「アグレッシブ烈子」レビュー

評価 ★★☆☆☆(28点) 全10話

あらすじ引用- Wikipedia

デスメタルなのにスローテンポ

本作品は「サンリオ」のキャラクターのオリジナルアニメ。
王様のブランチ内で以前1話1分ほどのアニメとして放送されていたが、
この作品はWebアニメとしてNetflixオリジナルアニメとして制作された。
監督はラレコ、制作はファンワークス。

少女向けではない働く女性に向けたサンリオ作品

まずOPから驚かされる。
サンリオといえば「ハローキティ」を始めとした女の子に向けた
かわいい感じのキャラクターであり、サンリオ関係のアニメも
一部を除いて女の子に向けた作品になっている。
しかし、そんなサンリオ作品の中でこの作品は異質だ。

主人公はレッサーパンダである、かわいい外見な女子の列子さんだが、
職業はOL、一人暮らしで彼氏なし、毎日満員電車に揺られ出社し、
無茶苦茶いってくる上司や自分勝手な同僚に振り回され、
ストレスを溜め込んでいる生活を送っている。

この設定は「ハローキティ」なイメージのサンリオからかけ離れている(笑)
いわゆるOLの日常系な話を擬人化した動物のキャラで描いており、
女子が多い職場のどろどろした関係性や働く女子あるあるを描いており、
うざい同僚の女子や裏のあるクチの悪い女子など、
サンリオのキャラとは思えないキャラクターのどろどろとした日常は
面白い。

ストレスはデスメタルで解消

列子さんは会社で溜まったストレスをデスメタルで叫ぶ(笑)
トイレやカラオケ店でマイク片手にストレス発散するさまは
サンリオキャラとは思えないほどの狂気に満ちており、
デスメタルボイスで字幕がなければ何を言っているかわからないレベルの
シャウトをかましている。

いわゆる可愛いキャラでデスメタルというギャップを狙った作品であり、
ファーストインパクトはかなり凄まじく、1度見たら確実に印章に残る。

やや前時代的な設定

丸の内のOLというもはや死語みたいな主人公の設定もさることながら、
パワハラ気味な「女はお茶汲みでもしろ」みたいな
テンプレート的な部長の存在や腰巾着な同僚など、
流石に古さを感じる舞台設定は新鮮さという意味では薄い。

90年代位のコミックスピリッツに載っていた
サラリーマンが主人公の漫画みたいな舞台設定は
サンリオのキャラクターがやるからこそのギャップはあるものの、
使い古されてしまっている感じは否めない。

動物擬人化キャラクターの日常という要素もありがちであり、
「デスメタル」という要素と、この内容をあえて
サンリオのキャラでやるからこその面白さという部分はあるものの、
正直1話でお腹いっぱいな感じもある。

テンポの悪さとダレ

もともとは1話1分の作品だったものを15分に練り直しており、
そのせいで全体的に1話1話が間延びしている。
1話1分なら烈子さんが色々なことでストレスを貯め、
デスメタルで発散するという流れをテンポよく描けるが、
15分になったことでどうしても話が間延びしまくっている。

間延びしすぎているせいで肝心の内容も薄味になってしまっており、
1話15分なのにその15分の中に話を収めきれておらず、
特に面白い話でもないのに前後編に分かれていたり、引き伸ばしたりと、
余計にグダグダになってしまっている。

デスメタルが飽きる

作品の芯となってるデスメタルが話が進めば進むほど飽きる。
ストレス解消やグチをデスメタルで歌い上げてはいるものの、
歌詞が字幕で表示されなければ結局、理解できず、
最初こそインパクトはあるが、デスメタル部分も結局パターン化してる。

デスメタル部分に至るまでがもう少しテンポが良ければ
笑いにつながったかもしれないが、
終盤で描かれる上司のラップのほうがよっぽど面白くなってしまっており、
やや本末転倒気味だ。

デスメタル以外はなにもない烈子

主人公の烈子さんが友人に「輸入雑貨の店をやらないか」と
誘われ悩み退職を決意する話があるのだが、
いざ烈子さんが詳しく話を聞くと「ネットショップ」で
軌道に乗るまではお給料が少ないという、ある程度予測できる話を
聞いて「自分の想像と違った」から断ってしまう。

勤めている会社の上司や環境が良くないからこそ転職を考えるのはわかるが、
その転職がダメになると「寿退社」でなおかつ専業主婦を目指すという、
あまり好感の持てないキャラだ。

終盤では烈子さんの恋みたいなのも描かれるのだが、
序盤から想いを寄せていたキャラではなく、
ぽっと出のキャラクターとの恋愛話になってしまい、
結局一時的な舞い上がりの恋でしかなく、
キャラクターの使い方が上手いとは言い難い作品だった。

総評:出落ちデスメタル

全体的に見てサンリオキャラがデスメタルというギャップの面白さはあるが、
その面白さを感じられるのは序盤くらいで、
1話15分にしてしまったがゆえの圧倒的なまでのテンポの悪さと間延び、
話がパターン化してしまっていることで飽きが生まれやすく、
肝心のデスメタル部分にも飽きてしまう。

1話15分のアニメなのに1話の中で話が完結しないこともあり、
「え?こんな予測できる話をわざわざ複数話構成にするの?」と
思ってしまうほどにストーリー構成が悪い。

せめて1話5分ならばここまで欠点は目立たなかったかもしれない。
1話15分という尺をうまく使いこなせておらず、
だらだらと面白みの薄い話を更に薄めてしまっており、
キャラクターも多い割にはつかこなせておらず、
笑える部分も笑いづらくなってしまってるのは残念だ。

個人的な感想:PVが1番面白かった

アニメを見る前にそのアニメのPVを見る事が多いが、
この作品のPVをみたときは「面白そう」と素直に思えたのだが、
全話見終えたあとだと肩透かしを食らってしまった感じが強く、
いまいち主人公の烈子さんに共感しきれないことも多かった。

前時代的な設定やキャラクターたちも、
何年前の作品だと思うような要素でできており、
2018年のアニメというよりは1980年代のアニメを
見ているような感覚になってしまった。

シーズン2の制作も決まっているようだが、
この前時代的な日本の設定の作品を全世界で配信しているのは
なんとも言えない所だ。
世界の働く女性がこの作品を見てどれくらい笑えて共感できるか謎である。

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