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「あそびあそばせ」レビュー

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評価 ★★★☆☆(54点) 全12話

あらすじ 姉のせいで遊びが好きではない香純。そんなある日、教室で「あっちむいてホイ」をしている華子と転入生のオリヴィアの声が気になって…引用- Wikipedia

可愛い女の子かと思った?残念!顔芸女子達でした

原作はヤングアニマルで連載中の漫画作品。
監督は岸誠二、制作はLerche.

優秀すぎるキャラデザ


引用元:©涼川りん・白泉社/「あそびあそばせ」製作委員会

1話冒頭、この作品はAパートではなく「OP」が描写される。
通常、1クールアニメの場合は1話Aパートは非常に重要であり、
物語の導入部分を描いてからOPにつないだり、
1話の最後でOPを流す場合も多い。
しかし、この作品は「あえて」OPを1話冒頭から流す。

優秀すぎるキャラクターデザインは3人のメインキャラクターが
それぞれ違った属性を持つ「美少女」であることを感じさせ、
まるで百合な世界観の3人のおしとやかな日常や、
少し不思議な話が描かれてもおかしくないような、
色々な期待感を強く感じさせる雰囲気を醸し出している。

このOPの雰囲気だけでこの作品の世界観に飲み込まれ、
一体、この作品はどんな話が描かれて彼女たちがどんなふうに描かれるのか、
しっとりとしたOP曲の出来栄えも素晴らしく、
白いワンピースを着た3人の美少女たちの魅力に取りつかれる。

裏切ったなァァァあああああ!


引用元:©涼川りん・白泉社/「あそびあそばせ」製作委員会

優秀すぎるキャラデザ、百合な世界観をOPでしっかり感じさせておいて、
1話で描かれるのは「あっちむいてホイ」である。
超絶ハイテンションであっち向いてホイを楽しむ二人の少女と、
それを冷たい目で見つめる少女。
「あれ?OPで描かれた3人は何処行った?」と思うほどに
雰囲気ぶち壊しである(笑)

下ネタもガンガンだ。
おっぱいの描写はもちろん、おもらしネタなど
OPで感じた「清楚」なんて開始10分足らずで消えさる。
むしろ下品の極みである。

1話の冒頭で「あえて」OPを先に流したのは、
このキャラデザと内容のあまりにもかけ離れたギャップを
より深めるためであり、制作側の「仕掛け」に見事にハマってしまう。

優秀なキャラデザによる3人のキャラクターによる
強烈なギャグアニメ、このギャップがこの作品の魅力だ。

人は外見が9割だが、外見が中身どおりとは言えない


引用元:©涼川りん・白泉社/「あそびあそばせ」製作委員会

3人のキャラクターはそれぞれ特徴がある。
一人は普通の女の子、一人は金髪な外国人美少女、一人は優等生な眼鏡娘。
外見だけ見れば百合な日常話が描かれてもおかしくない3人だが、
中身は驚くほどに違う。

金髪な外国人美少女は実は「日本育ち日本生まれ」であり英語は話せない。
優等生な眼鏡娘は英語が超絶苦手で暴力的、
普通の女の子は顔芸の極地に至っている(笑)

話が進めば進むほどキャラは崩壊していく。
リア充になりたい、ワキガ、サイコパス、潔癖症と
難ありな彼女たちの設定の数々が出てくるたびに彼女たちに
不思議な愛着を持ってしまう。

難ありな設定はあるものの、基本的に彼女たちはいい娘である。
だからこそ、変な嫌悪感や嫌いになる部分がなく、
3人それぞれ外見的には良くても中身の欠点のせいで、
不思議なギャップ萌えのような愛着が湧く。

3人の距離感も絶妙であり「女子特有」の距離感でくっつく様や、
女子特有の牽制で距離感をとったりするさまも面白く、
「女子校」という舞台にふさわしい女子キャラクターの
生々しい女子な部分の描写の数々がいい塩梅でギャグになっている。

本気で遊べばギャグになる


引用元:©涼川りん・白泉社/「あそびあそばせ」製作委員会

彼女たちは作品のタイトル通り、色々な「あそび」をする。
あっちむいてホイ、指相撲、手押し相撲など
「小学生レベル」の遊びを彼女たちは全力でやる。

そう、全力だ。
いざ遊びが始まれば「骨の軋む音」が鳴り響いたり、
あっち向いてホイでは鼻に指を突っ込んだり、
小学生ではない彼女たちの本気すぎる遊びの数々は
素晴らしいギャグシーンになっている。

全力すぎる彼女たちの遊びは全力になる理由がきちんとあり、
だからこそ「ガチ」な勝負が面白い。
「ワキガ女子」の脇のニオイをかぎたくないという理由だけで
高度な心理戦が繰り広げられたり、部室を求めて靴飛ばしで勝負したりと
馬鹿馬鹿しいが、そのバカバカしさが面白く、
本気で遊ぶ彼女たちに素直に笑うことができる。

ネタ切れという名のサブキャラたち


引用元:©涼川りん・白泉社/「あそびあそばせ」製作委員会

ギャグアニメにおけるサブキャラは基本的に使い捨てだ。
この作品もその傾向はあり、1話限りでかなり強烈なキャラが出る。
コギャル、将棋部部長、金髪美少女の兄、オカルト研究部など、
癖もアクも強いサブキャラは出落ち感が強いものの、
ギャグアニメにおけるマンネリを防ぐためにいい刺激になっている。

ただ、その反面で「ハズレ」に感じるキャラや話もあり、
面白い話が多いだけに「ハズレ」が非常に目立つ。
何がアタリで何がハズレかは個人の好みによる所はあるものの、
中盤以降は当たり外れがあるのはやや残念な所だ。

「不快に感じる」までの下品なネタは少ないものの、
それこそワキガネタも面白いのだが、
当事者の方にとっては嫌なネタかも知れない。
可愛らしいキャラによる下品ネタはこの作品のギャップギャグにおける
醍醐味でははあるものの、下品ネタは人によっては受け入れられないだろう。

ワキガネタや体位、胸の話、男性器の話など
かなり「攻めている」ネタも多く、
その攻めているネタをどの程度、見てる側が好意的に受け止められるかも
好みの分かれるポイントだろう。

顔芸頼り


引用元:©涼川りん・白泉社/「あそびあそばせ」製作委員会

中盤以降は顔芸が目立つ。
可愛いキャラデザからホラーな表情や素っ頓狂な顔になるのは面白いのだが、
ある程度「パターン化」してしまっている部分もあり、
メインキャラのお約束として定着して入るものの、
ややマンネリ感を感じる顔芸も多い。

面白いのだが「パンチ不足」を終盤では感じやすく、
顔芸で強引に笑いにつなげているパターンも目立ってしまっており、
キャラクターにある程度、愛着があるからこそ笑えるものの、
もう少し、序盤から中盤のような攻めたネタが終盤にも欲しかった所だ。

総評:可愛らしいキャラによる下品ネタは面白い


引用元:©涼川りん・白泉社/「あそびあそばせ」製作委員会

全体的に見てやや好みの分かれやすい作品だ。
序盤こそキャラの外見と描かれる内容のギャップによるインパクトと、
描かれる下品なネタやキャラの過激な言動や行動の数々で爆笑できるものの、
中盤以降はややインパクト不足になっている部分もあり、
面白いのだがやや息切れしてしまった感じが否めない作品だ。

ネタに関しても下ネタが割と多く、ややワンパターンな顔芸や、
セクシーな描写も多いだけに好みの分かれる部分も大きい。
1話でツボにハマれば最終話まで見れるが、
1話で琴線に触れる物ながければ2話以降も印象はあまり変わらないだろう

ハイテンションなキャラによる30分のギャグは疲労感も生まれやすく、
1話30分よりも1話15分位の尺で見たかったと感じてしまう作品だ。
本筋であるはずの「遊び」も中盤以降、減ってしまうのも残念であり、
キャラの個性が強いからこそ遊びがなくても成立するものの、
もっと彼女たちの本気の「遊び」が見たかったと感じてしまう作品だった。

個人的な感想:OPを鬼リピートしたい


引用元:©涼川りん・白泉社/「あそびあそばせ」製作委員会

本編ももちろん面白かったのだが、
私にしては珍しく毎話のOPを飛ばさずに見てしまった。
あの雰囲気や歌詞、メインキャラを演じる3人の歌声が妙に耳心地がよく、
しばらくずっと鬼リピして聞いてしまいそうな曲だった。

ただ内容に関しては私個人としては終盤のハズレな話の
多さが気になってしまい、ワキガネタなどもややしつこい。
面白いのだが色々な意味で「濃ゆい」作品であるがゆえに
1クールを一気に見ると疲れてしまう作品だった。

なお超個人的に3人の中なら「野村 香純」派である。
断じておっぱいではない、私はボブで眼鏡な女子が好きなだけである(笑)

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  1. 牛鬼 より:

    全9話ではなく全12話では?

    セリフを先に収録してから作ってるみたいなんで(おまけの人形劇は尺埋め)、若手ながら健闘してる主演の三人や脇を固める熟練声優の演技で面白さが引き出ていたと思います

    ただ、原作が一話完結である事の難しさからか、最終回の最後の話が「えっ?これでおしまい?」な拍子抜け具合だったようにストーリーのチョイスで面白味にばらつきがあったのはご指摘の通りですね
    あと人形劇は何気に良かったので毎回入れて欲しかったです