劇場版ポケットモンスター アドバンスジェネレーション ミュウと波導の勇者 ルカリオ

評価/★★☆☆☆(21点)

劇場版ポケットモンスター アドバンスジェネレーション ミュウと波導の勇者 ルカリオ 評価

100分
監督/湯山邦彦
声優/松本梨香,大谷育江,うえだゆうじ,KAORIほか

あらすじ
数百年前、オルドラン城は戦争に巻き込まれる危機に瀕する。城と運命を共にすると誓う女王の元から、その城に仕える波導使いアーロンは弟子のルカリオの元へと立ち去るが、戦いが始まろうとしたまさにその時、世界のはじまりの樹に光が灯り、戦いは防がれるのだった。

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サトシは新しい技を覚えた。

本作品はポケットモンスターの映画作品。
ポケットモンスターとしては8作品目、アドバンスジェネレーションとしては3作品目の作品だ

今作の中心となるのは「ルカリオ」だ。
彼は数百年前の戦争の時にアーロンに封じられたポケモンだ。
彼は自分のパートナーであった「アーロン」がなぜ城を裏切り
自分を封印したのかがわからなかった。
封印から目覚めると彼の目の前には数百年後の世界が広がり、アーロンはおらず時が流れていた。
ルカリオは真実が知りたかった。
数百年前の戦争の真実やアーロンがなぜ城を裏切ったのか。
その話を中心にストーリーが進んでいくと同時に「ミュウ」の話が進む。

ミュウはピカチュウと共に行動しており、敵に狙われてテレポートしてしまい逃げる。
そんなピカチュウを取り戻すため、サトシはルカリオとともに
「はじまりの樹」へと旅立つ
というところからストーリーが始まる。

ただ、かなりストーリーはゆっくりだ。
序盤でポケモンバトルが描かれたから30分近く戦闘シーンらしい戦闘シーンがなく
過去回想やルカリオとのふれあいが描かれるのだが、かなりスローテンポで描かれるため
ややグダグダだなのだが必要なシーンであることは分かる。

過去に裏切られたと思っているルカリオとサトシが交流することで
徐々にルカリオの心をひらいていくという展開は悪くはないのだが、
「サトシ」が今作で波動という新しい技を覚えており、かなり違和感がある。
波動という技を使えた過去の人物とルカリオがパートナーだったため
サトシをその立ち位置に置きたいのは分かるのだが無理矢理だ。

更に「時の花」という波動の力に反応して過去を見せる花があるのだが
それがいちいち出てきて過去回想を見せる。
過去の戦争の真実を追うというストーリー展開なため必要な過去シーンなのは分かるのだが
中々本筋が進まず過去回想を見せられるためテンポが悪くなってしまっている。

伝説のポケモンである「ミュウ」の存在も微妙だ。
ミュウが住んでいる場所の近くの街にミュウがいたずらしに現れるというのはいいのだが、
敵に襲われたからといってなぜかピカチュウと一緒に自分の住処まで逃げてしまう。
ピカチュウがサトシというパートナーと一緒にいるところを見ているはずなのに
なぜか誘拐してしまい、そこに説得力がない。

劇中では遊びたいだけと言っていたが、遊びたいだけのために
「はじまりの樹」がおおごとになってしまい結果として
ミュウ自身も弱るような展開になってしまい自業自得とも言えるが、
やはり説得力にかけてしまう。

更に設定の練不足も感じる。
過去に戦争があったという描写がポケモンで初めて入るのだが、
その「戦争」が何だったのかがいまいちわからず、ふわっっとしており
ルカリオのパートナーだった波動使いが戦争を沈めるために
「ミュウ」に自らの力を全て与え「はじまりの樹」の力で戦争を鎮めたらしいのだが、
「はじまりの樹」の設定もふわっっとしているため、なぜ戦争が静まったのかがいまいちわからない。

根本にある設定が本当にふわふわだ。

今作で初めて出た波動も何かすごい力というふわふわ、
ミュウとはじまりの樹の関係も説明不足でふわふわ、
過去の戦争もなんで戦争が起こってたのかという掘り下げが無いためふわふわ、
はじまりの樹の設定もなんか凄い樹くらいでふわふわ、
明確な敵がいないためストーリーもふわふわ。

もう設定が綿菓子レベルのふわふわで設定がしっかりしていないため
ストーリーを素直に楽しみづらい。根本にあるストーリーは悪くはないのだ
。 「ルカリオ」という過去に人間に裏切られたと思っているポケモンがサトシと出会い
旅をする中で「人間との信頼」をもう1度取り戻し、最後は主人と同じような最後をたどるという
本筋自体は悪くはないのだが設定の練り込み不足のせいで
根本にあるストーリーを面白いとは言いづらい。

全体的に見て「ミュウ」の存在がいらなかった。
明確な敵を用意し、はじまりの樹を利用しようとする敵に拐われたピカチュウと
過去の戦争の際に同じようにはじまりの樹を利用しようとした敵をやっつけたルカリオというような
ストーリーで物語は構成できたはずだ。

なぜ今更ミュウを出したのだろうか。
ルカリオだけでストーリーは十二分に作れたはずなのだが、
「ミュウ」の存在を出してしまったことでストーリーの練り込みが浅くなってしまい
説得力に欠ける展開が増えてしまった。

バトルシーンも少なく、終盤では各トレーナーが木に飲み込まれてしまう直前に
手持ちのポケモンを逃がすために外に出すという展開もあったのだが
逃した5分後にはミュウの力で復活しているため、
せっかく出したポケモン達の活躍がほとんどない。
あからさまに「あれ?こいつなんか怪しい?」というキャラが全然活躍しなかったりと
キャラクターの使い方や描写のバランスも首を傾げてしまう点だ。

根本にあるストーリーは悪くはないのに色々なところで悪い点が目立ってしまっていた。
ただこれは大人目線で見るからであって、子供の目線なら悪い点が気にならず
根本にあるストーリーを素直に楽しめるのかもしれない。

個人的には世間の評判が良かっただけに期待したのだが・・・
恐らくしばらくしたら内容をすっかり忘れてしまいそうな作品だ。