このチープさが癖になる?「紅殻のパンドラ」レビュー

評価★★★☆☆(58点)全12話
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あらすじ 脳以外の全身を機械化した「全身義体」の少女・七転 福音は、平和な最高級リゾート島「セナンクル・アイランド」を訪れていた。引用 – Wikipedia


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このチープさが癖になる?

原作は「エクセル・サーガ」でお馴染みの六道神士による漫画作品。
原作・原案は攻殻機動隊でお馴染みの士郎正宗。
アニメ監督ろこどるでお馴染みの名和宗則、
制作はきんいろモザイクでお馴染みのStudio五組、AXsiZ。

まず、この不思議な組み合わせでにやにやしてしまうだろう(笑)
あのエクセル・サーガ、あの攻殻機動隊、あのろこどる、あのきんいろモザイクと、
不思議なアニメの組み合わせからこの作品が生まれており、
この並んでいるアニメタイトルだけで不思議と期待感が生まれる。

更に期待感を煽ればこの作品はいちおう「攻殻機動隊」の世界観の作品だ。
色々と細かい事情はWikipediaなどを見てもらえばわかるが、
攻殻機動隊の公安9課ができる前の世界であり、
「全身義体」はあるが、電脳化は人権団体のせいで一般化はしていない。

見だして感じるのは可愛らしいキャラクターデザインだろう。
エクセル・サーガの六道神士らしいキャラクたーデザインであり、
90年台や00年台の懐かしい深夜アニメのキャラデザを彷彿とさせる。
この作品があの時代に放映されていても違和感がなかったかもしれない、
そう感じさせるほど懐かしい。

そして「全身義体」の可愛らしさ(笑)
攻殻機動隊にはゴリラ女しかいないため可愛いなんて言葉は出てこなかったが、
この作品でまさか「全身義体」のフェチズムに気づくことになるとは思わなかった。
全身義体のヒロインの水着姿、技術が発達していない義体だからこその
「関節」のフェチズム的描写がなんともそそる。

はっきりいってあざといまでの萌え要素の数々だ。
最近では「あざとい萌え」は嫌われる傾向にあり、
露骨すぎる萌えアニメは減ってきた。
そんな中でこの作品は露骨な萌である(笑)

いかにもアニメ的なかわいいキャラクターデザイン、
元気全身義体娘、猫耳メイド、爆乳褐色博士etc…
いかにも媚び媚な萌えシーン、
パンチラではなくもろパン、全身義体だからこそのセクシーシーンの数々、
遠慮無く「萌え」を取り入れており、その清々しさが心地よさすら感じる。

ストーリーもごちゃ混ぜだ(笑)
全身義体が出てくるあたりはSF的なのだが、キャラクターは行動や反応は萌え、
ドタバタいろいろな事件が起こる中でヒロインはまるで魔法少女のごとく、
プログラムをインストールしなんやかんやで解決していく。

はっきりいってしまうと何がしたいかわからない感じも強い。
攻殻機動隊の世界観を活かすようにSF設定も多いのだが、
そのSF設定を萌え萌えなキャラクターたちでストーリーを作ると、
どうにも、そのSF設定が内容に対して重すぎて、
中途半端な印象になっている感じも強い。

この作品の方向性としては「攻殻機動隊」の世界観の中で
「日常萌え百合アクション」ストーリーを展開したいのはわかるが、
色々な方向に全て突き抜けていればテンポとテンションの高さで、
ピーキーな面白さを感じられてかも知れないが、
どの要素も「もう一歩」踏み込む前にとどまってしまっており
小さくまとまってしまっている。

例えば戦闘シーン。
ヒロインは義体にプログラムをインストールし
様々な武器や衣装を身にまとい、戦う。

まるで魔法少女のような衣装で銃を撃ちまくる姿は可愛らしいのだが、
作画面と演出面での力不足が目立ち迫力がない。
製作会社であるStudio五組は日常アニメは得意だが、
どうにもアクション面での作画の制作には弱いようだ。

セクシーシーンも1話の段階で「義体の女の子の下腹部に指を入れる」という
フェチズム満載なエロチシズムは素晴らしいのだが、
それ以上のエロさやフェチズムがない。

作画も崩れてはいないものの、全体的に質感はあまり良くない。
本当に2016年のアニメというよりは
2001年くらいのアニメのような質感があり、
ふるさを感じてしまう部分も多い。

しかし、その一歩踏みとどまっている要素の数々が
この作品を構成しており、その絶妙な突き抜けない要素のバランスが
90年台のOVAを見ているような懐かしさに包まれている要因でもある。
いい意味でチープであり、いい意味で軽い。

このチープさや軽さ、突き抜け無さは見る人によって受け止め方が違うだろう。
90年台のOVAや2000年代の深夜アニメを楽しんだ人ならば、
この何とも言えない荒唐無稽感がたまらなく、
ついつい最後まで見てしまう面白さを秘めている。

シリアスな展開になってもヒロインと猫耳メイドの
「ほんわか」したキャラクターによって重くなりすぎず、
ラスボス的な存在がまじめに野望を語っても、
ふわっっとした態度で対応する。
まじめに語ってるラスボスが滑稽に見えるのもこの作品の良さだろう。

最終話前半の「くだらなさ」と
最終話後半のストーリーを積み重ねたからこそのキャラの変化と成長こそが
この作品の魅力になっている。
最後まで見終わって「面白かった」と思える作品ではあるが、
最後まで付き合えるかどうかは好み次第という部分が非常に大きい作品だ

全体的に見て90年台のOVAや00年代の深夜アニメが
好きな方にはたまらない作品だ。
ストレートな萌え要素、ストレートなセクシー要素、
「ふわっ」と「ゆるっ」と気軽な気持ちで見始めて気軽に見終われる。

ただ、好みの分かれる作品ではある。
露骨な萌え要素や荒唐無稽な感じのあるストーリー、
おせじにも質が良いとはいえない作画、
攻殻機動隊と設定や世界観を共有しているが、
攻殻機動隊的なものを想像してしまうと浅いと感じてしまう部分もある。

悪い意味で中途半端であり、いい意味でいい所どり。
もう一歩踏み込んで深く描写して欲しいと感じる部分はあるが、
そこに踏みこないからこその軽さと面白さがある作品だ。

個人的には沼倉愛美さんのクールメイドな演技がもうすごい好みだった。
うなり声のような、声にならない声という絶妙な声の出し方がマッチしており、
キャラクターの可愛らしさと存在感を引き立てていた。

攻殻機動隊を知らなくても楽しめる作品だが、
知っていればサービス的な声優さんが出ていたりもする。
1期である程度綺麗にストーリーが完結しており、
売り上げ的にも2期は厳しいところだが、
原作が終わり次第、一気に読みたい作品だ。

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