これが私の見たかったロボットアニメだ!「銀河機攻隊 マジェスティックプリンス」レビュー

2013年12月7日

評価★★★★★(89点)全24話

あらすじ 地球暦2110年(新宇宙暦88年)。宇宙へ進出した地球人類に対して謎の勢力「ウルガル」が攻勢を開始したため、地球は滅亡の危機に陥る引用 – Wikipedia


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これが私の見たかったロボットアニメだ!

本作品は東宝が立ち上げた新レーベルTOHO animationによる作品。
監督はヨルムンガンドの元永慶太郎、
キャラデザはガンダムSEEDでお馴染みの平井久司、
更にシリーズ構成にけいおんの吉田玲子とかなり異色な組み合わせの作品だ

基本的なストーリーはSFロボットアニメ。
宇宙に進出した人類だったが謎の「ウルガル」と呼ばれる勢力の攻撃を受ける
そんな敵に対して「遺伝子操作された人類」によるチームが組まれた
チームラビッツと呼ばれる5人はそれぞれ欠点を抱えつつも
自らの「DNA」が組み込まれたロボットに乗り込み撤退作戦へと赴く・・・
というところからストーリーが始まる

見だして感じるのは軽さだろう。
ロボットアニメというと子供向けアニメ意外では
1話から重い展開やシリアスな展開が多いが
この作品は1話の段階からかなり軽い。

5人のパイロットたちが「ザンネン5」と呼ばれるのも納得できるほど
軽い行動が多く1人だけ突っ込むもの、惚れっぽいキャラ、ナンパ男など
未知の敵との戦いに赴くキャラとしては軽いキャラクター描写だ

そんな5人の初戦で一気のこの作品に引き込まれる。
バリアを張りながら超高速移動し敵を撹乱し、遠くからスナイピング、
近接ブレードで敵を切り裂き、遠くから戦場を把握し指令、
5体のロボットがそれぞれの特性を活かしながらの
戦闘シーンはワクワクが止まらない。

更にそれぞれの特性にあった「ロボット」はデザインが素晴らしく、
1話の段階で出てくるロボットデザインのわりには
最終決戦前に出てくるようなデザインのロボットまでおり、
各ロボットのパーツが戦闘中に激しく稼働し動きまくる姿は
ロボットアニメ好きにはたまらない描写だ。

特にスナイパーのロボットの頭が横にずれ、
スコープを覗くという可動パターンは
かなり独特な可動ではあるのだが、思わず「おぉ!」と言ってしまうほどだ

ロボットデザインが優秀だと「高速戦闘」でもきっちりと戦闘の面白みを感じられる
ただ早いだけではない、ただ動きまくるだけではない
きちんと練られたロボットデザインだからこそ、
高速戦闘の中でも機体のパーツの細かい動きや可動が
きちんと見ている側に「面白み」として伝わり、
ロボットアニメの基本の「戦闘シーンが面白い」というのを最大限に感じられる

そんな激しい戦闘シーンを繰り広げたのに次の話ではまたギャグ要素が増える(笑)
見ている側がどういう姿勢でこの作品を見ればいいのかかなり謎なのだが、
「真面目な描写」と「ふざけた描写」のバランスが見事で、
戦闘をした後は明るく、明るくした後は戦闘と
ロボットアニメを見ているのに日常ギャグアニメを見ているかのような
不思議な気分にさせられる。

本来なら設定的に明るい描写はしにくい内容だ。
5人のパイロットは「戦うため」に遺伝子操作し生まれた存在だ。
一歩間違えば重い内容が増えそうな設定画が幹にあるキャラ達なのに
緊張して胃が痛くなっちゃったり、ヒーローに憧れてたり、
人間味溢れる、生々しく、一言で言えば可愛らしいキャラクターだ(笑)

更にロボットもせっかくかっこいい戦闘を繰り広げていたのに
2話ではスポンサー広告を入れられてしまっている(笑)
私は色々なロボットアニメを見たが、
機体にスポンサー広告の入ったロボットは初めて見たw

そんな笑える展開から一気に緊迫感のある展開に持っていく。
さっきまではギャグアニメとしか思えないシーンだったのに、
次のシーンでは一気に緊張感の走る戦闘シーンを繰り広げる。
この絶妙な緩急のバランスはこの作品の面白みにも繋がっている。

更にロボットの設定の面白さ。
5人が乗るロボット「アッシュ」はDNAが組み込まれており、
パイロットの生存本能に反応する。

彼らが戦う意志を見せればその意思に応え、彼らが生き残ろうと思えば防御する、
逆に言えば「戦う意志」がなければ思ったとおりに動かない。
恐怖を感じればロボットは撤退しようと動く

だからこそキャラクターの心理状況が常に影響される。
キャラクター描写の意味がストレートに戦闘シーンに関わっており、
テンションが上がれば上がるほどロボットの動きも良くなり
それぞれのキャラクターの心理状況がダイレクトに
ロボットアニメとしての面白さに繋がっている

特に中盤での最高の盛り上がりを見せる主人公の
「覚醒シーン」など見ていてワクワクが止まらない(笑)
可変し成長する機体、高速戦闘によるセンスの有る戦闘シーン、
更に主人公が「覚醒する」という重要なシーンの直後に
敵もまた覚醒し激しすぎる戦闘シーンを展開する。
この14話の戦闘シーンの面白さは「センス」を感じるほど練りに練られた戦闘だ。

機体の動き、攻撃方法、防御方法、その1つ1つがきちんと考えられており、
それが高速に展開する。
近年稀に見るクォリティの戦闘シーンだ、
コレは少しいい過ぎかもしれないが「1シーン1シーン」がかっこいい戦闘シーンともいえる

それは必ずしもこの作品における戦闘が「一騎当千」ではないからだろう。
主人公であるイズルは確かに覚醒し一気に強くなる場合もあるが、
基本的にチーム戦で強敵に挑む戦闘シーンになっており、
その中で一体一体のロボットの連携や強敵だからこその苦戦する戦闘シーンが純粋に面白い。

そして、ロボットアニメの面白さとロボットの設定があいまって
「キャラクターの成長」が光る作品だ
パイロットの彼らは最初は「残念」と呼ばれるほど欠点だらけだ。
だが、話が進めば進むほど彼らは「チーム」として成長し、
頼りなかった彼らが戦いにおいて重要な役目を担い
重要な役目を担ってしまったからこそ、苦戦する戦いの中で成長していく。

それは時に何気ない一言だったり、恋愛だったり、戦闘の中で見つけたり、
パイロットはそれぞれの考えでスコシずつ成長して行く
そして彼らが成長する中でなのは「仲間の死」に直面する。

1クール目の「OP」と共にキャラクターの死が描かれるシーンは
思わず胸を締め付けられる思いになる。
キャラクター描写が優秀だからこそ「キャラの死」に強い意味が出てくる。
彼らの「宇宙葬」のシーンはなんともいえない寂しさを生んでいた

この作品の序盤では想像もつかなかったこのシリアスな展開は、
ビンビンにたてられたフラグ通りにキャラクターが死ぬ。
このフラグの建て方もいつもの「ギャグ」なんだろうと思っていただけに
そのフラグ通りに死にゆくキャラクターと展開は
ストーリーを更に面白いものに仕上げていく。

敵の設定も最近の作品にして珍しく「悪」の敵だ。
最近の流行である「実は敵は人間」というパターンに近くはあるが
人類にとっての敵であり、悪で、変な正義感などもなく敵らしい敵だ。
味方がそんな敵に対して倒すことを躊躇したりしない。

その分、若干敵キャラの描写が薄い部分はあるものの、
最大の敵である「ジ・アート」は最後まで最大の敵として
主人公に立ち向かい圧倒的な力を見せつける。
敵が本当に敵らしく最後まで主人公と戦う姿は燃えるものがある。

キャラクターの魅力、戦闘の面白さ、ロボットのかっこよさ。
それが見事に積み重ねられて最終話でストーリーが最大の盛り上がる。
生存本能と自我のぶつかり合い、
本能のまま戦おうとする主人公を「仲間」が突っ込む。

この作品ならではの「緊迫感」と「ギャグ」の使いわけが
最終話の重要な部分でもきちんと描かれる。
戦うために生まれた主人公たちが生きるために、
ヒーローになるために戦いぬく様は
最終話に相応しい「燃え」と「爽快感」を生んでいた。

全体的に見て素晴らしいロボットアニメだった。
ロボットアニメとして重要なロボットのデザイン、
戦闘シーンのクォリティは近年稀に見るほど高いレベルで描かれており、
最近のロボットアニメによくある「早いだけの戦闘シーン」ではなく、
ロボットとロボットによるきちんと考えられた高速戦闘は、
瞬きするのを忘れるほど画面に飲み込まれる戦闘シーンだ。

更に言えば戦闘シーンが一切マンネリしておらず、戦闘毎で戦闘方法が違い
一騎当千ではなく「チーム戦」による戦闘の面白さも描写されており、
同時に主人公は主人公機らしく覚醒し魅力溢れる戦闘を繰り広げる
特に最終話の「右ストレート」など私の少年心を見事に鷲掴みにしてくれた(笑)

時にはギャグ、時にはラブコメ、時には熱血、時にはロボットアニメらしく
キャラクターが明るく魅力ある描写がされており、
一人ひとりにしっかり感情移入することが出来る。
主人公が主人公らしいというのもこの作品の魅力の1つだろう。

根本のストーリーもややこしい設定やややこしい内容はない。
敵が敵らしく人類を襲ってきて、それに立ち向かう。
シンプルな本筋がそこにあり、人類間のいざこざや
敵の事情などはあっさりと描写されているためストーレートな
ストーリー展開がなされており、だからこそストーレートに楽しめる。

本当に、本当に素晴らしかった。
個人的な意見になるが近年のロボットアニメはどこか不足していた。
それは単純に「ロボット」としてのデザインの魅力やただ早いだけの戦闘描写など
お世辞にも魅力ある作品が合ったとはいえない。
ロボットデザインや戦闘描写が良くてもストーリーが
微妙だったりやキャラの魅力がかけていたりどこかしら不満のある作品が多かった。

だが、この作品は違う。
改めて「ロボットアニメ」としての面白さを実感することができ、
改めて「キャラクター」の魅力にきっちりとハマることができ、
改めて「ストーリー」が面白いと感じることの出来る作品だ。
ロボットのデザインも本当にかっこいい

欠点を言うなら続編を想定していたためかエピローグ的なものがなく、
更にまだ敵は生きておりストーリーをきっちりと閉めたとはいえない。
物語の序盤が登場人物たちの頼りなさとギャグ展開の多さもあって
若干ゆるく感じてしまうという欠点はある。

だが今作の段階で1つの作品としての完成度が非常に高く、
見ていてワクワクする、見ていて面白い、見ていて楽しいロボットアニメだ
最終話のエンドカードまできっちりと味わうことの出来る
完成度の高い作品といえるだろう。

ここ数年のロボットアニメの中でこの作品は頭1つ・・・
いや2つ以上抜きん出ていた
ロボットアニメ好きな方が居るならばぜひ、この作品をご覧頂きたい。
1話の段階ではハマりきれないかもしれないが、最終話まで見てしまったら
私と同じように早く続きが見たくて仕方なくなってくるはずだ(笑)

銀河機攻隊マジェスティックプリンス  CD-BOX
渡辺俊幸 石川智晶 昆夏美 ヒタチ・イズル(CV.相葉裕樹) アサギ・トシカズ(CV.浅沼晋太郎) スルガ・アタル(CV.池田純矢) イリエ・タマキ(CV.井口裕香) クギミヤ・ケイ(CV.日笠陽子)
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