評価 ☆☆☆☆☆(1点) 全12話
あらすじ 新たな名は「アーサー・レイウィン」。剣と魔法が存在するこの世界で、彼は前世の記憶と経験を持ったまま、「本当に意味のある人生」を求めて生き直すことを決意する。 引用- Wikipedia
恥も外聞もない無職転生のパクリ
原作は北米のオンライン小説。
監督は元永慶太郎、制作はstudio A-CAT
パクリ
原作は北米での人気が非常に高く、
アニメ自体の話題性も日本というよりは海外の方で話題になっており、
わかりやすく言うならば「海外版なろう」における
「無職転生」のような作品だ。
原作自体も無職転生に影響された部分が大きいのだろう。
後悔を残したまま亡くなった前世、
全く新しい世界に記憶を持ったまま転生しやり直す。
本作品と無職転生の共通点を感じるところはあるものの、
転生前の主人公が無職な無職転生と違い、本作品では王だ。
機械文明も発達した世界、そんな世界で最強の王だった主人公は
気づくと異世界で赤ん坊になっているというところから物語が始まる。
共通点はあるものの違いはある、
だが、アニメでは露骨に「無職転生」と同じ構図になっている(苦笑)
原作から類似点は多いものの、パクリとまでは言えないレベルだ。
しかし、アニメでは露骨に構図をパクっている。
恥も外聞もないとはこのことだ。
制作のstudio A-CATは低予算な外注投げまくりな制作会社として有名だ。
賢者の弟子を名乗る賢者、魔王軍最強の魔術師は人間だったなど
数多くの異世界ものの作品を手掛けているが
どれもこれも台無しにしている。
作画が悪いだけならまだ飲み込める、だが、この作品では
明らかに構図をパクっている。
転生し赤子の姿になった主人公、前世の記憶があるからこそ
この世界の知識を得ようと家の本を子供ながらに読んだりしている。
そんな本を読むシーンで「おしりをかく」というシーンが有るのだが、
無職転生でも全く同じ構図のシーンが有る。
しかも残念なことに作画枚数も作画のクォリティも違いすぎて、
同じような構図でもまるで印象が違う。
だらだらとモノローグでこの世界の国や、
「マナ」という存在について解説しているものの、
テンポも悪く、アニメーションのクォリティも低いため面白みが薄い。
冷酷
前世での主人公は冷徹であり、愛を知らなかった。
だが、今生では違う。両親に愛され、守られ、育てられており、
そんな両親の愛に戸惑いつつも、その愛を知ろうとしている。
前世でもかなり強い力をもっており、
そのおかげもあって今生で「マナ」という力に子供ながら覚醒する。
両親は彼のために空中都市にいき、
魔術の師匠をつけようとし、旅に出ることになる。
そういう展開自体はいいのだが、ずーっと主人公のモノローグが続く。
主人公が実際に声を出すよりもモノローグが多いくらいだ。
このモノローグ演出も無職転生のパクリなのだが、
無職転生よりそれが効果的に作用しておらず、
しかも音質の問題なのか声質の問題なのかわからないが聞き取りづらい。
旅の途中で襲われるという戦闘シーンもあるのだが、特に面白みもない。
studio A-CATでアニメ化するということはこういうことなんだというのを
序盤の3話くらいでひしひしと感じさせてくれる。
母のお腹の中にいる妹と母を守るために自らを犠牲にした主人公、
孤独だった前世とは違い、家族がいる今生、
そんな家族を守るために冷酷な王様は自己犠牲までするようになる。
クソCG
studio A-CATは賢者の弟子を名乗る賢者あたりから
モンスターなどの作画をCGでやることが多くなった。
この作品も類に漏れず、馬などの動物ももちろん、
家族と離れ離れになった主人公がであったシルビアという謎の存在も
違和感マシマシなCGで描いている。
そんなシルビアのもとで、もっと強くなるために修行することになる。
展開自体はそこまで悪くないのだが、テンポが悪い。
話の腰をおるように前世でのシーンが挟まるのだが、
これが断片的でしか無く、結局対したシーンではないうえに、
聞き取りづらさもあって無意味なだけの過去回想になっている。
そうかとおもえばシルビアは実はドラゴンで、
別のドラゴンと戦って、色々と貰って分かれることになる。
ダラダラとしてるかと思えば急に展開がかわるのだが、
ろくに説明もないため、このドラゴンがなんだったのかすら
よくわからない。
序盤を過ぎても盛り上がりらしい盛り上がりどころが一切なく、
4話で子供ながらに強くなった主人公が
奴隷商のようなやつらと戦うのだが、本当につまらない。
止め絵ばかり、アップばかり、集中線やエフェクトでごまかすシーンばかりだ。
本当に一切のやる気が感じられない。
そんな奴隷商にエルフの少女が捕まっており、
エルフの少女を助けたことでエルフの里へと行くことになる。
一切の盛り上がりがなく淡々と空虚にストーリーが進んでいく。
たすけたエルフは実はエルフの国のお姫様で、
主人公の才能を認められエルフの長老の弟子になる。
本当の盛り上がらない。
先の展開が一切気にならず、エルフの村から遠いところのいる
両親にもあっさり連絡が取れ、3年の月日が一気に流れる。
徹底的にアニメとしての見せ方が悪く、
部分的に無職転生のやり方をパクってる割には効果的に作用させきれていない。
原作や内容の前にアニメとしての出来栄えが最悪だ。
再会
終盤になると家族と再会する、3年ぶりで妹も生まれているという
感動的な再会のはずなのだが、1週間ぶりくらいのあっさりとした再会だ。
尽く演出が悪く、見せ方も作画も悪いため、キャラの感情が伝わらない。
無職転生でいえば魔力災害からの家族と再会という流れと
同じではあるものの、積み重ねも見せ方も圧倒的に足りていない。
ストーリーも終盤になっても盛り上がらない、
冷酷な王様が転生し、マナに目覚めて、家族と都市へ行く中で襲われ
家族と離れ離れになり、ドラゴンになぜか寵愛され、別れたと思えば、
エルフと出会いエルフの里で3年修行し、別れて家族と再会。
これが序盤から中盤までの内容だ。
終盤のヒロインはマナに目覚めておらず焦っている、
彼女の両親は娘がマナに目覚め、魔術師の学園に入ってもらいたがっている。
そんな両親からのプレッシャーを感じており、
なんだかんだあってヒロインと主人公の妹をのマナを
主人公が目覚めさせる。
特に何も起こらない。本当に淡々として退屈だ。
王族も参加するオーディションに参加すれば、
主人公の特別なペットが目をつけられて主人公がブチギレたり、
魔術学園の学園長に目をつけられたりするのだが、心底どうでもいい。
常に自分からなにかするために行動してなにかが起こるのではなく、
何かが起きてから主人公が行動する。
彼の目的やストーリーの方向性や終着点というのも見えてこない。
最終話では主人公はアドベンチャラー、いわゆる「冒険者」になって終わる。
日本のなろう系アニメなら1話でたどり着くような展開を
1クール架けて遠回りをしながらじっくり描いた結果、
一切の盛り上がりがなく終わってしまった作品だ。
分割2クールで2クール目が決まっているからこその
ストーリー構成なのかもしれないが、
とてもじゃないが2クール目を見たいと思わなかった作品だった。
総評:アメリカ人もブチギレるレベル
全体的に見てひどすぎる作品だ。
本作品の原作の知名度は日本では高くなく、海外人気のほうがあるのだが、
そんな海外では阿鼻叫喚だ。無職転生と比較した動画や画像も出回り、
なぜ無職転生のように作ってくれなかったんだと嘆いているどころか
ブチギレているレベルだ。
心底同情する、もし、無職転生がstudio A-CAT 制作だったら
日本人も同じようにブチギレるはずだ。
逆だったかもしれない。そう考えると同情の念は絶えない。
序盤は無職転生の影響を受けていることを如実に感じる部分もあり、
そのあたりの違和感は凄まじいのだが、
そんな内容よりもアニメーション部分でのパクリが致命的だ。
モノローグ、構図、流れ、原作の内容とは関係ない部分で
アニメ制作会社がアニメの無職転生をパクっている。
恥も外聞もないとはこのことだ。
エンドクレジットを見れば分かるが、studio A-CATは外注に投げまくっている。
1クールの中で作画監督が日本人だけだった回が1度もない(苦笑)
限られた予算で外注に投げまくっているだけだ。
作画だけでなくストーリーの盛り上がりの無さも致命的であり、
最初から最後まで一切盛り上がらずに終わる。
2クール目で改善することはないだろう。
本当にひどすぎる作品だった。
個人的な感想:ひどい
作画が悪いだけなら、ストーリーが盛り上がらないだけならいい。
しかし、シーンの構図や構成、演出までパクっているのは
最低限のプライドすら捨ててしまったのだろう。
studio A-CATはもともと作画のクォリティは低かったが、
フレームアームズ・ガールや超可動ガール1/6や球詠など、
面白い作品もあっただけに、ここ3年位で
人が変わったようになってしまっている。
今後もいろいろな作品を手掛けていくようだが、
studio A-CATというだけで始まる前から終わっている制作会社に
なってしまったのは残念だ。