TERRAFORMARS

2014年12月20日

評価/★☆☆☆☆(19点)

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●●●、規制にも工夫があるだろっ!

原作はヤングジャンプで連載中の漫画作品。
タイトルは原作ではカタカナで「テラフォーマーズ」だが、
アニメだと何故か英語で「TERRAFORMARS」だ

ストーリー的にはSFアクションもの。
地球に火星から感染すれば致死率は100%の「謎のウィルス」が飛来している、
ウィルスの調査をするために火星に調査員を送ったが
そこには「進化したゴキブリ、テラフォーマー」の巣だった
というところからストーリーが始まる。

見出して感じるのは画面の暗さだろう。
地下闘技場で戦う主人公が描かれるのだが妙に暗く、作画もあっさりしている
動かさなくていい時の作画はとことん動かさず、
描かなくていい部分はとことん描かない。
妙に「アップ」で映す部分が多く、カメラワークも動かしすぎていている
迫力を出そうとしているのは分かるが無駄に動かし過ぎだ

そしてキツすぎる規制。この作品は「グロ」いシーンが多い作品だ
1話の段階で熊と人が描かれるのだが画面の半分が「真っ暗」で何も見えない。
規制で直接的な表現ができないのは分かるが、
それでも「見せ方」という「演出」があるはずだ
安易に直接的な表現をそのまま描き規制されてしまうのではアニメでする意味が無い

更にストーリーも原作未読者を無視している。
時系列をシャッフルしているうえにテンポが遅い
これが2クールくらいの尺に余裕がある作品ならば問題ないが、
1クールという尺でこのテンポの遅さは致命的だ。

この「テラフォーマーズ」という作品の原作の知名度が高く、
漫画を読んでる人、読んだことはないが少しは知っている人などが多いからこそ
このテンポの遅さについていける人も多いと思うが、
まったくもってこの作品を知らない人にとっては序盤からグダグダすぎる展開と
時折出てくる設定や語られる出来事が分からない。

回想シーンをはさみつつキャラクターを描写するのだが非常にテンポが遅く、
圧倒的な戦力差のある「テラフォーマー」との戦闘を描く前に
戦闘に参加するキャラクター描写をしっかり行いたいのは分かるが、
テンポが遅いためフラストレーションが溜まっていく

そんなフラストレーションが開放されればいい。
テラフォーマーとの戦闘の中でそのキャラクター描写が活かされれば
グダグダだった雰囲気から雰囲気が変わることで爽快感が生まれるはずだ。
だが、解放されない。

戦闘シーンは常に規制だ。
画面の半分がまるで切り取られたかのごとく真っ暗で、そのうえすぐシーンが切り替わる
そのうえ規制の黒さだけではなく、背景も暗いため規制されている部分以外の部分も見えづらく
戦闘シーンが「何かしてる」ぐらいの印象しか覚えず、
たまったフラストレーションが余計に溜まっていく。
ストーリーを楽しみたい、戦闘シーンを楽しみたい。
そんなアニメで基本的な「楽しめる」部分を楽しまさせてくれない

ハッキリ言って規制の仕方もおかしい。
画面の半分を暗くすれば批判が起きるのは当たり前だ、
キャラクターの頭部のグロ表現を規制するために「●」で塗りつぶした表現で
文句が出ないほうがおかしい。
正直「黒く塗りつぶした部分は本当にちゃんと描いてるのか?」と思うほど手抜きすぎる規制だ

確かに近年、セクシーな表現やグロ表現は規制されがちだ。
だが、どのアニメもそんな規制の中で表現を変えたり演出を工夫したり
規制の仕方を工夫したりしている。
むしろ規制のやり方で笑いに変えている作品もあるくらいだ。

そもそもオリジナルアニメならともかく、原作のあるアニメだ
原作からして「グロ表現」をしないといけないシーンが多いのはわかっているはずだ
だとすれば規制される部分とされない部分もわかっているはずだ。
ハッキリ言って制作側の努力が足りない。
この作品を「視聴者に楽しませる」という基本的な部分を忘れており、
原作の表現をそのままアニメにひっぱってきて規制されては元も子もない。
アニメだからこその表現というものを制作側が放棄している

規制の必要がなさそうな戦闘描写の部分でも暗くして表現することを放棄しているため
グロいシーンのない部分の戦闘シーンも楽しめず、
キャラクターたちの「強さの表現」というアクションアニメにおける基本もできていない。
真っ二つになったテラフォーマーは規制されず、真っ二つになった人間は規制される
両方規制されるなら納得なのだが、
前者もけっこうグロい感じがあるのに規制されないのは不思議だ。

この作品を作る上で、規制されるのも決まっていて作るのならば
「規制されても面白いと思わせる戦闘シーン」を描くのが
制作会社の義務ではないだろうか?
そもそも規制がなくともこの作品を楽しめなかったかもしれない。
根本的に「見せ方」が下手だ。

じっくり見せなくて良いシーンをじっくりと長回ししたり、
規制されているシーンを無駄に長回しししたりと
「規制がなくとも」このくどすぎる止め絵と長回しのシーンの連続では
戦闘シーンを楽しみきれなかったかもしれない。
規制が入っても入らなくとも「止め絵」が非常に多く、
画面を揺らして画面効果を足して「動いてますよー」という雰囲気を出しているだけだ。

ストーリーが進むと時系列をかえてきた弊害も出てくる。
この作品は原作の「2巻」からアニメ化している。
1巻は「OVA」で原作特典で発売されており、アニメのストーリーの20年前の話だ
その「1巻の内容」を知らないとついていけない部分が多く、
アニメの中で「さらっと」ナレーションベースで説明してしまうため物凄く萎えてしまう。
簡単に言うとありとあらゆる戦闘シーンの場面で
戦闘シーンの「腰を折る」ストーリー構成になっている。

ただ、それでも原作の面白さを中盤からひしひしと感じる。
この作品は人型に進化したゴキブリVS昆虫・動物・植物の遺伝子を組み込んだ人間の戦いだ
単純に有名なライオンや蜂などの動物や昆虫ではなく、
「自爆するバクダンオオアリ」「強力な糸を出すオオミノガ」「タスマニアン・キング・クラブ」
「幻覚作用のあるチョウセンアサガオ」などなど
絶滅危惧種の生物や昆虫、珍しい植物などが遺伝子が人間に組み込まれている

進化したゴキブリと予想できない能力を持った人間たちの戦いが純粋に面白い
予想できない能力と強力なゴキブリとの戦いが予想できない結末を生むからこそ面白い。
ようやくゴキブリを倒したと思ったら新しいのが現れる、大群が現れる展開で
絶望感をひたすら煽る。

そんな中で戦う人間の過去が描かれる。
走馬灯ともいべき、それぞれの人生、戦う理由が描写される。
ただ、この戦う理由が描かれるのはいいのだが、
その過去回想が描かれた後にキャラクターが死ぬ展開が多く、
すぐ死んでしまうキャラクターのために過去回想の描写時間があまりにも長く
結果として本筋のストーリーが全然進んでいない。

全体的に見て終盤の12話と13話のクォリティがなぜ最初から無かったのか悔やまれる
原作の一巻の内容をOVAにしてしまったことで、
OVAと原作を見ていない人には若干置いてけぼりのままストーリーを進めてしまい、
いざ戦闘が始まると規制が強すぎて盛り上がる前に萎えてしまうことばかりだ。
中盤で規制が緩くなるにつれてストーリーが面白くなり試聴することはできるのだが、
結局「長すぎる回想」シーンのせいで話がほとんど進まないまま全13話おわってしまった。

規制に関しては何故か知らないが徐々に緩くなってきて
中盤以降は規制は気にならなくなるが、終始画面が暗く、見づらいシーンばかりだ
シュチエーション的に夜だから仕方ないと思うのだが
7割の戦闘シーンが見づらいというのは欠点でしか無い。
ただ終盤、12話や最終話の戦闘シーンは「見れる」ものになっており規制もあまりない
なぜこのレベルの戦闘シーンを最初から見せてくれなかったのか謎だ。

12話以降といっても12話と13話だけだが、
この2話は回想シーンが少なく戦闘シーンの規制もほぼなく画面も明るい。
個人戦が基本だった戦闘からチーム戦で闘うことにより、戦闘シーンの面白さも増していた。
ストーリー的にも「回想」をくどく入れすぎてしまったせいでテンポが遅く
グダグダになってしまうことが多くもう少し削るべき部分とテンポを上げて描く部分があるずだ。
最後の「2話」だけはこの作品を面白いと感じられただけに本当に残念な作品だ。

普通ならアニメの制作が進むとスケジュールが足りなくなり、
後半で作画が崩れる作品も多いが、この作品の場合は逆だ。
最初スケジュールに余裕がなく規制でごまかし、
終盤でスケジュールに余裕が出たから頑張りましたというような印象すら感じる

更に最終話で衝撃的な事実が発覚する
なんと1クール掛けて描いたのはたった「1日」の話だ(苦笑)
そりゃあ本筋の話が進まなくて当然なのだが、
もっとテンポを上げて同じ内容を6話ないし8話くらいで描けば印象は違っただろう
回想シーンにあまりにも尺を使いすぎてしまった印象だ。

最後の2話あたりでメインのキャラクターがようやく揃い、
本格的にストーリーが進みそうなだけに「序章」で終わってしまった感じが強く
キャラクター紹介で終ってしまった印象だ
俺たちの戦いはこれからだで終ってしまったことは本当に残念だ。

原作の面白さ、ポテンシャルの高さは所々から感じるだけにもったいない。
12話と13話のクォリティの高さがもっと発揮されていれば、
2クールの尺で描かれていればと「たられば」で色々と考えてしまうだけに
もったいない。

ある意味「●」規制で伝説を残した作品ではあるが、2期はあるのだろうか。
もういっそのこと劇場版として三部作くらいで制作しなおしたほうがいいかもしれない。
そうすれば規制を気にせずにもっと面白い作品になるかもしれない。
映画化ひっそりと期待しています。