれる

そして声優。
ヒロインを演じている「タカオユキ」さんが、ハッキリ言って下手だ
無口無感情なヒロインであり、長いセリフがなく短いセリフをチョコっとしゃべるだけだが
その分「1セリフ」における演技の難しさや声質による「インパクト」が重用だ
しかし、ハッキリ言って実力不足と言わざる負えないほど
一言二言で「下手」と分かってしまうほど演技力が厳しい。

本来、こういった無口無感情なキャラクターこそ実力派のベテラン声優がやるべきだ
特に「叫ぶ」シーンの際の演技力は無口無感情なキャラだからこその
抑えていた、表現されていたなかった感情の爆発ともいうべき見せ場のはずなのだが
拍子抜けするほど「叫び」の演技ができておらず、せっかくのシーンが締まらない
声優としての基本である声量や演技力が無い。

終盤のストーリーもひたすら重く、ひたすら暗い展開になっていく、
暗く重いストーリーは「キャラクターの魅力」があってこそ面白さが出てくる
だが、魅力のないキャラクターの陰鬱としたシーンばかり見せられても
そこに何の面白さも感じず、ストレスしか感じない

全体的に見てGONZOの悪いところしか出ていない作品だった。
魅力のないキャラクター、進めば進むほど重く暗くなっていくストーリー、
すごい作画の戦闘シーンがあったかと思えば終盤には息切れして動かない戦闘シーンが多くなり
ストーリーが進めば進むほどキャラクターが使い捨てになっていき、
終始甘いキャラクター描写のせいで陰鬱としたストーリーを綴るキャラクターに魅力を感じない

ストーリー的にも色々と終盤で「黒幕」や実はこうでした的展開もあるのだが
さんざんと風呂敷を広げた割にはあっさりとした感じで終わってしまい
肝心のヒロインの師匠を殺した敵の理由も「運命」というよく分からない
フワッとしたものになってしまい、
結果的に最終話まで見ても「なんかよくわからないけどヒロインは成長した」という
ふわふわっとしたストーリーで終ってしまった。

せめて物語の中核に居る「ヒロイン」に魅力があれば
この陰鬱としたストーリーも面白いと感じたかもしれない。
だが、演じている声優さんの演技力不足や描写の甘さが
ヒロインの魅力を最終話まで見ても感じない描写になってしまい、
結果として作品の印象も見終わった直後でさえ薄い。
今このレビューは見終わって30分位してから書いてるが、
どんなストーリーだった?と誰かに聞かれてもうまく説明できる自信はない。

ある意味でGONZOらしい欠点のあるで作品はあるが、その反面でGONZOらしい面白さもない。
2クールくらい尺があればGONZOらしい面白さが生まれたかもしれないが
1クールではGONZOの欠点しか出ていない作品だったといえるだろう。

最終話はいわゆる「おまけ」的なサービスシーン連続のストーリーなのだが
逆にこういう閑話休題的な話が中盤であればキャラクターの印象も少しは違ったかもしれない
1クールという尺の都合上難しかったかもしれないが、
それゆえに最終話になって今更サービスシーンばかりのストーリーを展開され
若干困惑してしまった(苦笑)

GONZOという制作会社が好きならばある意味楽しめるかもしれないが、
GONZOという制作会社が嫌いならばとことん嫌悪感を抱く作品だろう。