どうもみなさん、4月はいかがお過ごしでしたでしょうか。
毎月恒例の振り返り記事となります。
4月は劇場アニメ、TVアニメ、そしてなぜか実写映画まで混じる、
かなりバラエティ豊かな月になりました。
4月
特に今月は「マリオ」と「コナン」という、
アニメ映画としてはあまりにも大きすぎる2本がありました。
どちらも見に行く前の期待値は高かったのですが、
実際に見終わったあとの感想はかなり違うものになりました。
そして、そんな大作映画がある一方で、
個人的には今年暫定1位クラスの作品にも出会えた月でした。
本数としては14本、先月が少しやりすぎな感じがありましたが、
今月もいいペースを保てた感じがあります。
そんな4月に見た個人的なアニメランキングをやっていきましょう。
14位 勇者パーティーにかわいい子がいたので、告白してみた

タイトルどおり、勇者パーティーの僧侶に一目惚れした主人公が、
恋愛を通して少しずつ人間側と関わっていくという、
ファンタジー日常ラブコメとしては悪くなさそうな題材でした。
実際、設定そのものはそこまで悪くありません。
魔族でありながら人間に恋をして、
魔王が倒されたあとに人間のふりをして生きていく。
僧侶との距離感や、周囲のキャラクターたちとの日常も、
きちんと作ればそれなりに見られるものになったはずです。
ただ、アニメとしての出来があまりにも厳しい。
最近はTVアニメの作画のクオリティも上がっており、
以前のような作画崩壊はあまり見かけなくなってきました。
しかし、1話の時点で作画にやる気を感じられず、
中盤以降はキャラクターの顔も背景もガタガタになっていきます。
戦闘シーンは紙芝居のようで、
シリアスな場面でも画面の弱さが先に気になってしまう。
近年まれにみる作画崩壊を起こした5話や、
1クール全体としての作画の不安定さや崩壊ぶりは、
1つのアニメとしての評価に値しない作品になってしまいました。
13位 遠井さんは青春したい!「バカとスマホとロマンスと」

ファン向け映画という意味では、非常にわかりやすい作品でした。
原作となるYouTubeのノリをそのまま映画にしたような作品であり、
「遠井さん」というキャラクターやジェルさんのノリを
普段から楽しんでいる人ならば楽しめるのかもしれません。
ただ、初見にはかなり厳しいです。
とにかく会話のテンポが速く、ボケとツッコミが怒涛のように流れ続けるのですが、
そのノリがかなり内輪向けです。
数分の動画ならば勢いで見られるのかもしれませんが、
それを映画の尺で見せられると、徐々にきつさが出てきます。
ギャグもメタネタも多く、
実写化したり、YouTube的なネタを入れたりと、
いろいろなことをやろうとしているのはわかります。
ただ、アニメ映画としての映像的な見応えは薄く、
巨大なスクリーンで見る作品としては物足りなさが強いです。
ファンのための映画としては正しいのかもしれませんが、
「すとぷり」のアニメ映画は楽しめただけに、
そんなすとぷりのメンバーが作ったアニメ映画にも
少しだけ期待してしまいましたが、、ファンではない人間が見ると、
その距離の遠さを痛感する作品でした。
12位 貴族転生 ~恵まれた生まれから最強の力を得る~

なろう系の悪いところを煮詰めたような作品でした。
主人公は皇帝の十三番目の子どもとして生まれ、
生まれた瞬間から才能に恵まれ、周囲から称賛されます。
ここまでは、いわゆる貴族転生ものとしてはよくある導入です。
ただ、この作品はその「称賛」があまりにも過剰でした。
主人公が何かをするたびに、
周囲の人間が「さすがです」「すごいです」と褒め称える。
特に努力したわけでもなく、汗水垂らして得た力でもなく、
恵まれた立場と能力で問題を解決しているだけなのに、
作品全体が主人公を持ち上げるためだけに動いています。
作画も特別良いわけではなく、
物語にも強いフックがあるわけではない。
主人公を称賛するために世界があるような作品で、
見ていてかなり厳しいものがありました。
11位 デッドアカウント

現代的な題材を扱おうとしている部分は悪くありませんでした。
死者のSNSアカウントに幽霊が宿り、「化け垢」として現世に現れる。
SNSや動画サイトが当たり前になった現代だからこそ、
幽霊や霊媒師の設定をデジタルに置き換えるという発想は面白いです。
ただ、話が進めば進むほど、その独自性が薄れていきます。
炎上系YouTuberの主人公、霊媒師の学園、
スリーマンセル、最強の先生、危険な力を宿した主人公。
どこかで見たことのある要素がどんどん積み重なっていき、
最終的にはマガジン版の呪術廻戦のように見えてしまう作品です。
しかも、キャラクターにもあまり好感が持てません。
主人公は炎上系、ヒロインはネットストーカー気味、
仲間も口が悪いだけで魅力が薄い。
作画も低予算感が強く、戦闘シーンに迫力がありません。
題材だけなら面白くなりそうだったのに、
既視感とキャラクターの弱さでかなり損をしている作品でした。
10位 だんでらいおん

空知英秋先生の読み切りをアニメ化した作品です。
1話の時点では、かなり空知先生らしさを感じる作品でした。
成仏できない幽霊をあの世に送る天使たち。
憎まれ口を叩く幽霊と、それに文句を言いながらも向き合う主人公。
下ネタ、ギャグ、人情噺が混ざり合うあの空気感は、
銀魂に繋がるものを強く感じさせます。
ただ、問題は原作が読み切りであるという点です。
アニメは全7話あります。つまり、8割以上がアニオリです。
2話以降はアニオリキャラやアニオリ設定を足しながら、
なんとか1本のシリーズとして成立させようとしているのですが、
そのぶん無理矢理引き伸ばしている印象が出てしまっています。
悪くないエピソードもあります。キャラクターの掘り下げもあります。
しかし、そのほとんどがアニオリだからこそ、
ギャグが弱くなったり、人情噺が薄くなったり、
エピソードごとの当たり外れがかなり大きい作品です。
読み切りをアニメ化するという試み自体は面白いのですが、
作画もそこまで良いわけではなく、
全体的には「強引すぎるアニメ化」という印象が残りました。
9位 違国日記

こちらは実写映画版の「違国日記」です。
アニメ版があまりにも素晴らしかったからこそ、
思わず実写版にも手を出したのですが、
実写版を見るとどうしても物足りなさが目立ってしまいました。
とにかく映画全体が暗い。邦画特有の暗い画面と、
ボソボソとした演技で雰囲気を作るタイプで、序盤からかなり重い空気が漂っています。
もちろん「違国日記」は明るいだけの作品ではありません。
両親を失った少女と、孤独に生きる大人の女性が、
互いに距離を測りながら暮らしていく物語です。
ただ、原作やアニメにあった細かい会話や日常の積み重ねが、
実写版ではかなりカットされています。
そのせいで、槙生というキャラクターの面倒くささの奥にある魅力や、
朝との関係性の変化が薄くなっています。
ただ不機嫌な大人に見えてしまう瞬間が多く、
「同じ国に暮らしながら違う国に生きている」という作品の魅力が
実写ではうまく出ていませんでした。
もしかしたら、先に実写を見ていれば印象が違ったかもしれないだけに、
見る順番を間違えた作品でした。
8位 ARCO/アルコ

フランスのアニメ映画らしい、かなりクセの強い作品でした。
まずキャラクターデザインが強烈です。
日本のアニメに慣れていると、主人公もヒロインも
素直にかっこいい、かわいいとは言いづらいデザインで、
見始めた瞬間から独特の違和感があります。
ただ、それ以上に強烈なのが服装です。
未来人たちは全身タイツのような格好で、
空を飛ぶときには頭まで覆って、
虹色のマントを羽織る。
私は途中からずっとレインボーマンと呼んでいました(笑)
物語としては、未来から来た少年と少女の出会いを描く
王道のジュブナイルでもあるのですが、
キャラクターデザイン、服装、世界観のクセが強すぎて、
人によってはかなり置いていかれる作品だと思います。
ただ、変な映画としての味はありました。
7位 ヘルモード ~やり込み好きのゲーマーは廃設定の異世界で無双する~

作画はかなり厳しい。しかし、話は意外と悪くない。
そんな作品でした。
主人公は、ヌルゲーに飽きたゲーマーです。
終わらないゲーム、手応えのあるゲームを求めた結果、
あえて「ヘルモード」を選び、さらに試験運用中の召喚士を選んで
異世界に転生します。
この導入だけなら、よくあるなろう系です。
しかし、この作品は赤ん坊から始まり、
貧しい農奴の家で少しずつ成長していくところを丁寧に描いています。
チートで一気に無双するのではなく、
スキルを検証し、経験を積み、少しずつ強くなっていく。
その地味さが逆に新鮮でした。
特に家族との関係性が良く、前世では味わえなかった日常の幸せや、
守りたいものを得ていく過程が丁寧です。
ただ、本当に作画が厳しい。作品タイトルはヘルモードですが、
制作現場のほうがヘルモードだったのでは?と思ってしまうほど、
映像面はかなり苦しいです。
それでも、話の丁寧さでなんとか見られる作品でした。
6位 名探偵コナン ハイウェイの堕天使

今年のコナン映画は、個人的にはかなり厳しかったです。
メインとなるのは神奈川県警の白バイ隊員、萩原千速。
松田陣平や萩原研二とも関係のあるキャラクターであり、
その掘り下げを映画でやろうとしたのはわかります。
ただ、あまりにも萩原千速の映画になりすぎていました。
コナン映画なのに、コナンの存在感がかなり薄い。
推理もアクションも、物語の主軸も、かなりの部分が萩原千速に寄っており、
コナン以外のキャラもあまり活躍しないどころか、
毛利蘭に至っては雑な扱いになっていました。
バイクアクションも序盤は面白いです。
スピード感のある演出や、コナン映画らしい無茶なアクションもあります。
ただ、ずっとバイクアクションが続くため、だんだん飽きてきます。
さらに、爆弾解体のシーンなど、過去作を思い出させる要素もあるのですが、
そこに緊張感があまりありません。
コナン映画としては久しぶりのハズレ寄り。
爆発自体もあるのですが、大きな建物が破壊されることはなく、
もっと爆発しろよぉぉぉぉぉ!と思ってしまう作品でした。
5位 私がビーバーになる時

かなりクセの強いピクサー映画でした。
主人公は動物を愛しすぎる女性です。
子どもの頃から動物に対する愛情が強く、
学校で飼われている動物を勝手に逃がそうとするような、
かなり極端な人物として描かれています。
そんな彼女が森を守るため、ビーバー型ロボットに意識を転送し、
タイトル通りビーバーになるという物語です。
作品として面白いのは、動物の世界をただかわいく描くだけではないところです。
動物たちの世界には弱肉強食があります。
可愛いビーバーや動物たちが出てくる一方で、
食べる、食べられるという自然のルールもきちんと描かれています。
動物目線ではコミカルに描かれる動物たちが、
人間目線ではリアルな動物として描かれる。
この描き分けはかなり面白かったです。
しかし、主人公の行動はかなり極端で、
共感できるかどうかは人によって分かれると思います。
ただ、その暴走気味な動物愛護と、自然界の現実をぶつける作品としては、
かなり尖ったピクサー映画でした。
終盤のサメ要素も含めて、映画としてかなり印象に残る作品です。
4位 ザ・スーパーマリオギャラクシー・ムービー

期待値が高すぎたぶん、少し物足りなさも残る作品でした。
前作のマリオ映画は、いい意味で映像体験に割り切った作品でした。
マリオを知っている人ならばワクワクできる小ネタや映像を詰め込み、
シンプルなストーリーで最後まで走り抜ける。
あれはマリオ映画としてかなり正しい作りだったと思います。
今作はタイトル通り、スーパーマリオギャラクシーの要素を取り入れた続編です。
ヨッシー、ロゼッタ、クッパジュニアなど、新しいキャラクターも登場します。
ただ、全体的にかなり軽い仕上がりになっています。
ヨッシーとの出会いもあっさりしており、
マリオたちとの関係性が深く描かれるわけではありません。
ロゼッタやクッパジュニアも出てきますが、キャラクターの掘り下げというよりは、
次から次へと映像的なイベントを見せていく作品になっています。
その映像快楽はたしかに強いです。
ショート動画的に気持ちいい場面が続き、
子どもが飽きないように作られているのもわかります。
ただ、前作ほどの驚きやまとまりは感じにくく、
「マリオだからできる映画」ではあるものの、
同時に「マリオだから許されている映画」でもあると感じました。
3位 勇者刑に処す 懲罰勇者9004隊刑務記録

ダークファンタジーとして非常に完成度の高い作品でした。
まず1話の時点で作画が素晴らしい。ただ綺麗なだけではなく、
あえて崩すことでアニメーションとしての気持ちよさを出しており、
戦闘シーンのケレン味がかなり強いです。
魔法がある世界でありながら、どこか泥臭い。
剣を振るう重さ、戦場の血生臭さ、
勇者という存在の悲惨さが画面から伝わってきます。
この世界における勇者は、希望の象徴ではありません。
罪人です。
死よりも重い刑罰として、何度死んでも蘇生され、
魔王と戦い続けることを強いられています。
魔王も単なる敵ではなく、ある種の災害や現象として描かれており、
ファンタジーでよく使われる言葉を使いながら、
その意味を反転させているのが面白い作品でした。
主人公も、ただ復讐に燃えるだけではなく、
罪人たちの中で可能な限り他者を救おうとする。
その危うさと優しさが、作品全体の重さを支えています。
好みは分かれる作品だと思いますが、
ダークファンタジーとしては今期でも上位の出来でした。
2位 爆弾

実写映画が2位に入ってしまいました(笑)
ただ、それくらい、この作品は面白かった。
この作品の中心は取調室です。犯人であり主人公とも言えるスズキタゴサクは、
映画冒頭の時点で警察に逮捕されています。
そこから彼がどこかへ逃げるわけではありません。
最初から最後まで彼は警察署の中にいます。
基本は取調室での会話劇です。
しかし、この会話劇がとんでもなく面白い。
スズキタゴサクは、霊感が働くと言いながら爆弾の場所を予告します。
もちろん、本当に霊感があるわけではありません。
警察との会話の中でヒントを与え、警察が爆弾にたどり着けるかを試している。
この頭脳戦が非常に濃厚です。
そして何より佐藤二朗さんの演技が素晴らしい。
ふざけているようで怖い。道化のようで底が見えない。
ときにユーモラスで、ときに狂気を見せる。
スズキタゴサクという男に、見ている側がどんどん取り憑かれていきます。
会話劇でありながら、カメラワークも凝っており、画面も飽きません。
爆破シーンの派手さもありつつ、本質は取調室の中にある。
これはアニメではできない名作でした。
1位 違国日記

今年暫定1位と言っていいほど、
個人的には深く刺さった作品でした。
派手なアニメではありません。ド派手な戦闘シーンがあるわけでもなく、
ギャグで笑わせる作品でもありません。
描かれるのは、両親を失った少女と、孤独に生きる大人の女性の生活です。
しかし、その生活の描き方が素晴らしい。
親子ではない二人が、同じ家で暮らしながらも、
互いに距離を測り、言葉を交わし、少しずつ相手という存在を知っていく。
この「空気感」がとにかくいいです。
優しい音楽、自然な会話、生々しい言葉の応酬。
アニメでありながら、人間の本心と嘘、孤独と優しさが丁寧に描かれています。
人は同じ国に暮らしていても、
同じように生きているわけではありません。
それぞれが自分自身という違う国に生きている。
他者との関わり合いは、まるで外交のようなものです。
この作品は、そんな他者との距離感を、とても静かに、しかし深く描いています。
槙生という一人で生きる大人の女性。朝という親を失い、自分の価値や未来に悩む少女。
二人の関係性は親子でも友達でもなく、
それでも確かに互いの人生に影響を与えていきます。
好みは分かれると思います。地味だと感じる人もいるでしょう。
ただ、私にはかなり刺さりました。
こういう作品に出会えるから、アニメを見続けていてよかったと思える。
そんな4月の1位にふさわしい作品でした。
4月
4月は本当に不思議な月でした。
マリオとコナンという大作映画があり、
どちらも話題性としては抜群でした。
ただ、個人的にはその2本が思ったよりも刺さらず、
逆に「違国日記」や「勇者刑に処す」のような作品が
強く印象に残る月になりました。
特に「違国日記」は、見終わったあとにしばらく引きずるタイプの作品で、
今年の中でもかなり上位に残りそうです。
一方で、下位の作品はかなり厳しいものが多く、
作画の悪さ、内輪ノリ、主人公称賛型なろうなど、
見ていて厳しい作品も多かったです。
ただ、こうやってランキングにしてみると、
4月はかなり幅広い作品を見られた月でもありました。
5月もこの調子で、
いい作品にも、変な作品にも、そしてどうしようもない作品にも
出会っていきたいところです(笑)
5月もよろしくお願いいたします。

