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「魔女見習いをさがして」レビュー

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評価 60点 全91分

あらすじ 教員志望の大学生ソラ、帰国子女の会社員ミレ、フリーターのレイカ。年齢も住む場所も悩みも全てが違う3人だったが、不思議な巡り合わせで一緒に旅に出ることに。引用- Wikipedia

忘れてるものはありませんか?

本作品は「おジャ魔女どれみ」20周年記念として
製作された劇場アニメ作品。
監督は佐藤順一、鎌谷悠、制作は東映アニメーション。
「おジャ魔女どれみ」スタッフが再集結して作られた作品だ。

本作品は「おジャ魔女どれみ」20周年記念として
製作された劇場アニメ作品。
監督は佐藤順一、鎌谷悠、制作は東映アニメーション。
「おジャ魔女どれみ」スタッフが再集結して作られた作品だ。


画像引用元:「魔女見習いをさがして」予告より
(C)東映・東映アニメーション

冒頭、懐かしい姿の影が映し出される。
「どれみ」たちはあの頃の姿のまま、あの頃の声で彼女たちに問う。
みんなはおとなになったら何になりたいの?と。
この作品の主人公は「おジャ魔女どれみ」のどれみではない。

タイトルに「おジャ魔女どれみ」とついておらず、
「おジャ魔女どれみ」ファンとしては彼女たちの物語の続きを
20年越しに見られるかも?と期待した人はいるはずだ。
実際にアニメの後にどれみたちが「高校生」になった小説作品が
出ており、多くの人はその姿の映像化を望んでいたはずだ。

それだけにそこを期待していた人は肩透かしを食らう部分ではある。
だが、この作品はドレミたちが主人公ではないものの、
ある意味であの頃の「私」たちが主人公の物語だ。

20年後の私達


画像引用元:「魔女見習いをさがして」予告より
(C)東映・東映アニメーション

20年前子供だった私達、
「おジャ魔女どれみ」や「デジモンアドベンチャー」、
TVの前で見ていた私達、そんな私達も20年たって大人になっている。

サラリーマンやOLになってる人もいる、大学に通ってる人もいる、
地元でフリーターをしている人もいる。
年齢も19歳~27歳までバラバラで職業も住んでる場所も違う。
しかし、この作品の主人公3人と私達には共通点がある。
あのころ「おジャ魔女どれみ」を見ていた。朝アニメを見ていたことだ。

もう、「おジャ魔女どれみ」がアニメであることもわかっている。
作り話で本当に魔法なんてないことなんてわかっている。
彼女たちに襲いかかっているのは「現実」だ。
会社に入って上司との関係に悩み、自分の進路で悩み、
ダメな彼氏と別れられない自分で悩んでいる彼女たち。

彼女たちの悩みは生々しさすら感じる。
あのころ「おジャ魔女どれみ」を見ていて大人になった私達も
似たようなことで悩んだことがあるはずだ。
3人の主人公にどこか自分を重ねられるようなキャラクター描写があり、
感情移入を誘われる。

偶然という名の魔法


画像引用元:「魔女見習いをさがして」予告より
(C)東映・東映アニメーション

そんな3人が「おジャ魔女どれみ」がきかっけで出会う。
本当に些細なキッカケだ、「MAHO堂」のモデルになった洋館に、
ファンだからこそ彼女たちは訪れ、偶然出会ったに過ぎない。
日々の生活に疲れ、好きだったアニメの聖地に訪れ
癒やしを求めていただけだ

「あなたたち、おジャ魔女どれみ見てたでしょ?」

年齢も住んでる場所も仕事も違う3人が「おジャ魔女どれみ」という
共通点で出会い、話し、お酒を飲み、
おジャ魔女どれみの話に花を咲かせる。

大人になってからは新しい友達ができることは少ない。
だからこそ、彼女たちは「新しい友達」との共通の話題で会話を
楽しみ打ち解けていく様子が微笑ましく、
大人だからこその居酒屋でのオタク談義にニヤニヤしてしまう。

そんな彼女たちが「聖地巡礼」の旅行に出かける。

聖地巡礼


画像引用元:「魔女見習いをさがして」予告より
(C)東映・東映アニメーション

この作品は「佐藤純一」監督作品らしく風景の描写が素晴らしい。
「おジャ魔女どれみ」シリーズの監督を努めていた佐藤純一監督が、
この20年で作り上げてきた作品を感じさせるような
街並みの描写は「新海誠監督」作品のような美麗な作画ではなく、
あくまで「おジャ魔女どれみ」の雰囲気を崩さない作画で描かれている。

3人と一緒に「おジャ魔女どれみ」の中に出てきた舞台に赴き、
3人と一緒に旅をしているような、そんな気分に自然とさせられる。
やや聖地巡礼や風景や街並みを映したり電車などで移動する際の
ダイジェストシーンが多いところは気になるものの、
おジャ魔女どれみが好きな人は一緒に聖地巡礼してる気持ちになれる。

そんな聖地巡礼の中で3人は互いの悩みや現状を打ち明ける。
ゆったりとした旅行とは裏腹に彼女たちが抱える問題は難しい。
上司に嫌われ移動させられたOL、
発達障害を持つ生徒の交流に悩む大学生、
ダメ彼氏と別れられず幼い頃に離れた父の面影を探しているフリーター。

彼女たちが抱える問題は停滞しているのと同じだ。
現状を打破しなければいけないと思いつつも、それができない。
子供の頃ならばもっと自由に、
魔法を使って空も飛べると信じていたはずなのに
大人になるとそれが出来ない。

そんな中で1度だけ魔法を試しに信じてみようじゃないかと言い放つ。
停滞してるからこそ、自分ではどうしようもないからこそ、
魔法なんてないとわかってはいるけれど何かに頼らないと
この状況から一歩に進めない。偽物の魔法玉を握りしめ、
あいちゃんが好きだった少女が、父に会いたいという思いで呪文を唱える

「パメルクラルク ラリロリポップン」

本当に魔法が起きるわけではない。
しかし、それは偶然という名の魔法に繋がる。

ぶつかりあい


画像引用元:「魔女見習いをさがして」予告より
(C)東映・東映アニメーション

父に偶然に再開できても、それが良い結果につながるとは限らない。
母と離婚をした父には新しい家庭ができ、娘は拒絶される。
そんな拒絶から戸惑い、八つ当たりに近い感情を仲が良かったはずの
二人にもぶつけてしまう。

彼女は3人の中でも最年少だ。駄目な彼氏にお金をねだられ、
彼氏に甘く、駄目とわかっていても離れられない。考え方も幼く若い。
だからこその八つ当たりだ。
ただ、この辺りの展開や3人の関係性の描写はやや突飛であり、
「展開を作るための展開」になってることは否めない。

しかし、仲直りにつながる展開はこの作品らしいものだ。
喧嘩をしてしまった友達同士、こんな時どうすれば良いのだろうか、
こんな時「どれみちゃん」ならどうしてただろうかと。

彼女はBDで改めて「おジャ魔女どれみ」を見直し、どれみちゃんが
はづきちゃんと喧嘩をしていた回を見て思い立つ。
会って素直に謝る、それが1番の解決策だ。
大人になるとなかなか難しくなることを「おジャ魔女どれみ」を
見返すことで自分を見直す。

この作品らしい展開の作り方、まっすぐなストーリー展開が
この作品にはあり、おとなになって新しく出来た友達同士が
徐々に仲良くなり、自分の弱さを見せ、時には喧嘩をして、
仲直りをして、より仲良くなる。

そんな中で一歩を踏み出す。
あるものは会社をやめ、あるものは新しい道に進み、
あるものは彼氏と別れる。
停滞していた「今」が出会いによって変わっていく。

残り30分


画像引用元:「魔女見習いをさがして」予告より
(C)東映・東映アニメーション

ただ作品の尺を残り30分ほど残した段階で
3人の悩みはほとんど解決している。
残り30分、何をするかと思えばまた聖地巡礼だ(苦笑)
やや聖地巡礼シーンが長すぎると感じるのは欠点であり、
ラストのこの30分は後付感のあるエピソードになってしまっている。

特に後30分しかないのにいきなり出てきた
「どれみ男性ファン」は色々と謎だ。
おジャ魔女どれみという作品における男性ファンの許容としての
キャラクターであることは分かるものの、唐突に3人の主人公のうちの
一人が彼に惚れる。尺はもう30分もない。

これで最初の聖地巡礼のときに彼と出会い、
そういった恋愛要素を匂わせているならば受け入れやすかったものの、
残り時間もあまりない中でいきなり現れたキャラにいきなり惚れて、
あーだこーだ恋愛を描かれてもいまひとつしっくりとこない。

彼のキャラクター設定も謎であり「おジャ魔女どれみ」が好きという
設定自体は良いものの、過去にSNSで炎上した過去があり(理由不明)、
人とのコミュニケーションが下手で友達などが居ないという
謎の設定がある。

そんな彼に告白する。魔法の言葉で一歩踏み出すという展開は
中盤でも描かれた展開であり、それで叶うならまだ分かるが、
上記の理由からお断りされてしまう。自分は人を傷つける人間だからと。

それに対し彼女は「私も二人と出会って変われたから変われるはず」と
提言し、彼もそれに納得しているような感じなのだが、
結局は振られてしまう。彼女の変われるという意見に納得したのならば
友達から付き合いはじめて変わっていこうみたいな流れになるかと
見てる側に予想させておきながら、振られておしまいだ。

ちょっとこの終盤の展開についていけず、
冗長な聖地巡礼シーンを少し削って、もう少し彼の
キャラクターを掘り下げるべきじゃなかったか?と
感じてしまうポイントだ

ラスト


画像引用元:「魔女見習いをさがして」予告より
(C)東映・東映アニメーション

しかしながらラストはスッキリとした展開だ。
彼女たちは彼女たちなりに「魔法」について答えを出す。
たとえ空は飛べなくても、それぞれが持ってる魔法。
一人では出来なかったことが3人が出会い、仲良くなったからこそ
彼女たちは変われた、前に進めた。

誰しも本当は魔法が使えるんだという答えにたどり着く。
自分にはないものも誰かにはある、
自分にはないものは誰かにとっては特別で、魔法だ。

子供の頃の自由さ、何でもできる気がしてたあの頃の自分に戻り、
「どれみ達」に出会う。なりたい自分になれると思ってたあの頃、
TVの前にしがみついてたあの頃の自分たちと、そこにいる「どれみ達」。

それまで「影」しか描かれず、どこかで「声」は聞こえていた。
そんな「どれみ達」が子供の頃の自由な気持ちを思い出した
彼女たちの前に現れてくれる。

子供の頃の自由な気持ち、何でもできる気持ちを
大人になっても「忘れない」ことの大切さを感じさせ、
気持ちのいいラストとあの曲で映画の幕は閉じる。

総評:ハッピーラッキーみんなに届け


画像引用元:「魔女見習いをさがして」予告より
(C)東映・東映アニメーション

全体的に見て「おジャ魔女どれみ」の続編と思ってみてしまうと
かなり肩透かしを食らう部分はあるものの、
「おジャ魔女どれみ」を見ていた私達へ贈る映画と思ってみると
じんわりと染みてしまう作品だ。

子供だった視聴者が大人になり、聖地巡礼をして同じファンに出会い
仲良くなり、自分の悩みを吐露し、時にはぶつかりあい、
時には背中を押され、今の自分が変わっていき、一歩踏み出せる。

ストーリーとしてはシンプルではあるものの、
そこに「おジャ魔女どれみ」らしい要素、コミカルな演出を足すことで
決して重くなりすぎずに物語が展開し、
あの頃の朝アニメを見てきた世代の「共感」を誘う作品だ。

この作品は「おジャ魔女どれみ」はフィクションであると決定づけてる。
しかし、それでも魔法を否定していない。この作品は決して
「大人になれ」と言ってるわけではない。
むしろ、大人になったからこそ「子供の頃の自由な気持ち」を
思い出してほしいといわんばかりのストーリーだ。

個人的な感想:石田彰


画像引用元:「魔女見習いをさがして」予告より
(C)東映・東映アニメーション

個人的にはとあるキャラを石田彰さんが演じてて笑ってしまった(笑)
「魔女見習いを探して」と同時に「鬼滅の刃」でも大活躍しており、
全然違うキャラクターを演じてる彼になぜか笑ってしまった。
ちなみに今作では破壊殺は使わないので安心してほしい。

私自身、おジャ魔女どれみの記憶はそこまで色濃く残ってるわけでなく
キャラクターとなんとなくストーリーを覚えてるくらいで
この作品を見に行ったものの、
何も問題なくほろりと感動できてしまう作品だった。

気になるところがないといえば嘘になるものの、
懐かしさと制作側が伝えたいメッセージがきっちりと伝わる作品だった

「」は面白い?つまらない?

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