「女子高生の無駄づかい」レビュー

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評価 ★★★★☆(71点) 全12話

あらすじ 個性豊かで魅力的な仲間たちが、女子高生というキラめきに溢れた青春を無駄に浪費していく抱腹絶倒のJK学園コメディ引用- Wikipedia

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無駄こそ青春の特権だ

原作は現在コミックNewtypeで連載中の漫画作品。
監督は高橋丈夫、制作はパッショーネ

OP


引用元:©ビーノ/KADOKAWA/女子高生の無駄づかい製作委員会

1話冒頭のシーンが描かれたあとにOPが流れる。
このOPがなんとも中毒性のある曲だ。
「アニソン」らしいアニソンというわけでもなく、J-POPとも言い難い。
この曲をどう表現して良いものか自らの語彙力が問われるほど表現に困る
ラップっぽさすらある曲のリズム感と謎の歌詞。

ここで歌詞を抜き出して紹介してみる

「月って兎いないんだね、
dassってドイツ語なんだね、
辛くてなきながら カレーが食べたくなるBGM」

どうだろうか意味がわかるだろうか(笑)
わけがわからない歌詞と表現したがたい曲調のOPは
深い意味がありそうでない、いやもしかしたらあるのかもしれない。
1度聞くと何度も繰り返しききたくなるような中毒性を秘めている。

感覚としては「ピカソ」の絵を見せられて、どう思いますか?
ときかれるような曲だ。自らの知識の無さと見ただけでは
素人目には分かりづらい意味を含めてそうな描写に言葉が詰まる。
何か言おうにも最適な言葉が見つからない、そんなOPだ。

かつて、私はレビューでここまでOPについて掘り下げたことがない。
それほどまでにこのOPは語れば語るほど面白い、
掘り下げれば掘り下げるほど何かが出てきそうな魅力を秘めている。

再会と濃いキャラたち


引用元:©ビーノ/KADOKAWA/女子高生の無駄づかい製作委員会

1話早々に色々とツッコミが追いつかない。
登校するシーンから始まり、そこで小学校の頃の同級生と高校で再会する3人、
だが一人は12枚切りのパンをいきなり食べだし、一人はジャムを差し出し、
一人はそんな二人に突っ込む。

この作品が「ギャグアニメ」であること、3人の立ち位置と役割が
しっかりと伝わる冒頭だ。
一人はとんでもないバカ、一人はツッコミ体質、一人は感情が死んでるクールと
非常にわかりやすい3人をメインに据えている。

そんな彼女たちの担任もまた強烈だ。
新入生である彼女たちを前にして自己紹介をする。

「私は女子大生派だ。」

女子高生相手にいきなりこんなセリフを吐く新任教師の唐突なセリフ、
それにドン引きするクラスメイトたちの空気感のシュールさはたまらず、
1分近く「女子高生との交際」について語る彼のキャラクターは濃い。

彼以外のキャラも濃い。濃いキャラしかこの作品には居ない。
厨二病、ロリ、真面目、百合と
わかりやすいが、そのわかりやすさを濃ゆくしたようなキャラクターたちは、
そのキャラクター設定そのものが「ギャグ」になっており、
それがそのままあだ名になってるからこそキャラの印象が付きやすい

下ネタを使わずに。


引用元:©ビーノ/KADOKAWA/女子高生の無駄づかい製作委員会

この作品を見て思い出すのは「女子高生 Girls-High」だ。
あの作品もまた女子高生のギャグアニメだった。
ただ、あの作品と違うのはこの作品が「シモネタ」に走っていないことだ。

下ネタというのはギャグで使いやすい。
下品ではあるものの、その下品さを笑いにすることができ、
ギャグアニメというジャンルでは使われることが多い要素の1つだ。
しかし、この作品は安易にそこに頼らない。

1話などメインキャラの3人のうちの一人のあだ名を決めるだけだ。
様々なあだ名を試し、数多の妄想を挟んだ上に最終的には「バカ」に落ち着く。
あくまでも日常描写の中でキャラクター同士の会話の中で
ギャグを生んでおり、どうでもいいような女子高生たちの会話が
妙に面白く感じられる

何気ないキャラクターの一言が、何気ないのに笑ってしまう。
絶妙なセンスを感じられる台詞回しだ。
ツッコミ役も先生や「おばあちゃん」がすることもあり、
大人として女子高生に冷静に突っ込む様が何故か面白い。
それゆえに予想できない展開にふいをつかれて笑ってしまう。

極端な暴力的なツッコミやリアクション、顔芸すらあまりない。
ギャグアニメ特有の「過剰さ」は薄めであり、わざとらしさがない。
ギャグアニメのこういう部分が嫌いという方には
この作品のほどよいテイストかもしれない。

キャラを大切に


引用元:©ビーノ/KADOKAWA/女子高生の無駄づかい製作委員会

ギャグアニメはキャラが使い捨てにされがちだ。
ネタ切れを起こすと新キャラを出し、その新キャラをいぢってネタにする。
このパターンが非常に多い。
だが、この作品はひとりひとりのキャラクターを無駄にしない。

序盤から結構な人数のキャラが出てくるが、
そのキャラクターをきちんと掘り下げ、掘り下げることで新しい1面を見せ、
その新しい1面でストーリーを作り、その中で笑いどころが生まれている。
当然、話が進んでくると新キャラは出てくるのだが、
その新キャラが戸惑うほどメインキャラ達が濃い(笑)

メインキャラが新キャラに振り回されるのではなく、
新キャラがメインキャラに振り回されている。
意外なキャラ同士の関係性の構築のおかげで
キャラクターが増えれば増えるほどこの作品の面白さは増して行く。

ストーリー


引用元:©ビーノ/KADOKAWA/女子高生の無駄づかい製作委員会

序盤はキャラ数の少なさからか、話の当たり外れが目立つ。
コレはギャグアニメという特性上仕方ない部分もあるものの、
キャラクターの使い方もやや序盤は微妙だ。
だが、中盤辺りから話のクォリティもキャラ使い方も絶妙になる。

コレはキャラ同士の仲が深まったというのもあるだろう。
最初は距離感の合ったキャラクター同士が話が積み重なることで近づき、
「友達」になり、互いの性格やどんな子なのかを理解したからこその
台詞回しはストレートな面白さにつながっていく。

一人ひとりのキャラは個性的で癖があるキャラばかりではあるものの、
そんなキャラ同士の仲の良い会話が面白い。
互いが互いの癖の強さを補い、ツッコミ、ボケる。

もちろん笑えるのだが、このキャラクター同士の関係性が妙に微笑ましく、
永遠とこの作品の雰囲気の浸っていたいような感覚になる。
序盤は狙ったようなギャグが多いが、中盤はキャラが深まったからこその
自然なギャグが増え、日常ストーリーも楽しめる。

この作品の方向性が中盤以降でしっかりと定まった感覚だ。

11話


引用元:©ビーノ/KADOKAWA/女子高生の無駄づかい製作委員会

ある意味で11話だけはこの作品において異質とも言えるかもしれない。
「女子大生が好き」と1話では堂々と宣言した先生と、
3人のメインキャラのうちの一人でありツッコミでもある「ヲタ」の話だ。

彼女はボカロPである「低所得P」が好きであり、ずっと憧れを抱いていた。
しかし、そんな「低所得P」の正体を11話で知ることになる。
精一杯のおしゃれをして、自分の気持ちを吐露する姿はとても
「ギャグアニメ」のツッコミ役とは思えないほど乙女だ。

だが、そんな「低所得P」の正体は彼女の身近な人物である先生だ。
最初は自分の正体を隠し、彼女と接していた先生だったが、
彼女の真っ直ぐな思いに、騙してる自分に負い目を感じ、
自らの正体を明かし、気持ちも伝える。

「低所得P」は決して再生数の多い人気のボカロPではない。
彼女のようなファンが居るからこそ、コメントしてくれるからこそ
創作活動を続けられる。そんな思いを彼女にぶつける。

最初は戸惑う彼女ではあったものの、彼女も彼に追いつくために
自らの夢を叶えるために頑張ることにする。
物凄くいい話だ(笑)

とてもじゃないが1話でこんなにいい話に発展するとは思えず、
この11話だけはこの作品の中では物凄く異質だ。だが笑える。
描いてるストーリーは物凄くいい話なのに、
そこに「汗かきのデブ」が絡むだけできちんと
ギャグアニメとしての体裁を整えており、笑えるのにほっこりできてしまう。

バカ


引用元:©ビーノ/KADOKAWA/女子高生の無駄づかい製作委員会

「バカ」はメインキャラの3人のうちの一人だ。
彼女は心底バカであり、当然、テストの点数も低い。
調子がいいときでも20点しか取れないレベルだ。
それゆえに「留年」の危険性が最終話で出てくる。

そんな彼女に良い点を取らせるためにみんなが助けを出す。
勉強を教えるものもいれば、差し入れをくれるものも居る、
みんな彼女と一緒に進級したいからこその行動だ。
だが、バカはバカだ。うんこと一緒に勉強の記憶まで流してしまう。

現実逃避し勉強からも逃げ出す。本来ならもう「見放す」事もできるはずだ。
彼女を引き戻しに行く最中にヲタがこんなセリフを言い放ってくれる

「アイツとつるんでるのはもしかしたら自分より下がいるっていう
安心感を得たいからなんじゃないかって」

馬鹿と一緒にいることで自分が彼女より上だという安心感を得られる。
そういう人間関係はたしかに現実でも存在する。
だが、彼女たちは違う。

「けどそうじゃなかったみたい」

これぞ友情だ。決してマウントではなく、彼女のことが好きだから、
彼女と一緒に居たいから一緒に居た。
彼女たちの関係性の描写が本当に深く、見てる側もそんな彼女たちの関係に
深くうなずいてしまう。

最後の彼女たちの笑顔に不覚にも感動になりそうになりつつも、
この作品は笑いも忘れない(笑)
下手したら泣かせることもできるようなシーンで「豚の声」を
入れることで泣かせない、話としては泣かせる話なのに
豚の声のせいで台無しにすることで笑いに変えている。

最初から最後まで「笑い」を忘れない素晴らしい作品だった。

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総評:まるでスルメのように


引用元:©ビーノ/KADOKAWA/女子高生の無駄づかい製作委員会

全体的に見て話が進めば進むほど深みが増していく作品だった。
序盤こそ分かりやすいキャラ付けのされたキャラたちによるギャグアニメだったが、
そんなギャグアニメを繰り広げる中でも、徐々にキャラクターの関係性が
構築されていき、キャラが増えることでよりキャラクター描写に深みが生まれ、
終盤には「ほっこり」させられたり、不覚にも感動させられそうになる。

だが、そんなほっこりさせられたり、
感動させられそうなシーンでもこの作品は笑いを忘れない。
真面目に描いてもいいシーンでもギャグ要素を入れることで
見る側の感情を混乱させ、その混乱が笑いにつながっている。

ある意味で作品としてブレまくってるとも言えなくもない。
1話見たあとの印象と、最終話を見たあとの印象がまるで違う。
だが、それがいい。まるで噛めば噛むほど味の出るようなスルメのように
話が進めば進むほど作品としての深みがましてく。

1話の分かりやすい笑いのある作品であり、
最終話には分かりやすい笑いの要素はありつつも、
キャラ描写が深まったからこそのストーリー展開を見せてくれる。
一人ひとりのキャラクターが愛すべきキャラクターであり、
そんなキャラクターたちの日常とストーリーが面白い。

最終話を終わったあとにも、もっと見たいと感じさせる作品だ。
もし今から見る人がいるならば、1話切りや3話切りをせず、
中盤までこの作品のキャラクターたちに付き合ってみてほしい。

きっと、この作品のキャラクターにハマるはずだ。

個人的な感想:意外だった


引用元:©ビーノ/KADOKAWA/女子高生の無駄づかい製作委員会

1話からクスクスと笑える作品だったが、中盤辺りから
この作品の面白さがよりましていく感じだった。
普通なら使い捨てにされがちなギャグアニメのキャラたちを大切に扱い、
きちんとそこに友情関係がある作品だ。

1話の段階では終盤のようなほっこりできるようなエピソードや
感動させられそうな話になるような作品になるとは夢にも思わなかったがゆえに、
この振れ幅が1クールの中で良いスパイスになっていた

個人的にはリリィとマジメの絶妙な距離感と関係性がたまらなかった(笑)
ぜひ2期が来てほしい作品ではあるものの、
ギャグアニメの2期はなかなか厳しいだけに、せめて原作を買って
この続きを楽しみたいところだ。

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