コメディ

「となりの関くん」レビュー

3.0
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評価 ★★★☆☆(50点) 全12話

2014年1月放送アニメ「となりの関くん」PV

あらすじ 最後列の窓際の座席に座る関くんは、教師から見えにくい位置であるのをいいことに、授業中に一人遊びに興じている。引用- Wikipedia

彼の一人遊びはもはや芸術だ

原作は漫画作品。
「全国書店員が選んだおすすめコミック2012」4位に選ばれている作品だ
アニメ自体は1話7分ほどの短編作品。いわゆる10分枠のアニメだ
またアニメーション制作はクレヨンしんちゃんでお馴染みの「シンエイ動画」が行っており、
監督はムトウユージなど有名所だ
基本的なストーリーは日常コメディ。
横井るみの隣の席の男の子「関くん」は授業中に一人遊びをしている。
そんな一人遊びに横井るみは徐々に魅了されていく・・・
というところからストーリーが始まる。

見だして感じるのは「横井るみ」の驚きや突っ込みが視聴者とシンクロする点だろう。
関くんがおもむろに「消しゴム」を大量に出したかと思えばドミノをしだしたり、
それを注意したら静かにしろと言われる始末(笑)
関くんの真剣過ぎる一人遊びに対する反応が見事に横井るみとシンクロする、
だからこそ、作品の世界観と登場人物に不思議な共感を覚えることが出来る。

そんな共感を覚える中で関くんが予想外の「一人遊び」をしまくる。
前述した消しゴムドミノも最初はただ「並べる」だけなのだが、
一人遊びは加速し「ラストに花火」の仕掛けまで用意する壮大なドミノが仕上がったりする
彼の一人遊びの「オチ」がどうなるのか、横井るみと同じ視点で思わずかぶりついてみてしまう。 
あまりにも予想外すぎる一人遊びの数々は強烈な印象を残すものばかりだ。
なにせ彼は一人遊びのために机に改造を施していたりするので予想できない(笑)

しかしながら序盤を過ぎるとだんだんと「演出の弱さ」が際立ってくる。
それこそ関くんの一人遊びはいわゆる「妄想の世界」や「真剣さ」が下地にあるものが多い
ただの消しゴミドミノも彼にとっては何百メートルものドミノだし、
ただの将棋も彼にとっては大河ドラマのような壮大な歴史ロマンスだ。
しかし、その彼の妄想の壮大さや一人遊びに対する真剣さがアニメーションで伝わってこない。
それこそシュール過ぎる演出や大げさと思うほどの過剰な演出がこのアニメには必要なのだが
短編アニメということもあり、どこか演出が控えめだ。

そのせいでネタ自体は面白い、面白いのだがもう1歩数足りない感じが出てしまう。
クスクスっとは笑える、あと一歩で爆笑できるのにその一歩がない。
見ている最中に物足りなさを感じてしまう。
ネタの面白さをアニメーションによる演出で後押しするのではなく、
ヒロインの突っ込みや反応で演出の弱さやネタの面白さをを補おうとして
逆にこの作品の雰囲気を壊しているようにも感じる

本来もっとヒロインは心のなかで静かに突っ込むべきだろう
オチ間際に関くんの一人遊びが加速しすぎて思わず過剰な反応をするのは納得できるが、
序盤から過剰な突っ込みを持続して最後まで過剰に反応してしまうため
1話1話の中で話の抑揚が生まれておらず、見ている側が若干疲れてしまう。
心のなかで静かに徐々に突っ込みつつ、最後に最大のツッコミを入れるような展開であれば
1話1話が気持ちよく見れたかもしれないが、
演出の弱さを補うためにこの作品の世界観の「シュールさ」が薄れてしまっているようだ。

ただ当たりの話の時はきちんと、そのシュールさも出ている。
ヒロインの適度な突っ込みとネタの面白さが相まるとこの作品の面白さは加速する。
7話の手紙回しなどネタの懐かしさと「関くん」の予想外なネタの方向変換が
この作品の世界観らしい面白さを描写しており、
手紙回しというネタが過剰な演出の不必要さも相まって純粋に面白い。

全体的に見て話によって当たり外れが大きい作品だ。
各話のネタ自体は授業中に行う一人遊びというテーマにそっており、
予想外のものからバカバカシイ物まで新鮮なネタの数々は面白い
しかし、そのネタを補佐するべき「演出」が話によって当たり外れが大きく
ハズレの場合は声優さんによる過剰な突っ込みが目立ってしまっていた。
そのせいで肝心なネタを純粋に楽しみづらい。

本来この作品は「サイレンス」でも楽しめる作品だ。
キャラクターの表情と絵だけで状況が理解できる内容になっており、
そこに声優さんの演技やアニメーションとしての演出をどう動かすのかが
このアニメとしての見所なのだが、その見所が話によってかけている場合が多い。
もっと面白くなりそうな話も多いのに、もう一歩足りないもどかしさを感じてしまう。

それこそ京都アニメーションの「日常」やシャフトの「絶望先生」のような
演出に寄る力強さがこのアニメにはもっと必要だった。
そのせいで「無難なアニメ化」という印象がついてしまい、
よくも悪くも普通の作品に仕上がってしまっていた。
1度見る分には「ネタ」が予想外で新鮮で楽しめるのだが
もう1度見ると面白みにかけてしまうような感じだ

短編アニメなのでクォリティを求めるのは酷かもしれないが、
2期があるならばもう少しはっちゃけた演出を盛り込んでもらいたい。
個人的には原作が気になるので今から読んでみたいと思います

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出演声優 下野紘, 花澤香菜, 佐藤聡美

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