タイラーの名を借りた悪質な同人作品「無責任ギャラクシー☆タイラー」レビュー

2017年10月1日

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評価 ☆☆☆☆☆(0点)全12話

あらすじ 少年は、少女に出会う。そして冒険が始まる。 遥か未来からさらに遥か未来。汎銀河共和国は衰退し、群雄割拠した帝国群も滅び、全銀河に散らばった人々はみな、平和な世界でその日暮らしをしていた。引用 – Wikipedia

タイラーの名を借りた悪質な同人作品

原作はライトノベルな本作品、タイトルが若干違うため分かりにくいが
1993年から放映された「無責任艦長タイラー」の続編的立ち位置の作品であり、
原作者によれば無責任艦長タイラーから「少なくとも千年後」とのこと。
監督は木村寛、制作はアニメーションスタジオ・セブン。

なお前作の「無責任艦長タイラー」は1話30分の2クールアニメだった。
知らない人に説明するといわゆるSFな作品なのだが、
主人公が非常に独特でタイトルの無責任適当男、
そんな彼が適当や無責任さを発揮していくうちに徐々に大事になっていき、
最終的には宇宙戦争を収めることになると言うような作品だった。

しかし、今作は1話5分の1クール、いわゆる短編アニメだ。
とてもじゃないが前作と同じような雰囲気でヤるような尺ではなく、
最近流行りの少し前のアニメなどのをリメイクや続編という形でやるという作品だ。

1話から説明の連続だ。
やや早口で世界観や状況をロボットが説明する。
演じているのはアイドルなのだが演技は
不思議と気にならないどころかかなり自然だ。
しかし、主人公が問題だ。

主人公の名前は「バンジョー・ウエキ・タイラー」という少年なのだが、
少年声ではなく完璧な女性声。14歳という年齢設定なら
声変わりが始まっててもおかしくないような年齢なのに完璧な少女声であり、
演じているのがアース・スター声優だから仕方ないのかもしれないが、
「男の子」を演じれていない。

前作のキャラと同じ「アザリン」も登場するのだが、
声優さんは残念ながら笠原弘子さんではなく、これまたアース・スター声優。
エンディングを歌ってるのもアース・スター声優のユニットだ。
所々に商業的な匂いがプンプンしている。

絵もびっくりするほど動かない同じシーンを長時間流し続け、
尺に見合わない量のセリフをキャラクターたちが喋り続ける。
動きの面白さはほぼなく、アニメーションとしての面白さがかなり薄い。
しかも4話あたりから作画の質も極端に落ちて手抜きが目立つ。

更に驚くのが「前回までのおはなし」がナレーションで流れたりする。
この作品は1話5分である、普通ならば1秒でも尺を無駄にできない。
そんな貴重な尺をドラゴンボールの尺稼ぎのごとく流す。
会話と会話の間に妙な「間」を挟むことも有り、
短編アニメにおける魅力の1つでも有るテンポの良さもない。

展開も唐突でちょっとわけがわからない。
宇宙船を手に入れたかと思えば謎のキャラがいきなり現れて、
地下に掘り進んでしまい、海賊王になるための修行をして、登山をする。
話が荒唐無稽すぎて、脚本家はギャグのつもりなのかもしれないが一切笑えない。
無駄な話、無駄なギャグ、意味不明な展開が多すぎて1話5分1クールの尺を
どんどんと無意味に消化していく。

意味のない話が多すぎる。
本筋の話からズレまくりな話が非常に多く、
それがギャグにすら成っていないドタバタ話で見ていて退屈だ。

1話5分の尺なのに退屈に感じさせるのは有る意味すごく、
基本的なギャグセンスがズレすぎていて好みの問題以前の笑えなさだ。
シュールギャグみたいなのを気取ったのかもしれないが寒いだけで、
終盤の強引なストーリーのまとめ方は寒気すらする。
無責任艦長タイラーの「無責任」を履き違えてるんじゃないだろうか?

総評

全体的に見てタイラーの名を借りただけの同人アニメのような作品だ。
「無責任艦長タイラー」を見た人が見ても過去キャラが一部でるくらいで
タイラーらしさのようなものは一切ない。
無責任艦長タイラーを見たことがない人が見ると一部説明不足も有ったり、
やや初見さんお断りな部分があるため分かりづらい。

1話5分での詰め込みすぎなセリフ量、唐突に出てくるキャラ、
前回までのあらすじや妙な間だったりきちんとしたストーリー構成もできておらず、
ギャグにすら成っていないドタバタコメディとギャグの質が低すぎる。

作画も不安定だ。
1話5分なのにキャラの顔が安定しない、
ちょっと古いネタだが「ヤシガニ」を一瞬思い出すほどだ。

声優陣営もアース・スター声優が少年声もできないのに少年の役をやったり、
ゴリ押しな感じが強く、アイドルなどもいる。
不安定な作画や1話5分など予算は少ない中での制作であることなのは分かるが、
わざわざ「無責任艦長タイラー」を持ち出したのに、
無責任艦長タイラーのファンが怒るような内容の作品を作っている。

無責任艦長タイラーという作品の知名度を利用しただけだ。
タイラーと言う作品を持ち出して何がしたいのかまるで分からず、
タイラーである必要性も感じない。
別のSF作品の1000年後の世界と登場人物でもまったく問題なさそうだ。
それほどタイラーという作品の続編である必要性がない。

個人的な感想

個人的には「無責任艦長タイラー」という作品は大好きだ。
あの作品のタイラーと言う主人公の、他作品にはない魅力が本当に大好きで、
私以外にも思い入れのある人や根強いファンも多い作品だろう。
それだけに、そんな「無責任艦長タイラー」という作品の名前を借りて
好き放題にしているだけのこの作品が本当に許せない。

この作品を見て無責任艦長タイラーを知らない人が見てみようと思うのだろうか?
この作品を見て無責任艦長タイラーのファンが喜ぶとでも思ってるのだろうか?
アニメという娯楽作品であるがゆえにもちろん好みはある、
だが、この作品は好み以前の問題だ。
ただファンの思いや無責任艦長タイラーと言う作品を愚弄しているに過ぎない。

監督の木村寛さんは5分アニメでおなじみの方だが、
そろそろ演出に戻られてはいかがだろうか。

余談だがアイドルが声優をやられるということで、
最近見た「ナナマルサンバツ」の川島海荷さんの悪夢が再来するかと思ったのだが、
今作に出ている「樋口日奈」さんは自然な演技で驚いた。
この作品を楽しめるのは、彼女のファンくらいかもしれない(苦笑)

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