ガルパンと艦これにマヨネーズかけてみました「ハイスクール・フリート」レビュー

2016年9月6日

評価★★☆☆☆(33点)全12話
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あらすじ 今から100年ほど前、日露戦争の後日本はプレートの歪みやメタンハイドレートの採掘などが原因でその国土の多くを海中に失った結果、海上都市が増え、それらを結ぶ海上交通などの増大に依り海運大国になった。その過程で軍艦は民間用に転用され、戦争に使わないという象徴として艦長は女性が務めた引用 – Wikipedia


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ガルパンと艦これにマヨネーズかけてみました

本作品はTVアニメオリジナル作品。
監督は信田ユウ、制作はプロダクションアイムズ。
監督は長年演出家をされており、本作が2作品目の監督作品。
なおそういう監督は駄作になりやすいジンクスが私にはある。

なお放送前のタイトルは「はいふり」だったが、2話から
ハイスクールフリートに変わった。
キャラクターデザイン原案はのんのびよりでお馴染みのあっと。

見だして感じるのはゴチャゴチャ感だろう。
女子学生の憧れの職業が海で働く「女性艦長」という設定であり、
その憧れの職業につくために女子学生たちが教育艦に配属される
というところからストーリーが始まる。

しかし、1話から登場人物が非常に多い。
戦艦を動かすための要因として、
その分キャラクターを出さないといけないのはわかるがキャラ付が甘く、
声優さんも新人が多いため声によるキャラの認識もしにくく、
かなり「キャラクターデザイン」に救われている部分が大きい。

世界観も把握しきれない中でストーリーを進め、
キャラクター名も把握しきれない状況でキャラクターをどんどんだし、
よくわからないまま戦艦に乗り出航する。
そうかと思えば謎の攻撃を受け、状況を回避したかと思えば
主人公たちの船は「反乱軍」扱いされている。

1話からいわゆる「超展開」だ。
タイトルが放送前は「はいふり」であっとキャラデザということで
日常系を想像させておいて、敢えて超展開のアクションストーリーにし、
「ハイスクールフリート」という正式タイトルに
変更する流れをやりたいのはわかるが、
あまりにも置いてけぼりになっている感じが強い。

海上保安庁・横須賀海上保安部とタイアップしているだけあって、
出稿の過程など細かく描写し専門用語を使っているのはわかるのだが、
それが「面白さ」に繋がっていない。
「艦長」のイントネーションも正式な言い方なのはわかるが、
どうにも「浣腸」に聞こえてしまうイントネーションであり、違和感がある。

1話の終盤で「東京タワーの半分」が海の中に沈んでいるという
世界観の描写は面白いのに、その描写を本筋の中で生かし切れていない。
この作品は根本的な設定は悪くなさそうなのに、
その設定を生かし切れていないもどかしさを常に感じる。

キャラクターたちもクセのあるキャラクターが多い。
外見的にも特徴があり、設定もひとりひとりきちんとありそうなのに、
主人公と同じ艦隊に乗っているキャラが「30人」以上もいるうえに、
序盤から全員出してしまっているため、
結局、モブキャラのような扱いになっているキャラも多く、
せっかくのキャラデザと特徴や設定を生かし切れていない。

ストーリーも雰囲気をいつまでたっても掴みきれない。
実弾でなぜか狙われているという状況のはずなのに
「明るい音楽」でふざけているようなキャラがいたり、
緊迫感を出しているキャラが居たり、笑顔のままのキャラが居たり、
描かれているシーンを見ている側が「どういうふうに」見て良いのか、
いつまでたっても掴みきれない。

これがガールズアンドパンツァーのように「スポーツ」ならば理解できる。
怪我やヘタしたら命の危険があるかもしれないという状況の中で、
その音楽はないだろうと思ってしまう場面があまりにも多い。
ここまでシーンに違和感のあるBGMを流す作品はあまりない。

更に戦闘シーン、CG感ばりばりな戦艦の描写は戦艦の「重さ」を感じさせない。
海の上だから浮遊感があるのは当たり前なのだが、
はっきりいって戦闘シーンの迫力が薄い、
前述したBGMも相まって盛り上がりそうで盛り上がらない戦闘シーンになっている。

話が進んでくると混沌さはましていく。
感情移入を拒むような行動を起こしまくるキャラクター、
アクションがしたいのか日常がしたいのかファンタジーがしたいのか
SFがしたいのか、それとも「パニックアクション」がしたいのか。
話が進めば進むほどどう捉えていいかわからなくなってしまう。

ただ、その混沌さが終盤でいい意味でも悪い意味でも妙に勢いがついており、
妙な感覚が湧き上がってくる、決して面白いわけではない。
例えるなら深夜テレビで放送されているC級アメリカ映画のような、
妙なノリと荒唐無稽さと勢いが相まって見ている側が変なテンションになる。

終盤の「私はあなたのマヨネーズになる」発言や、
ヒロインたちが最終話まで乗っていた「晴風」の最後の姿、
この3本くらい頭のネジが外れているような部分が
序盤からもっと垣間見えていれば全体の印象は違ったかもしれない。

全体的に見て勢いに乗れれば楽しめる作品だ。
ツッコミどころの多い設定やストーリー展開、
ストーリーの「芯」がいまいちつかめず、
作品の雰囲気に終盤まで浸りきれないのだが、
可愛らしいキャラクターと「荒唐無稽さ」と妙なノリに身を任せれば
最終話まで見終わった後に妙な爽快感がある。

しかし、見終わった後によくよく考えると放置してる要素や、
勢い任せでごまかしている部分、
1クールの中で詰め込み過ぎた設定など気になる所も多い。
「考えるな、感じろ」じゃないが、
何も気にせず、何にも引っかからずに見れれば楽しめるはずだ。

終盤のノリがもう少し中盤くらいで発揮されれば、
ストーリーの中でいらない話を削り、
最終話の後にもう2,3話あって「ネズミ問題」をきちんと
解決している内容があれば・・・もう少し評価は違ったかもしれない。

1クールの中で制作側がやりたいことを
詰め込みすぎているのを感じる作品だ。
もう少し余計な話や余計なキャラをなくせば、
この妙なノリのある作品を素直に楽しめたかもしれない。

分割2クールや2期前提でこの内容ならば、
2期に期待できる部分は多かったが、今のところ2期の情報はない。
個人的には「マヨネーズ発言」でようやくこの作品に面白さを見いだせたが、
序盤から中盤までは響くものがなかった。

結局、最終話の後に名前を覚えているキャラは
5人くらいしか居ないが・・・(苦笑)

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