「阿波連さんははかれない」レビュー

4.0
ラブコメ
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評価 ★★★★☆(60点) 全12話

あらすじ 阿波連れいな は、人との距離をはかるのが苦手。入学して隣の席になった ライドウ は彼女と距離を感じていた。引用- Wikipedia

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距離感バグり系女子

原作はデンキ街の本屋さんなどでお馴染みの水あさとによる漫画作品。
総監督は山本靖貴、制作はFelixFilm

自己紹介

1話冒頭、高校の入学式での自己紹介から始まる。
物凄くベタな始まりにも見えるが、異様な光景が広がっている。
主人公はきちんと名前を言って挨拶をし、着席をする。
しかし、彼が「仲良くしたい」と思っている隣の席の「阿波連」さんは一言もしゃべらない。
自己紹介で名前すら言わず、必死に主人公が話しかけても返事1つしない。

なぜ彼女が話さないのか、なぜ他人と距離を取るのか。
無表情で一言も話さないヒロインに不思議な魅力を感じさせる。
決してシリアスな作品ではない、「はなさない」という事と、
主人公がそれでも必死に話しかける様がコメディタッチで描かれており、
クスクスと笑えてくる。

彼女は別に話せないわけではない。
必要なときは「異様」なまでに接近し、超小声で話しかけてくる。
虫の羽音のほうがまだ聞こえる、それぐらいの小声っぷりだ。
そんな彼女がいつのまにか主人公のそばをはなれず、一緒にお弁当を食べ、
腕まで組んでいる(笑)もはや意味不明だ。

仲良くしたいのかしたくないのか、彼女の真意がまるでわからない。
はたから見れば恋人同士にすら見える馴れ馴れしさに、
主人公自体も戸惑いを隠せず、見ている側も戸惑いを隠せない。
これだけ仲良くプリクラまで一緒に撮っているのに、
翌日には朝の挨拶すら華麗にスルーだ。

それでも主人公はくじけない。
阿波連さんの距離感のバグり方もそうだが、主人公のグイグイさも凄まじい。
彼女は人との「距離」の取り方が下手なだけだ。

自閉症

本来はそこに存在するはずの人同士の「パーソナルスペース」を認識できないだけだ。
別に恋愛的な好意があるわけでもない、誘惑しようとしているわけでもない、
それでも彼女は人と人との「距離感」の図り方がわからないのだ。
コレはある種の「自閉症」だ。

人同士が本来、どんなに仲が良くても、たとえ家族でも
それ以上は接近しない「距離」が彼女にはわからない。
他人同士の距離感、友人同士の距離感、家族との距離感、恋人同士の距離感、
男女の距離感、それが彼女には認識できないのだ。それを彼女も自覚している。
だからこそ彼女は他人との距離を必要以上に取ろうとしている。

彼女の「声」が小さいのものそのせいだ。
彼女には人と人との距離感がわからない、
元々の声の小ささもあるのかもしれないが、もしかしたら、
子供の頃に大きすぎる声で会話をして怒られた経験があるのかもしれない。

明るくコミカルに、「阿波連さん」は可愛らしく描かれているものの、
この作品が扱っているテーマの本質は非常に重い。
そんな障害を持った「阿波連」さんに主人公である「ライドウ」は真摯に接する。
彼は友だちになりたいだけだ、友好を図りたいだけだ。あくまで真面目に、
彼なりに不器用な彼女に接するさまがコメディになりつつも微笑ましい。

傍観者

序盤はそんな二人の世界が構築し日常が描かれているものの、
序盤をすぎると、そんな2人を「外」から見つめるものが出てくる。
阿波連さんの友達や、学校の先生、近所の小学生、弟や妹など、
2人以外の外部のキャラが彼らを見てどう思うのか、
それだけでギャグになっている。

はたから見れば異様にくっついている2人だ。
恋人同士にすら見えるものの、決して恋人同士ではない。
そんな2人を外部の第三者の視点から見せるシーンを挟むことで、
日常コメディというマンネリになりやすいジャンルの
いい刺激になっている。

序盤は主人公であるライドウはいい意味で常識人に見えるが、
中盤くらいから割りとお馬鹿なことが発覚する(笑)
本来は冷静に考えればわかりそうなことを独特の妄想癖のせいで、
とんでもない状況解釈や勘違いをし、それがすれ違いコントのような
面白さの片鱗を見せている。

パターン化

そういったサブキャラのちょこちょことした活躍や、
主人公の変化もみえてくるものの、
中盤くらいでマンネリ感が出ているのは否めない。
特に主人公が中盤くらいに阿波連さんにいろいろな勝負をしかけるものの、
結局負けるという展開がかなり多く、面白くはあるもののパターン化している。

この作品はやんわりと「恋愛要素」はあるものの、
そこを主軸にしているわけでもない。
ギャグは多いもののギャグアニメというわけでもなく、
どちらかといえば「日常アニメ」だ。
そんな日常アニメだからこその起伏の無さや変化の薄さが
作品全体の冗長さにつながっている。

しかし、そんなパターン化とマンネリを感じている中で、
終盤になると路線が変わってくる。
それは異性への意識と恋の芽生えだ。

ラブコメめいてきやがった

二人の関係性は恋人というよりも家族、兄妹のようにもみえるような関係性だ。
恋人以上とも言っても良い。
当たり前のように腕を組み、当たり前のように一緒に過ごしている。
そんな「当たり前」は当たり前だからこそ2人はまるで自覚していない。
しかし、そんな当たり前という名の日常から「変化」が生まれる。

それは「花火大会」だったり、風邪を引いたり、名前を呼ばれたり。
些細な出来事が少しずつ彼女の中に恋心を芽生えさせていく。
序盤から中盤まで明確に物語は動かない、しかし、
終盤で見ているコチラ側が予想もしえない急展開を迎える。

告白だ。
見ている側にその結果はあえて伝えない。
あまりにもにくい演出にニヤニヤしてしまう。

終盤

ただ、そういった盛り上がりはあるものの、余り変化はない。
ライドウの妄想やツッコミなど、かなり話がパターン化してきてしまっており、
飽きすらも終盤では感じてしまう。
そんなマンネリ中でもラブコメ要素が強まることで、
「阿波連」さんの可愛らしさを感じさせてくれるシーンも多い

特に最終話は素晴らしいラストだ。
あえて10話では濁した互いの「告白」、
そんな濁した末の12話での大胆すぎる告白にニヤニヤしてしまう(笑)
不器用な阿波連さん、距離を測れない彼女なりの恋模様と
その結末がこの作品らしいラストを迎えている。

1クールで綺麗にラブコメらしい終着点を見せてくれる作品だった。

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総評:当たり前の日常からはかれないラブコメへ

全体的にみて終わってみると、良いラブコメだったと言える作品だった。
序盤はやや出オチ感のある「距離感」を測れないヒロインの可愛さと
主人公とのやり取りのギャグからの日常コメディを描きつつ、
マンネリを感じ始めたところでラブコメ的展開に行くことによって、
1クールで綺麗にこの作品の物語がまとまっている。

惜しむべきはややコメディの引き出しが少ないことだ。
序盤は阿波連さんの距離感がギャグになっていたが、
中盤くらいにはそれがなくなり、新キャラを出すことで物語を展開している事も多く、
中盤以降はライドウの妄想というワンパターンなギャグが非常に目立っている。

ただ、そのマンネリを感じる寸前で視聴者側もよきせぬ
怒涛の展開が巻き怒ることによって、
1クールでなんとかぎりぎり、マンネリにならずに終わったような
そんな感覚を覚える作品だった。

個人的な感想:2期?

原作はまだ続いているようだが、ここからどういう感じで
物語が展開しているのかは気になるところだ。
資本の中国のBiliBIliが入っており、もしかしたら2期の可能性もあるかもしれないだけに、
デンキ街の本屋さんの2期、そしてこの作品の2期があることを期待したい。

「阿波連さんははかれない」は面白い?つまらない?

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  1. yamato より:

    私も阿波連さん面白かったです!阿波連さんは高校生版のチノちゃんと言った方がいいかも?しかし、気になることは舞台はどこなのか?ですね。

    3.0 rating

  2. resin K. より:

    マンネリというか,ライドウ(来道)の妄想癖が若干イライラを生んでいる感じがありますね.
    (主様も,点数に変換なさったら想像以上の辛口評価.)
    とはいえ,ラブコメ作品が集中する春クールにおいて異彩を放っておりました.
    ツッコミは不在だけど,カップルを見守る暖かい周囲も良かった.

    4.0 rating