評価 ★★☆☆☆(23点) 全12話
あらすじ 毬藻高校の2年A組に所属する川井モナは常にモテる美少女で、すぐに男子がオチる様子に意気揚々としていたが、仏教の戒律で異性との親睦を深めない転入生の黒岩メダカに限り何をしても反応が薄く、振り向かせようとやきもちを妬いてしまい、モナの大ファンの春野つぼみに応援されるようになる 引用- Wikipedia
これが噂の虫ダンス
原作は週刊少年マガジンで連載中の漫画作品。
監督は奥村よしあき 、制作はSynergySP
お前がメダカじゃない…だと!?
この作品のヒロインは子供の頃から「かわいい」ことで評判であり、
その可愛さを本人も自覚している。
彼女が町中を走るだけで誰もが彼女に釘付けだ。
クラスのヒロインであり、誰もが憧れるマドンナ。
しかし、そんな可愛さが転校生である「黒岩メダカ」には通じない。
驚愕の事実だ。
この手の作品は高木さん以降腐って発酵するレベルで量産されており、
基本的にはタイトルにヒロインの名前が入ることでお馴染みだ。
高木さん然り、長瀞さん然り、
ヒロインの可愛さ、ヒロインの特異さが売りな作品だからこそ、
ヒロインの名前をタイトルに持ってくる。
だからこそこの作品をみていない人は「黒岩メダカ」というのは
メインヒロインの名前なのだろうと勘違いするはずだ。
しかし、そうではない。
転入してきた男子こそが「黒岩メダカ」だ(苦笑)
そんな黒岩メダカには文字通りかわいいが通じない。
あざとく可愛く、黒岩メダカに対してメインヒロインである
「川井 モナ 」はアピールするものの彼は無視だ。
今までちやほやされ、自分の可愛さが通じないものがいなかったからこそ
黒岩メダカの存在が許せない。
それどころか黒岩メダカは彼女に話しかけられるのすら拒む始末だ。
彼に猛烈にアピールし、押し倒したりしても通じない、
胸を開けさせても無駄だ。そんな彼に彼女はときめいてしまう。
わかりやすいラブコメではあるものの、どこかアホっぽさがある。
この知性のなさ、アホっぽさこそがマガジン原作のラブコメアニメらしさだ。
主人公は寺の息子であり実家を次ぐために彼は
仏門の教えにしたがい色恋を禁じている。
つまりこの作品は「僧侶枠」である(笑)
パターン
1話の段階からパターン化しており、必死にアピールするものの、
やりすぎて自分も恥ずかしくなってしまい、
黒岩メダカに優しくされ、川井モナが顔を赤らめる。
内心では黒岩メダカもドキドキしており…というパターンだ。
2話になると追加キャラの掘り下げが始まり、
マンネリ化させないぞという気持ちは伝わるものの、
1話の時点ですでにパターン化しており、2話の冒頭では
すでに若干のマンネリを感じてしまう。
セクシーなシーンも多いのだが、やたらとバストアップが多く、
水たまりに反射して下着が見えるという謎のパンチラ演出や川井モナの謎の歌など唐突にシュールとも言えるシーンが挟まるせいで、
どういう気持ちでこの作品を見ればよいかがわかりにくい。
メインヒロインである川井モナに対して
主人公である黒岩メダカの掘り下げが殆ど行われず、
主人公なのに主人公感が薄い。
話も1話1話の区切りが甘く、
序盤の段階でこの手のラブコメではベタなシチュエーションである
学園祭が始まり、そんな学園祭が3話と4話の2話も使って描かれる。
序盤の時点で完全にマンネリしてしまっており、
特筆すべき部分がない。
本編の内容の薄さに対して、OPでは虫ンスと巷で言われるほど
奇っ怪なダンスを披露しており、そちらのほうが話題になって
内容が一切話題にならなかったことも理解できてしまうほどだ。
本編の作画よりもOPの作画のほうが悪い。
逆パターンはみたことがあるが、このパターンは初めてだ。
中盤になると主人公も少し態度が軟化し、
川井モナも徐々に自らの恋心を自覚していく。
マンネリは強烈にあるものの、ラブコメとしてはベタではあるものの丁寧に進めており、中盤になるとライバルも現れる。
ライバル
中盤になってでてくるライバルである
「湘南 旭 」はヒロインや主人公よりも後輩であり、
黒岩メダカに惚れている、その理由も浅く一目惚れだ。
明らかにマンネリを打破するための新キャラっぽさが半端なく、
ぽっと出感が強い。
恋のライバルが現れることで恋心を自覚する、
僧侶枠などでもよくあるラブコメではお決まりの展開で
それ以上でもそれ以下でもない。
ライバルが現れてもやってることは序盤と変わらず、
「川井モナ」が徐々に恋心を自覚し、
黒岩メダカも警戒心を緩めてはいるものの、
やってる事自体は一歳変わらない。
新キャラを出してもマンネリ打破になっていない。
終盤になると、更に新キャラがでてくる。
新キャラが出てくることによって川井モナが更に
自らの恋心を自覚していくという流れ自体もパターンになっている。
色々なキャラが黒岩メダカに惚れているものの、
それだけの魅力が黒岩メダカにはないからこそ、
作品に面白みが生まれない。
終盤
終盤になってようやく「川井モナ」が恋心を自覚する。
モテすぎる人生を生きてきた彼女は恋心をしらず、
初めて黒岩メダカという存在に恋をし、それを自覚するまでの1クールだ。
そういったことが描きたいのはわかるのだが、
そこまでの10話が長く、ワンパターンな展開が多すぎる。
キャラクターも出したはいいものの使いこなせていないキャラも多く、
OPで踊っている5人もメインなのは二人くらいで、
あとの3人はサブになってしまっており、
この5人で踊らせている事自体にも違和感が生まれている。
一応2期が決定しているものの、
1期はあの謎のダンスOPがあったからこその話題性は生まれたが、
2期で謎のダンスを超えるようなOPや内容のインパクトがなければ
厳しいかもしれないと感じる作品だった。
総評:なぜか誰も本編の話をしない謎アニメ
全体的に見て非常に微妙な作品だ。
作画のクォリティは常に低く、崩壊こそしないものの怪しいシーンも有り、
やたらとバストアップが多めで、気合の入っていない作画で
描かれるセクシーシーンにはなんの色気も感じない。
ストーリー的にも1話の段階からパターン化しており、
そこからキャラを追加したり、心情の変化こそあるものの、
1話のパターンが終盤まで殆ど変わらない。
ライバルキャラがでてきたり、新キャラが出てきたりして
ようやく話が進むテンポの遅さもあり、そのあたりも気になるところだ。
原作は18巻でており、まだ完結しておらず、
1期では5巻あたりまで進めており、2期でも
完結までには至らなそうだ。
1期の終盤でようやく恋心を自覚し、
ここから違った面白さが生まれるかもしれないが、
2期でも同じようなパターンならレビューは
しないかもしれないと感じてしまう作品だ。
悪い意味でOPの謎ダンスが話題になったが、
悪評は無名に勝るとはこのことだといわんばかりに、
内容は薄く、OPのあの謎ダンスがあったからこそ話題になった、
怪我の功名といえる謎ダンスだったかもしれない。
個人的感想:マガジンラブコメ
マガジンのラブコメはなぜかマガジンラブコメ臭がするのだが、
うまく言語化できず、この作品をみてる間になんとか
結論を見出そうとしたのだが、どことなくIQが低いという
ふわっとしたイメージしか掴むことができなかった。
2期では本格的にラブコメめいてくるのかもしれないが、
wikipediaをみると終盤に出てきたキャラまでも
主人公に惚れるようで、ハーレムラブコメのようになっているが、
それほどの魅力を黒岩メダカに感じなかったのが
1番残念なところだった。
2期でまた謎のダンスが見れるのか、そこはきになるところだ。