今更、パンツレスリングで笑えるのだろうか「俺がお嬢様学校に 「庶民サンプル」としてゲッツされた件」レビュー

2016年1月9日

評価/★☆☆☆☆(12点)/全12話
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あらすじ
ごく平凡な高校生・神楽坂公人は、ある日突然「清華院(せいかいん)女学校」に拉致されてしまう。
清華院女学校―――そこは名家の令嬢のみが集い、伝統と格式を重んじる超お嬢様学校。生徒達は外界とは全くの無縁で、敷地から外に出ることさえも全く無い。おまけに父親以外の男性や世間の一般常識、挙句は流行を全く知らないままの「超絶箱入り娘」として学校生活を送る。ゆえに卒業して一般社会に出ても世間に対する常識や耐性が皆無であるがために、近年では現実に絶望して引きこもりのネトゲ廃人と化す者が多くなってしまった。そんな問題を解決すべく、異性と世間に免疫をつける教育のために拉致されてきた公人だったが、彼女達は庶民や男性の物珍しさや、その純粋さから、彼が学園に来たことを大いに喜ぶ。

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今更、パンツレスリングで笑えるのだろうか・・・

原作はライトノベルな本作品。
なお、原作のタイトルはゲッツではなく「拉致」だが、
拉致という言葉が不味かったのかゲッツという言葉に変わっている。
それに便乗してダンディ坂野が少し関わっている
監督は神保昌登、製作はSILVER LINK.

基本的なストーリーはラブコメ。
普通の高校生だった主人公は唐突にマッスルな男たちに
「ゲッツ」され、お嬢様学校へと強制的に転校させられる
学校にはいわゆる箱入り娘で世間知らずだけでなく
「男」すら知らないお嬢様ばかりだった・・・
というところからストーリーが始まる。

1話からかなり強引だ、
理由もなくいきなり拉致られ、いきなり転校させられる主人公。
いわれなくても「ラノベ原作」と分かるような
奇抜な設定優先の強引な舞台設定は
すんなりと飲み込み難い感じが強い

世間知らず、常識がないという設定は
ライトノベルではよくある設定だ。ただ、それにも限度はある。
そのギリギリのラインで「ギャグ」になるか
やりすぎになって白けるかが分かれるが、
この作品の場合は後者だ。
日本の箱入りお嬢様というよりはタイムスリップしてきたお姫様だ

携帯も知らない、唐突にキスを迫ってくる、
主人公の嘘を平気で信じる、
服をいつの間にか脱いでいるのに服を自分で着ることができない。
常に帯刀しているヒロインetc…

などなど、ぶっ飛んだ行動や言動のキャラが非常に多く
その1つ1つが「ギャグ」として受け止めるというよりは
滑っている感じが強く、更に「しつこい」演出のせいで
ギャグがギャグになっていない。

例えば主人公と同じ部屋を学校の寮に再現する
というシーンが有る。

庶民の部屋を作るのに「1億円かかりました」というのが
この部分でのギャグになっているのだが、
もう少し現実的だが極端な数字、「300万」くらいなら
笑いになったかもしれないが、
とりあえず「1億円」でいっかと言わんばかりの雑な値段設定で
ギャグがギャグになっていない。

お嬢様の世間知らずと庶民の常識によるギャップ、
これがこの作品の面白さの根底ではあるのだが、
その「ギャップ」の塩梅が極端すぎて笑いに繋がっていない
常識知らずだらけのお嬢様たちの中に常識的な主人公一人、
この設定を序盤で使い尽くした感じが強く、ネタ的にも乏しい。

2話以降は「世間知らずのお嬢様が知らないこと」という
想像で素人でも思いつくようなネタだ。
そのネタを精一杯広げようとしているのは分かるのだが、
広げようとしすぎてつまらなくなってしまっている感じが強い。

出落ち的なギャグを5分に引き伸ばしても、
面白さが薄くなるだけだ。
ギャグアニメにおける「勢い」がこの作品には圧倒的に足りない

たまにシリアスな展開になるのだが、
ギャグやセクシーシーンのテンションやノリと違って
極端にシリアスになる。

そんなシリアスなシーンがきちんと持続できる演出がされていれば
シリアスなシーンをシリアスに受け止めることができるが、
シリアスなシーンでも「パンチラ」などをきっちり描いてしまうため、
シリアスなシーンをシリアスに受け止めることができない。

確かにセクシーシーンのレベルは高い。
主人公が「太ももフェチ」という設定があるせいか
太もものムチムチ感は妙にこだわって描かれており、
裸や下着などの描写もしっかりしている。
だが、シリアスな中でそれをやられてしまうと締まらない。

更にキャラクター。
物語に主軸に居るべき主人公は特に魅力はない。
ヒロインたちも極端な舞台設定に流されるような
キャラクター設定がされており、可愛いと感じるのは厳しい。

特にいきなり脱ぎ出すうえに、
服を着れないヒロインは外見的にも危なすぎる。
セクシーとかエロいとかギャグとかではなく、
単純に児童ポルノ規制の対象になりかねない危ないキャラであり、
タイトルを変えるよりも、なんとかしないといけないキャラだ

終盤のストーリーもラノベアニメの典型的な感じで
終わってしまっており、
色々な謎や伏線を解決せずに終わっている。
原作での重要な伏線をカットしたという情報もあり、
原作ストックが十二分にあるのだから
もう少しストーリーを詰め込んでも良かったのではないかと感じる所だ。

全体的に見てわかりやすく「ラノベ的に誇張」されている部分が多く
そのラノベ的誇張要素をどれくらい受け止められるかで
この作品の面白さは変わってくるだろう。
ラノベ的設定、ラノベ的キャラクター、ラノベ的ストーリーetc…
このいかにもなラノベ要素が自然にではなく、
わざとらしく組み込まれている。

もう少しラノベ的要素が抑え気味ならキャラに萌えられるのに、
もう少しラノベ的要素がわざとらしくではなく
自然にあればギャグになるのに。
1つ1つの要素のさじ加減を微妙に間違えているせいで、
1つ1つがズレてしまい、笑いにも可愛らしさにも
ストレートに繋がりにくく、中途半端な感じになってしまっている。

恐らくこれはアニメ化されたことで、
より原作の要素が「誇張」されたせいもあるのだろう。
文章を映像化する上で動きや声優による演技で
文章による想像を映像にする上での変換という名の「誇張」が
この作品の原作にある要素をわざとらしく仕上げてしまっていた。

これは個人的な意見かも知れないが、
ニコニコ動画でお馴染みの「パンツレスリング」ネタなど
少し使われるならネタとして笑えなくもないのだが、
流石に終盤でしつこいくらいにお嬢様たちが
「歪みねぇな」と言っている様子は流石に笑うことは難しかった

もちろん、このネタで爆笑できる人もいるだろう。
全体的なノリが「ニコニコ動画的」であり、
実況しながらコメント付きで見るならば面白いかもしれない。
ニコニコ動画的ノリやネタが好きな人には笑えるギャグだが、
逆にそういったものであまり笑えない人や飽きた人にとっては
寒いと感じてしまうギャグやシーンが多すぎる上に、
長かったのが致命的な欠点になっていた。

見終わったあとに気づいたのだが、
原作は「2011年」から連載している作品だ。
その当時のネタとしては笑えるネタが流石に古くなっているのは当然だ。
パンツレスリングは2007年くらいのネタ、つまり約10年前だ
当時でさえ少し古かったネタだ。

そういった古くなってしまったネタをどう料理するのかが
アニメ化の上で大事だったのだが、
そのまま映像化したために、好き嫌いが別れるギャグになってしまった

売り上げ的には正確な枚数はまだ出てないが
ランキングのデータからの予想などによると1500枚前後、
2期は厳しいだろう。

個人的にはどうにも最後までこの作品に馴染めなかった。
ツンツンなメイドさんは好きなキャラだったのだが、
あまり活躍するシーンがなく、
メインキャラよりもモブキャラやサブキャラのほうが
可愛く見えてしまっただけに、メインヒロインを好きになれなかったのが
原因かもしれない。