変態王子と笑わない猫。

評価/★★☆☆☆(26点)

変態王子と笑わない猫。 評価

全12話
監督/鈴木洋平
声優/梶裕貴,小倉唯,石原夏織,田村ゆかり,寺川愛美ほか

あらすじ
常に女子のことばかりを考えている横寺陽人は、所属している陸上部の部長、鋼鉄の王から次期部長に指名される。しかし陽人はもともと水泳部の女の子の水着を見るという不純な動機で陸上部に所属していたため、断りたいと考えたが、どうしても建前で喋ってしまい、本音が言えず断れずにいた。

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キャラクターは可愛いのに、猫の気まぐれに邪魔された

原作はライトノベルな本作品。
なお「実在する韓国人ダンスユニットの広告」がこっそり入っており軽く炎上してしまった

基本的なストーリーはラブコメ。
主人公は建前が出やすく本音を言えない変態高校生だった、ヒロインは本音が出やすい女子高生だった
二人が住む街の山には「笑わない猫象」と呼ばれる像があり、
その像にお供え物をすると自分のいらないものを引き取ってくれるという噂があった。
二人は夜中にその像にお祈りをすると・・・・
翌日には主人公は欲望全開の高校生に、ヒロインは感情が表に出ないようになってしまった
という所からストーリーは始まる

見だして感じるのはキャラクターデザインの可愛さだろう。
女性キャラのキャラデザは癖がなく、すっきりとしたデザインで純粋に可愛らしい。
表情も豊かに描かれており、更にキャラデザにふさわしいキャラクター性、
各ヒロインの反応はいちいち萌えを感じる可愛さで、OPやEDも印象に残る
特にOPにやられてしまう人は多いだろう。

メインヒロインである「月子」は猫像のせいで無表情になってしまったヒロインだ。
初登場時は表情豊かに恥ずかしがったり騒いだりして可愛いと感じるのだが、
1話後半あたりからは表情が消える。
1話前半での主人公とのゴタゴタで主人公に好意を持っているという設定ができているため
無表情で抑揚のない声で喋り、たてまえの言葉しか出なくても
「ヒロインの本音はこうなんじゃないのかな?」と予想できる面白さがある。

そんな感情を失ったヒロイン、更に感情の起伏の激しいもう一人のヒロインが居るため
対比がきっちりとできて居る点は「萌えアニメ」としては評価できるポイントだろう。
しかしながら、そんな可愛いヒロインをストーリーで活かしきれていなかった。

そもそも話がつながらない点や疑問に感じる点がかなり多い。
もう一人のヒロインである「小豆梓」は以前の学校で若干いじめられていたようで
学校にあまり行かなくなっていた。

そんな彼女を同級生が修学旅行に一緒に行きたいから
「修学旅行の行き先を、本当は沖縄なのに北海道」と嘘をいって
引きこもりがちだった彼女を連れだそうとしたという過去があるのだが、
その嘘自体も微妙だが、彼女が何故か札幌空港まで1人でいっている描写もあり、
あまりにもヒロインの行動がぶっ飛ぶ過ぎていて感情移入できない。

重要な設定や伏線の明かし方、そういったストーリー構成が駆け足気味になっており
こちらが消化する前に状況が変化してしまう。
主人公とヒロインの関係を主人公が「妹として愛する」と宣言したり、
せっかく戻るはずだった表情を姉に渡してしまったり、
猫象に関しても返してと言われれば返したり、一切願いを聞き入れなくなったり、
毎話のように状況が変化するのだが、その変化の描写がダイジェストな印象を受け
状況の変化を飲み込みきれない、簡単にいえば常に慌ただしい印象だ

特に前半はその印象が強く、Aパートで1つの話に区切りがついて
Bパートでは違う話になっていることが多い。
本来ならBパートで1つの話を終わらせて、最後に次回への引きがあるようなことが多いが
1話の中の前半と後半で状況の違う話をやっていたり、
1話の中で主人公とヒロインの状況を描きつつ、遠くにいる別のヒロインの状況を描くなど
本当に慌ただしい。

中盤以降も「願いを叶える猫蔵(キャンセル可)」が出たことで
更に状況の変化が激しくなる。
メインヒロイン3人に対しての萌えハーレム部分だけ見るなら、
ヒロインの可愛らしさもあり見れるのだが、
「猫象」の存在が主人公とヒロイン達の恋愛模様をややこしくしているだけで、
そのややこしさ自体も説明不足で理解しきれない部分が多い。

なんか起こってなんか解決してヒロインがデレた。
なんか起こってなんか解決してヒロインとキスした。
状況が変わって何かが唐突に起こって唐突に解決して終わる
もう少し状況の説明があればきちんと理解できる部分もあるのだろうが、
前述したとおりダイジェストになっており、
「なんとなく」しか理解しきれない部分が多い。

色々な設定を枝にように伸ばして、更にそこからまだ別れる。
枝だらけでそれがまとまるのが遅く、
原作ではきちんと伏線や設定に関する描写や説明があるのだろうが、
アニメでは伸ばしっぱなしだったり、変なところを切ってしまっていて
近所のおじいちゃんが初めて作った盆栽のような不恰好なものになっている。

全体的に見て色々な設定や要素がまとまりきっていな印象を受けた。
本筋のストーリー展開やそれに伴うキャラクターや声優さんは悪くないのだが、
本筋のストーリーを支える描写や状況の説明があやふやで、きちんとストーリーを楽しみきれない。
結果として状況に振り回されるキャラクターを楽しむくらいしかできなく、
それすらも話が進めば進むほどヒロインが「めんどくさく」なり
ストレートには楽しみ辛い。

8話のように猫蔵のせいで、もう滅茶苦茶としかいいようがない改変が行われ
キャラクターの可愛さとエロに徹底するような「バカバカしさ」が
本作品にはもっと必要だったと感じさせる。
しかし、その8話も新キャラが唐突に出たりして状況は慌ただしい。

最終話の締め方はそれまで引っ張ってきた主人公の秘密が明かされるだけに
スッキリした終わり方になっており、
ようやくこの作品全体で感じていたモヤモヤがはれる。
最終話まで見て初めてこの作品のストーリーの面白さを感じることが出来る
しかし、それだけにもう少し丁寧にストーリーを積み重ねればもっと面白いと感じられる作品だ

原作が完結した後に2クールで丁寧にやればもっと面白くなった作品かもしれない
根本的に尺とストーリー構成が間違っていた作品だった。
2クールで描かれれば、省かれた部分もきちんと描写されただろうし
原作が完結していればきちんと物語を締めることが出来る。

1クールという尺しかないなら、オリジナル展開やもっと馬鹿馬鹿しいオリジナル話をいれ
尺を稼ぎ7話くらいまでのストーリーで1期を締めて
2期に期待させるような展開でも良かったはずだ。
キャラクターは可愛いだけにオリジナルの話はいくらでもそれなりのものができたはず。
色々と中途半端だ。

個人的にはやたら見るのがつかれる作品だった・・・
キャラクターは可愛くOP,EDもいいのだが、

本編がドタバタして中々明かされない設定のせいで主人公にイライラさせられ、
最終話でようやく、そのイライラの原因が明かされる。
ゴールが見えないため全力疾走もできず休憩もできない
ずーっと走っていて休憩のないマラソンをしているような気分になる作品だ

最終話まで見て初めてストーリーの面白さが出てくる作品なだけに
序盤で見るのをやめた人も多そうだ
一気に見ると面白さを感じやすいが、一気に見るのもかなり疲れる作品だ。
2期があれば「猫像」に関する秘密も明かされるのだろうが、
売り上げ的には若干厳しい。

2期があれば期待したい所ではあるのだが・・・難しいかもしれない。
文章で読むほうがこの作品をもっと面白く感じられそうなだけに、
続きは原作で楽しむほうが無難かもしれない。