「その着せ替え人形は恋をする 第1話 自分とは真逆の世界で生きている人」レビュー

4.0
ラブコメ
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評価 ★★★★☆(65点)

あらすじ 雛人形職人を夢見る高校1年生・五条新菜は、1学期のある日、学校で雛人形用の衣装を作っていたところを同級生の喜多川海夢に見られる。引用- Wikipedia

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ヲタクの妄想全ぶっぱ

原作はヤングガンガンで連載中の漫画作品。
監督は篠原啓輔、制作はCloverWorks

目覚めの挨拶は雛人形に

1話冒頭、かなり特殊な主人公の印象が見ている側につく。
彼の祖父は雛人形職人であり、そんな祖父の仕事をみて、「雛人形」に惚れ込む。
高校生になった彼は雛人形職人を目指す男の子に成長しており、
彼は朝起きたらまず「雛人形」に挨拶をする(笑)

挨拶だけならいざしらず、にへらとだらしない顔を浮かべるその姿は
「オタク」そのものであり、独特の気持ち悪さのようなものを醸し出している。
わずか1分半ほどの冒頭のパートで「主人公」がどういう人物かを
強烈に印象づけており、制作のCloverWorksらしい丁寧な作画が生み出す、
キャラの表情の細かい描写がよりキャラを生々しく感じさせてくれる。

それだけではない、朝食の描写ですら素晴らしい作画だ。
木造建築の古びた一軒家、そんな一軒家の木の匂いや畳の匂いすら
漂ってきそうな空気感と、思わず鼻腔をくすぐられそうな
「朝食の鮭」や「味噌汁」の匂いがこの作品の空気づくりを後押しししている。

CloverWorksらしい妥協のない作画が作品の「雰囲気」を
冒頭からしっかりと作り上げており、
アニメや漫画としてはベタな「主人公の登校風景」の中で
この作品の空気感に飲み込まれる感覚を覚える。

そんな空気感の中で主人公は「ぼっち」だ。
誰一人友達がおらず、独特な趣味を持つ彼だからこそ、共通の話題がない。

「俺と好きなものとみんなの好きなものは違って、
 だから俺が居たらみんなの輪を見出して嫌な気持ちにさせるって決まってる
 俺が居ないほうが…」

悲観的なオタクだ。
彼の趣味は「雛人形」ではあるものの、これは私達オタクと変わらない。
今でこそアニメや漫画やゲームなどのオタク的な話題を学校でしても
後ろ指を指されることは少なくなった。

この作品の主人公はそんな私達が「オタク」として感じていた劣等感のようなものを
私達以上に感じている主人公だ。
だからこそ、どこか彼の気持ちがわかり、どこか彼に共感を覚えてしまう。

そんな彼の前に飛んで現れたのが「ギャル」だ。

オタクに理解のあるギャル

ギャルな「喜多川 海夢」と主人公は真逆とも言える存在だ。
女性に対して免疫のない彼に気軽に触り、谷間は全開、
そんな彼女は彼に対してなんの偏見もなく彼にふれ、彼と会話をする。
諸君の中にもクラスの女子と話した数少ない思い出があるだろう。
まさにそれである(笑)

しかし、彼女もオタクだ。
主人公とは違いアニメや漫画やゲームが大好きなギャルだ。
だが、主人公とは違い、そんな自分の好きなことを堂々と共に語り、
自分の趣味、好きなことに自信があり、ありのままでいようとしている。

同じ「オタク」ではあるが正反対とも言える2人、
そんな2人がちょっとした接点を持ち、主人公の趣味を知られたことで、
物語が動き出していく。まさにボーイミーツガールだ。

「めっちゃ綺麗じゃん、目キラキラしている」

親類以外の誰かに褒められたことのない自分の好きなことを褒められたことで恋も始まる。
非常にわかりやすいストーリー展開ではあるものの、完成された雰囲気作りと
王道な展開が心地良ほどにこの作品のおもしろさを作り上げている。

コスプレギャル

ただいささかヲタクの妄想全突破な部分がある(笑)
可愛くてナイスバディで性格のいいギャルはアニメやゲームのオタクであり、
雛人形オタクな主人公に対しての理解力もあり、主人公そのものを肯定してくれる。
オタクにとって都合の良すぎるヒロインであることは間違いない。

だが、同時にギャルなヒロインにとっても主人公は都合のいい存在だ。
彼女は「コスプレ」がしたいが手先が不器用なせいで衣装作りをうまく出来ない。
そんな彼女だからこそ、自分のやりたいことをやるために、
主人公に「コスプレ衣装」づくりをお願いする。

自分の好きなことにまっすぐでやりたいことをやりたいと思えるヒロイン、
そんなヒロインの願いを聞かない主人公がどこにいるだろうか。
確かに都合のいい展開ではある、だが、その都合の良さが心地よく、
ピタッとハマるパズルのピースのような感覚を覚える。

創作物だ。物語だ。都合が良くてもいいじゃないか。
主人公がコスプレ衣装を作ることを容認すると、
全開に喜ぶ「喜多川 海夢」の姿は本当に可愛らしく、
都合の良さを作品の雰囲気作りで覆い隠すことで、
この作品のおもしろさの芯を図太くしあげているような1話だった

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総評:オタクよ!ギャルに信心せよ!

全体的に見て完璧な1話だった。
主人公にとってやや都合のいい存在のヒロインは好き嫌いが分かれるかも知れないが、
自分の趣味や好きなことを他者に自信を持ってぶつけられない主人公、
そんな内向的な主人公と、自分の好きなものを自身を持って他者にぶつけるヒロインの
関係性が1話の段階で構築されており、しっかりとしたキャラの魅力を感じられる。

制作のCloverWorksの作画能力を余すことなく活かした作品の空気づくり、
キャラクターの表情の描写から生まれるキャラクターの魅力、
ちょっとした「お色気要素」も含めて
高いクォリティで描かれた作画がこの作品のちょっと「都合のいい」部分を濁し、
この作品のおもしろさに仕上げている。

どこか内向的な主人公が外交的なヒロインと出会ったことで変わっていく。
そんな物語が描かれることは予測できる。
1話の段階では「恋心」のようなものは両者に芽生えていないが、
そういう展開になることも期待できる部分であり、
純粋に「先が気になる」1話だった。

個人的な感想:さすがはクローバーワークス

ご都合主義な部分もあり、よくあるストーリーではあるものの、
そんな要素を作画による雰囲気作りで黙らされたような印象だ。
無理矢理のあの朝食とともに飲み込まされたと言ってもいいかも知れない(笑)

2話以降もこの作画のクォリティが維持できるならば
名作になり得る可能性もあるだけに期待したいところだ。

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  1. 匿名 より:

    最高です。

    3.0 rating