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まさかの8割アニオリ「だんでらいおん」レビュー

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だんでらいおん コメディアニメ一覧
画像引用元:(C)Hideaki Sorati/SHUEISHA
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評価 ★★☆☆☆(36点) 全7話

「だんでらいおん」予告編 – Netflix

あらすじ 現世に未練を残したまま成仏することができずにいる霊魂を捜索・発見し、あの世に送ることを使命とする日本天使連盟送迎部。
天使たちは超多忙な日々に追われていた。 引用- Wikipedia

まさかの8割アニオリ

原作は銀魂で有名な空知英秋。
連載はされておらず「読み切り」として1話限りの漫画をアニメ化している。
監督は又賀大介、制作はNAZ。
Netflixオリジナル作品として配信されている。

空気感

1話から「空知節」全開だ。
主人公は「天使」だ。現世で成仏できない幽霊を探し、
あの世に送ることを役目としている。
そんな「成仏できない老人の幽霊」を、
主人公は自転車で全力で追いかけている。

老人の幽霊は憎まれ口を叩き、追いかける主人公は文句を言いながらも、
上司の天使の命令に従いつつ日常を送っている。
「銀魂」のあの空気感、あのセリフの応酬を、銀魂よりも前の
読み切りの段階から感じさせてくれる。

「空知先生」らしい下ネタもきっちりとあり、
それと同時に「成仏できない幽霊」たちの「人情噺」もある。
ギャグと下ネタとキャラクターの魅力、
そして人情噺という「空知イズム」のようなものを1話から味わえる。

ファンサービス的に「銀魂」要素も盛り込んでおり、
1話はしっかりと楽しめる作品だ。

天使たちにもノルマがあり、成仏できない魂が増えれば地縛霊が増える。
本来、一人ひとりの魂に時間をかけてはいられない。
だが主人公は違う。一人ひとりと向き合おうとする男だ。

作画

ただ、明らかに作画は悪い。
キャラのアップは多く、背景は実写を加工したようなものが多い。
制作のNAZは4年前の「惑星のさみだれ」でありえないほどの
作画崩壊をかましている制作会社であり、そんな制作会社に
期待するほうが間違いではあるものの、アニメ的な面白さは乏しい。

わざわざ2002年に掲載された読み切り作品を、
24年の月日を経てアニメ化したのに、
作画が良くないというのは残念でしかない。

監督自体も過去に「副監督」の経験はあるものの、監督の経験はない人だ。
それがわかりやすく画面に、2話以降に出ている。

アニオリ

原作は1話の読み切りだ。しかしアニメは全7話ある。
つまり、この作品は8割以上「アニオリ」である(苦笑)
ここ10年ほどで、アニメ業界における「アニオリ」に対する風向きは逆風だ。

20年前くらいのアニメならば当たり前のようにアニオリエピソードがあり、
長期のアニメだった銀魂でもアニオリ回はあった。
だが、それはあくまで「アニオリ回」だ。
そのアニメのうちの1割ほどがアニオリなことは20年前にもあったが、
8割アニオリというのは20年前でもあり得ない出来事だ。

そのためにアニオリキャラやアニオリ設定を足しまくっている。
2話は明らかに滑り気味のギャグで、人情噺も薄い。
新キャラも追加され、銀魂らしく3人組になるのだが、
この3人目のメガネもアニオリだ。

キャラクターやギャグなど「銀魂」で見たことがあるものも多く、
それをセルフパロディしている部分もある。
そのあたりをどう受け止めるかは見る人次第だろうが、
個人的にはあまり刺さらなかった。

掘り下げ

4話以降、メインキャラの掘り下げが行われる。
メインキャラの一人である少女は異様に強い。
そんな異様に強い少女は元々は人間の霊魂であり、
その強さには秘密がある。

メインキャラの一人のメガネはいわゆるエリートであり、
そんなエリートな父に認められたいと思っているものの、
主人公や少女とのふれあいの中で徐々に考えが変わっていく。

このあたりの掘り下げエピソードは悪くないのだが、
掘り下げに必死なあまりギャグが減っており、
全7話の中で作品全体の起承転結のあるストーリーを生み出そうとしており、
そっちに注力するあまり、ギャグなどがおざなりになっている部分がある。

エリートの父親がなぜか主人公たちの部署の解体を目論んでおり、
最後はそんな父親とのエピソードとトラブルが起こって終わる。
1クールのまとまり、区切りがほしかったというのは分かるが、
「引き伸ばした感」が出てしまう作品だった。

総評:強引すぎるアニメ化

全体的に見て、やや強引すぎるアニメ化だった印象だ。
1話は銀魂、「空知イズム」を感じるストーリーとキャラだったが、
2話以降はアニオリになってしまうせいで、明らかに話のクオリティが落ち、
エピソードごとの当たり外れが激しくなってしまう。

作品全体のストーリーも無理矢理引き伸ばした感のあるエピソードであり、
悪くないエピソードはあるものの、全7話というよくわからない尺に
無理矢理引き伸ばしてしまったうえに、
駆け足気味に終わってしまった印象を受ける。

作画もあまり良くなく、空知先生のファンならば1話は少なくとも
楽しめると思うが、2話以降は見る人によって大きく好みも分かれそうだ。

ただ、こういった読み切りや短い話をアニメ化するという
試み自体は面白く、この作品以外でも見てみたいと思わせてくれる企画だった。

個人的な感想:映画にあわせた?

もしかしたら銀魂の映画に合わせた企画だったのかもしれない。
空知先生の新連載も始まっており、
ネトフリと連携してそこまでやったのかは定かではないが、
タイミング的には悪くない段階での配信だったものの
もう少しギャグに割り切っても良かったのでは?と感じる作品だった。

逆にこれが全7話ではなく、1クールや2クール、
4クールくらいがっつりとやるならば、もっと味がしてくる作品かもしれない。
作品の世界観や設定、キャラクターは魅力的なだけに、
中途半端に引き伸ばしたのがもったいない作品だった。

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