日常

「ラーメン大好き小泉さん」レビュー

日常
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評価 ★★★★☆(62点) 全12話

あらすじ 女子高生・大澤悠のクラスに、小泉さんが転校して来る。無口でミステリアスな小泉さんだが、実は彼女は日ごと美味しいラーメンを求める、ラーメンマニアだった引用- Wikipedia

ヌードルハラスメント?しゃらくせぇ!この音がいいんだ!

原作は漫画な本作品。
監督はセトウケンジ、制作はStudio五組、AXsiZ
なお実写化もしているが私個人としては見る価値はない駄作なので
おすすめしない。

見出してそうそう笑ってしまう。
タイトル通り本作品は「ラーメンが大好きな小泉さん」が主人公のアニメだ。
彼女がいただきますの挨拶とともに1話の冒頭から「ラーメン」をすする
シーンが流れる。その時の音が生々しさの塊である(笑)

ジュルジュリュ!と響き渡るすする音は外人の方が聞いたならば
サブイボがたってしまう音かもしれないが、
我々日本人からすればその「音」こそが日本における麺モノを食べる時には
つきものの音であり、その音だけで美味しそうに聞こえる。
原作がマンガだからこそ、アニメでは「音」でも楽しませてくれる。
1話の冒頭でしっかりと作品に対する「期待感」も同時に感じさせてくれる

引用元:©鳴見なる・竹書房/「ラーメン大好き小泉さん」製作委員会<

その期待感は裏切られない。
可愛らしいが変な癖がなくすっきりとしたキャラデザのキャラクターで、
ほのぼの日常アニメが始まってもおかしくないほどなのだが、
そんなかわいいキャラクターが「ラーメン」を貪る。

「いかにもラーメンを食べそうなキャラ」ではなく、
「ラーメンを食べなさそうな美少女」が食べるからこそのギャップが
この作品の面白さにもなっており、この作品の魅力だ。
なお実写にはこの魅力がない時点で作品としての魅力がない。

食べた後にわざとらしい長々とした感想は一切ない。
最近のグルメアニメは「彦摩呂かな?」と感じさせるほど
わざとらしい表現や誇張し過ぎな表現が多い作品もあるが、
この作品は単純に「美味しい」である。へたしたらそれすらなく、
幸せそうな表情を浮かべるだけだったりもする。

引用元:©鳴見なる・竹書房/「ラーメン大好き小泉さん」製作委員会<

ラーメンを啜り、美味しそうな表情を浮かべ、最後まで食す。
会話をすればせっかくのラーメンが伸びてしまうからこそ、
ある種のスピード勝負すら感じさせる食事シーンは、
爽快感すら生まれている。しかし、それが「これでいいんだよ」と
見てる最中に思わず思ってしまうほどの食事シーンだ。

実際のお店のラーメンが出てくることも多い。
ラーメン二郎や天下一品などの有名店も出てくるのだが、
店名をキャラクターが喋ることは少ない。
ラーメン自体の解説もシンプルだ。
1~100まで説明する作品も少なくないが、
この作品はシンプルな解説とシンプルな感想で食事シーンが構成されている

だからそ違和感がない
あくまでも彼女たちの日常の中で訪れてる店の1つに過ぎず、
その中のラーメンの1杯でしか無く、見てる側に伝える情報ではなく、
あくまでも知らないキャラクターに教えている最低限の情報であり、
押し付けがましい余計な「情報」がなく、
あくまでも自然とストーリーの中で自然とラーメンの知識を知る事ができる。

引用元:©鳴見なる・竹書房/「ラーメン大好き小泉さん」製作委員会<

1話複数エピソード構成だからこそテンポも良い。
間延びしているシーンがなく、
30分アニメというよりは短編アニメを見てるような感覚だ。
だからこそ1話1話の起承転結もスッキリとしており、
短いエピソードを積み重ねるように見せることでダレさせない。

特に話が進んでくると「小泉さん」の
らーめん愛の深さがギャグにもなっている。
ある回ではラーメンが食べれず行き倒れ、美味しく食べるために山に登り、
最終的にはラーメンを食べて涙をながすようなキャラクターだ(笑)

彼女のほどよい解説や食べるさまを見てると思わず食べたくなる。
店ラーメンからインスタントラーメン、冷凍ラーメン、キワモノラーメンまで
余すこと無く食べる彼女の姿はまさに「食欲」をそそられ、
麺をすすりたい欲望を強く刺激してくれる。

引用元:©鳴見なる・竹書房/「ラーメン大好き小泉さん」製作委員会<

「背脂ギトギト」のラーメンを目の前にして恍惚な表情を浮かべるキャラなど
この作品のキャラくらいだろう(笑)
ラーメンを食べるときの汗や高揚した表情など時折微エロなシーンもあるが、
過剰にやりすぎていない描写であり、こういったグルメアニメにおける
過剰なエロ描写が嫌いな方でも受け入れられるレベルのはずだ

キャラクターのバランスもちょうどいい。
ラーメンが大好きな小泉さんを中心に、
小泉さんが大好きかつストーカー気質なクラスメイト、
激辛が好みなギャル、真面目な委員長と分かりやすいキャラが
ラーメンを食べるだけの話に華を添えている。

引用元:©鳴見なる・竹書房/「ラーメン大好き小泉さん」製作委員会<

ただ良くも悪くも根本的には「ラーメンを食べているだけ」の作品であり、
ワンパターンな作品とも言える。
ストーカー気質のクラスメイトの行動や言動はやや行き過ぎている時もあり、
そういった部分で好みが分かれる要素があるものの、
あくまでも個人の好みによるところが大きいだろう。

しかし、1話が気に入れば最終話まできちんと楽しめる。
一気に見てしまえば確実に「麺をすすりたくなる」ほど
ズルズルという音の魅力に取り憑かれてしまう作品だ。

引用元:©鳴見なる・竹書房/「ラーメン大好き小泉さん」製作委員会<

総評

全体的に見て思わず麺をすすりたくなる作品だ。
この手のグルメアニメにありがちな「誇大表現」や「長い解説」がなく、
見てる側に押し付けがましい要素や情報がない。
あくまでもラーメンが大好きな小泉さんの日常と
それに影響されるキャラの日常をスッキリと描いている作品だ。

出てくるラーメンを「食べたい」と感じさせることが出来ている。
他のグルメアニメの場合、最低限のこれすら出来ていない作品もあるが、
この作品はしっかり「ラーメン欲」を刺激してくれる作品だ。

内容自体はただ「ラーメンを食べている」だけだ。
そこに壮大なバックストーリーや青春ストーリーがあるわけでもない。
あくまでも日常の中で「ラーメン好きな女の子」に影響されてラーメンを食べる。

その主軸をブレずに描きつつも過剰になりすぎないキャラ付けや、
控えめな感想やリアクション、ほどよいラーメン情報と
作品としては「薄い」感じもあるのだが、その薄さがいい塩梅で見る側に
抵抗感なく受け入れやすい雰囲気を作っており、
これ以上薄ければ退屈、これ以上濃ゆければ押し付けがましい。
絶妙なバランスで味付けされている作品だ。


引用元:©鳴見なる・竹書房/「ラーメン大好き小泉さん」製作委員会

個人的な感想

個人的には各エピソードの間に挟まれるアイキャッチの際の
「ラララーメン大好き、小泉さん」という曲が妙に頭に残ってしまった(笑)
珍しく原作も読んでいた作品なのだが、原作以上に楽しめる部分も多く、
特に「麺をすする音」がアニメだからこそ味わえる醍醐味だろう。

海外の方がこのアニメを見たときにあの音が、
文化的に受け入れられないのでは?と思い、
海外の反応をちらっと見てみたら

「ラーメンをすする音が苦痛だ
俺はスパゲティみたいにラーメンを喰う」

という意見もあった。
最近のアニメは海外でも公式で配信されてたりすることも多い中で、
敢えてあの「音」を強調した制作陣に私個人としては賛美を送りたい。
ただ逆に言えばあの音が苦手な方にとっては最悪とも言えるのだが(苦笑)

1話を見て面白いと感じれば最後まで楽しめる作品だ。
ぜひ、深夜にインスタントラーメンをすすりながらでも見ていただきたい。
きっと作品もラーメンもより味わい深いものになるはずだ。

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