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誰も見てない空気すぎるアニメ「BULLET/BULLET」レビュー

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BULLET/BULLET SFアニメ一覧
画像引用元:(C)E&H/GAGA
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評価 ★★☆☆☆(35点) 全12話

映画「BULLET/BULLET」(バレットバレット)1st PV | 7.16(水)ディズニープラス「スター」で独占配信!| 7.25(金)&8.15(金)2部作全国公開!

あらすじ 文明が崩壊した近未来の世界を舞台に、不当に奪われた品を取り返す「盗み屋」の少年ギアと仲間たちが、謎の少女ノアからの依頼をきっかけに、世界を揺るがす「秘密」を盗んでしまいう引用- Wikipedia

誰も見てない空気すぎるアニメ

本作品はDisney+オリジナルアニメとして制作された。
監督は朴性厚 、制作はE&H production

盗み屋

冒頭から激しいアクションシーンが描かれる。
「盗み屋」の少年はロボットやシロクマと手を組み、盗みを働いている。
盗みを働いているものの、純粋でまっすぐな少年であり、
盗みという行為の罪深さを感じさせず、明るく描かれている。

まるでアメコミのような演出や色合いなど、
Disney+配信限定ということもあり、海外ウケを狙っている感じもある。
この世界はいわゆる「ポストアポカリプス」だ。
人類の文明が衰退し、そんな衰退した文明の遺産を回収し、
壁に囲まれた街で生き抜いている。

少年な主人公は街の外を夢見ている。
街の外は砂に囲われ、人類が生き抜けるような場所ではない。
それでも彼はこの閉塞的な空間から抜け出すことを夢見ている。
過去の遺産を回収する仕事をしながらも、親方とよぶ
家族のための薬代を稼ぐために彼は必死だ。

彼らがやっているのは盗みは盗みでも
「人から盗まれたもの」を盗む仕事をしている、いわゆる義賊だ。
謎の少女の依頼を受け、謎の少女の父の形見を取り戻す仕事を始める
というところから物語が動き出す。

秘密

1話からかなり激しいカーチェイスが描かれており、
ここを描きたい!という制作側の意気込みを強く感じる。
彼らが依頼を受け盗んだものは政府の秘密、
「神の歌」が秘められたものであり、主人公たちは狙われる羽目になってしまう。

非常にシンプルなストーリーをアクションシーンで
しっかり盛り上げている一方で、余り新鮮味のようなものは感じない。
どこか懐かしい雰囲気がある作品だ、最近のアニメというよりは
2000年代初期の深夜アニメのような独特の乾いた雰囲気があり、
ここまで明るく真っ直ぐで前向きな主人公というのも最近余り見かけない。

主人公たちを狙ってクセが強い殺し屋などが大量に現れるのだが、
どことなくトリガーみも感じるようなアメコミ的な演出やキャラ造形がある。
監督が構想に10年かけた作品だけあって、
監督の好きなものが詰め込まれているのだろう。
そんな「要素」を1つずつ序盤はしっかりと感じさせている印象だ。

街の中からでたことがなかった主人公はずっと外の世界を夢見ている。
それでも、唯一の家族とも言える親方を見捨てておけず、
盗み屋の仕事を続けている。
逃走の中で彼は外の世界へと飛び出る、
親元を離れ、見知らぬ世界で自らの足で。

カーチェイスシーンのクォリティは確かに高いのだが、
序盤はカーチェイスシーンだらけで流石に飽きてくる部分もある。
移動手段として車が基本的なものになっており、
それゆえにカーチェイスシーンがデフォルトになっているのはわかるが、
序盤の段階でやや食傷気味になってしまう。

シロクマとロボ

主人公の相棒たちは人間の言葉を喋るシロクマと
多重人格なロボットだ。
くせのある彼らを序盤でしっかりと掘り下げることで、
ロードムービーの中でのワチャワチャ感がきちんと生まれる。
序盤で彼らの過去をしっかりと描くことでキャラの厚みも生まれている。

主人公は「ロード」という存在に憧れている。
そんなロードもまた政府の秘密を運び、政府に殺された過去が明らかになる。
そんな憧れの存在と同じことを主人公はしている。
政府の秘密とはなんなのか、この世界に隠された謎はなんなのか。

人のことを疑わず真っ直ぐな少年が欺瞞と嘘に満ちた世界に触れていく。
ボーイミーツガールなストーリーであり、ポストアポカリプスな作品だ。
ストーリー自体はわかりやすいが、ひたすらカーチェイスシーンが多い。

主人公が人を殺せない純粋な少年だからこそ、
彼のアクションシーンと呼べるのがカーチェイスしかなく、
そのカーチェイス自体も引き出しが少ない。

自分の街から抜け出し、色々とあった主人公たちは
「首都」と呼ばれる場所へとたどり着く。

ディストピア

この世界は主人公にとってはポストアポカリプスな世界だ。
過去の文明のものを回収し、市民は貧しく暮らしている。
だが、街を出て砂漠を越えた先にある「首都」にたどり着くと、
そこは発展した技術ときれいな町並み、青い空が広がっている。
首都の住民には労働の義務すら無い、ユートピアだ。

ディストピアにすむ主人公は知らない。
ユートピアで使われているエネルギーは「犬」と
呼ばれる人たちをディストピアに閉じ込め管理し、エネルギーを収集させている。
膨大な量のゴミを犬たちに集めさせ、管理し、貧しい暮らしをさせる。
それを「当たり前」と思い込ませている。

ありがちな設定ではあるがわかりやすい。
ヒロインはそんな真実を世界に知らしめようとするレジスタンスの一人であり、
真実を知った主人公たちは真実を世界中に知らしめるために
レジスタンスに協力することになる。

だが、世界の真実はあまりにも酷い。
労働力だけでなく「寿命」すらもユートピアの住人のために奪われている。
救おうと思っていた病気の親方ですら、病気ではない。
この世界のシステムだ、犬と呼ばれた人たちは30代で年寄りになり、
40代を迎えることはほとんど無い。

仕組まれた世界の真実、それを伝えようと動き出す。

終盤、そんな真実が世界中に配信される。だが「犬」は「犬」のままだ。
生まれてからこの方、ずっとそういうふうに教育され、
そういうふうに生きてきた。
主人公は「異端」だ、多くの人が現状に満足してしまっている。
世界は簡単には変わらない。

このあたりは今の日本の政治批判のようにも聞こえる部分だ。
日本の政治も変わりつつあるものの、
選挙が行われればいつも通りな結果になることがほとんどだ。
革命など簡単に起こることではない。

世界の真実、自分たちの真実、主人公の「あこがれの人」の真実を知る。
自分の信じていたものの多くが嘘だった事実をしり、
純粋な少年は迷う。だが、それでも少年は諦めない。まっすぐだ。
自分がやれることを、まっすぐに彼は成そうとする。

そんな少年に少しずつ大人が影響され動き出す。

ダイジェスト

これは作品全体でそうなのだが、次のシーンに行くまでの場面転換として
ダイジェストでそれまでの模様を流すシーンが多い。
これが作品のテンポ感を崩している部分が強く、
序盤こそキャラの掘り下げや印象付けのためという印象だったのだが、
中盤は尺稼ぎのように見えてしまう。

作品全体でのカーチェイスもそうだが、
場面転換ダイジェストなど、同じようなことをこすりすぎて
ワンパターンになってしまい、飽きてしまう。

中盤あたりから作画のクォリティも露骨に落ちる。
序盤から妙にバストアップな絵なども多く、
アクションシーン以外の作画がどうにも安っぽく感じる時もあり、
余り予算がなかったのかもしれない。

カーチェイスシーンだけは最後まで気合が入っていたが、
序盤の段階でそんなカーチェイスには飽きてしまう。

構想10年、他にも構想に時間をかけたアニメは多く存在するが、
そんな作品の共通点としてキャラがムダに多いということだ。
考えすぎるとキャラクターが増えるものらしい。
この作品も主人公たちを追う「暗殺者」がムダに多い。
ほとんどの暗殺者キャラに必要性を感じない。

ラストの展開自体は悪くないものの、色々とノイズになる部分がちょこちょことあり、
「死んだ」と思ったキャラが生きていることがあまりにも多く、
ハッピーエンドなラストは悪くはないが、どうにも
歯切れの悪い感想で終わってしまう作品だった。

総評:構想10年の完全空気作品

全体的に見て、つまらなくはないのだが他人に勧めるほどの面白さが薄い作品だ。
ディストピアな世界で生まれ育った主人公がヒロインと出会い、
ユートピアな世界があることを知り、世界の真実を知り、そこに挑む。
王道なストーリー自体は悪くないものの、回り道なストーリー展開も多く、
キャラクター数も非常に多い。

そのキャラクターを使いこなせている感じが薄く、
いろいろな要素ややりたいことを詰め込んでいるのはわかるが、
カーチェイスのしつこさや、作画の微妙さもあいまって、
いまいち噛み合っていない感じがある。

どことなく懐かしいキャラクターデザインやテイストなど、
2000年代初期のWOWOWアニメっぽさがあり、
個人的には嫌いではないのだが、好きとまではいかない。
この空気感が好きな人も居ると思うが、そういう人が見るところで
配信されているわけでもない。

構想10年というわりには奇をてらった要素はなく、ベタだ。
アニメーションに関してもこれというシーンは少なく、
この作品をあえて劇場で、しかも総集編という形で
二部作にわけて上映する意味は本当にわからない。

8月はそういった作品が上映されていることが多いが、
この作品は本当に誰も話題にしていない。本当に空気だ。
見てみるとそこまで悪くないと思う人が多い作品だとは思うのだが、
観る手段が非常に厳しく、劇場版をやるにしても
なんで2部作にしてしまったのか…戦略が謎すぎる作品だった。

個人的な感想:魔の8月

8月のアニメ映画はどうなっているんだろうか(苦笑)
ChaOといい、アズワンといい、この作品といい、
色々な記録と思い出を残してしまっている。

もう1つ「不思議の国でアリスと」が公開されたが
果たしてこちらはどうだろうか、近日中に見に行きたいと思っている。

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