「群青のファンファーレ」レビュー

1.0
青春
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評価 ★☆☆☆☆(15点) 全13話

あらすじ 競馬学校、騎手課程。全国から騎手(ジョッキー)を目指す少年少女が集まる狭き門をくぐり、毎朝5時半に検量、厩舎作業、実践的訓練、学科授業といったカリキュラムをこなさなければならない。
引用- Wikipedia

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意味わからん

本作品はTVアニメオリジナル作品。
監督は加藤誠、制作はLay-duce

元アイドル

1話冒頭、アイドルの引退会見から始まる。
彼は人気アイドルだったものの、なぜか唐突にジョッキーを目指し、
競馬学校に入ることになる。
元SMAPの森さんを彷彿とさせる設定の面白さはあるものの、
彼がなぜそこまでしてジョッキーになりたいのかがふわっとしており、
きらびやかな「イメージ映像」を用いる演出で濁している。

どこか歯の浮いたような台詞回しも多く、
教官の一人がルー大柴のように英語を挟んだり、
メインキャラの一人ひとりがどうも演技がかったわざとらしさを感じる。

1話では競馬学校に主人公が入学するところから始まるが、
調べた所、本来は競馬学校において男性はみな坊主だ。
しかし、アニメにおいては坊主どころかセミロングなキャラばかりであり、
本来なら厳格な競馬学校のイメージとは間逆な、
チャラいキャラクターが非常に多い。

アニメという創作物において現実的なルールを持ち出すのは
ご法度ではあるものの、「競馬学校」というリアルを舞台にしているからこそ
現実的なルールでの引っ掛かりと、キャラクターたちのわざとらしさが、
歯が浮くような気持ち悪さを感じさせる。

わざとらしいイベント

そんな歯が浮くような気持ち悪さを感じさせる中で
わざとらしいイベントが起こる。事故が起こり、厩舎の馬が逃げ出す。
主人公が馬の目の前に立ち塞がり、止めようとするが、
唐突に現れた別の男性キャラが主人公を押し倒すように止める。
これだけならまだいいが、更に逃げた馬を追う展開がある。

主人公ともう一人の男性キャラが「二人乗り」をし、
全力疾走をしている馬を追いかける。ツッコミどころが凄まじい。
二人乗りという馬への負荷がかかる行為で馬を全力疾走させ、
しかも、二人乗りで全力疾走している誰も乗っていない馬に追いつく。
ちょっと頭を抱えてしまう展開だ。

肝心の「馬」もCG全開で見応えというものもなく、
「きらびやかな」演出で色々ときれいに見せて取り繕ってはいるものの、
見た目の綺麗さだけで中身が伴っていない。

このイベント自体も馬を見せるためのイベントではない。
主人公が押し倒される、他の男性キャラに手を差し伸べられて二人乗りする、
そして馬から降りるときに足を滑らせて主人公が
「お姫様抱っこ」されるという展開を見せるためだけのものだ。

いわゆるBL的要素を見せたいのはわかるが、
そういう要素の好き嫌いを除いても、
1話全体のわざとらしさは気持ち悪さすら感じる。

主題歌を「JO1」というアイドルグループが歌っており、
それ自体は別にどうでもいいが、彼らが
主人公が所属していたアイドルグループのキャラの声も担当しており、
色々と大人の事情と「金」の匂いをプンプンに感じてしまう。

はやっ

主人公が元アイドルのせいか、2話ではドキュメンタリー撮影も始まっており、
そのドキュメンタリーを通してキャラクターを見せている。
ただ、2話の時点で新入生で知り合いでもなかった主人公と彼らが
すでに下の名前で呼ぶほどの仲になっている。違和感が凄まじい。いつ仲良くなったのか。
いつそんな関係性になったのか。

競馬学校での日常もおざなりだ。
本来はそこを主軸に描くはずの作品なのに、
競馬学校での日常よりも主人公が元アイドルと言う要素を掘り下げまくる。

アイドルを急にやめたせいで色々としがらみが強く残ってしまっており、
会社の社長には付け回されるわ、ドキュメンタリー番組を撮られるわと、
やめたはずなのにアイドルとしての彼がまだ求められている。
そんなアイドルとしてのしがらみに対する「苛立ち」を抱えており、
主人公がイライラしっぱなしだ。

特にそこになんの面白みもない。
そもそも主人公が人気アイドルグループを辞めてまで競馬の世界に入った理由が
ふわっとしてしまっており、明確な何かがない。

この手のスポーツアニメの場合は例えば有名な選手の試合をみたり、
なにか主人公にとっての決定的なシーンをみせることで
視聴者にも主人公がそこまでやりたい動機を納得させることができるが、
この作品にはそれがない。

1話で彼が語った
「あの時から僕の中に響いてるんです、やっと出会ったんだと思います」
というフワフワした動機だけで、その「あの時」を最後まで視聴者に見せてくれない。
主人公のセリフから1年前にイベントで
競馬場に訪れていたことはわかるが、それだけだ。

起承転結の「起」の部分が描かれない気持ち悪さと、
動機の薄さのせいでどうでもいいアイドル要素が
シンプルにつまらなくなっている。

キャラクター

そもそも競馬学校が舞台なはずのに、ろくに授業が描かれない。
申し訳ない程度に授業シーンが描かれたあとに、
キャラクターの描写が中心になってしまっている。
コレならば別に競艇でも問題はないのでは?と感じるような
「競馬学校」が舞台という作品の芯を活かしきれていない。

3話は唐突に転入してきた転入生の話が描かれるが、
そもそも主人公ともう一人くらいしかキャラの掘り下げも
印象もついていなのに、いきなり現れた転入生の話をされても
特におもしろもみもない。

この転入生は海外から来た転入生であり、イキりまくっている。
先生の英語の発音につっこみ、授業も素直に聞かず、
同級生の問題を指摘しまくる。
競馬学校での日常や授業よりも、彼らのキャラ描写に必死だ。

そのキャラクター自体に魅力があれば見れる部分があるが、
特にキャクター自体の魅力は感じられない。

4話では合宿に行き、色々とするものの静止画ダイジェストで
特に面白みはなく、4話になっても主人公は自分自身がアイドルだった
過去のしがらみにとらわれており、
どうでもいいストーリーばかりしか展開しない。

実は同級生の一人がアイドル時代の主人公のファンでした。
など非常にどうでもいい。

中盤

5話くらいからようやく競馬学校らしさが出てくる。
馬の乗り方や、体重の増加に悩むもの、練習風景の描写など、
もっと序盤でやっておけば随分と印象が違ったシーンが
中盤あたりからやっと出てきてれる。

しかし、それと同時にアイドルの問題も引っ張ってくる。
それまで何人グループなのかは明らかになっていなかったが、
中盤で主人公が所属していたのは「3人グループ」だったことが明らかになる。
それは揉めて当然だ(苦笑)

アイドルグループのキャラクターは主題歌を歌っている
JO1の方が演じているが、この演技自体はそこまで違和感はない。
しかし、内容が問題だ。
事務所の社長が実はとある計画をねっており、アイドルとしての復帰を狙っている。

競馬学校としての話がようやく面白くなってきたのに、
主人公のアイドル設定が邪魔でしか無い。
基本的に彼は自分のことばかり考えており、
体重で悩む同級生の心を何気ない言葉でえぐってしまったりもする。

もっとも体重で悩む同級生も、悩んでいるくらいなら
その長髪を丸坊主にすれば100gくらいは変わりそうなものだが、
そういうことはしない。

事務所の社長もなんの権限があってそこまでするのかよくわからず、
中盤では主人公が怪我をし入院したらしたで、
勝手に退学届まで出す始末だ。
これが彼の両親ならわかるが、事務所の社長だ。

そもそも彼の両親が出てこない。
彼の両親が死んでいるという事実が明らかになるのは
最終話だ、情報の出し方があまりにも下手すぎる。

事務所の社長が主人公の母親の友人で幼い彼を引き取り、
彼をアイドルにした、この経緯がわかれば事務所の社長の行動理由や
セリフも納得できる部分があるのに、
明かされるのが最終話のせいで納得できない物になってしまってる。

ギスギスしたキャラクター関係が常に展開されており、
キャラクターにまるで愛着を持てない。

トレセン編

この作品は1クールでありながら、まさかの二部構成であり、
8話から「トレセン編」が始まる。
そのおかげで8話から一気にキャラクターが増え、同時に、
8話まで出てきた競馬学校関連のキャラが一気にでなくなる。

8話までのキャラ描写は何だったのかと思うほどだ。
いつのまにかプロの卵になっており、
「駿」の話が中心となる。
駿は馬の気持ちが何故か分かる超能力持ちであり、
そんな彼が中心となって話が展開し、
もはや主人公がいらなかったのではないか説まで出てくる。

馬に関する描写は一気に増えたものの、あからさまに尺が足りていない。
「キスケ」という馬が引退するか否かという話が唐突に出てくるものの、
8話でいきなり出てきた馬に特に愛着はなく、
オークダイヤモンドという馬をどうするかという話も出てきているのに、
初陣のレースの描写は丸々カットだ。

競馬学校のキャラたちも主人公含め、成長を感じない。
主人公はアイドルの問題は解決したものの、相変わらずイライラしっぱなしだ。
「駿」も「駿」で馬のことでイライラしている。
もうみんなGABAでも飲んでくれと思うほどイライラしっぱなしだ。

同級生

話の展開の速さ、つめ混み具合がすごいせいで
キャラクターの感情の変化に見る側が追いつかない。
肝心の試合のシーンをダイジェストやカットすることも多い。
1クールでは明らかに尺が足りず、結局、紅一点のヒロインポジションの
キャラの掘り下げなどもほとんどされず、居ても居なくてもいいキャラが多い。

キャラの掘り下げが甘く、使いこなせていないまま終盤を迎えてしまう。
唐突に最終話直前の12話で雑用的な立ち位置でしかなかった
キャラの掘り下げが行われたりしても、すごくどうでもいい。

「厩舎の先輩が厳しくて毎日しごかれて強くなった!」

と言葉で説明されるが、それを視聴者には映像で見せていない。
今の今まで存在感0だった彼がどうして
他の同級生を出し抜くほど強くなったのか、
その過程を見せてほしいのに全部言葉で説明し、
この作品は見せてくれない。尺不足だ。

12話の同級生同士の試合など、本来なら
もっと序盤、せめて中盤の山場として描かれるような展開だ。
そう考えると8話くらいからが本当は制作側が
やりたかったことではないのか?とすら感じてくる。

いやいやいや…

終盤は同級生同士の模擬レースがひたすら展開される。
これ自体は悪くないものの、もっと中盤くらいでやっておけば
色々と印象が違ったと感じる部分も大きいが、
それぞれの成長とその結果が描かれるラストは悪くない。
しかし、その後が大問題だ。

その原因が駿だ。
彼は馬の気持ちがわかるという超能力持ちであり、
それが彼の特徴とキャラ付けでもあった。
そんな彼が競馬学校での経験の中で選んだ道は悪くない。
しかし、そんな彼が主人公にとあることをする。

能力の譲渡である。

このアニメを見ていない、もしくは途中で切ってしまった人には
全くもって意味不明だろう。安心してほしい、見てもわからない。
騎手にならない彼に自らの帽子をプレゼントした主人公、
そして、そのお礼に優が自らの能力をくれる。

意味がわかるだろうか、私にはわからない(苦笑)

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総評:2匹目の馬を狙った結果

全体的に何がしたいのか意味不明な作品だ。
1話から7話までのストーリーは、主人公の元アイドルという
設定のせいで肝心の競馬学校のことがあまり描かれず、
どうでもいいストーリーばかりが展開し、
8話からようやく競馬のことを真面目に描き始めたかと思えば
謎の能力譲渡シーンで終わる。

制作側の方向性のブレが凄まじい作品だ。
憶測でしか無いが、アイドルとのコラボが前提であり、
その前提のせいで無理やり元アイドルという設定を足すしかなく、
本来は8話からの内容が制作側のやりたかったことなのかもしれない。

ただ、これはあくまで憶測だ。
もしかしたら最初からこの内容でアイドルとのコラボが
決まったのは後からだったのかもしれない。
最終話の謎の能力譲渡シーンのせいで、どっちが本当かがわからず、
制作側のいろいろな意味での迷走感を感じてしまう。

おそらくはウマ娘の2匹目のドジョウならぬ2匹目のウマを
狙ったことはわかるものの、
結局、なにがしたかったんだ…という感じに終わってしまう作品だった。

個人的な感想:迷走

企画段階からの迷走感が見える作品だった。
やりたいことはわかるものの、それを1クールの尺に収めきれておらず、
結果的にどれもこれも中途半端な作品に終わっている。

それはともかくとして、最後の能力譲渡は本当になんだったのだろうか…

「群青のファンファーレ」は面白い?つまらない?

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