クレヨンしんちゃん映画のだめな部分を集めたようだ「クレヨンしんちゃん外伝 エイリアン vs. しんのすけ」レビュー

2017年2月11日

評価☆☆☆☆☆(8点)全13話
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あらすじ もしも、しんのすけが漂流宇宙船の中でエイリアンに遭遇したら” 「クレヨンしんちゃん」初!宇宙密室サスペンス!! コールドスリープから目覚めたしんのすけたち野原一家。見慣れぬ船内。見知らぬ人々。 一体誰が何の目的で彼らを船に乗せたのか。引用 – Wikipedia


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クレヨンしんちゃん映画のだめな部分を集めたようだ

本作品はAmazonプライムビデオで限定配信されている
クレヨンしんちゃんのオリジナルアニメ作品。
25周年記念作品となっており、外伝作品の第一弾。
監督は三原三千夫、制作はシンエイ動画。

見出して感じるのはシリアスな感じだろう。
突然目覚めると下着姿のまま謎のカプセルの上で目覚める野原一家と、
隣のおばさんとミッチーとヨシリンとなぞのキャラ二人。

クレヨンしんちゃんのSPや映画と比べても
冒頭の始まり方としては「あっさり」としており、ギャグも少ない。
野原一家たちがどうしてこうなったのか、ここはどこなのかという、
いわゆる「ミステリー・サスペンス」的な始まり方になっており、
簡単に言ってしまえば「クレヨンしんちゃん」らしさというものがない。

1シーン1シーンも非常に間延びしており、
クレヨンしんちゃんの「お決まりのギャグ」ですら勢いがなく、
ギャグシーンがギャグとして成立しておらず笑えない。
ギャグアニメにおいてテンポが悪いというのは致命的だ。

また今作限定のヒロインが可愛くない上に、声優がアイドル。
周りがプロの声優なため明らかに浮いており、
かなり強い違和感がある。

「宇宙船」という閉鎖空間の中でギスギスした雰囲気のまま話は進む。
そのギスギスした雰囲気がクレヨンしんちゃんという作風と
全く持ってあっていない。

ぶっちゃけて言えば「クレヨンしんちゃん」でやる必要性を感じない内容を
無理矢理クレヨンしんちゃんに落とし込んでやっている感じが強く、
「クレヨンしんちゃん」という作品の良さを活かしきれていない。

舞台設定も妙に分かりにくい。
この作品は野原一家が目覚めたらいきなり宇宙で100年経っていたという
設定とストーリー展開なのは見ていてわかるのだが、
実は100年前が2116年であり、百年が経過しているので2216年。

TVシリーズのクレヨンしんちゃんが一応2016年の野原一家なため、
普通のクレヨンしんちゃんから更に100年が経過している未来の野原一家が、
更に100年のコールドスリープをさせられてしまったという
非常に分かりにくい舞台設定に成っている。

会話でいきなり「春日部市」ではなく「カスカベシティ」などというため、
そこに妙に引っかかってしまったり、
宇宙トラックの運転手という設定などを自然に野原一家たちが受け入れているため、
見ているがこっち側が素直に飲み込みきれない。

例えば1話の冒頭などでしっかりと
「100年後の未来」に生きている普通の野原一家が描かれた後に、
100年のコールドスリープをさせられたというシーンになれば
わかりやすいのだが、見ている側がいつも見ているクレヨンしんちゃんより
更に100年後という作中の基本設定を理解するのが遅くなってしまう。

1話8分、全13話という尺では描ききれないのはわかるのだが、
1話8分なのに余計なシーンや間延びしているシーンも多く、
もっとしっかりとしたストーリー構成でやれば面白くなりそうな部分も、
そこに至るまでがダラダラなため盛り上がりきれない。


全体的に見て面白くないギャグ、間延びしたストーリー展開、
妙に分かりにくい設定、魅力のないキャラクターと良さが感じられない作品だ。
心底これが映画ではなくプライムビデオでの配信でよかったと感じるほど、
近年のクレヨンしんちゃん映画の「駄目な部分」を集めたような作品であり、
長年のクレヨンしんちゃんファンが求めているクレヨンしんちゃんらしさが
ほとんど感じられなかった。

三原三千夫監督はこの作品で初めて監督を努めたようだ。
長年、アニメーターとしてご活躍されており、
私の好きな作品にも多く関わっている方だけに、
監督してのご活躍を期待したいところだったが、
正直、監督には向いていないように感じる。

ストーリー的にも歯切れが悪い。
100年は知らぬ間に経過したままだし、地球にも戻れていない。
いわゆる「ギャグ落ち」ともまた違う感じで、
投げっぱなしのまま終わっておいり、歯切れの悪さだけが際立っている。

25周年記念作品で外伝と期待してしまう要素は多かったが、
残念な作品に終わってしまった。
次の外伝作品もすでに配信されているが、
監督が違うようなので期待したい。