「サクガン」レビュー

1.0
SF
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評価 ★☆☆☆☆(18点) 全12話

あらすじ 岩盤に隔てられた「コロニー」では人類が暮らす遠い未来。引用- Wikipedia

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ナニコレ珍百景

本作品はオリジナルアニメ制作プロジェクト「Project ANIMA」
という企画の中で応募された小説を原作とした作品。
監督は和田純一、制作はサテライト

さぁ冒険の始まりだ

1話の冒頭、思わず「ニヤッ」とさせられる。
父と娘、そんな2人が「追いかけっこ」をしている。
そんな追いかけっこの中で自然にこの作品の町並みを見せている。

どこか仄暗い地下に作られた街。
太陽は見えず、土に囲まれた街の中は開発された町並みが広がっており、
無国籍で多国籍な雰囲気あふれる建物の数々は
この作品ならではの雰囲気を作り上げている。

言葉で説明するのではない。
「見せる」ことでこの作品の世界観を視聴者に感じさせており、
幼い少女が無骨なワーカーロボットにのり働いている。
だが、彼女には夢がある。

「マーカー」
それは土で覆われたこの世界を探査するものであり、
彼女は閉じられたこの街から1人抜け出し、外の世界を見たいと思っている。
9歳でありながら既に大学を卒業している彼女は秀才だ。

秀才であるがゆえにどこか生意気さがあり、だが頭の回転は早く、
父親であり大人な「ガガンバー」と口喧嘩をする日々だ。
主人公である「メメンプー」は毎日のように夢を見る、
それはこの地下の世界では見ることの出来ない「景色」だ。

「どうしようもなくドキドキするんだ!」

見ている側と同じようにこの作品の世界を見たいと思わせる。
感情移入を誘ってくる主人公だ。
彼女は前しか見ていない、夢と希望にあふれる少女だ。
だが、幼い少女が故に父であり大人のガガンバー」は止めようとする。

しかし、彼女は止まらない。
伝説的な存在である「ウロロップ」から彼女に届いた贈り物、
もう彼女を止めることなど出来ない。
夢見た光景の、あの景色に、夢の場所にたどり着くために彼女は旅に出る。

怪獣

だが、夢と希望ばかりの世界ではない。
この世界には「絶望」という名の怪獣という存在が居る。
突如として現れるそれは破壊衝動に支配された存在であり、
人が住む街を壊し、人の命を奪うものだ。

9歳の少女の、小さな彼女の前に現れる絶望。
それは「現実」であり、旅路が簡単なものではないということの象徴だ。
怪獣とは一体なんなのか。どこか「特撮的」なデザインの怪獣の存在と、
そんな怪獣に数体のワーカーロボットで挑む戦闘シーンはワクワクさせられる。

ワーカーロボットはあくまで「作業用」だ。
あっさりと壊され、搭乗者はあっさりと死ぬ、
目の前の「死」を目の前にしても少女の夢は終いえることはない。
彼女は分かっている、父が自分をどうして止めるのか。

「やっぱり私はおかしいのか?教えてくれガガンバ」

死を、親の心を目の前にしても彼女の夢と希望は止まらない。
そんな娘にダメ親父も影響される

「俺はダメおやじかもしれない、
 だってお前はまだ子供だ。この俺のちっちゃなガキだ」

二人の親子の旅、未知の地へ、いざ、旅立つ時が来た。
1話は本当に完璧とも言える1話であり、期待感しかない作品だった。
父と娘が支え合い怪獣を倒し、たびに出る。

戦闘シーンの迫力もすばらしく、怪獣やロボットはCGで描かれてはいるものの、
CGだからこその立体的でハイスピードな動きで見せる戦闘シーンになっており、
少しおバカだが大人な「ガガンバー」と天才な少女である「メメンプー
」の
親子の会話もコミカルであり、思わずニヤニヤ出来てしまう。

1話では親子の愛で涙腺を少し刺激され、
2話では戦闘シーンでワクワクさせてくれる。
最終話まで見終わった今思い返せば、この序盤の面白さと
後の展開への期待感はなんだったのかと思ってしまう。

ラビリンス

この世界は地下に世界が広がっており、未開の地ばかりのラビリンスだ。
マーカーたちはその名のごとく、様々な未開の地を廻りながら
「マーキング」し拠点を作っている。
そんな各地にある拠点を廻りながらウロロップからもらった地図を頼りに
彼女達はラビリンスを冒険していく。

と思いきやほとんど冒険はしない。
ラビリンスに冒険するよりも各地に存在する人が住む場所であるコロニーを
めぐるような感じになってしまっており、
冒険譚かと思いきや、どちらかといえばロードムービーだ。

話の展開のテンポもガクッとおち、1クールしか無いのに
こんなストーリー進行で大丈夫か?と思うほど
1話1話であまり話が進まず、1話1話の面白さも薄い。
「監察官」の仕事を手伝ったり、賞金首とであったり、ハッカーと
出会ったりするものの話は全く進まない。

各地のコロニーは現実世界のどこかの国のような特徴を持っており、
そのコロニーごとで「ルール」や暮らしぶりは違う。
そんな中で暮らす人々とふれあいながら旅は続いていく。

キノの旅的な面白さはあるものの、1話1話の話の内容が薄く、
「今、この話をやる意味はあるのか?」と思うような内容が多い。
これが2クールや4クールなら「こういう話があっても良い」と思うのだが、
1クールしか尺がないのに毒にも薬にもならないような話が続いてしまう。

話が進めば進むほど「微妙」な感じが積もり積もっていき、
序盤で感じた物語や世界の「広大さ」がどんどんどん狭まっていき、
それに伴いこの作品の面白さもどんどんどん減っていく。

1話や2話で色々な謎が提示されているのに、その謎に迫るわけでもなく、
目的地に迫っているような感じもなく、尺ばかりが消費されていくような
そんな感覚だ。1話1話の話の意味が薄い。

1話や2話でこういう話になるだろう、面白そろうだなと
見ている側が感じていた方向とぜんぜん違う明後日の方向に
向かってしまっているような印象だ。
6話までで旅の仲間は増えるものの、それだけだ。
人間同士の内輪揉めやどうでもいい話ばかりを見せられてしまう。

本来ならばロボットアニメとして「戦う敵」であるはずのカイジュウも、
4話以降ほとんど出てこない。
3話まで感じていた期待感を返してくれと思うほどだ。

仲間になるキャラクターもあまり好感の持てるようなキャラではなく、
主役である「メメンプー」も「ガガンバー」の魅力も
4話以降どんどんおちてくる。

謎はどんどん増えていく。
カイジュウとはなんなのか、そもそも人類はなぜ地下世界に住んでいるのか、
なぜメメンプーのもとに伝説のマーカーである「ウロロッカ」から
地図情報の入った石が届いたのか、その石は誰が届けたのか、
メメンプーの夢に出てくる謎の人物は誰なのか、
ラビリンスが崩壊する現象はなぜ起こっているのか。

夢の中でなぜ「ガガンバー」が死ぬ寸前なのか。
「ガガンバー」の過去は一部明らかになるものの、
ガガンパー自体がなぜか一部の記憶を失っているようであり、
それがなぜなのかも謎だ。
出ていったガガンバーの奥さんのことも全然明らかにならない。

どんどんどんどんどん謎は増えていく。だが、全然明らかにならない。
7話では謎の花でメインキャラがラリってしまったり、
9話というもはや終盤に差し掛かる回では無人島に閉じ込められたりと、
日常回的なギャグ回も多く、話がまるで進まない。

この世界は地下にあり、大崩落という崩壊現象がおきまくっている。
人類は過去のオーパーツとも言える施設があるからこそ
水や酸素が生成され人類は生き延びているが、
それがいつ大崩落やカイジュウのせいで壊れるかわからない。
そんな「世界の危機」すら匂わせているが、匂わせているだけだ。

この地下世界を管理している組織とプリンセスという象徴的な存在も居るが、
管理社会であるがゆえにそんな組織に逆らうテロ組織「シビト」も存在する。
ちなみにプリンセスは言葉だけで作中には一切その姿を見せない。

終盤にはメメンプーが「虹の子」という特別な存在であることはわかり、
実は「ガガンバー」と血の繋がりがないことが明らかになるのだが、
ならガガンバーとメメンプーはどういう経緯で出会ったのか、
そもそも「虹の子」というのがなんなのかというのは明かされない。

ぜーーーんぶ投げっぱだ(苦笑)
10話で軽い説明回のようなものがはいるが、
そもそもの説明回も1クールのアニメならせめて6話くらいでやるべきだ。
あまりにも遅い。そもそも1クールで話を終わらせる気がないのはわかるが、
それでも情報を小出ししすぎるせいでこの作品のおもしろさが感じられない。

11話では、もうあと1話しかないのに本筋の話を進めずに
「ローマの休日」のようなストーリーを展開する。意味不明だ。
少なくとも最終話直前でやるような内容ではない内容が描かれてしまい、
最終話も投げっぱなしで終わってしまう。

何がしたかったんだとため息すら出てしまう作品だった。

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総評:投げっぱなしで打ち切り

全体的に見て酷い作品だ。
序盤の世界観の見せ方、キャラクターの見せ方はすばらしく、
未開のアンダーワールドという地下世界を親子で冒険する旅路への期待感、
ロボットとカイジュウの戦闘シーンにワクワクさせられた。

しかし、ワクワクさせられたのは3話くらいまでだ。
4話以降は冒険譚ではなく、ただのロードムービーになってしまっており、
ラビリンスの中にいるよりコロニーの中にいるほうが多く、
そこでどうでもいいストーリーばかりが展開してしまう。

主人公である「メメンプー」と「ガガンバー」。
天才だが子供なメメンプーとダメおやじだが大人なガガンバー、
そんな凸凹な親子の掛け合いが最初は楽しかったが、
中盤辺りからはメメンプーのわがままさやガガンバーのダメさが
際立つようなシーンがなくキャラの魅力も失われていく。

一緒に旅をする賞金首もヒステリックな行動をしたかと思えば
その後は別にいてもいなくてもどうでもいいキャラであり、
ハッカーなキャラクターも別にいなくても良い。
メインキャラ自体は少ないのにそのキャラクターすらきちんと
使いこなせておらず、どうでもいいストーリーばかりが展開してしまう。

謎を小出しにし、どんどんと謎が増えるが結局は1クールの間で
その謎が明らかになることがほとんどない。
伏線ばかりが張り巡らされろくに回収しない、
作品全体に蜘蛛の巣がはってしまっているような感じだ。

最終話まで見た後に「アレはなんだったの?」と思うことが多すぎる上に、
そればかりか旅の目的地にすらたどり着いていない。
全て投げっぱなしにした1クールは1つの作品としての面白みすら
どこかに投げてしまったような作品だった。

個人的な感想:2クールを1クールに…

アニメを見終わった後に知ったのだが、
この作品は最初は2クールを想定していたようだが
なんらかの事情で1クールになったようだ。
「星合の空」を思い返すような出来事が起こってしまっている。

それも納得でストーリー構成ではあるものの、
それを考慮したとしても「取捨選択」ができておらず、
いつか2期をやるためにこういう作品にしたことがわかるが、
2期がなければ投げっぱなしだ。

そもそも1クールでしかやれなかったのならば、
あまりにもいらない回が多すぎる。
予算の都合かカイジュウとの戦闘シーンも序盤以外はなく、
ロボットアニメとしての要素も薄い。

序盤で抱いた期待感、この作品に対する面白さが
明後日の方向にどんどんと向かってしまった作品だった…

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出演声優 天希かのん, 東地宏樹, 花澤香菜

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