評価 ★★★☆☆(56点) 全8話
あらすじ <ツイステッドワンダーランド>、ここは魔法が存在する世界。
この世界で伝説として語り継がれてきた偉⼤なる存在が<グレート・セブン>。 引用- Wikipedia
ディズニー?魔法?フィジカル最強説
原作はソーシャルゲームな本作品。
監督は 片貝慎 、制作は ゆめ太カンパニー、グラフィニカ
ヴィラン
本作品の原作は大人気のソーシャルゲームだ。
ディズニーのヴィランたちにインスパイアされたキャラクターがでてくる作品であり、
アニメ化もかなり期待されていた。
ただ、ディズニーであるがゆえにアニメ自体は「ディズニープラス」限定配信で、
配信が始まってもあまり話題にはならなかった。
どんな作品でもディズニープラス限定配信だと作品自体の知名度が死ぬ。
それはツイステであっても厳しかったようだ。
ただディズニーだからこそヴィランたちが元々でていた作品の
映像もふんだんに使われており、ディズニープラスだからこそ
そういった事もできる作品に仕上がってると言えるかもしれない。
1話冒頭では謎の剣道部の模様が描かれる。
剣道部の部長が部活の帰り道に唐突に謎の「馬車」に轢かれるという
ところから物語が始まる。
いわゆる「異世界転移」だ(笑)なろう系なら血を吸うトラックが定番だが、
さすがはディズニー。そこはトラックではなく馬車というのがオシャレだ。
剣道部部長は魔法士養成学校「ナイトレイブンカレッジ」 の
新入生として招き入れられる。
魔法士の才能があるものが選ばれる「ツイステッドワンダーランド」の世界の学校は
どことなくハリー・ポッターを彷彿とさせる。
魔法が使えないのに、魔法のことも一切知らない剣道部部長が
なぜ選ばれたのか…というところから物語が始まる。
作画
キャラクターデザインにややクセが有り、最近のアニメというよりは
少し前の時代のアニメの雰囲気を感じさせる部分があり、
作画全体のクオリティもどこか古臭い。
制作は ゆめ太カンパニー、グラフィニカだ、この制作会社を聞くと
「あ…」となる人も多いだろう。あまり作画がいい制作会社ではない。
キャラクターデザインがやや癖があるものの1枚絵、
アップになったときの「顔」のクオリティだけは維持しようとするのは感じる、
だが「アニメーション」としてのクオリティはやや厳しく、
頻繁なカット割りで1枚絵と1枚絵をつなげたり、
集中線や魔法のエフェクト でごまかしているシーンもかなり目立つ。
全体的なライティングの暗さも相まって
撮影処理で作画自体をごまかしている部分も多い。
2話の戦闘シーンも暗い中でごまかしている感じが強く、
努力は感じるものの 制作会社的な限界をところどころで感じてしまう。
ソシャゲ原作アニメらしく1話からドバドバっとキャラクターが
自己紹介もなくでてくるのはファン向け感も強く、
状況は理解できるものの、ゴチャゴチャとしている印象だ。
主人公が異世界転移して入学拒否しようとしたらモンスターが出てきて
入学式をめちゃくちゃにする。
この主人公は原作で言えばプレイヤー的な立ち位置であり、
アニメオリジナルキャラになっている。
帰れない
主人公が本当に魔法を使えないとわかり、
魔法の鏡に頼んで元の世界に戻してもらおうとするものの
彼の世界は「どこにもない」らしく主人公は帰ることができなくなってしまう。
本来はツイステッドワンダーランドの世界の国から召喚されるのが普通らしく、
主人公だけがなぜか異世界から召喚されている。
元の世界に戻るまで雑用係として学園で働くことになる。
この世界ではディズニーの有名な7人のヴィランが英雄のように扱われている。
不幸せな人魚たちを助けていたアースラ、綿密に練った作戦で
サバンナの王になったスカーなどの伝説が残っている(笑)
本作品はシーズンごとに描く「寮」をわけており、
キャラ数は多いのだが、そのキャラを寮ごとに分けて描こうとしており、
1話は全寮のキャラの顔見世であるがゆえにゴチャついているが、
2話からはごちゃつきが落ち着き、
メインキャラをひとりひとり掘り下げている。
主人公は魔法こそ使えないものの、まだ学生で未熟な彼らを
「指揮」する形で戦闘をサポートしていたり、
ときおり剣道部特有の「フィジカル」で物事を解決していたりと、
きちんと活躍している。
この手の作品の主人公が熱血筋肉タイプというのも斬新なところだ。
どこか少し捻くれていて面倒くさいメインキャラを
熱血筋肉でストレートな思考を持つ主人公が引っ張ることで形になっている。
そんな主人公が認められ「監督生」という形で学園に通うことになる。
3話までできちんと序章を描いており、ストーリー構成もしっかりとしている
血の気
ハーツラビュルという寮の寮長である「リドル」は
ルールに厳しいキャラクターだ、少しでもそのルールを破れば制裁が加えられる。
その理不尽とも言えるルールは「ハートの女王」を彷彿とさせ、
その理不尽さこそがキャラクターの魅力にもなっている。
リドルだけでなく、ハーツラビュルに所属するキャラクターたちは
ふしぎの国のアリスにでてくるキャラクターがモチーフになっており、
元ネタが分かるからこそ自然にそのキャラクターを受け入れやすい。
ただ、やたら血の気の多いキャラが多いのはやや気になるところだ、
歯の一本でも置いてけ!などというキャラも居るうえに、
ルールに縛られた寮生たちのストレス値も限界だ。
ハートの女王が作り出したと言える800を超えるルール、
そのルールをすべて暗記しているのは寮長だけだ。
そんなルールに対し、主人公はあっけらかんという
「そんなルール守る必要があるのか?誰も迷惑してないだろ」
寮長だから寮のルールを守らなければならない。
ハートの女王の教えを、ルールを守る、それが与えられた役割だ。
寮長であるリドルは真面目故にその役割を全うしようとしている。
子供の頃から決められたルールを守り、両親の教えを守る。
それが今の彼を作り上げている、アイデンティティだ。
そんな彼を魔法ではなく「拳」で制裁したかとおもえば、
逆ギレして大暴走だ(笑)
血の気の多さに思わず笑ってしまう
終盤
この作品は全8話であり、1つ1つの寮をシーズンごとに描く予定だ。
1クール目ではハーツラビュル という寮を中心に描き、
そんな寮が抱えている問題を解決して終わる。
寮長であるリドルが逆ギレし闇落ちし、
オーバーブロットという謎の状態になる。
姿形が変わるこの現象は魔法を使いすぎると起こるようだが
色々と謎であり、主人公がこの世界に来た謎もほとんど明らかにはならない。
最終話では暴走したリドルに対して「剣道」で挑む主人公の存在感は凄まじく、
彼が竹刀を振るうたびにその絵面に笑ってしまう(笑)
魔法が当たり前の世界で魔法が使えない主人公が
「フィジカル」で状況を打破する絵面は
あまりにもシュールな光景ゆえに強烈に印象に残ってしまう。
この1シーズン目は基本的な世界観やキャラ設定を描いているだけにとどまり、
今後2シーズン、3シーズンと続いていけばもう少し面白さがましていくかもしれないが、
1シーズン目の時点ではファン向けという印象は拭えなかったものの、
原作をプレイせずともきちんと楽しめる作品にはなっており、
今後の展開に期待したいところだ。
総評:魔法?竹刀でぶった切ってやんよ
全体的に見て主人公の存在感が凄まじい作品だった。
原作がどうなってるかはわからないのだが、魔法が当たり前の世界で
主人公は魔法のない世界の剣道部部長という立場を活かし(?)、
魔法で暴走した相手に竹刀で一突きしてやっつけてしまう(笑)
この絵面が非常にシュールで、ゴシックでファンタジーな世界で
剣道着までしっかり着込み、面まできちんとつけて、
戦う主人公の「異物感」が強烈で、笑う状況じゃないはずなのに
その絵面のシュールさ故に思わず笑いを誘われてしまう。
ストーリー的には序章では有るものの、ソシャゲ原作アニメ特有の
キャラの多さを1シーズンごとに分けるという形でうまく裁いており、
色々と謎は残っているものの、2シーズン目以降、
主人公がどんな技を披露してくれるのかが楽しみになってしまう作品だった。
個人的な感想:ディズニープラス限定
惜しむべきはディズニープラス限定ということだ。
ディズニーの作品ゆえに仕方ない部分はあるものの、
地上波の放送すら無く、この作品を見るためにはディズニープラスに入るしか無い。
アマプラ独占やネトフリ独占よりもディズニープラス独占のハードルは高く、
原作プレイヤーでさえ無料配信分しか見てない!という人もいるくらいだ。
いつか地上波解禁になるかもしれないが、
ディズニープラス限定ゆえに見てる人が少ないというのは
残念なところだ。



