「五等分の花嫁」レビュー

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ラブコメ

評価 ★★★☆☆(50点) 全12話

あらすじ 結婚式当日、式場の部屋で微睡んでいた新郎の上杉風太郎は妻と初めて出会ったときを思い出す。引用- Wikipedia

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見分けがついてしまう五つ子ラブコメ

原作は週刊少年マガジンで連載中の漫画作品。
監督は桑原智、制作は手塚プロダクション。

未来は決まっている


引用元:©春場ねぎ・講談社/「五等分の花嫁」製作委員会

1話冒頭、主人公とヒロインの結婚式のシーンから始まる。
「花嫁姿」でがっつりとヒロインが映し出される。
この作品はラフコメでありながら主人公が誰と結婚するかが
1話冒頭からきっちりと描写されている。

そして時系列が主人公の高校時代に戻り、
「五つ子」の家庭教師になるところからストーリーが始まる。
ラブコメにおける結末、主人公がどのヒロインを選ぶのか?という
恋の行方が見てる側には分かっている。
しかし、分かっているのは「顔」だけだ。

五つ子たちは髪型や髪色は微妙に違い声も違うものの、当然、顔は同じだ。
誰と結ばれるかというのが顔はわかっているのに、
五つ子であるがゆえにわからない。
「髪色」はヒントになってるのかもしれないが、
髪色だけに自由自在であり、ミスリードかもしれない。

高校時代の主人公とヒロインたちの関係性が徐々に進む様は
ラブコメの王道的展開ではあるものの、
それと同時に見てる側は
「誰があのウェディングドレスをきているヒロインなのか?」
というある種のミステリー的要素がある作品だ。

出会いは最悪


引用元:©春場ねぎ・講談社/「五等分の花嫁」製作委員会

ラブコメにおける主人公とヒロインの出会いの王道は最悪だ。
曲がり角でぶつかって口喧嘩したり、
ヒロインの着替えシーンにたまたま出くわしたりと、
第一印象が最悪なところから恋愛関係に変化していくのが
ラブコメの面白さでもある。

この作品もまさにその部分は王道だ。
五つ子のうち4人とは関係性が第一印象の問題から、かなり悪い。
そんな中で主人公は「家の借金」のためにも
裕福な家庭である彼女たちの家庭教師をしなければならない。

序盤は家庭教師をするために彼女たちと信頼関係を築いていく。
ギャルゲーの好感度上げみたいな行為ではあるものの、
主人公は別に恋愛感情があるわけではない。
むしろ恋愛など勉強には一番邪魔だと言ってる始末だ。
ヒロインが色仕掛けしてきても一切顔を赤らめない。

そんな彼がどのヒロインに惚れるのか、
ヒロインたちは最悪な印象から彼にどういう経緯で惚れるのか。
序盤からストーリーをきちんと魅せており、
続きがきちんと気になるラブコメだ。

五つ子


引用元:©春場ねぎ・講談社/「五等分の花嫁」製作委員会

顔は同じだが、五つ子はそれぞれ個性が違う。
料理が得意な子もいれば不得意な子もいる、
口が悪い子もいれば礼儀正しい子もいる。
5人が5人ともきちんと個性的かつ魅力的なヒロインだ。

面白いのは体型だ。
この手のラブコメで5人いれば誰かしらが巨乳で、
誰かしら貧乳だったりする。それが個性になっていたりもする。
しかし、この作品の場合「DNA」が同じだからか、全員が全員とも巨乳だ(笑)

外見的な違いは髪型と髪色いくらでも、いつでも変えられる要素しかない。
ヒロインによっては髪型をかえて別のヒロインになりすます子もいるくらいだ。
それくらい外見的な違いは薄い。
主人公が何がきっかけで5人の中のひとりを選んだのか、
性格や行動や言動、いわゆる「内面」で彼女たちの中から選んでいる。

ただアニメにおいては声もしっかりと違う。
花澤香菜、竹達彩奈、伊藤美来、佐倉綾音、水瀬いのりと
個性豊かかつ演技力のある声優さんがそれぞれを演じている。

そんな一人ひとりのキャラクター描写は丁寧だ。
主人公に対しての好感度は一人を除いて0どころか下手したらマイナスだ。
そんな中で一人ずつ主人公は攻略していく。

一人ひとりのヒロインと主人公がきちんと向き合うことで
仲良くなり、それがヒロインたちの主人公への恋愛感情につながる。
きちんと「ヒロインがなぜ主人公を好きか」という経緯が描かれており、
この手のラブコメにありがちな無条件に主人公を好きと言うような要素はない。
この作品は非常に丁寧な作品だ。

序盤から中盤まではそれぞれの担当回を描きつつ、
一人ひとりが主人公の家庭教師をきちんと受けるようになっていく。
序盤から中盤までで一人ひとりのヒロインの印象を魅力が
しっかり伝わる。

作画


引用元:©春場ねぎ・講談社/「五等分の花嫁」製作委員会

しかし、作画はかなり不安定だ。
1話始まってそうそうにヒロインと主人公の横顔が
映し出されるシーンがあるが、その時点から違和感が凄い。
アップのシーンの顔と遠いアングルのときの顔の差が明らかにあり、
シーンによっての顔の作画の違いがかなりある。

話が進めば進むほど作画は不安定になっていき、
時にはびっくりほど崩れることがある。
ラブコメにおいて「ヒロインの可愛さ」は重要な部分であり、
それを表現するための作画は大切だ。
しかし、この作品はかなり崩れる。

話によっては作画崩壊ぎりぎりなヒロインたちは流石に気になってしまう。
全12話のうち、いくつかの話で崩れてしまうのは仕方ない部分もあるが、
この作品の場合、全体的に崩れている。
良い作画で可愛いヒロインが描かれた直後に
ガタっと崩れた悪い作画でヒロインが描かれるとヒロインの魅力が台無しだ。

手塚プロダクションという大手かつ老舗なアニメーション制作会社とは
思えないほどの不安定な作画は本当に残念でしかない。
同時期に「どろろ」も制作してるだけあって、
手塚プロダクションとしてはそちらを優先したかったのかもしれないが、
正直、残念でしかない。

終盤になると本当にひどい。
重要なシーン、ゲームならイベントCGとして出てきそうなくらいの場面で
明らかに崩れているのはちょっと厳しいどころの騒ぎではない。
せっかくいいシーンなのに台無しになってるシーンが多すぎる

主人公と可愛いヒロインたち


引用元:©春場ねぎ・講談社/「五等分の花嫁」製作委員会

作画自体は本当に残念だが、ヒロインは可愛い。
主人公を意識し恋心を抱き始めると「行動」を起こす。
髪型を少し変えてみたり、他の姉妹との主人公の関係や言動で嫉妬したり、
主人公に言われた言葉や行動で顔を赤らめる。
5人が5人ともしっかりと可愛い。

そんなヒロインに対して主人公はめんどくさい。
ただ悪い意味でなく、いい意味での面倒くささだ。
ヒロインに色仕掛けされようが動揺せず、
裸を見ても鼻血を出したり鼻の下を伸ばしたりせずに
見ないように心がけるだけだ。

やや朴念仁的な部分がヒロインたちにとってはめんどくさいが、
見てる側としては嫌悪感がなく、いい意味で紳士な主人公だ。
真面目と言っても良い。
自分が「鈍感」であることもしっかりと自覚しているが、
ヒロインたちに勉強を教えるという目的が最優先なのも面白いところだ。

この手のラブコメの場合、主人公の魅力がなかったりする場合があるが、
この作品の場合は主人公もヒロインと同様にしっかりと魅力的で、
主人公としての作品の芯にしっかりたってる存在感がある。
主人公の行動や言動が「あ、これは惚れてしまうな」と見ていて
視聴者がしっかりと感じられる。

五つ子の見分け方


引用元:©春場ねぎ・講談社/「五等分の花嫁」製作委員会

1クールのうちに何回か「別の姉妹」に入れ替わることがある。
方法としては「髪型」を変えてるだけだ。
それに主人公が気づかないか、実はそれに気づいてましたというような
展開がある。

しかし、これはアニメという媒体でははっきり言って致命的だ。
なにせ「声」が明らかに入れ替わった姉妹と違う。
見てる側は目つぶってても入れ替わりに気づいてしまう。
5人の声優はそれぞれ違った個性のある声だけに余計にバレバレだ。

これが「声」がない漫画なら問題なかったシーンだろう。
五つ子なら声も似ている、声色でも使えばわからないかもしれない。
しかし、アニメならモロバレだ。声優が違う。
入れ替わるなら入れ替わるで、いっそ声優も入れ替えてしまえばいい。
「声色で姉妹の声を出せる」みたいに一言いえばいいだけだ。

アニメ化における違和感のフォローがまるで無いのが、
この作品の制作側のスタンスが見えてしまう。
原作ではカラー表紙やカラーページでなければそもそも白黒だ。

アニメではガッツリと色分けされてしまってるのも残念だ。
もう少し主人公から見ても色で判断できないくらいの
色合いに出来なかったのだろうか。

1番違和感があったのは「風呂の扉越しに会話」するシーンだ。
同じように別の姉妹と嘘をついて会話をしてるシーンが有る。
竹達彩奈さんが少し意識して声を変えて演技してるのは分かるが、
視聴者にはバレバレだ。

「見分けがつかない五つ子」というのがこの作品では重要な要素だ。
見分けがつかないことを逆手にとったシーンや展開も多い。
だからこそ、視聴者も同じように見分けがつかない描写にしなければ
意味がない。

姉妹同士で見分けもついていないこともあり、そんな設定なのに、
がっつり見分けがついてしまうのははっきりいって失敗だ。
声がついてしまうのはアニメという媒体では仕方ないが、
そこは演出や見せ方でどうにかできる、どうしようもない要素ではない。
素人考えでもやり方が思いつくくらいだ。

見分けがついてしまうことで、
作品の仕掛が100%生かされないもどかしさを感じてしまう。
せっかくのいいシーンが台無しになることもある。
本当にもったいない。

終盤の作画


引用元:©春場ねぎ・講談社/「五等分の花嫁」製作委員会

中盤以降の作画は序盤にましてひどい。
明らかに作画枚数をごまかすための演出も多く、
アップのシーンからアップのシーンへとつないだり、
見てる側に明らかに「ごまかしてる」事が伝わってしまう作画ばかりだ。

五つ子なのにシーンによっては姉妹の顔の統一感がまるでなかったり、
重要なシーンでの主人公の顔がとんでもないことになってたり、
胸がしぼんだりふくらんだり、もうシーンが切り替わるたびに
キャラクターのデザインが変わっていく。
せっかくストーリーが面白くキャラも可愛いのに、
それが台無しになるほどの作画の悪さだ。

しかし11話だけは明らかに作画が良い。
演出も含めてきちんと「五等分の花嫁」という作品をアニメにきちんと
落とし込んでおり、なぜこのレベルを全体で維持できなかったのか?と
思うほど安定した作画ときちんとした演出、
そこからくるキャラクターの魅力が出ていた。

あとから調べると11話は「シャフト」が制作に協力している。
もう、最初からシャフトが作ってくれればと思うほどの出来だ。
見せ場なシーンのレベルの見せ方が明らかに違いすぎる。

ストーリー的には原作が続いてることもあり、
俺たちのラブコメはこれからだで終わり、
色々な伏線が回収されてない段階ではあるものの、
少なくとも続きが気になる作品だ。

総評:これでいいのか手塚プロダクション


引用元:©春場ねぎ・講談社/「五等分の花嫁」製作委員会

全体的に見てアニメーションとしての出来栄えが悪すぎる作品だ。
主人公の将来の花嫁の顔を1話で敢えて出し、
その花嫁が「五つ子のヒロイン」のうちの誰なのか?という予測をさせながら、
最悪な第一印象から徐々に家庭教師として、そしてそれが恋愛感情へと
変化していく過程を非常に丁寧に描いている。

一人ひとりのヒロインも非常に可愛らしい。
顔は同じではあるものの、個性豊かな5人はそれぞれに魅力があり、
その5人を個性豊かかつ実力派の5人の声優さんがしっかり演じることで、
より彼女たちの可愛さが増している。

主人公にもきちんと魅力がある。
ヒロインが抱える問題や悩みを彼なりに受け止め、
彼らしく励ましたりアドバイスしたり受け入れたり、
彼の行動や言動がヒロインに突き刺さり、それがヒロインの好意へと
つながる過程がしっかりと理解できる。

ヒロインがなぜ主人公を好きになったのか?というのがきちんと理解できる。
魅力的な主人公と魅力的なヒロインたちのラブコメは
しっかりと楽しめる作品だ。

しかし、そんなしっかりと楽しめる要素を作画が台無しにする。
1話の段階からやや不安定で、話が進めば進むほど不安定になり、
中盤以降は決定的なシーンの作画でさえ怪しい。
明らかに手を抜くためのシーン構成や演出も目立ってしまい、
内容が良いだけに作画の悪さだけが本当に残念でしかない。

11話だけはシャフトが制作協力しており、明らかにレベルが違う。
この11話の作画のレベルで1クール制作されていれば、
もっと高い評価ができる作品だ。
それだけに「手塚プロダクション」が手を抜いて作ってしまったことが
本当に残念でしかない。

2期も制作が決まっているが、同じ手塚プロダクションなのだろうか?
もし、手塚プロダクションならその名に恥じぬ制作をしてもらいたい所だ。

個人的な感想:内容はいいのに…


引用元:©春場ねぎ・講談社/「五等分の花嫁」製作委員会

個人的にはヒロインがしっかりと可愛くて楽しめた作品だが、
作画の悪さだけが気になる作品だった。
原作の面白さと声優だけならば80点くらいの作品なのに
作画の悪さが足を引っ張りまくってこのような評価になってしまってる。

1つ気になったのは五つ子の見分け問題だ。
原作だと色がついてないから気にならないのかもしれないが、
流石に髪型は変えないと髪色と声がなくても分かるのではないだろうか?
原作ではそのあたりがどうなってるのか少し気になるところだ。
もっともアニメ化するなら、そのあたりもどうにかしてほしかった。

ヒロインたちが別の姉妹になってても
見てる側にはメチャクチャわかってしまう。
「作品の仕掛け」がきちんと作用してないのはもったいなすぎる。
入れ替わり要素が1クールで何度も出てくるだけに、
もう少しどうにかならなかったのだろうか。

2期では作画の質だけ本当にどうにかしてほしいところだ。
いっそシャフトに作ってもらいたいところだが…
シャフトがメインになったらなったで色々と問題出てきそうだ(苦笑)

2期ではこれぞ老舗の制作会社「手塚プロダクション」ここにありと
いわんばかりの作画を見せつけてほしいところだ。

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