「異世界かるてっと」レビュー

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コメディ
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評価 ★★★☆☆(59点) 全12話

あらすじ それぞれの異世界にふと出現した「ボタン付きスイッチ」。これを様々な経緯で押してしまったことで、学校と思われるグラウンドへと飛ばされてしまう引用- Wikipedia

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このすばがいれば大丈夫

本作品はTVアニメオリジナル作品。
監督は芦名みのる、制作はスタジオぷYUKAI
1話10分ほどの短編アニメ。

集え異世界転生者


引用元:©異世界かるてっと/KADOKAWA 

この作品は「異世界かるてっと」というタイトルの通り、
異世界がテーマになってる4つの作品が1つに集まっている作品だ。

『幼女戦記』『オーバーロード』
『この素晴らしい世界に祝福を!』『Re:ゼロから始める異世界生活』という
4つのアニメ作品のキャラクターたちが
同じ異世界に「再転送」されるところから物語が始まる。

しかもなぜか「学校」だ(笑)
同じ世界になぜか集められた彼らは同じクラスで授業を受けることになる。
もはや意味不明な状況でしかないが、
そこを「ギャグ」だからこその強引さで無理やり納得させている

世界観もキャラクターも本来ならまるで違う4つの世界の
キャラクターが1つの世界に集う。
まるでスーパーロボット大戦のようなお祭り感は強い期待感を感じさせてくれる

え?そのキャラまで?


引用元:©異世界かるてっと/KADOKAWA 

はっきりいってキャラクターが異常なまでに多い。
各作品の主人公とヒロイン一人などという縛りはなく、
各作品のメインキャラからサブキャラまで、
「え?そのキャラは必要なの?」と思うキャラまで一緒に転送されている。

本来、この手のギャグ作品の場合は話が進むごとに
キャラクターが追加されることが多いが、
この作品は最初からドバっとキャラクターを学校という場所に放り込んでいる。
本来ならこのキャラの大差をさばくのは難しいはずなのだが、
テンポの早いストーリーの中でうまいことキャラクターを使いこなしている。

基本的にキャラクターは早口だ。
だが、ギャグだからこそのその早口が心地よく、
1話10分ほどの短い尺の中でメインキャラからサブキャラまで
きちんと一人ひとりに台詞があり、そのキャラらしい言動が
ボケとツッコミを生んでいる。

もはや、各キャラが自己紹介してるだけで面白い(笑)
いちいち各キャラの自己紹介に違う世界のキャラクターがひっかかりを覚えたり
違う世界のキャラからみた別の作品の世界のキャラの印象の感想が
素直で、それが自然な笑いにつながるギャグになっている。

例えば幼女戦記のキャラクターが軍人らしく挨拶をすると、
このすばの主人公でもあるカズマが「うわー戦争の世界の人たちだよ」と
ぼそっと言い放つ、するとさらにオーバロードの主人公でもあるアインズが
同じように「うわー戦争の世界の人たちだよ」と心の声で叫ぶ、
これがなぜだか面白い(笑)

ものすごく絶妙な台詞回しだ。
ただ自己紹介してるだけで、それを聞いた感想を述べてるだけ、
それが何故か面白く、各キャラクターの特徴をしっかり掴んでおり、
各作品の世界での主人公格、メインキャラ格のキャラ立ちしてる
キャラクターたちだからこそ何気ないセリフの掛け合いが面白い

アインズがいつものように口上をのべて自己紹介すれば
「滑った」空気感が出る(笑)
当たり前だ、異世界のファンタジーの世界だからこそアインズの
キャラクター設定にちなんだ自己紹介だが、
それを学校の自己紹介でやられたら滑るに決まっている。

その滑った空気感がギャグになっている。
本来の作品の世界観とは違う世界観にキャラクターが移動しただけで、
いつものセリフの印象がここまで変わり、ギャグになるのは
意外な盲点と言えるかも知れない。

この素晴らしい世界に祝福を


引用元:©異世界かるてっと/KADOKAWA 

このちぐはぐともいえる世界観をある意味まとめてるのが
「この素晴らしい世界に祝福を」のキャラクターたちだ。
彼らは元の作品の世界でももはやギャグアニメのような言動や行動が多い。
だからこそ、このギャグアニメの世界では中心の存在になる。

彼らがいつものノリで暴れまわるからこそ、
他の作品の世界のキャラも彼らに強制的に巻き込まれるように
ギャグアニメの世界の住人になってしまう。

本来は硬派な世界観の幼女戦記のキャラクターも、
オーバロードのアンデットな面々も、
彼らのノリに巻き込まれればあっという間にギャグになる。
「この素晴らしい世界に祝福を」のキャラが出ているからこそ、
この作品がある程度、ギャグとしてのまとまりが出ていると言える。

オーバロード


引用元:©異世界かるてっと/KADOKAWA 

オーバロードのキャラクターたちは非常にいい塩梅のキャラクターだ。
前述したアインズの口上だったり、アンデットな彼らの見た目そのものが
ギャグとして利用されることもあり、
恋する女としてレムと意気投合するアルベドなど
キャラクターの立ち位置も絶妙だ。

アインズはアインズでターニャに存在Xか?と危惧されたかとおもえば、
同じ日本からの転移者として意気投合したりするさまな何とも言えない。
幼女とアンデットが二人仲良くベンチで会話してるさまは
微笑ましさすら生まれており、この作品だからこそのシーンと言えるだろう。

更に「コキュートス」が先生と手を挙げる様は、
ただ手を上げてるだけなのになぜかおもしろい(笑)
見た目と普段のキャラクター性から生まれるギャップが、
オーバロードのキャラクターたちのギャグとしてしっかり活用されている。

幼女戦記


引用元:©異世界かるてっと/KADOKAWA 

彼らはこのギャグ空間においても「軍人」として行動する。
どちらかといえば常識人としてキャラの濃ゆい面々を見守ってるシーンも多いが
主人公であるターニャ以外のサブキャラたちが
他のキャラに巻き込まれて慌てふてめく様は面白い。

また先生として登場する「レルゲン」も原作と同じように
ターニャを警戒するさまがギャグにもなっており、
彼の渾身の「かくし芸」は最大の笑いところかも知れない。

ターニャよりも彼女部下たちの「反応」や常識人としての視線が
ギャグをより強めている。

Re:ゼロから始める異世界生活


引用元:©異世界かるてっと/KADOKAWA 

その反面で存在感がないのがリゼロのキャラクターたちだ。
他の作品のキャラクターが非常に濃ゆく、
濃ゆいからこそギャグでもなんでもこなせてしまえるキャラクター性があり、
彼らの設定やいつもの調子が混ざり合うことでギャグになっている。

しかし、その一方で「Re:ゼロから始める異世界生活」の
キャラクターたちは存在感が薄い。
いつもの調子の会話やキャラクター設定にあったセリフはあるものの、
他作品に比べるとややパンチが弱い。

ギャグ要員として中途半端な立ち位置であり、
どちらかというとリゼロのキャラの「可愛さ」が強調される
シーンのほうが多い。キャラクターが濃ゆく、ボケ要因の多い本作品において
ある意味で閑話休題的な「癒やし」要素と言えるかもしれ合い。

共通点


引用元:©異世界かるてっと/KADOKAWA 

4つの作品のキャラクターたちには共通点がある。
例えばカズマとスバルは異世界に転送、転生されてきた立場だが、
異世界転生者の割にはふたりとも俺Tuee的な能力は持ち合わせていない。
ターニャとアインズも異世界転生前は「サラリーマン」だったという
共通点がある。

話が進んでくると、この共通点をきっかけにキャラが徐々に仲良くなっていく。
各作品の主人公たち以外もサブキャラ同士が関係を持ち、
それぞれのキャラクター設定をきちんといかした「掛け合い」が生まれ、
共通点や似通った要素のあるキャラクター同士の会話が
自然に「あるあるネタ」的なギャグになっていたりもする。

逆に「共通点」はありつつも、まったくもって違う点もある。
例えばカズマは駄目なヒロインしかいないが、
スバルには可愛いヒロインに囲まれている。
同じような境遇のように見えて実は違うという要素を活かし、
それをギャグにしている。

本当に1つ1つの「ギャグ」の作り方が上手い。
それぞれの作品のキャラをきちんと理解し、そのキャラ同士を
どうかけ合わせれば面白いのか?というのがきちんと考えられており、
絶妙な塩梅の台詞回しが笑いを生んでいる。

意外なキャラ同士の関係性がこの作品だからこそ気づかれていき、
話が進むごとに面白さも増していく。

終盤


引用元:©異世界かるてっと/KADOKAWA 

終盤になると更にサブキャラたちが追加で召喚される。
よりにぎやかな状況になり、学校という場所を生かした
林間学校や体育祭も開催される。

この可愛らしいキャラクターデザインを保ちつつ、
体育祭という体ではあるものの「戦闘シーン」を描いており、
世界観の違う4つの作品の技や魔法が次々と繰り出されるさまは面白い。

ただ2期を想定したストーリー構成だからか、
ややストーリー的に中途半端なところで終わってしまったことが残念だが、
逆に言えば「2期」に期待できる部分も多く、
2期で追加される「転校生」がいったい、どの作品のキャラなのか
すごく気になるところだ。

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総評:脚本力


引用元:©異世界かるてっと/KADOKAWA 

全体的に見て脚本が良くできている作品だった。異世界転生or転移という
共通点のある4作品が同じクラスの生徒として学校生活を行う。
一癖も二癖もあるキャラクターたちだが、作品ごとのキャラクターの特徴を
よく掴み、キャラ同士の共通点から交流を深め、
徐々にキャラクターがな曲なっていくさまが面白い。

「この素晴らしい世界に祝福を」という作品のキャラが
もともとギャグテイストが強い作品なだけに、彼らに巻き込まれるような形で
他のキャラクターもギャグキャラのようになっており、
彼らが居るからこそ他の作品のキャラが「キャラ崩壊」させずに
ギャグにしている。

幼女戦記はいつもの軍人のノリがありつつターニャは存在Xの存在を気にして、
オーバロードはアンデットであり主でアインズを慕い、
アインズも彼らの主たらんとする。これだけで面白い(笑)
別に彼らが懇親のボケを自ら放ってるわけではないのに、
いつものノリが「学校」という空間とこの素晴らしい世界に祝福をの
キャラクターたちのおかげでギャグになっている。

ただ、「Re:ゼロから始める異世界生活」はこの濃いメンツの中では
中途半端なキャラクターとも言える。
レムの相変わらずの可愛らしさや、エミリアのいつもどおりな言動など
ギャグの世界における閑話休題的な癒やし要素とも言えなくはないが、
やや存在感が薄かったことは否めない。

しかし、この4つの作品のキャラクターをきちんと把握し、
それを「異世界かるてっと」という作品の中に落とし込み、
ギャグアニメとしてきちんと1つの形にしている。
キャラ同士のバランス、台詞の掛け合いと脚本の良さを
作品全体から感じることのできる作品だ。

2期もこの調子で安定してやってほしいところだ。
1期最終話で現れた「転校生」がいったいどの作品のキャラなのか。
期待したいところだ。

個人的な感想:予想以上の出来栄え


引用元:©異世界かるてっと/KADOKAWA 

この手のSDキャラによるスピンオフアニメはたまにあるが、
作品の枠を超えた「異世界」というくくりでギャグアニメにするというのは
初めてではないだろうか?
かなり斬新な試みであり、一歩間違えば全然おもしろくない作品になりそうだが
絶妙なバランスで仕上げている作品だった。

ただ良くも悪くも「このずば」のキャラありきな感じは否めない。
リゼロのキャラはあまり必要性を感じない部分も大きく、
2期で追加される作品によっては更に影が薄くなりそうなのがやや
心配なところだが、上手いことやってくれることを期待したい。

個人的には「コキュートス」で妙に笑ってしまった(笑)

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