「DOUBLE DECKER! ダグ&キリル」レビュー

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SF

評価 ★★☆☆☆(37点) 全13話

あらすじ ふたつの太陽が昇る都市国家・リスヴァレッタでは、危険な薬物「アンセム」が出回り、それを取り締まる専門捜査機関SEVEN-O(セブンオー)特殊犯捜査係が対応に当たっていた引用- Wikipedia

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惜しまれる1クール

本作品はサンライズによるTVアニメオリジナル作品。
「TIGER & BUNNY」から流れをくむバディシリーズとして制作されており、
同作品にも参加したスタッフが一部、参加している。

刑事モノ


引用元:DOUBLE DECKER公式サイトより
©SUNRISE/DD PARTNERS

この作品はタイトルにも含まれてる通り「刑事」ものだ。
といっても相棒や太陽にほえろ!のような感じではない。
流れをくむ「TIGER & BUNNY」では「NEXT」と呼ばれる
超能力が存在する未来で、その超能力を使った犯罪者と
それを取り締まるヒーローのストーリーが描かれた。

この作品もそのあたりは少し似ており、
「アンセム」という薬物を使って超人化した犯罪者と、
それを取り締まる専門機関の話になっている。
ただ「TIGER & BUNNY」は敵も味方も超能力を持っていたが、
この作品は強化されているのはあくまで敵側だけだ。

鼻につく


引用元:DOUBLE DECKER公式サイトより
©SUNRISE/DD PARTNERS

色々と鼻につく演出が多い。
文字演出、昭和の刑事ドラマのようなナレーションなど気になる部分は非常に多く
オシャレな演出やギャグ的な演出をしようとしてるのは分かるのだが、
はっきりいってしまえば滑っている。
ツッコミまでナレーションにさせるのは少し見ていて萎える演出だ。

更に1話の主人公の説明口調。
そのキャラがどんなキャラでどんな名前なのかというのご丁寧に
モノローグで説明してくれる。
明らかに視聴者に向けただけのセリフであり、正直ウザさしか感じない。

物語の中で自然とそのキャラがどんなキャラなのかを知れるのと
1~10まで説明する。
どちらがよりキャラクターに愛着が湧くかは明白だ。

ナレーションといいモノローグといい、説明が非常に多く、
それがキャラクター同士の自然な会話で行われない。
メタネタをしていないのにメタネタを見せられているような感覚になる作品だ。

男性ウケを狙ってるのか?女性ウケを狙ってるのか?


引用元:DOUBLE DECKER公式サイトより
©SUNRISE/DD PARTNERS

「TIGER & BUNNY」は中年オジサンが主人公であり、
男性キャラクターが多かった部分もあり女性ウケが良かった作品だ。
いわゆる「腐女子」と呼ばれる層にも受け、
少ない女性キャラクターの可愛さは男性にも受けが良かった。

しかし、この作品は「TIGER & BUNNY」の流れを組みながらも
メインは女性キャラクターのほうが多い。
二人の主人公は男性ではるものの、彼らの同僚の殆どが女性だ。

「TIGER & BUNNY」でできた腐女子のファン層などが見ると、
この作品は少し肩透かしかもしれない。

詰め込み過ぎなストーリー構成


引用元:DOUBLE DECKER公式サイトより
©SUNRISE/DD PARTNERS

1話1話凄いテンポで話が進んでいく。
テンポが良いのは悪いことではないが、この作品の場合良すぎる。
まるで総集編を見ているようにサクサクとストーリーが進む。

何らかの事件が起こり、キャラクターが捜査し、逮捕する。
刑事モノとしては基本の流れだがサクサクと進みすぎているせいで
「犯人」の掘り下げがほとんどなく、
アンセムという薬を使って変異した敵の掘り下げがほとんどなく、
こういう能力を使って事件を起こしましたというだけで終わってしまう。

犯人確保の見せ場すら5分もかからずにあっという間に終わってしまうことも多く、
1話1話のストーリーが妙に軽い。

キャラクター


引用元:DOUBLE DECKER公式サイトより
©SUNRISE/DD PARTNERS

ストーリーが軽くテンポが良すぎるせいかキャラの掘り下げが弱い。
そのせいか一人ひとりのキャラクターの魅力が乏しい。
どのキャラもありがちかなキャラクターで
どうにも「この作品だからこそ」の魅力を感じられない。

「TIGER & BUNNY」がひとりひとりのキャラクターがしっかり魅力的で
印象もしっかり残ったが、この作品の場合は印象が残らない。
ありきたりかつ「無難」なキャラクターでしか無く、
この手の刑事ドラマや海外ドラマを2,3本見れば似たようなキャラが居るほど
個性がない。

キャラクター設定もよくわからず、あえてテンプレート展開を外している。
二人の主人公にはそれぞれ過去や訳がある。
ダグのほうはアンセム事件絡みで相棒を失っており、
キリルのほうは貧困層育ちで姉が行方不明。

これで海外ドラマだったら死んだはずの相棒が実は生きていて
記憶喪失で敵に操られていた!という展開や、
失踪した姉は悪の道に走っており、実の姉と戦わないといけない
みたいな展開になったりするのだが、この作品はあえてそういった展開にはしない。

死んだ相棒は死んだまま、姉は普通に出てくる。
この作品はわざわざ「思わせぶり」な設定をちらつかせておいて、
肩透かしで終わってしまう。
そういった部分をあえて「ギャグ」なノリにしているのがこの作品だ。

唐突な世界観の広がり


引用元:DOUBLE DECKER公式サイトより
©SUNRISE/DD PARTNERS

終盤になると驚くほど世界観が広がる。
それまでのストーリーの中で伏線はあったものの、
ギャグテイストの中でさらっと語られていることが多い。
この作品の場合、主人公の口癖でさえ伏線だ。

なぜ「アンセム」という薬が存在するのか。
本来は超人的な力を手に入れることのできる悪い組織が開発した薬です!で
済ませることのできる設定をこの作品はあえて簡単には済まさない。

唐突な展開であることは否めない。
10話まではギャグテイストの作品でサクサク進んで居るのに対し、
11話からはキャラクターの死を含んだかなりシリアスかつ重い展開になる。
雰囲気も変わり、かなりの急展開だ。

本来、この作品は「2クール」を想定していたのではないだろうか?
序盤から中盤までのやけにテンポの早いストーリー展開や、
終盤の唐突に広がる世界観と設定など、
この中盤から終盤までの間に本来はもう「1クール」あってもおかしくはない。
2クールだったストーリーを1クールにしたと考えれば納得行く部分も多い。

唐突な展開ではあるもの非常に綺麗に1クールでストーリーをまとめており、
すっきりとした面白さを最後の最後で感じさせてくれる作品だった。

総評:なぜ1クールだったんだ


引用元:DOUBLE DECKER公式サイトより
©SUNRISE/DD PARTNERS

全体的に見て惜しい作品だ。
序盤から中盤までのテンポの早い軽い刑事ドラマとキャラの印象の薄さは
滑り気味のギャグも相まって面白さにかける部分が多い。
だが、終盤になってさりげなくばら撒かれていた伏線が一気に回収され、
世界観と設定が広がるストーリー展開になることで、
ようやくこの作品の面白さが明確なものになる。

ただ、1クールのアニメとしてはあまりにも唐突な展開に感じやすく、
本来は2クールの作品を1クールに無理やり収めてしまった弊害が
作品の序盤から中盤に響いてしまった感じも否めない。
もっと掘り下げられるキャラクターや関係性もあったのだろう。
そういった部分が省かれて総集編のようになってる部分もある。

要素と設定は決して悪くない。
しかし、それが活きてくるのが終盤なため面白さが伝わりにくい。
序盤から中盤だけなら25点くらいの作品だが、終盤だけなら65点位の作品だ。
右肩上がりに面白くなってくるというよりは、
唐突に10話あたりで面白さが増すようななんとも評価に困る作品だ。

ただ、それでも滑り気味のギャグや微妙な演出など気になる部分も多く、
「2クール」でしっかり丁寧に作られていれば、
もう少し良い評価ができたかもしれない。

最終話の「ギャグ」もシリアスとのバランスがしっかり取れており、
このバランスの良さや要素が生かされる部分がもう少し早く発揮されればと、
惜しまれる部分が大きい作品だった。

個人的な感想:総集編を挟んで


引用元:DOUBLE DECKER公式サイトより
©SUNRISE/DD PARTNERS

この作品は1クールにしては珍しく総集編がある。
本来2クール作品ならあってもおかしくはない。
しかも、この作品は新作エピソードが3話も配信予定されている。
内容も「本編中で描かれることのなかった物語」らしい。

やはり2クール予定だったのではないだろうか。
そう感じさせる部分が非常に多く、そう感じてしまうだけに勿体無い。
1話切りや3話切りした人に「11話で超展開だから!」といっても
流石に11話まで見るのは勧めづらい。
2クールだったら中盤から面白くなる!と言える作品だったのだが、
本当に色々と惜しい作品だった。

売上もあまり良くないため2期があるのかどうかも微妙なところであり、
追加エピソードの配信が終わり次第の発表に期待したいところではあるが、
2期があるならばしっかりとした尺で見てみたい作品だ。

余談だがクチの悪い早見沙織さんというのはなかなかに新しいので、
早見沙織さんのファンならば必見かもしれない(笑)

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