「ヒナまつり」レビュー

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コメディ
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評価 ★★★★☆(60点) 全12話

あらすじ ヤクザ×サイキック少女のアーバンライフ・コメディー!芦川組を支える若きインテリヤクザ、新田義史は大好きな壺に囲まれ、悠々自適な独身生活を送っていた。引用- Wikipedia

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ハートフルサイコキネシスヤクザコメディ

原作は漫画な本作品、2020年現在完結済み。
監督は及川啓、製作はfeel.


画像引用元:ヒマまつり 1話より
©2018 大武政夫・KADOKAWA刊/ヒナまつり製作委員

1話冒頭、なぜかカンフー映画のようなものが始まる。
状況が一切読めない中で、時系列は3年前に移り
日本の金持ち「ヤクザ」のもとに突如として超能力者の少女が現れる。

とても不思議な関係性だ。ゴリゴリのヤクザと、超能力者の少女。
二人は特に血縁関係でも何らかのつながりがあるわけではない。
たまたま超能力者の少女が逃げた先がヤクザの家だっただけだ。
ヤクザは超能力を恐れ、少女は居場所がほしいだけ。

利害が一致している関係ではない。
だが超能力少女「ヒナ」が少女であるがゆえに、ヤクザである「新田」も
超能力で脅されながらも何処か放っておけず不思議な日々が始まる。
彼女が逃げてきた理由や経緯、そういったものは明かされない。

本来はシリアスな状況や緊迫感のある状況のはずなのだが、
「ゆるーくふわーっと」した雰囲気だ。
この作品はギャグではあるものの、ギャグアニメ特有の推しの強さはない。
会話の中でのキャラクターの性格を生かしたギャグだ。

常識を知らないヒナだからこその非常識さがボケにもなっており、
それを常識人という名のヤクザの新田や、彼女のクラスメイトたちが突っ込む事で
非常にゆるーいボケとツッコミが成立しており、
爆笑できるのではなくクスクスと笑えるような感じだ。

「道具」として育てられたからこそ感情を表に出さず、
そんな彼女がヤクザのもととはいえ平和な日常を送る様には
どこか微笑ましさのようなものすら感じる。

大人に都合よく使われていた少女、そんな少女の力を知りつつも
「新田」は自分の力で道を切り開こうとする。
そんな彼だからこそ「ヒナ」も信頼し、自分の意思で力を使う。
義理と道理と人情、そんな関係性に微笑ましくニヤニヤしてしまう。

交友関係


画像引用元:ヒマまつり 2話より
©2018 大武政夫・KADOKAWA刊/ヒナまつり製作委員

2話以降からはキャラクターも増えていき、ヒナの交友関係が広がっていく。
クラスメイト、バーのお姉さん、酔っぱらいのサラリーマンetc…
ギャグアニメだからこそのキャラの多さではあるものの、
決してキャラクターを使い捨てにはしていない。
ヒナが新田に出会い、新田に出会ったからこその「繋がり」だ。

ヒナが居た組織からの追手である「アンズ」も同じだ。
常識を知らず、ヒナに頼るわけにもいかず、組織にも戻れない彼女は
「ホームレス」としての日々を送っている。
出会ったホームレスたちとのつながりは常識も知らない彼女にとっての
新しいつながりだ。社会のルールを学び、彼女もまた成長していく。

この作品はギャグアニメではある、だが、ギャグアニメではあるものの
同時に「人情噺」を描いている。だからこそ、人と人のつながりを大切にし、
一人一人のキャラクターをきちんと描き掘り下げ、関係性を深めていき、
そこから一人一人が成長し変化していく。

社会のルールも常識も知らなかった少女達が
大人と関わることで常識と社会を学び、成長していく。
お金というものすら知らなかった少女がお金の大切さを学ぶ。
笑いながらもどこか泣かされる、これぞ人情噺だと言わんばかりの物語だ。
話の起承転結もしっかりしており、どこか「落語」のような雰囲気すら感じる

ただ大人に甘えるだけではない。
彼女たちは自ら考え成長し、「働く」ということも学ぶ。
社会を知らなかった少女たちが社会を知り、社会に馴染んでいく。

家族に


画像引用元:ヒマまつり 6話より
©2018 大武政夫・KADOKAWA刊/ヒナまつり製作委員

突然現れた少女と、突然暮らし始めただけだ。
しかし、一緒に暮らしていく中で二人の絆は徐々に強くなる。
だからこそ新田は、彼は「ヒナ」を自分の娘として家族として受け入れる。

ヒナを追いかけてきた少女も同じだ。
彼女はたまたまホームレスたちと出会い、社会を教わり仲良くなった。
ホームレスでも彼らは大人だ。大人だからこそ子供を大切に思い、
子供ために行動をする。ただのホームレスの一人に過ぎない。
そんな彼らの人生を思い返させるような言葉と行動は涙腺を刺激される。

血の繋がりのない子供と大人。そんな関係性なのに、
話が進むほど絆が深まり、家族になっていくストーリーは
ギャグアニメとは思えないほどハートフルなストーリーだ。

道具として使われていた少女はもう居ない。
二人のまっすぐな少女が、優しい人達と出会い、社会に馴染み、
絆がう生まれたからこそ涙を流し、笑顔を浮かべ、
家族を作っていくストーリーは本当に心があたたまる。

家族になったからこそ甘えも生まれる。
そんな子どもたちの甘えやわがままを大人たちが全力で
叶えようとするさまは微笑ましく、同時にギャグにもなっている。

オチ


画像引用元:ヒマまつり 8話より
©2018 大武政夫・KADOKAWA刊/ヒナまつり製作委員

中盤以降、シリアスになりそうな話もある。だがシリアスにならない(笑)
ヒナが居た組織の人間がヒナを連れ戻そうとやってきたり、
新田の組の跡継ぎ問題などが発生するものの、
一瞬はシリアスな雰囲気が流れるものの、
そこから爆笑できるオチにつなげることが多く、この作品らしい空気感が崩れない。

最初はあまり表情のなかったヒナが話が進んでいくと
徐々にではあるが表情が生まれてくる。その表情の細かい描写が本当にたまらず、
キャラクターのちょっとした表情の描写で言葉以上の感情を
見てる側に感じさせることで、それが時に涙を誘い、ときに笑いも誘う。

制作側がこの作品を面白くしようとしているからこその作画のこだわりだ。


画像引用元:ヒマまつり 10話より
©2018 大武政夫・KADOKAWA刊/ヒナまつり製作委員

この作品において彼女は異質といってもいい。
ヒナの同級生でしかなかった彼女がヒナという少女と出会ってしまったがために
バーテンダーになり、家を出て一人暮らしをし、ありとあらゆるバイトを掛け持ちし
中学校にも通っている(笑)

超能力があるわけでもない、真面目な彼女ではあるものの
真面目であるがゆうえに断るということが出来ず、
自分の意志とは裏腹に社会に出ていく姿は悲哀に満ちている。

他の二人の少女が幸せになっていくのに対し、むしろ彼女は
不幸になってるのでは?と思うような描写は
人によっては色々と引っかかる部分があるかもしれない。
そもそも中学生がバーでバイトしてるのも色々とアウトだ(苦笑)

最終回


画像引用元:ヒマまつり 12話より
©2018 大武政夫・KADOKAWA刊/ヒナまつり製作委員

最終回に前半は最終回らしい内容だ。しかし後半からはカオスだ(笑)
1話の冒頭のあの意味のわからないカンフー映画に話がつながる。
ある意味での伏線回収だ。

しかし最終話のBパートに主人公が一切でない上に
いきなり時系列が3年飛ぶというぶっ飛んだ展開は強烈に印象が残り、
まるで俺たちの戦いはこれからだのような感じで終わってしまう。

もっと彼女たちの日常が見たかったとしみじみと感じる余韻すらも
ぶち壊す、この作品らしいラストと言えるかもしれない。

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総評:家族になろうよ


画像引用元:ヒマまつり 11話より
©2018 大武政夫・KADOKAWA刊/ヒナまつり製作委員

全体的に見て非常に完成度の高い作品だ。
ヤクザな大人と超能力者の少女、義理と人情と愛、そしてそこに笑い。
この作品の魅力を1話からしっかりと感じることができ、
そこからぶれることなく一人一人のキャラクターを掘り下げ関係性を築き、
1話1話しっかりと起承転結のスッキリとしたストーリーが展開されてる。

あざとくない感動話、押し付けがましくないギャグ。
設定はかなり色々と強引な部分はあるものの、そんな設定とは裏腹に
ストーリーとギャグとキャラクターをしっかりと丁寧に見せており、
キャラクター一人一人がしっかりと印象づき感情移入するうからこそ、
人情噺もギャグもしっかりと楽しめる。

組織に使われるだけの少女が、良いオトナと出会い社会を知り家族になっていく。
そんな芯となる部分をしっかりと見せつつ、
ギャグは好みが分かれる部分があり高い評価はしにくいものの、
ギャグだけではなくきちんとドラマもみせている作品だ。

個人的な感想:先が気になる


画像引用元:ヒマまつり 6話より
©2018 大武政夫・KADOKAWA刊/ヒナまつり製作委員

時系列が3年進んだことでヒナたちも成長していそうだが、
アニメではその姿を見ることが出来ず、
ヒナたちがもともと居た組織もどうなってるのかなど気になる部分は多い。

1クールで十二分に楽しめたが、
どうせならがっつりと2クールで見たかったと感じる作品だった。
原作が既に完結しており、2期の情報は今のところないのが残念だが
やりようによっては実写化などもできそうなだけに
実写映画化+2期などの展開を期待したい所だ。

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