なんて可愛いヒロインなんだっ!「この美術部には問題がある!」レビュー

評価★★★★☆(71点)全12話

あらすじ 何の変哲もない普通の学び舎である月杜中学校のやはり何の変哲もない美術部における、受賞したこともあるなど絵の才能には恵まれているが、その熱意を二次元嫁だけに注いでいる内巻くんや、そんな彼のことが内心気になって仕方のない宇佐美さん、二人を気にかけているようで寝てばかりいる部長など、あれやこれや問題のある部員達が引き起こすドタバタラブコメディ。
引用 – Wikipedia


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なんて可愛いヒロインなんだっ!

原作は漫画な本作品。
監督は及川啓、制作はfeel。
監督の名前にピンとこない人もいるだろうが
「みなみけ おかえり」などの監督を努めている。

見出して感じるのは「しっとり」とした始まり方だろう。
この作品はいわゆる「学園ラブコメディ」な作品であり、
学校を舞台に学生たちによる日常とラブコメ要素のある内容だ。
はっきりいって「ベタ」だ。

学園ラブコメという作品においてこの作品は非常に地味な始まり方であり、
曲がり角でパンを加えた少女とぶつかったり、
過剰なセクシーシーンで視聴者をひきつけたり、
いわゆる「インパクト」というものがない。

しかし、強烈にキャラクターが可愛い(笑)
ヒロインである「宇佐美」さんは美術部の中学生、
同じ部活の主人公に片思いしている、しかし、主人公は二次元嫁に夢中で
一切、三次元には興味がない。

物凄くわかりやすい舞台設定と物凄くわかりやすいキャラクター設定、
この設定だけ見て嫌悪感を抱く人はアニメ好きには居ないだろうなと思うほど、
作品を構成する要素が非常にシンプルかつストレートだ。

最近の作品はこういった王道を無視した「奇抜」な設定や
キャラクター設定で視聴者を惹きつける作品が多い。
作品の特色とオリジナル性を出すために王道ではない奇抜な設定に走りがちだ、
しかし、この作品にそういった奇抜な要素はない。

シンプルな舞台設定、シンプルなキャラクター設定、シンプルなストーリー。
私が作者なら何かしら、どこかしらに奇抜な設定を入れてしまいそうになるほど、
物凄くシンプルだ。
しかし、そんなシンプルさが心地よさすら感じるほど、
すっーっと面白さが染み渡る。

ひたすらヒロインが可愛い、
これだけにこの作品は注力していると言っても過言ではない。
ほんとうに普通の中学生な女の子ではあるが、片思いの不遇さだけで、
強烈な可愛さを醸し出している。

この可愛さを言葉に表現できないもどかしさが残念でならない。
おそらく多くの視聴者は開始10分で
「宇佐美さん」というヒロインの形容し難い強烈な可愛さが
どストレートに突き刺さる。

片思いゆえの「嫉妬」している表情、
片思いゆえの「報われない」悲しげな表情、
片思いゆえの「好きな人」の一言一言に反応してしまう表情、etc…

もう全てが可愛い(笑)
ワタワタと慌てふためき、照れたり、困ったり、
行動や言動の1つ1つがカワイすぎるゆえに、
彼女の反応を見るたびに「あぁあああ!」と叫びたくなるほど
強烈な「可愛さ」だ。

そのヒロインの強烈な可愛さと萌えを表現するために、
アニメーションにおける細かい動きの演出も素晴らしい。
腕をワタワタと振り回したり、細かい表情の変化だったり、
「小動物」のような愛くるしさと可愛さが
動きでしっかりと表現されており、そこに妥協は一切ない。

その「ヒロインの強烈な可愛さ」とクスクスと
笑えるコメディのバランスが素晴らしい。
「二次元ラブ」な主人公の行動や言動に振り回されるという展開が多いのだが、
その主人公がストレートに二次元嫁ラブであり、そこにブレがない。

ブレがないからこそぶれない二次元嫁に対する愛情に対する
ヒロインの冷静かつ鮮烈な突っ込みが光り、
原作は四コマ漫画ではないのだが、四コマ漫画のような
きれいな「起承転結」でストーリーが構成されており、
1話あたり複数エピソードで描かれるためテンポが良くダレない。

1ネタ1ネタがしっかりとクスクスと笑える、
まるで「漫才」のようなツッコミとボケが心地よく、
「日常」というジャンルの中で過剰すぎないギャグシーンが展開される。

さりげないギャグも非常に多く、
美術部の顧問である「小山先生」が自己紹介のときに、
「大きいけど小山です」というセリフをさり気なくぶち込んでくる(笑)
外見的にも声的にもそんなボケるように見えないキャラなのに、
唐突にはさみこまれるボケで悔しいかなクスクスと笑ってしまう。

更に微エロともいうべきフェチズム要素。
この作品のエロは「絶対領域」に注力されている、
さりげないシーンでの太もも、キャラクターが登場するシーンにあえて
「絶対領域を写しつつ後ろ姿」で登場させるなど、
明らかに「絶対領域」を中心としたシーン構成が目立つ。

ストーリー展開的にはベタだ。
オチや流れは予想がしやすく、どちらかと言うと地味だ。
しかし、その地味さの中でキャラクターの可愛さがしっかりと光り、
キャラクターの掛け合いによる漫才のようなギャグシーンが際立っている。

ただ、良くも悪くもこの作品は尖った部分がない。
ジャンル的にはよくある日常学園ラブコメであり、
ヒロインのとんでもない可愛さがあるからこそ1クール安定した
面白さがあるのだが、人によってはシンプルすぎて地味に感じてしまうかもしれない。
1話のヒロインの可愛さにどこまで見る側が
ビビッっと来るかで残りの11話を楽しめるかどうか決まる。


全体的に見て「ヒロインの可愛さ」の破壊力が凄まじい作品だ。
特に特徴のない普通すぎるくらい有りがちなヒロインなのだが
「恋する乙女」の可愛さを全開に醸し出しており、
そんな彼女が二次元にしか興味のない主人公に振り回されるのが
シンプルに面白く、ストレートに楽しめる。

キャラクター一人一人の味付けもシンプルなのだが、
そのシンプルさを「声優による演技」でほどよく味付けしており、
キャラクターの可愛さに素直に萌えることができる。

小澤亜李、上坂すみれ、水樹奈々、東山奈央と
バランスよく特徴的な声かつ演技のできる声優を各キャラに起用しており、
その演技力のお陰でキャラクターの可愛さが後押しされ、
ストレートかつシンプルな内容が素直な面白さになっている。

個人的になのだが小澤亜李さんの演技が本当に素晴らしかった。
過剰にやりすぎればこのヒロインの良さを消してしまう、
声質と微妙な声の変化による感情の繊細な表現が本当に素晴らしく、
カワイすぎるヒロインがより魅力的かつ、破壊的な可愛さを生んでいた。
このヒロインだけを見るならば100点を上げたいくらいだ。

よくも悪くもシンプルな内容なので面白さのバロメーターが
上がりきらない人もいるだろう。
だが、このくらいストレートな作品ならば「嫌悪感」と言うものは生まれず、
見る人によって面白さの度合いは違うかもしれないが、
1話を見たら最後まで見てしまう作品だろう。

昨今はひねった作品が多いだけに、
ここまでベタな要素だけで「1話切りされない」作品というのは凄い。
残念ながら売上的に1500枚以下とかなり厳しいが、
確かに「売れる」系統の作品ではない。

しかし1度見たらこのヒロインの可愛さはきっと記憶に残るはずだ。
もしかしたら「後に評価」される作品かもしれない。
2年後や5年後にふと「宇佐美さん」というヒロインを思い出し、
もう1度見返しているかもしれない。
見終わった後にそんな感覚が強く残る作品だ。

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