アラタカンガタリ~革神語~

☆☆☆☆☆(9点)

アラタカンガタリ~革神語~ 評価

全12話
監督/安田賢司
声優/岡本信彦,松岡禎丞,高垣彩陽,山村響,小野友樹ほか

あらすじ
人と神々が共に生きる世界“天和国”(アマワクニ)では、剣の姿の神、“劍神”(ハヤガミ)を所持する鞘(ショウ)と、鞘を治める統治者である秘女王(ヒメオウ)によって平和が保たれていた。だが、30年に一度行われる秘女王交代の儀式の中、鞘の頂点に立つ十二神鞘(じゅうにシンショウ)の突然の裏切りによって秘女王は倒れる。儀式に参加したため暗殺の濡れ衣を着せられ、逃亡することになった秘女族(ヒメぞく)の少年アラタは、行き着いた森に飲み込まれ闇の中へと消えてしまう。

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リメイクに期待しよう・・・

本作品は「ふしぎ遊戯」でお馴染みの渡瀬悠宇氏による漫画作品のアニメ化
なお原作も現在連載中だが色々と編集者ともめているような記事が出ていた
簡単にいえば「編集者がその場しのぎのアイデアをゴリ押し」していたようだ

基本的なストーリーはファンタジー。
中学時代にいじめられていた革、高校に入ってようやく友だちができたが、あっさりと裏切られる。
その頃、人と神々が共に生きる世界で暮らすアラタは女王を決める儀式の中、裏切られる
逃亡するアラタだったが、行き着いた森のなかで闇に飲み込まれる・・・
というところからストーリーが始まる

1話の段階では面白さが一切わからない。
現代の日本の高校生と異世界の少年、
その両方の現在が描写されるのだがそれがどう絡むのかがよくわからず、
異世界の姫が部下に殺されるという状況もよくわからず、
よくわから無いままストーリーが進んでいく。
そして、何かしらないが異世界のアラタと日本にいるアラタが入れ替わる。

1話の段階で色々な設定や伏線、キャラクターを出すため
「面白い」と感じる前にゴチャゴチャしている印象が非常に強く
1クールアニメの1話というよりは4クールのアニメのような1話だ。
そこに新しい設定や目新しいキャラクターがいれば「面白い」と感じたかもしれないが
90年台のアニメを見ているかのような感じが強く、目新しさはない。

内容だけでなく「キャラクターデザイン」も若干古い。
どこかで見たようなキャラクターデザイン、どこかで見たようなキャラ設定、
更に演出や台詞回しも2013年のアニメを見ているような感覚がなく、
終始10年位前のアニメを見ているような印象だ

2話以降も地味かつ面白さに欠けるストーリーだ。
異世界の少年と日本の少年が入れ替わるという基本的な設定は悪く無いと思うのだが、
異世界に行った少年が「特別な力」を使え国を治めるというテンプレート的展開と
日本に行った異世界の少年がいじめらている状況を何とかするというストーリーを同時に展開している

話として1クールで収まるような話ではなく、本来なら全50話、少なくとも2クール使ってやる話を
特に1クールでまとめるようなストーリー構成にせずにストーリーを展開している。
Wikipediaによると原作の7巻あたりまでアニメ化しているようだが、これはかなり異例だ
。 漫画のアニメ化の場合、原作1巻がアニメでの3話分くらいだが、
この作品は1巻あたり2話以下のペースでアニメにしている。
なぜ、こんな速いペースでストーリーを進めるのか意味不明だ。

そのため、絵が地味で展開はテンプレート的で淡々としているのに、ストーリーは慌ただしい。
本来ならここにせめてきちんとした「キャラクター描写」があれば
ストーリーを楽しめたかもしれないが、主人公やヒロイン以外のキャラクター描写が浅く
敵のキャラクター描写も浅い。

本来ならそのテンプレート的な展開の中でも見せ場を作らなければならないのだが、
前述したとおり演出は古く、キャラデザも古いため絵は終始、絵が地味だ。
戦闘シーンも何度かあるが淡々とした戦闘シーンで動きも1枚絵でごまかしており、面白さに欠ける

絵が地味、ストーリーも淡々、展開はテンプレート的、キャラ描写も浅い
いろいろな要素をこの作品の面白さを感じづらくしており
本来なら面白いと感じる部分を台無しにしている。
原作を読んでいないためネットで集めた情報だが
「原作の重要な部分」や「キャラクター描写」をカットしているらしい。
1クールで原作の7巻までアニメ化するようなストーリー構成ならそうなって当然だ

全体的に見て面白くなりそうな要素は多くあるのに、それを全て潰しているような作品だ。
異世界に行った日本の少年が神の力を手に入れ、同じ神の力を持つ「ショウ」を倒し、神の力を手に入れる。
王道の異世界ファンタジーのストーリーだが主人公が「いじめられていた」経験から
敵を単純に倒すわけではなく、暴走する神の力を使うショウの過去や経験を主人公が受け止めつつ
主人公が成長しながらストーリーを進めていくという内容自体は悪くないはずなのに
それを地味なシーンで繋ぎ、浅いキャラ描写でストーリーを進め、迫力のない戦闘シーンにし
淡々と物語を見せられている印象が最後まで拭えない。

それこそ中盤辺りからストーリー的な面白さは多く感じられる。
神の力を抑えていた「姫王」がいなくなってことで地位争いが始まった異世界という状況で
神の力を使いまくる「ショウ」同士の戦いが本格的になっていくという展開自体は面白いのに
戦闘シーンやストーリーのテンポなど見せ方が悪すぎる。
本来なら盛り上がる場所なのに盛り上がりきれない

キャラクターも1クールとは思えない多さだ。
それぞれが何やらワケありだったり過去があったりするのだが、1クールの中では捌ききれておらず
キャラクターの魅力を感じる前にストーリーが進んでしまう。
特に主人公をいじめていた「門脇」のキャラは浅いがゆえに
主人公をいじめていた理由が弱く感じてしまい、過剰な反応をするようなキャラに見えてしまう。
中盤以降は彼も頻繁に出てくるため余計にキャラに感情移入しづらい

更に言えば異世界と日本の両方が描写されるため余計に尺が足りなくなる。
それも日本の方は中途半端に合間合間にしか描写されないめ余計にフラストレーションが溜まる
合間合間ではなく一気に1話使って7話辺りに差し込めば
もっと「門脇」への感情移入や、日本にいったアラタのキャラ描写が深まると思うのだが
合間合間に挟むことで中途半端になってしまった。

ストーリーも「俺たちの戦いはこれからだ!」で終わってしまっており、
これが分割2クールなら「序盤」ということでぎりぎり納得のできるストーリー構成だが、
2期の予定もないのに無理矢理原作7巻までのストーリーをアニメ化した意味がわからない。
制作側からこの作品を面白くしようという気持ちが一切伝わってこない作品だった。

原作を連載しているのがサンデーということもあり、まだ原作も終わらないのだろう。
ある程度終りが見えてから4クールくらいでがっつりとした尺の中でアニメ化すれば
もっと面白くなったかもしれない。
だが、それでも1クールだけアニメ化するならもっときちんとアニメ化すべきだった。
原作に対する敬意、原作ファンの期待、そういったものを裏切った作品だ。

DVDの売上も「数字が出ない」ほど売れていないのでおそらく2期はないだろう。
それだけに余計に原作ファンが浮かばれない
いつかきちんとリメイクされることを期待したい。

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