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アニメなのにアニメだけしか見てない人を無視した作品「アクセル・ワールド インフィニット・バースト 」レビュー

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評価☆☆☆☆☆(4点)全82分

あらすじ バーストリンカーのハルユキは、軍団長の黒雪姫と共に渋谷エリアで領土戦を繰り広げていた。すると漆黒の巨大竜巻が現れ、突如回路が切断されてしまう。ハルユキたちは竜巻に立ち向かうが…。引用 – Wikipedia


アニメなのにアニメだけしか見てない人を無視した作品

本作品はアクセルワールドの劇場アニメ作品。
TVアニメは2012年の作品なので4年ぶりのアニメ化作品と鳴る。
監督は小原正和、制作はサンライズ

見出して感じるのは拍子抜け感だろう。
この作品は劇場版と銘打っているが正確には総集編+新規エピソードだ。
1時間半の尺はあるものの、半分は総集編という構成になっており、
4年たっているので総集編という今更感が強い。

その総集編がよく出来ていれば問題はなかったかもしれない、
2~5年前に総集編アニメ映画が大量に作られ、
その中でも見れる総集編と見れない総集編の違いがはっきりと現れ、
監督と脚本家の構成力が試されるのが「総集編映画」というものだ。
しかし、この作品の総集編は最悪だ。

基本はナレーションベースで進み、重要な部分だけを
サクサクサクサクサクサクと進めてしまう。
わずか45分という尺でアニメ2クール分の総集編を作るというのは
無理がある話なのだが、そんな無理を強引に通そうとして
総集編としての意味をなしていない。

15分位の世界観とキャラ説明の「ダイジェスト」ならば理解できるが、
そのダイジェストを1時間見せられるような気分だ。
TVアニメや原作を見ていない人がこの作品を見てもわけがわからない、
総集編とは「見ていない人、作品の記憶が薄くなってる人」に
配慮しなければならないが、最低限の配慮がなされていない。

この作品を見る人はおそらく「アクセルワールド」という作品の強いファンだ。
何度も原作やアニメを見返しているだろう、
そういう人にとっては「今更」総集されたものを見せられても1度見たものだ。
利点としてはスクリーンという大きな画面で見られるくらいだ。

そもそもこの総集編は必要なのだろうか?
2クールという長さの作品を45分という尺で総集編で収めるのは難しく、
ファンが見たいのは新規ストーリーと新規映像なはずだ。
はっきりと言ってしまえば、この総集編部分はただの尺稼ぎだ。

新規映像で作れるだけの予算やスケジュールが「45分」が限界であり、
映画という枠組みに無理やりはめ込むために90分という尺を稼ぐために
45分の総集編を強引に入れているだけにすぎない。

更に新規ストーリー部分が始まると「アニメファン」は置いてけぼりだ。
この新規ストーリー部分は原作で言うところの「20巻」らしい、
ちなみにアニメ化された部分は原作で言うところの5巻ほど。
つまり、アニメしか見ておらず原作を読んでいない人にとっては
15巻くらいの知らない部分がある。

当然、アニメだけを見ている人にとっては知らないキャラも大量に出るうえに、
敵だったはずのやつが味方になってたり、状況が変わってたりと、
原作読者だけをターゲットにしており、アニメファンを無視だ。
はっきりいって最低としか言えない。

これが原作付属のODAや、ファン向けのOVAで販売するならわかるが、
わざわざ映画で新規客層を無視、アニメだけを見た人を無視した
原作ファン限定のアニメ映画を作られても、
あまりにも限定すぎて楽しめる人も限られる。

戦闘シーンが非常に多く、大量にキャラが出るため
原作ファンは楽しめるだろう。だが、原作ファン以外は楽しめない。
なんとか話についていこうとしても、
尺が45分しかないため常に駆け足気味で落ち着かず、
結局話についていけない。

全体的に見て原作既読のファンだけにしかわからない内容にするならば
原作ファンが必ず手に取るODAという形にしたほうがよかったのではないだろうか?
無理矢理映画という媒体にしたために、誰得な強引すぎる総集編と、
アニメだけしか見ていない人が理解できない最低な作品になっている。
原作ファンだけにターゲットを絞るなら、
原作ファンだけが見れるようにするべきだ。

原作ファンにとっては映像化されただけで嬉しいという部分もあるのだろう。
結局、この作品で評価できるのはその限定的な視聴者の
限定的な評価の部分だけだ。
アニメだけしか見てない人が見ても楽しめる部分は少ないだろう。

原作ファンだけをターゲットにするならば、
そもそも総集編部分はいらない。
アニメファンもターゲットにするならば、
新規エピソード部分をもっとわかりやすくするために総集編部分はいらない。

原作もアニメも見てない人もターゲットにするならば
1時間半丸々総集編の映画として作るべきだ。
作品の方向性、視聴者ターゲットもちぐはぐな内容になってしまっている。

私はこの作品の予告を劇場で見て「お、見に行こうかな」と思っていたのだが
劇場に足を運ばなくて心底良かったと思っている。
あの予告編を見てこんな原作ファン限定の内容になっているとは
誰が思うだろうか。

この作品のせいで2期の可能性が物凄く下がったように感じる。
強引すぎるアニメ化は色々と大人に事情を感じさせるうえ、
BDの売上も「6000枚」と何とも微妙だ。
アクセルワールドは好きな作品だっただけに、
こんな評価の映画作品に仕上がってしまって残念だ。

アクセル・ワールド -インフィニット・バースト-<特装版>Blu-ray” style=”border: none;” /></a></div>
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