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五等分の百番煎じ「真夜中ハートチューン」レビュー

真夜中ハートチューン ラブコメ
画像引用元:©五十嵐正邦・講談社/「真夜中ハートチューン」製作委員会
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評価 ★☆☆☆☆(15点) 全12話

TVアニメ『真夜中ハートチューン』PV第1弾

あらすじ 深夜1人ベッドの上――キミの声だけが救いだった。財閥の御曹司であり、全てにおいて完璧を目指す山吹有栖は、100%完璧になるために必要な『あと1%』を探している。 引用- Wikipedia

五等分の百番煎じ

原作は少年マガジンで連載している漫画作品。
監督は高橋雅之、制作は月虹。

作画

1話から露骨に作画が悪い。制作の月虹は同時期に
「勇者パーティーにかわいい子がいたので、告白してみた。」も
制作、放送しており、2本同時期のアニメ制作で相当厳しかったのだろう。
それが画面に現れてしまっている。

やたら暗い色彩と謎の構図、省略された作画で描かれている。
作画枚数が少ないアニメはアップでごまかすことも多いが、
この作品の場合は「引きの絵」でごまかしている。

引きの絵ならば画面を支配するのはキャラの姿ではなく、
背景だ。背景はごまかしようがいくらでもある。
素材や実写を加工した背景に引いたキャラを乗せることで、
ごまかしまくっている。

アップでも動きのない作画を、精一杯カメラを動かすことで
動きを見せているのだが、苦渋の策でしかない。
いくらカメラを動かそうが、動かす前の作画が死んでいるため、
動かしたところで何の意味もない。

そんな終わっている作画で描かれるのはラブコメだ。
4人の魅力的なヒロイン、そんな可愛さが大事だったりするのだが、
その可愛さもクソもない。特に色彩と明度が死んでいるのは致命的だ。
明るくすれば作画の悪さが目立ってしまうがゆえに暗くしているのかもしれないが、
アニメとしての印象は最悪だ。

主人公がアポロの配信を聞いていた中学生時代のシーンも、
まるで特撮ヒーローの変身シーンのごとく使い回しており、
いい加減にしろと思うほどだ。
その過去を思い出しているシーンは基本的に白黒になる。
その白黒のシーンも無駄に多く、色を塗らないことで作画コストを省略しているのだろう。

アポロ

主人公はとある財閥の御曹司だ。
そんな彼が中学生の時にとある過疎配信者の配信を聞いており、
声しか知らない配信者のことを彼は探している。

続々と現れるヒロインたち、その中に果たして
主人公が探している「アポロ」はいるのかという
ある種のミステリー要素が本作の核にもなっている。

要は五等分の花嫁である。
マガジンは五等分の花嫁の後釜を探しまくっているのか、
女神のカフェテラスといい、やたら五等分の花嫁的な作品が多い。

この作品も結局やっていることは、形を変えた五等分の花嫁だ。
五等分の花嫁は未来の花嫁の姿を映し出し、
五つ子の誰が主人公と結ばれる花嫁なのかという要素があったが、
この作品の場合はそれを「声」でやっている。

唐突に配信をやめてしまったアポロ、
配信での内容を頼りに主人公は彼女を探している。
似ている声のアポロ候補は4人おり、
その4人が声のプロを目指す放送部だったというところから物語が始まる。

問題

主人公は完璧主義者だ。御曹司だからこそなのかもしれないが、
アポロに対しても「サポート」できる人間になると約束している。
そんな約束を意識してか、4人のヒロインの欠点が目についてしまう。

噛みまくるアナウンサー志望、バカな声優、盛り上げられないVTuber、
歌手など、4人を完璧なプロに仕上げようとする。
1話の時点で「アポロ探し」から4人のヒロインをプロにするという
話の方向性の主軸が変わっているのは致命的なブレ具合だ。

主人公の自意識過剰っぷりや、自信の凄まじさは
キャラクターとしてしっかりしており、
そんな主人公だからこそ見られる部分はあるものの、
ヒロインはテンプレであり魅力は薄い。

ヒロインたちの着替えの現場、いわゆる
ラッキースケベなシーンでも主人公は一切ブレず、
むしろ鍵をかけろと怒鳴りつけるような男だ。
そんな主人公はいいのに、ヒロインの魅力があまりにも薄い。

魅力を感じない

本来は作画、絵でその可愛さを後押しできる部分があるはずなのだが、
この作品は後押しどころか足を引っ張りまくってしまっている。
そんな問題のあるヒロイン一人ひとりの問題に主人公が寄り添い、
解決していくのを序盤から中盤まで繰り返している。

本来は一人ひとりの魅力を感じ、印象づける大事な部分だが、
決めのシーンでも作画が死にすぎており、引きの絵でごまかしまくっている。
平坦すぎる作画、暗すぎる色彩はどこかCGにすら見える部分があり、
作画崩壊ではなく、次元が崩壊しそうな感じだ。

話が進めば進むほど話はひどくなり、モブキャラは落書きになり、
体育教師などのどうでもいいキャラなどは崩れ去っている。
しかも学校という状況的にモブキャラが多いのも厳しいところで、
これだけ作画がヤバいのにモブを大量に描かなければならない
体育祭などのシーンが多すぎる。

そのせいで作画のブレが凄まじいことになっており、
モブが多い話のときはヒロインの作画も怪しく、
逆にモブが少ない学校の外での話のときは作画がまともになる。
わかりやすいブレ幅が作品のノイズになっている。

地道

一人ひとりの問題を1つずつ主人公は解決していく。
VTuber志望にはVTuberのモデリングをやり直し、
さらに「切り忘れ」というハプニングを意図的に用意したりする。
結果的にVTuber志望は人気になっていく。

ほかのヒロインもそういう感じに一歩一歩進めている感じであり、
大胆に物事が進むということはない。
歌手志望の子のターンのときは話の都合上、歌うシーンが多く、
余計に話が進んでいる感じが薄い。

各ヒロインのエピソードを順番にやっていき、
しかも細切れに進むせいで、テンポも悪く感じてしまう。

誰が「アポロ」なのかという本筋も、
明らかに「最初」から決まっているのではなく、
誰でもあり得そうな要素をばらまいており、
最初から犯人が決まっていないミステリーを読んでいるかのようだ。

終盤の10話では明らかに無駄な過去を振り返る尺稼ぎの
シーンなども挟まれ、ストーリー構成すらうまくいっていない。
1クールの締めも締めとしては甘く、2期が決定しているからこその
ストーリー構成だったのかもしれないが、なんとも締まりのない作品だった。

総評:いつまで五等分の花嫁の幻影を追いかけるの?

全体的に見て「五等分の花嫁」をやりたい!という気持ちは伝わってくるが、
二番煎じどころか百番煎じの内容でしかなく、
キャラクターの魅力も薄い上に、ストーリーも弱い。
「アポロ」という主人公の思い出の人を探すという方向性も
たまに思い出したかのようにしか描かれず、中途半端な作品だ。

アナウンサー、声優、VTuber、歌手。
それぞれのヒロインが声のプロを目指すという内容自体は悪くはないが、
一人ひとりの要素がそれぞれ別であり、
だからこそ律儀に順番に、細切れに進んでいくストーリーに
いまいち乗り切れず、ヒロインの魅力も印象も薄い。

本来は「作画」がしっかりしていれば、
キャラの魅力を後押しすることになり楽しめたかもしれない。
しかし、壊滅的な作画はボロボロでやる気を一切感じない。

ある意味、「五等分の花嫁」の後追い作品として
作画の悪さすら後追いしたと考えれば飲み込めなくはないが、
このクオリティで2期をやろうとしているのが恐ろしい。
制作会社が変わらない限りは2期もこの調子だろう。

おそらく2期を見ることはないが、これ以上、
作画がひどくならないことを願いたい。

個人的な感想:後追い

同じマガジンでここまで似たような作品を連発しているのは
ある意味、マガジンらしい感じがある。
女神のカフェテラスもそうだったが、要素だけヒットした作品の
ただ真似をしても、それは二番煎じにしかならず、
決してオリジナルを超えることはできない。

そこに何かあれば別だが、この作品にはそれがなく、
続きが気にならない作品だった。

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