大きい1年生と小さな2年生

2016年6月29日

評価/★★★★☆(65点)

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歩こう、歩こう、ぼくは元気。

本作品はアニメミライ2014の中の1本。
制作は「A-1 Pictures」、監督は宇宙兄弟でお馴染みの「渡辺歩」

見出して感じるのは「あ、可愛い」という素直な感想だろう
少し身長が大きいけど気弱な1年生のマサヤと小さいけど気は強い2年生のあきよ
二人の登校風景が普通に描かれているだけなのだが、
挿入曲のリズム感の良さ、優しい色調とキャラクターデザインのおかげで
「可愛らしい」雰囲気に包まれている

そんな可愛らしい雰囲気の中で描かれるのは「歩く」ということだ。
1年生という年齢だからこそ、1年生という視点だからこそ
大人では何とも思わない小学校までの道のりが「怖い」と感じる
何気ない雑木林や森が怖い。
学校まで歩く道のり、少し遠くの一本杉までの道のり、
小学1年生という視点で「歩く」というストーリーを描く。

彼が歩く目的は単純だ、大好きな女の子のために花を取りに行く
お母さんにも内緒で彼は家を飛び出し冒険を開始する
女の子の笑顔のために普段は気弱な彼が小さな勇気を振り絞って一人で花を取りに行く
話としては物凄くシンプルだ。

だがシンプルなストーリーが短編だからこそ面白く、
シンプルなストーリーにわかりやすい子供のキャラクター描写があるからこそ
見ている側の親心のようなものが掻き立てられるような作品だ
その中できっちりと子供目線のメッセージも取り入れる

「知らない人にはついていかない」
本当に単純なメッセージではあるものの、
知らない人についていけば「楽な道のり」になる場面で
きっちりと主人公に子供の約束事を守らせることで、より深く主人公に対して愛着がわき
主人公の成長も感じることができる
冒険の終わり間際の主人公のマサヤとアキヨちゃんの
うさぎとタコのシーンは本当に単純なシーンなのに
こちらもつられて笑ってしまうほどキャラクターに感情移入出来た作品だった

全体的に見てシンプルに面白い作品だった
もちろん子供向けのシンプルなストーリーではあるものの
「子供の視線」の描写をきっちりとアニメ的に描き、
子供だからこその行動や言動をしっかりとリアリに取り入れ、子供の大冒険を丁寧に描く
シンプルだが、丁寧に丁寧に描くことで「小学1年生」の成長をきっちりと描き、
見終わった後に不思議な温かい気持ちで見終わることの出来る作品だ

細かい場面での描写が本当に素晴らしかった。
マサヤが歩くシーンでも単純にまっすぐ歩かせるのではなく、
子供特有の「ジグザグ」に「無駄」に動いて歩くという歩き方や、
子供ならではの「遊び」を細かく取り入れることで
より子供視線のシーンの面白さが増していた。

何度も見て楽しめる作品ではないが、ほのぼのと楽しめる
30分という尺の中で起承転結をうまく使い、
見終わった後に温かい気持ちになる作品だ
何度見ても楽しめるよう作品ではないが1度は見て損はない作品といえるだろう