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「アフリカのサラリーマン」レビュー

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評価 ★★☆☆☆(27点) 全12話

あらすじ サバンナも食物連鎖もカンケーない。日本的社会を生きるアフリカのサラリーマンの汗と涙の社蓄コメディ引用- Wikipedia

家畜じゃないよ、社畜だよ

原作はジーンピクシブで連載中の漫画作品。
監督は畳谷哲也、製作はHOTZIPANG

アニマルプラネット


画像引用元:アフリカのサラリーマン 1話より
©Project AFRICAN OFFICE WORKER 2019

1話はまるでアニマルプラネットのようにアフリカの風景を写し、
動物をうつし「大塚明夫氏」によるナレーションで始まる。

「アフリカの朝はやい、動物たちは日の出とともに起きてくる」

NHKの番組でも間違えて見始めたか?と思わせるようなナレーションから、
擬人化したライオンが目覚めるシーンからこの作品は始まる。
飲みすぎて気だるそうなライオン、
家族と朝食を取りながら朝のニュースを見てスーツに着替える。

アフリカの企業では働く擬人化した彼らのサラリーマンな日常を
描いてるのがこの作品だ。

時代錯誤


画像引用元:アフリカのサラリーマン 1話より
©Project AFRICAN OFFICE WORKER 2019

ただ、1話からはかなり時代錯誤の内容であることを感じさせる。
なにせ1話のタイトルが「アフリカの痴漢」だ。
ライオンの同僚であるオオハシが満員電車の中で痴漢の冤罪を着せられる。
この時点で「痴漢冤罪ネタ」という一部の界隈では炎上間違い無しのネタだ。

痴漢の冤罪をふっかけてきたJKは「ゴリラ」であり、
そんな「ゴリラ」に対して「オオハシ」はブスに痴漢をするわけがないと言い放ち、
彼は「素人JK」には興味がなく「プロのババア」にしか
反応しないと同僚がかばう。

色々と炎上しそうなネタがめちゃめちゃに転がってる。
コレで面白ければ良いのだが、ただ下品なだけの内容になっており、
オチもオオハシが同僚の「尻尾」を引きちぎってトカゲの尻尾切りで逃げる。

この作品はかなり大人向けな内容であることを感じさせる。
過剰なまでの「血液」の表現や「下ネタ」もかなりあり、
そういった「下品さ」をギャグに仕立てているのは分かるものの、
ただ下品なだけになってしまっている。

「下品」というのはギャグにしやすい。
子供でさえ裸になって股間を振り回して「ヘリコプター」といえばギャグにできる。
しかし、それで笑えるかどうかは別だ。
下ネタは人によって好みがすごく大きく別れる要素であり、
その度合によって、より好みが分かれる。

この作品は極端にエロいネタをつかっているというわけではなく、
どちらかというとシンプルに「下品」なネタを使っている。
1話だけでも血液、ゲロなども盛大に吹き出す感じだ。

1話の最初で描かれるエピソードのオチと
その次に描かれるエピソードのオチ、更にCパートでもオチが同じなのも
気になるところであり、1話の時点でネタ切れしてるのか?と思ってしまう。

痴漢冤罪ネタなど、いわゆる「ブラックジョーク」であり、
本来であればもっと掘り下げて、もっと極端に表現すればブラックさは際立たつが
この作品の場合はサラッとしか触れておらず、
あくまで、そのシチュエーションをネタにしているに過ぎない。

ブラックジョークもやりきればブラックジョークとして成立するが、
やりきれていない感じが強い。
1話でこの作品に対しての感想が人によって
はっきりと分かれることを感じさせる。

豪華声優陣


画像引用元:アフリカのサラリーマン 4話より
©Project AFRICAN OFFICE WORKER 2019

この作品の声優陣は異常なまでに豪華だ。
大塚明夫、津田健次郎、下野紘、石田彰、喜多村英梨、小倉唯、
神谷浩史、鈴木達央、福山潤、杉田智和、 豊永利行、速水奨、大塚芳忠etc…
驚くほどまでの超豪華声優陣ぷりだ。

ただ、この豪華声優陣に甘えてる部分は大きい。
1話限りしかでないキャラクターも多く、そんな1話しか出ないキャラを
豪華声優陣に演じさせることでキャラ付けしている感じも強く、
キャラクターと言うよりは「中の人」ありきな感じになってしまっている。

中盤以降になると「中の人」のネタを使うこともあり、
余計に声優に依存しているアニメになってしまっている感じが否めない。

社畜


画像引用元:アフリカのサラリーマン 8話より
©Project AFRICAN OFFICE WORKER 2019

彼らはアフリカのサラリーマンであると同時に社畜だ。
そんな社畜の彼らの日常が1クールで描かれる。
1話では下品ではあるもののブラックジョークをやるのがこの作品かと思いきや、
そんな下品な1話とは打って変わって2話はUMA探しであり、
作品の方向性が読めず、いまいちこの作品で何がしたいのかよくわからない。

1話は下品なネタで推していたはずなのに2話以降は妙にシュールなネタになる。
メインキャラの「オオハシ」のクズっぷりが中心に描かれるエピソードも多く、
それが面白いときもあるのだが、ときに下衆すぎて面白くないときもある。
彼に頼りすぎている部分が非常に多く、早い段階でのネタ切れを感じてしまう。
ネタ切れすると新キャラを出すのはギャグアニメの鉄板だ。

1話限りのキャラは多いものの、そのキャラクターたちの
アクの強さと演じている声優さんたちの演技力や声優さんそのものの魅力で、
話を盛り上げている感じも否めず、話の当たり外れも激しい。

1話のような賛否両論を巻き起こしそうなブラックユーモアさも影を潜めてしまい、
逆に言えばなぜ1話にあんなに人によって好みが分かれる要素が多い話を
もってきたのだろうか?とちょっと疑問に感じる部分だ。
普通に2話のエピソードから始めればもう少し多くの人がこの作品を見ただろう。

毒気


画像引用元:アフリカのサラリーマン 1話より
©Project AFRICAN OFFICE WORKER 2019

ただ中盤をすぎるとこの作品はいい意味で毒気が抜けてくる。
血液表現などはあるものの、1話ほどの下品さを感じるエピソードが減る。
そのため、この作品の「キャラクター」の魅力がその分垣間見えてくる。

ライオンは見た目は怖いものの、注射に怯えたり娘思いで可愛らしく
トカゲは見た目はトカゲではあるものの声のおかげでイケメンに見えてくる、
オオハシは下衆すぎるエピソードや行動は多いものの、
彼が場を賑やかすことも多い。

そんな彼らが努めてる会社の社長は「カメ」であり、
頻繁に部署に訪れては「社畜の皆さん」見下してくる(笑)

クセの強いキャラは多いものの、そんなクセの強キャラに慣れてくることで
「アフリカのサラリーマン」な彼らの日常に中盤以降は
クスッとさせられることが多くなる。

1話のような毒気の強さはなくなるものの、
その分、この作品のしっかりとした面白さもでてくるだけに、
見ているうちに徐々に面白さを感じられるようになる作品だった。

総評:慣れるまで…


画像引用元:アフリカのサラリーマン 2話より
©Project AFRICAN OFFICE WORKER 2019

全体的に見て色々と惜しい作品だ。
1話は非常に毒気が強く、人によっては受け入れづらい要素をギャグにしており、
血液表現やゲロなど好みの分かれやすい下品さのあるネタが序盤は多い。
「声優ありき」なネタも多く、「オオハシ」を中心にして似たような
パターンで話が作られていることが多い。

ただ、中盤をすぎるとこの作品の「毒気」がいい感じに抜けてくることで、
この作品のキャラクターたちが本来持つ魅力が出てくる。
擬人化した動物の彼らが鳥なのに鶏肉を食べたり、豚が豚を飼ってたりという
シュールとも言える世界観とサラリーマンな彼らの日常の悲哀が
終盤にじみ出てくることで、この作品の面白さが顔を出してきた感じだ。

しかしながら擬人化にしろサラリーマンにしろブラックユーモアにせよ、
中途半端にしか使いこなせていない感じが強く、
その中途半端さが序盤はかなり目立ってしまっている。

良くも悪くもギャグアニメであるがゆえに好みははっきりと別れやすい。
だが、そんな好みの分かれやすいギャグと言う要素でも更に好みの分かれやすい
下品なギャグが序盤に多く、しかも1話は「痴漢冤罪」などのシチュエーションと
色々と下手したら炎上の種になりそうな要素の多い話をなぜ
1話に持ってきたのかと言うのは謎だ。

この1話がなく2話からスタートしていれば印象が違ったと感じる部分も大きく、
制作側も中盤以降は余裕が出てきて遊んでる部分も多く垣間見えてきたため、
最初から中盤くらいのしっかりした内容があれば、
作品全体の印象は違ったかもしれないだけに残念だ。

個人的な感想:CGなの?


画像引用元:アフリカのサラリーマン 1話より
©Project AFRICAN OFFICE WORKER 2019

作画に関しても色々と謎だ。たまにフルCGでキャラがぬるぬると
描かれてるときもあるのだが、常にフルCGなわけでもない。
アイキャッチ部分でのシーンや、よくわからないシーンでフルCGになるのは
謎であり、フルCGでやるならやるで全部フルCGにすればいいのにという
中途半端な感じも見受けられた。

大塚明夫さんの歌うエンディング曲は素晴らしかったものの、
色々とバランスの悪さを感じさせる作品だった。

「」は面白い?つまらない?

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