セクシー

おかえり、紳士アニメ「かくして! マキナさん!!」レビュー

3.0
かくして! マキナさん!! セクシー
画像引用元:©里好/双葉社・「マキナさん」製作委員会

評価 ★★★☆☆(42点) 全12話

TVアニメ『かくして! マキナさん!!』公式PV/"KAKUSHITE!MAKINA-SAN!!"Official Trailer

あらすじ メカオタクの男子高校生・阿久津栄太は、クラスメイトの我妻マキナがセクサロイドであることを知る 引用- Wikipedia

おかえり、紳士アニメ

原作は月刊アクションで連載中の漫画作品。
監督は西田正義、制作はBloomZ

ギャルでありロボ

1話冒頭からヒロインの入浴シーンから始まる。
クラスでも人気なギャルなヒロイン、そんなヒロインに対し
主人公は陰キャなメカオタクだ。

オタクに優しいギャルというのはよくあるのだが、
この作品のギャルはギャルと言っても中身は「ロボット」だ(笑)
そんなギャルなロボットが主人公に家に訪れるもののボロボロだ。

陰キャなメカオタクが少しずつ彼女を直すのだが、
彼女はロボットはロボットでも「セクサロイド」だ。
完全自立型AIのアンドロイドであり、
「エージェント」として自らの身体を利用して情報を仕入れるロボットだ。

大胆に性的行為を迫る姿はロボットらしく、恥じらいというものがない。
そんなヒロインに対し主人公はもちろん童貞だからこそ、
教科書以上の知識を知らない。
しかもヒロインは「データ閲覧」の制限がかかってるせいで
詳しいやり方を知らない(笑)

ヒロインであるマキナさんの友人がBL趣味を持っており、
そのせいで間違った知識も仕入れてしまっている。

「ほら!前立腺どこよ!肥大化させなさいよ!」

アニメで「前立腺」という言葉を何回も聞くとは思わなかった(笑)
ギャルでロボットなのにまともな知識がない、
それがギャグにもつながっている。
しかも、1度大破してしまったからこそ体にガタがきており、
しょっちゅう頭や脚が外れる。ある意味フェチズムを感じる描写だ。

同居

メカオタクで一人暮らしの主人公は
マキナさんにとっては都合の良い存在であり、
家がなぜか爆発してしまった彼女は主人公の家に転がり込んでくる。
学園生活の中で彼女が「メカバレ」しないように
主人公はサポートしつつトラブルが起きる日常が描かれる。

ドタバタした日常セクシーラブコメはどこか懐かしいノリがある。
10年くらい前にはこういうアニメもちょこちょことあったのだが、
規制が厳しくなり、そういう漫画自体が減ってしまったことで
アニメの数も減ってしまった。

しかし、この作品はあえて時代を逆行するような
セクシーラブコメを作り上げている。
「kiss×sis」や「れでぃ×ばと! 」、
あのころのセクシー要素満載なラブコメ的な臭いが漂っている。
いわゆる紳士アニメだ。

配信版や地上波などは規制バリバリではあるものの、
僧侶枠でおなじみのAnimefestaさんではそういった制限もなく見れるようだ。
かなり大胆な描写が多いだけに、
制限なし版も気になるところだ。

マキナさんはロボだ、このロボであるということが
この作品の最大の特徴でありフェチズムだ。
「メンテナンス」と称して主人公に分解されいじくり回される姿は
相当に特殊なフェチズムを感じる描写だ。

セクシーな描写も多く、真っ裸なシーンも多いのだが、
それが同時にアホっぽさにもつながっており、
常にバカバカしい絵面ばかりだ(苦笑)

2体目

中盤になると別のロボ娘もでてくる。
2体目の「ミミカ」はマキナさんにとっての妹であり、
彼女の家を爆破し、彼女の体を奪おうとしている。

伽羅が増えることにドタバタ感が増していき、ワチャワチャと
日常が盛り上がっていくものの、1話15分という尺もあって
1話毎の区切りが悪く、ストーリー進行も遅い。

規制版の場合は裸のシーンも多いせいか
画面が閲覧制限でいっぱいになったりもしたりと、
この手のアニメの欠点も目立つ。

しかし、ミミカがでてくることで
ドタバタコメディ感も強くなる。
終盤になると3体目、彼女たちの1番上の姉まででてくることで
ワチャワチャめちゃめちゃしている。
ただ、それでもやや終盤にはマンネリ感が生まれる。

製造元

3体のアンドロイドは未知の技術が使われており、
ある程度は自己再生能力まである。
そんなとんでもない技術、見た目とAIの機能はあまりにも未来の技術だ。
製造元に関しては匂わせてる部分はあるものの、
はっきりと明らかになるわけでもなく1クール終わってしまっている。

最初から最後まで作画は安定しており、
いい意味でのバカバカしさは貫かれている作品ではあったものの、
ややテンポ感の悪さとマンネリ感を感じて終わってしまう作品だったものの、
最終話で股間を掃除機で座れるヒロインの姿で笑って追われる作品だった(笑)

あくまで本編といえるのは修正なしバージョンの
アニメフェスタ版のほうなのだろう。
かつての紳士アニメは円盤が本編だったが、
今の時代は配信が本編なんだなというのを感じる作品だった。

総評:見た目はギャル!中身はロボ!

全体的に見て清々しいまでの紳士アニメだ。
見た目はギャルで中身はロボ、そういう設定の中で
ロボットなのにろくな知識がなく、偏った間違った知識がギャグになり、
ロボットだからこそのフェチズムを感じるシーンや、
ロボットだからこそのバカバカしいセクシーシーンの数々に独創性を感じる作品だ。

規制も多く、セクシーなシーンも多いため人を選ぶ作品だが、
10年、15年前の紳士アニメを楽しんでいた紳士たちには
たまらない作品だろう。

ただ1話15分なのにストーリーの進行が遅く、
1クール、ほぼ序章で終わってしまっている。
終盤にはマキマさんが学校に行きだし、シチュエーションの幅が広がったが、
それまではほぼ家の中でのシチュエーションがあまりにも多い。

これが1話30分だったら気にならなかったが、
1話15分だからこそストーリーもあまり進まず、
シチュエーションにもあまり変化がなかったのは残念なところだ。
それでも、少し懐かしい紳士アニメとして楽しめる作品だった。

個人的な感想:蘇る紳士アニメ

この手のアニメは2期がないことが多いからこそ、
話の続きは原作でねという意味合いも強いのだろうが、
もう少し1クールの終盤くらいの内容を
中盤くらいで欲しかった作品だった。

もう少し続きまで見てみたい。
話の幅もキャラが増えることで広がりだしただけに、
ここからもっと面白くなりそうなところで終わっているのはもったいない。

アニメの作画のクォリティはかなり安定していたが、
原作のクォリティも非常に高く、
月刊誌とはいえこういう作品が今も連載されているんだなと
感慨深い気持ちにもなる作品だった。

紳士アニメの再ブームが来る日も遠くないのかもしれない。

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