「Butlers~千年百年物語~」レビュー

評価 ☆☆☆☆☆(5点) 全12話

あらすじ バトラーズ――それは、とある宿命を背負った千年の歴史をもつ一族の守護者。ジェイは妹のテンナと共に、同じバトラーであった羽早川と平和で穏やかな生活を送っていた。引用- Wikipedia

アニメの黒歴史に残る爆笑戦闘シーンは必見

原作は中国の実写ドラマという非常に珍しい本作品。
日本でアニメ化し、コミカライズなども行っているようだ。
監督は高橋賢、制作はSILVER LINK。
いわゆる中華アニメのようにも見えるのだが別に
中国で配信されるわけではない様子、ちょっと意味がわからない。
なお、2018年冬アニメの予定だったが春アニメに延期された

わかりやすいイケメンパラダイス


引用元:©2018 SummerACG/「Butlers~千年百年物語~」プロジェクト

見出して感じるのは「Theテンプレート」なイケメンキャラだろう。
女性向けアニメを5,6本見れば同じデザインと同じ性格のキャラが
3人は見つかりそうなほど新鮮味0のキャラクターたちが
1話冒頭からぞろぞろと出てくる。
なお、全キャラもれなくアゴは刺さりそうなほど尖っている。

1話から大量にキャラクターが出てくるアニメは総じて駄作になりやすい。
この作品もその駄作のレールに導かれるように1話から大量の人物を出す。
テンプレート的で一切、記憶に残らないキャラがどんどん出てくる。

主人公は生徒会長であり、それに付随して生徒会長のメンバー4人、
無駄に若い学園長、近所の喫茶店の店員2人、新聞部のホームズとワトソンと
総勢10人近いメインキャラが全員1話で出てくる(苦笑)
誰一人印象に残らず、どんな名前なのかも記憶に残らないキャラの出し方は
下手としか言いようがない。

何がやりたいのかわからないストーリー展開


引用元:©2018 SummerACG/「Butlers~千年百年物語~」プロジェクト

この作品はもう訳がわからない(苦笑)
イケメン学園パラダイスな日常が描かれるのかと思えば、
主人公はタイムスリップしてきた過去の人物で、
特殊能力を使える「バトラー」と呼ばれるものらしく、
現代にやってきたライバルとのバトルがたまに描かれる。

たまにだ(苦笑)
過去の因縁や本筋の話は「ゆ~っくり」と断片的にしか進まず、
どうでもいいイケメンキャラの日常や喫茶店話、学園祭や、
おばけ騒動、生徒会長選挙などが描かれるが特に面白みはない。
メインキャラの1人が想いを寄せていると思われる人物が、
実は姉でした!みたいな使い古された展開ですらこの作品はだらだらと描く。

見てる側としては序盤から断片的に描かれる主人公と敵の関係性や、
主人公の妹が何をしたかったのか?なぜタイムスリップしてしまったのか?
という本筋が見たいのにどうでも良いストーリーばかりが描かれて、
尺稼ぎされているような気分にしかならない。

動かせばいいと思ってるカメラワーク


引用元:©2018 SummerACG/「Butlers~千年百年物語~」プロジェクト

演出も最悪だ。
特にカメラワークは「本当にプロの仕事か?」と疑いたくなるほどに、
無意味に動かしまわっており、大したシーンでもないのに動かし、
どんな意味があってそんな角度から写すんだ?と思うほどに
舐め回すように動かしまくるせいで見ていて酔ってしまうそうになるほどだ。

基本的に戦闘シーンの演出は「作画枚数」をごまかすための演出であり、
それが見ていてわかりやすい。あまりにもおかしな演出の数々は
戦闘シーンなのにギャグみたいになっており、
作画の悪さも相まって戦闘シーンのたびに横腹をくすぐられるような感じだ

B級アニメと割り切れば戦闘シーンは大いに楽しむことができる。
終盤は作画が限界を迎えており主人公が戦ってるのに傍観する仲間たち、
やたらとアップを多用し無駄なシーンをはさみまくったりと
爆笑の戦闘シーンを楽しむことができる。
これは、この作品で唯一楽しめる爆笑ポイントだ。

戦闘シーン以外ではやたら遠いアングルのシーンが目立つが、
口を動かす作画がないからだろう(苦笑)
ある話では主人公の目が「点」になっていたのには思わず笑ってしまった。
イケメンも台無しである。

なんだこいつ・・・となる主人公


引用元:©2018 SummerACG/「Butlers~千年百年物語~」プロジェクト

主人公は基本的に「妹ラブ」で妹を救うために必死になっており、
行動や言動が刺々しく感情移入も好感も持てず、
シーンによって性格が違いすぎる。
「こいつは一体どういうキャラなんだ?」というキャラの認識が
最もできないのが主人公だ。

特に終盤は「シスコン」を拗らせすぎて狂う(笑)
妹は自らの命を犠牲に世界を救ったという感じなのだが、
それどうしても許せない主人公はまるで悪役のように
「妹が居ない世界など意味がない、そういってるだろ!うるせぇ!」
と逆ギレしだす。ちなみにこのセリフは主人公が実際に言っている。

どいつもこいつもバトラー


引用元:©2018 SummerACG/「Butlers~千年百年物語~」プロジェクト

主人公は特殊な力を持った血族と呼ばれるバトラーだが、
物語が進むとバトラーがいっぱい出てくる。
本人は全く知らないのに「え?俺バトラーだったの?」となる展開が
4回位あり、結局、メインキャラの9割がバトラー状態だ(笑)

しかも能力が目覚めた所でどうなるものでもない。
全員が能力者であることを自覚するのが1クール全12話で8話であり、
そこから各キャラの能力などを深めるシーンを作れる尺はなく、
能力に目覚めて慌てる展開が1話あるのみだ。

そもそも戦闘向きの能力が目覚めたうちの1人しかいないため
使いようがなかったのかもしれないが、
キャラ数の多さのせいで能力の掘り下げも全くできていない。

あっさりすぎる謎解きと勢い任せのラスト


引用元:©2018 SummerACG/「Butlers~千年百年物語~」プロジェクト

物語の中盤から妹が残した「謎」を解くような展開がある。
意味深な暗号であり、それを解くのに必死になるのだが、あっさり分かる。
謎自体も「え?」となるほどどうでもいいことが分かる。
謎を解いても物語の謎が解けないという
何のための謎解き要素だったのかと言いたくなるほどどうでもいい。

黒幕の正体も伏線など有りもしない感じでわかりやすく、
目的も小物感MAXな感じだ。
結局、予定調和かつわかりやすいストーリーで終わってしまい、
細かいツッコミ所を勢い任せのままに終わらせた感のあるラストだった。

総評:なぜアニメ化したんだ?


引用元:©2018 SummerACG/「Butlers~千年百年物語~」プロジェクト

全体的に見てなぜアニメ化したのだろう?と考えるほどの駄作だ。
乙女ゲーム原作のアニメでよく見かけるキャラと色々な作品を組み合わせた
ストーリーは何の新鮮さもなく、学園モノをやりたいのか
能力バトルをやりたいのか中盤くらいまでわけがわからず、
誰一人、キャラクターに感情移入できぬままに終わってしまう。

キャラクターも多いだけで別にいらない。
本筋に関係のないキャラクターも多く、能力に目覚めても、
その能力を使うシーンが目覚めたときくらいのキャラがあまりにも多く、
「居なくても問題がない」キャラクターばかりだ。

作画も終始悪い。特に終盤の作画は悪すぎてギャグになっており、
もともと冬アニメだったのが春アニメに延期されたのは
スケジュールの問題だったことが見ていて伝わってきてしまうほどひどい。
最終話の戦闘シーンはB級アニメ好きにはたまらないため、
興味がない人も最終話だけはおすすめできるかもしれない(苦笑)

ただスケジュールや予算があった所で監督のセンスがない。
作画の安定した序盤でも「無駄なカメラワーク」が多く、
1話の尺をきっちりと使いこなせていないせいで「時間稼ぎ」が目立ち、
そのせいでテンポもあまりにも悪い。

余計なキャラと無駄なシーンを排除すれば6話くらいで描けそうな話を、
話に関係ないキャラと尺を稼ぐシーンを追加することで
1クールに仕上げてるような作品であり、
出ている声優さんのファンでもなければ楽しめない作品だろう。

個人的な感想:爆笑の戦闘シーンのみが見どころ。


引用元:©2018 SummerACG/「Butlers~千年百年物語~」プロジェクト

予算とスケジュールの限界を迎えた最終話の戦闘シーンは
たいへん笑える出来栄えだ(笑)

直線的にしか動かないキャラたち「うぉぉぉ!」と叫んで
殴るシーンすらない顔のアップばかりの作画、
そればかりでなく作画を使い回すという意味不明な展開も含めて、
この作品の最終話の戦闘シーンだけは駄作好きにはぜひ見てほしい。
この最終話を見るだけでこの作品の完成度の低さが伝わるはずだ。

余談だが、中国のドラマとは内容がびっくりするほど違うようだ。
本作では主人公のジェイが行方不明になっており、死んだ妹が
メインヒロインでライバルキャラだった羽早川が
執事を目指すような展開になっているなど、
原作とは思えないほどかけ離れている。
なぜアニメではここまでオリジナリティを出したのか謎でしか無い。

この作品を最後まで見た猛者は少ないと思うが、
Dアニメなどの会員の方は最終話だけ
ギャグアニメと思ってみていただきたい、
なかなかお目にかかれないレベルの戦闘シーンが見れるはずだ。

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